ブラック・ハザード しばらく凍結   作:生地ネコ

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今回は書いてたら結構速く進んだ。

いつもこれくらい早く思いつけばいいのに・・・。


原作スタート

東京エリア 夕刻

 

 

春先の温かい空気の街中を一台のバイクが走っていた。 

 

艶消しの黒に染まったバイクにまたがっているのはこれまた黒いシャツに黒のジーンズにブーツと言った全身黒ずくめの男だ。

しかもかぶっているヘルメットまで黒のフルフェイスという徹底ぶりだ。

 

男はそのまましばらく道を走っていたがふとスピードを落とし道の脇へとバイクを止めた。

 

そして近くの電柱の住所を確認してぽつりとつぶやいた。

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・ここどこだ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

男は迷子になっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺なんでこんなところにいるんだ?」

 

 

男はぽつりとつぶやいた。

 

直前まで部屋にいたはずなのになんで・・・。

 

男は目的もなくふらふらと歩きながら町の中を彷徨っていた。

 

家に帰ろうそう思っても家が何処だったか男は思い出せなかった。

 

しばらくぼーとした状態でうろうろと歩き続け、

 

 

「蓮太郎の白状ものめえぇぇぇーーーー!!!

 

突然近くを歩いていた女の子の叫びにも似た怒号で意識が覚醒した。

 

周囲を見渡すと大きな髪留めをしたツインテールの少女が男の脇を通りすぎて行った。

 

 

近くを見渡したがその少女しかおらず男はその少女に道を尋ねることにした。

 

そしてその少女によって自分の現状を知ることとなる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

「すまない、迷惑かけるけどよろしく頼む」

 

「うむ、承った」

 

少女こと藍原延珠(あいはらえんじゅ)が頷くと男は人の形を崩しその姿を巨大な怪物に変えた。

 

ステージⅠモデルスパイダーのガストレアへと。

 

ガストレアはその赤い目で睨みつけるように延珠を見た

 

そのガストレアを前に延珠は構えを取った。

 

二人、いや、一人と一匹が互いににらみ合いこう着状態ができていた。

 

 

「キャアアアアアアア!!!」

 

「な!?」

 

悲鳴を聞き延珠が振り返るとそこにはガストレアの姿を見て悲鳴を上げる若い女性の姿があった。

 

驚き振り返ってしまったことでこう着状態で動きを止めていたガストレアが動いた。

 

「ッ!?しまった!」

 

 

ガストレアは延珠を飛び越え悲鳴を上げる女性へと向かっていく。

 

 

「早く逃げるんじゃ!!」

 

延珠がそう叫ぶが女性は腰が抜けたのかその場にへたり込んでしまった。

 

延珠はそれを見るとすぐさま女性へ向かうガストレアに追いつこうとした。だが圧倒的にガストレアの方が早い。

 

ガストレアが飛び掛かり女性がやられると延珠が思った時、

 

 

 

 

 

 

 

BOOOOOOOOOOOON!!!!

 

 

 

 

 

 

けたたましいバイクの音と共にガストレアに黒いバイクが飛んできた。

 

 

バイクはガストレアを弾き飛ばすと地面に着地し地面にタイヤ痕を残しながら女性を守るように止まった。

そしてバイクにまたがるライダーがフルフェイスのヘルメットの頭ををガストレアに向け威嚇すようにバイクを吹かした。

 

「バ、バイク?」

 

延珠が驚きながらガストレアの方を向くとさらに驚愕することが起きていた。

 

「な!?」

 

ガストレアがバイクの方を睨みつつも怯むように引き越しになっていた。

ライダーがバイクを吹かすたびガストレアが怯えるようにビクと反応する。

 

(ど、どういうことじゃ?なんでガストレアがあんなに怯えて・・・!?まさか!??)

 

思わずライダーを見た延珠に一つの可能性が浮かんだ。

 

「ま、まさかお主!!」

 

そう叫ぶとバイクのライダーが延珠の方を向いた。

 

ライダーの注意が自分から離れたことでガストレアは再度行動を開始した。

 

そう

 

逃走という行為に。

 

 

「あ!」

 

延珠がそれに気づき声を上げる。

 

だがその逃走は叶うことはなかった。

 

ライダーが顔を戻すといつの間にかライダーが手に持っていた銃『ハンドガン909』から銃弾が数発はなたれガストレアの体、そして頭を貫いた。

ライダーはそのまま銃の弾が尽きるまで打ち続けた。

 

弾が尽き銃撃がやんだ。

 

そして排出されたマガジンが地面に落ちると同時にガストレアの巨体は地面に倒れた。

 

あまりの光景にしばし固まっていた延珠だがはっと気が付いた様にライダーに駆け寄った。

 

「お、お主・・・まさかほんとに・・・。い、いや、今はそれより、ガストレアにとどめを」

 

男にそう話しかけると男はバイクのエンジンを切り降りた。

かなり背の高い男で見下ろされた延綬はちょっと恐怖を感じた。

 

「大丈夫だ、も・・・・・、必要ない」

 

「?だ、だがガストレアは普通の銃弾では倒せないのだぞ?」

 

「ああ、だから大丈夫だ、さっき打ち込んだのはバラニウムだからな」

 

「な!?」

 

驚きつつも延珠はガストレアを見る。

 

ガストレアは倒れたまま起き上がってこず黒血を流し地に伏していた。

 

男のいうとおり死んでいるようだ。

 

延珠は男の方を振り返る。

そして頭を抱えた。

 

「お、おい!どうした!?」

 

突然頭を抱えうずくまる延珠に男はたじろいだ声を上げた。

 

 

ガストレアを倒せるのはバラニウムの武器もしくは銃弾だけ。

 

他の武器ではダメージは与えられてもたちまち治ってしまう。

 

だからバラニウムの武装は必要不可欠である。

 

しかし民警とはいえバラニウムは貴重である。

目の前のライダーの男もおそらくはどこかの民警に所属しているのだろう、そうでもなければああやってガストレアの前に立てるはずがないと。

だが基本、民警とはいえ街中で銃にバラニウム弾を装填している人間はいない。任務のときは別として常にバラニウム弾は所持はしているが最初に言った通り貴重であるためほとんどのどはある程度ダメージを与えてから使用するケースが多い。

 

特に延珠達の所属する会社などは爪に火をともすような経営をしているため特に銃弾の節約などを言い渡されていた。

まあさすがに危険になったらいくら使用しようが文句は言わない。

彼女たちの社長も彼らの命には代えられないと理解してくれる。

ただし、大量消費した次の日くらいは昼時になると水の入ったコップを今日の昼ごはんといいつつやつれた顔で目の前で飲みだすと言う少々の嫌がらせをされるくらいだ。

 

 

少し話がずれてしまったが、先も言ったとうりバラニウムは貴重品であり特にバラニウム弾はかなり貴重と言える。

 

そんなものを惜しげもなく使えると言うことは

 

 

「やはりお主もガストレア討伐の任務を受けた民警なのか?」

 

同業者、しかも少なくとも延珠達の会社よりも大きな会社の人間だろう。

 

延珠は確信しつつ万が一の可能性に賭けてそう尋ねた。

 

「いや、違うが」

 

「そうだよな・・・そうにきまって・・・え?」

 

「いやだから違うって、依頼は受けてない。偶然通りかかったらガストレアがいたから倒しただけ・・・てそんな質問するってことはお前は民警ってことか」

 

驚き固まる延珠に男はなるほどと言った感じでうなずいた。

 

「大方依頼のガストレアをいきなり現れた俺が倒しちまって手柄を持ってかれて困ったってとこか・・・てか悪かったな、横取りするような形になっちまって」

 

「い、いやそれは別にいいんじゃが」

 

「お詫びとは言えないがこいつを倒したのはお前だって報告していいよ」

 

「な、なんと!ホントか・・・い、いやそんなことしたら・・・木更になんて言われるか・・・」

 

「なんか問題あるのか?」

 

「妾は銃は使わんから童が倒したことにするのはたぶん無理だし、それに何よりそんなほかの民警から恵んでもらうような真似をしたら蓮太郎と木更に・・・いや、木更ならいやいや言いながら受け取りそうだな・・・」

 

「そうか・・・うーん・・・」

 

男はしばらく唸るように考えそしてふと懐にまだ持っていた銃をしまい代わりに紙の束を取り出した。

 

そして紙の束に何かを書くとそれをちぎって渡してきた。

 

延珠はそれを受け取り覗き込むが英語と数字が書いてあるのみでよくわからなかった。

 

「なんだこれは?」

 

「ん?ああわかんないのか。まあお詫びだと思ってくれ、お前さんの相棒か上司に見せれば理解してくれるさ」

 

「ん~???」

 

不思議そうに紙を見つめる延珠に男は苦笑しつつ後ろを振り返った。

 

「悪いんだがこれから少し急ぎの用があってな、彼女のこと頼めるか?」

 

そう言いつつそこには気絶した女性が倒れていた。

 

「あ、わすれておった・・・」

 

そう言い申し訳なさそうに女性に駆け寄ると延珠は女性を抱き起した。

 

見るところ怪我もない様子だ。

 

「うむ、わかった。もう少ししたらふぃあんせの蓮太郎も来るから何とかなるじゃろう!」

 

「ふぃ、フィアンセ?」

 

「うむ!ふぃあんせじゃ!!この後一緒にタイムセールで買い物の予定じゃ!」

 

「そ、そっか・・・。最近の子供ませてんな・・・てか子供同士でチームやってるのかよ・・・てかこんな小さい子供がタイムセールって・・・・」

 

「?どうかしたのか?」

 

「いや・・・なんでもない・・・、ちょっと悪いがさっきの紙かしてくれ」

 

「?はい」

 

男は紙を受け取ると一回ペンを動かしまた延珠に紙を返した。

 

ゼロが一個増えていた。

 

男はバイクのにまたがり直しつつ延朱に再度声をかけた。

 

「ああそうだ、すまんが道を教えてくれないか?」

 

紙を再度眺めていた延朱は視線を戻す。

 

「道?どこに行きたいのじゃ?」

 

「聖居」

 

「ああそれなら・・・なぬ?」

 

「・・・の近くにうまいラーメン屋があるらしいから聖居の場所を教えてくれ」

 

「ああそう言うことか・・・びっくりした・・・」

 

「わるい、聞き方が悪かったな」

 

「まったくじゃ、えと聖居は・・・・・で行ける筈じゃ」

 

「ああ悪かったな、と、どうやらお前さんの相棒も来たみたいだしこれでお暇させてもらうわ」

 

そう言い男はバイクのエンジンをかける。

 

遠くの方から蓮太郎の声が聞こえてきたがバイクの音でそれが遮られた。

 

 

「あ、そうだ最後に一つ聞かせてほしいのだが、お主はどこの民警なのじゃ?」

 

「おれは民警じゃないぞ、じゃ」

 

そう言い男は呆然とたたずむ延朱を残し走り去った。

 

 

 

あの男は何と言った?

 

民警じゃないと言ったのか?

 

民警じゃないのにステージⅠとはいえガストレアを簡単に倒しさっそうと現れ消えていく。見返りを求めずこちらの心配をし助ける正義のヒーローのようなその姿。そしてあのバイク。

最初はそんなことはないだろうと思ったがやはりそれしか思いつかない。

 

 

 

 

 

 

 

 

じゃあまさか本当に・・・お主はあの・・・・伝説の・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お主はもしかして、本当に、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

仮面ラ○ダーなのか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「違うわ!!」

 

 

延珠がそう呟くと同時にとライダーの男、ジェイクは一人バイクで走りながらそう叫び声をあげた。

 

 

ひどく間違った認識をされた気がしたから。

 

 

 

 




補足


主人公はブラック・ブレットの大まかな世界観は知っているけど原作は読んでないしキャラも知らないです。内容も聞きかじった程度でうる覚え。

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