東方短編恋愛録   作:笠原さん

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はい、前回に引き続き雪でございます。
恋人といる時の雪〜をどうしても使いたかったので、またもや雪ネタでした。
そこまで関係無くなってましたけどね。

では、どうぞ


恋人達と過ごす雪

「恋人といる時の雪は特別な気分になれる、かぁ…」

 

「いきなりどうした?あ、すみませーん。マルゲリータ追加で」

 

 花の金曜日、某イタリアンファミリーレストランにて。

 向かいの席に座った彼女が唐突に漏らした一言が、思えば全ての出来事の発端だった気がする。

 

 大学の講義が終わった俺達二人は、時間を潰す為にファミレスへ入った。

 女の子と二人きりで食事、と言い換えればトキメキを覚えるような響きではある。

 周りで騒いでいる中学生くらいの男子四人組のせいで、そんな雰囲気は無いけれど。

 

 いつもだったら一緒に行動している筈のメリーは、現在何かの参考文献集めに図書館に行っている。

 待たなくて良いと言っていたけれど、俺はやっぱり三人一緒に帰りたかった。

 そして、意見が一致した俺達は、近場で時間を潰す事にしたのだ。

 

 それにしても、相変わらずこの店は安くていいな。

 人気ナンバーワンのドリアは、三百円足らずで食べる事ができる。

 ドリンクバーと合わせて五百円弱。

 学生の味方と呼ぶに相応しいコストパフォーマンスだ。

 

 と、そんな事を考えながら俺が追加でピザを注文していた時。

 彼女の口から、そんな言葉が出てきたのだ。

 

「ほら、何時だったかニュースで流れてたじゃない?昨日雪が降ったから思い出したのよ」

 

「街頭インタビューでいたな、そんな勇者」

 

 そう、確か去年だかの大雪の日のニュースだった筈だ。

 

 レポーターの雪凄いですね発言に対し、

「恋人といる時の雪って、特別な気分になれて好きです」

 と返したカップルがいたのだ。

 

 あんな台詞を全国に向けてした発した男性はほんとに凄いと思った。

 お前勇気ありすぎだろ、と。

 現在もあのカップルが続いているのか、少し気になるところではある。

 

 まぁ確かに、昨日の雪は凄かった。

 一日経った今でも、道端や電信柱の根元にその名残を目に出来るくらいには。

 

 そう考えると、案外いきなりの発言と言うわけでも無いのかもしれない。

 …いや、やっぱりいきなりだな。

 

「まぁ確かに分からんでも無いな。恋人といれば、何だって特別に見えるんだろうさ」

 

 こんな事を言っているが、俺だってそんなに恋愛経験があるわけじゃない。

 それでも知ったかぶった様な発言をしている事に対しては、出来れば言及し無いで頂きたい。

 

 まぁ、世の中の男なら一度はある筈だ。

 女性の前で、こんな風にあたかも知っているかの様な態度をしてしまう事を。

 

「あれ、あんた彼女いたことあるの?彼女いない歴=年齢な男だと思ってたわ」

 

「結構傷付く事をサラッと言ってくれるなよ…逆に聞くけど、お前はどうなんだ?」

 

 掘り下げられる前に、話題を振り返す。

 

 はいそうですとも。

 そんなにどころか全くありませんよチクショウ。

 

「私も、そんなに恋愛経験あるわけじゃないしな…」

 

 あ、これ多分無いやつだ。

 分かる、分かるぞ。

 俺と同類じゃないか。

 

 そんな事を言ったら何をされるか分からないので、口には出さないでおく。

 て言うか、俺も恋愛経験無い事がバレる。

 

「実際、恋人がいるってどんな感じなんだろうね」

 

「さぁな。その時になりゃ分かるんじゃないか?」

 

 俺に聞かれたって分からない。

 取り敢えず、当たり障り無くそれっぽい解答を返した。

 

 そう言うのはメリーにでも聞いてくれ。

 あいつ大学内でかなり人気あるから、多分そういう経験は豊富だろう。

 

 うーん、こいつも黙って動かなければモテるだろうに…

 いや、それは人間性を否定してる様なもんか。

 

「でもさ、何も考えずに油断してたらいざって時大変じゃない?」

 

 いざって時ってなんだよ。

 そもそも、恋愛に油断なんてあるのか?

 お前は誰かと戦ってるのか?

 

「ほら、いきなりデートだ!ってなっても何をどうすれば良いか分からないじゃない」

 

「それこそいきなりだな。デートなら事前に何処行くかくらい計画立てときゃいいじゃないか」

 

 未だにこいつの思考は読め無いな…

 なんでそこでデートに跳んだんだ。

 

 俺じゃこいつの相手は荷が重いのかもしれない。

 メリーよ、早く帰って来てくれ。

 

「それに、お前がデートだなんて相手はメリーか俺くらいじゃないのか?」

 

「サラッと自分をエントリーさせてる辺り凄い自信だね。否定はしないけど」

 

 そりゃ、結構付き合い長いからな。

 お前が俺とメリー以外の誰かと出掛けるなんて考えられ無いし。

 

 そもそも、お前って大学で他に友達いたっけ?

 いや、流石にいるか。

 

「兎も角、この先誰かとデートに行く事があるかもしれない。いや、絶対あるの!」

 

 凄い自信だな。

 可愛いし可哀想だから否定はしないであげとこう。

 

 いや、でもこいつが俺かメリー以外と一緒に歩いている光景を想像出来ないな。

 例え俺以外の男と手を繋いで歩いていたとしても、その反対の手はメリーと繋いでそうだし。

 

 俺以外って言ったけど、だからと言って俺がこいつと手を繋いだ事があるわけでもない。

 

 

「その為に、先ずはあんたと付き合うわ!」

 

 

「……は?」

 

 やばい、何言っているのか分からない。

 お前は何を言っているんだ?

 

 凄く思考がぶっ飛んだな。

 日本からブラジルくらいまでぶっ飛んだぞ。

 

 流石に、これがこいつなりの告白だとは思えない。

 そもそも、先ずはって言われてOKする様な男なんてどこにもいねぇよ。

 

「シミュレーションよ、シミュレーション。恋人とデートでファミレスに来た時の」

 

 OK、やっと分かったぞ。

 お兄さんビックリして唖然としちゃってたよ。

 

 つまりこいつは、俺に彼氏役をやってくれって言っているんだろう。

 確かに、さっき俺も考えていたけどコレは考え方によってはデートなのだ。

 それくらいなら、別に構わないか。

 

「別にいいぞ。でもさ、具体的に彼氏役って何すればいいんだ?」

 

「……」

 

 今度は向こうが沈黙した。

 うわ、やっぱりこいつ恋愛経験無いだろ。

 少しくらいは直ぐに思い付けよ。

 

 …おう、俺も全く思い付かねぇ。

 恋愛経験無い事がバレると恥ずかしいし、何とかしてこいつより先に案を出さないと。

 

 周りのカップルを参考にしようと見回すけれど、どいつもこいつ手に持った端末しか見ちゃいない。

 それでいいのか、世のカップル達よ。

 

「先ずは…挨拶から?」

 

「お見合いじゃねえんだぞ?」

 

 ダメだこのカップル。

 いや、俺達の事なんだけどさ。

 

「お互いを褒め合う?」

 

「だからお見合いじゃねえんだって」

 

 その流れだと、次は少し歩きましょうかってなるな。

 お見合いの経験なんてないけど。

 

 でも、他に案があるわけでも無いんだよな…

 仕方が無い、褒め合ってみるか。

 

「お前って結構美人だよな。大学とかでよく言われない?俺最初会った時から凄い綺麗だなって思ってたわ」

 

「え、あ、ありがと。あんたも結構優しいわよね。大学とかでよく言われない?」

 

 言われるわけ無いだろアホ。

 もうちょいマシな褒め方をしてくれ。

 しかもお互い褒め言葉の前に結構をつけている。

 実際はどう思っているのかがよく分かるな。

 

 しかし、これはなかなか良いいかもしれない。

 少なくとも、相手はそう思っているだろう。

 

 なんせ、顔真っ赤になってるし。

 

「さりげない仕草とかも可愛いよな。つい女の子なんだって意識してドキッとしちまうぜ」

 

「う、うん。あんたもさりげない仕草が男っぽいよね」

 

 だから言われても嬉しくねぇって。

 あとそれはあまり褒め言葉としては用いられないからな?

 

 だめだな、こりゃ。

 こいつもっと頭良かった気がするんだけどな。

 

「仕方が無い、次いってみようか」

 

 これ以上続けてもカップルっぽい雰囲気にはならないだろう。

 こいつの顔を真っ赤にするのも楽しいけれど、これ以上やると言ってるこっちも恥ずかしくなってくる。

 

「あ、ならさ。お互いにじっと目を見つめ合うっていうのは?」

 

「なんだそりゃ、にらめっこか?」

 

「男って、好きな女性と二秒以上目を合わせられないんだってさ。逆に、何とも思ってない女性とは出来るらしいよ」

 

 …あ、マズイ。

 

 それを言われた後だと、何方に転んでも良い結果にはならない。

 なんとか回避しないと…

 

 その時。

 お待たせしましたー、と先程俺が注文したマルゲリータが届いた。

 これが四百円なんだから驚きだよな。

 

 …お!

 

「丁度手で持ちやすいピザが来たんだし、アーン的な事でもやるか?」

 

「…なんか、あんたが言うと不良が喧嘩売ってるみたいね」

 

 ほっとけ。

 確かに自分で言っててそう思ったけどさ。

 

 兎も角向こうもこの案に乗り気なようだ。

 何とか話題を逸らす事が出来た。

 

 あーん、と言えばかの有名なカップル限定のあの行いである。

 片方が料理を取り、もう片方が料理を食べさせてもらう。

 一度でも恋人をもった者なら試してみた事があるんじゃないだろうか。

 

 恥ずかしいし、食べにくい。

 そもそも外でやる様な事じゃない。

 けれど、もう既にやると言う事は決まっているのだ。

 

 さて、此処で一つ問題が浮上してくる。

 もとから既に問題だらけだろと言うツッコミは今回はスルー。

 

 何方が何方に食べさせて貰うのか、と言う事である。

 

 これまたやった事がある者なら分かるだろうけど、あーんはするよりされる方が精神的ダメージが大きい。

 つまり、恥ずかしい。

 

 要するに、その事に気付いた俺達はお互い恥ずかしい方をなんとしても回避しようとするわけだ。

 

「俺が頼んだんだから、俺が食べさせてやるよ」

 

「あんたが頼んだんだから、あんたが食べなきゃ意味無いじゃない」

 

 はたから見たらさぞかし面白い光景だっただろう。

 注文したものを、カップルが押し付け合っているんだから。

 

「いやいや、ここは甘えとけって。絶対俺の方が上手いから」

 

「あんた、前から誰かに食べさせてもらいたいって言ってたじゃない」

 

 なんかもう言い合いがよくわから無い事になってしまっている。

 つーか俺、そんな事言った覚えねぇんだけど。

 

 しかし、此処で言い争いしていてはピザが冷めてしまう。

 折角ならあったかいうちに食べたいし…

 仕方が無い、俺が折れよう。

 

「はいはい分かりましたよ。俺がしてもらう側でいいって」

 

「よろしい。最初から素直にそう言っておけばよかったのよ」

 

 …こいつ。

 

 怒るな怒るな。

 クールでクレバーな俺がこんな事でホットになってどうする。

 此処は少し、大人の威厳と余裕ってやつを見せつけてやろうじゃないか。

 

 まぁ、普通に考えて役得だしな。

 見た目だけなら可愛いこいつに、あーんをして貰えるなんて。

 

 しかし、此処で素直に負けるのもなんだか悔しい。

 何か俺に打てる手はないだろうか。

 

「…オーケー、ならお前は反対側を咥えてくれよ」

 

「…え、別にいいよ。その位で私がたじろぐと思ったの?」

 

 ふっ、付き合いが長いからこそ俺には分かる。

 お前、今内心めちゃくちゃ焦ってるだろ。

 

 何とも無い様なフリをしてサラッと返事をするからそうなるんだ。

 本当は焦っているのがよく分かる。

 

 おう、俺もなんでそんな提案をしてしまったのか分からない。

 勢いってこえぇな。

 

「…や、やっぱり辞めとかない?こういうのをお店でやっちゃうのも他のお客さんに悪いしさ」

 

「逃げるのかい?」

 

「……いいわよ、やったるわよ!」

 

 つい楽しくて挑発してしまったけれど、此処で俺もやめようって言えばよかった。

 なんで自分から逃げ道を断っちゃったんだろ。

 

 兎も角、お互いに覚悟は決まった。

 後は、実行に移すだけだ。

 

「…や、やっぱりやめとこ?他のお客さんがいるのにこう言うのって迷惑じゃない?」

 

 無視。

 無言で見つめ続ける。

 ちなみに俺は、さっきの話が本当かどうか実証するためにこいつの目を見つめていたりする。

 

 あ、ダメだ。

 思った以上に恥ずかしいわ。

 これ多分好き嫌いに関係無く出来ないだろ。

 

 どうやら向こうも無言の圧力に屈した様で、溜息をついてピザを手にとった。

 

「い、いくわよ?本当にいくからね?」

 

 あむ、と。

 八枚切りにされたピザのミミを咥え、俺の方へ乗り出した。

 

 今思ったけど、お前口塞がってるからあーんって言えないじゃん。

 提案した俺が言えた事じゃないんだけどさ。

 

 んー、と。

 ピザを咥えたまま此方へピザの先端を差し向けられる。

 

 その顔は、物凄く真っ赤だった。

 恥ずかしいのだろう。

 若干目が潤んでいる。

 

 …なんか興奮するな。

 

 おっと落ち着け、俺。

 平常心、平常心だ。

 折角のこの機会を、テンション上げ過ぎて楽しむ余裕を失くしては勿体無い。

 

 恥ずかしいけれど、此処で俺が乗らない訳にもいかない。

 ポッキーゲームのピザバージョンだと思えばこんな物なんでも無いな。

 

 いや、やっぱすげぇ恥ずかしい。

 そもそもポッキーゲーム自体が既に恥ずかしいもんじゃないか。

 

 でもこれ以上長引かせる訳にもいかないし…

 落ち着け、落ち着くんだ俺。

 

 …よし!

 覚悟は決まった。

 

「いただきま

 

 

 

「…何してるの?あなた達」

 

 

 

 何処かで聞いた事のある、寧ろ聞き慣れた声が横から聞こえてきた。

 聞き慣れている、その筈なのにまるで別人かと思ってしまう程冷やかな声だった。

 

 …………

 

 ダラダラと、冷や汗が背中を伝う。

 怖くて動く事が出来ない。

 

 ピザゲームをしようとしていた俺達は、とても間抜けな状態で固まっていた。

 勇気を出して、目だけ横へ向ける。

 

「随分と楽しそうね、あなた達。もしかしてお邪魔だったかしら?」

 

 凄く怖い。

 正直今までで一番怖かった。

 浮気現場を見られた時の様な空気は、俺達二人を完全に震え上がらせていた。

 

 …俺の知ってるメリーさんは、こんな雰囲気と目をしていなかった筈なんだけどな。

 今のメリーなら視線で人を殺せるんじゃないか?

 

「…や、やぁメリー。用事は終わったみたいだな。ピザ食べるか?」

 

「お、お疲れメリー。そろそろ来るかなーって話してた処だよ」

 

「ふーん、そう」

 

 …怖い。

 女って怖い。

 

 無言で俺の隣に座ったメリーは、そのまま無言でピザを手にとった。

 そしてそれに、ドボドボとデスソースを振り掛ける。

 

 …うっわ、デスソースそんなにかけるなんてメリーって辛党だったのか?

 そもそも、なんでそんな物持ち歩いてんだよ。

 

 ピザの表面の八割を狂気の如くデスソースで赤く染めたメリーは、その凶器を俺に差し出した。

 

 …え。

 

「はい、あーん」

 

「え、いやメリーさん…」

 

 …無言の圧力。

 実際やられると怖い。

 多分、相手がメリーだからってのが一番の理由だけど。

 

 二秒以上が何たらとか言ってたけど、今回は俺は目を逸らさなかった。

 逸らしたら…冗談抜きでやられる気がした。

 

「はい、あーん」

 

 再度俺にコレを食べる事を要求してくる。

 いや、要求じゃなくて強制だな。

 

 仕方ない。

 俺一人犠牲になればいいなら、食ってやるよ!

 

「あーん!!」

 

 もうやけだ。

 俺は、真っ赤なピザを一口で咥えーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まったく、相変わらずあなた達は不思議な事をしてるのね」

 

「いやでもねメリー、私は貴女一筋だから安心してね」

 

「それもそれで嫌よ…」

 

 オレンジジュース五杯目を飲み切ったところで、ようやく俺の口内の火事は収まった。

 うわー…死ぬかと思った。

 メリー、もう少しくらいは容赦してくれてもいいじゃないか…

 

 今後はもう、こんな事しない。

 本気で誓う。

 死にたく無いから。

 

「にしても、結局恋人っぽい事は出来てないの?」

 

「そうだな。こいつが恋愛経験無さ過ぎるせいで全然雰囲気出なかったわ」

 

「何言ってんのよ。あんたこそ何もしてないじゃない」

 

 醜い罵り合いを始める俺達を見て、メリーはホッと一息ついた。

 …何でだ?

 

 そう言えば、実際メリーは恋愛経験豊富なのか?

 気になるけど、直接聞くのもアレだしな…

 

「なら、今から帰るまでの間は私と恋人ごっこでもする?」

 

「あっ、ずるいよメリー。私何も出来てないのに」

 

「いや、今日はもう色々と疲れたし遠慮しておくよ。さ、出ようか」

 

 メリーとの恋人ごっこは捨て難いけど、俺にはもうそんな元気は残っていない。

 ま、そのうち機会があるだろ。

 

 伝票を取り、レジへと向かう。

 そこまで金欠って訳でもないし、今回は俺が払っといてやろう。

 二人で食べて千数百円。

 やっぱやっすいな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 会計を済ませ外へ出ると、二人は空を見て話していた。

 なんだろう。

 何か飛んでるのか?

 

「いや、雪だよ雪。確か予報でも言ってたもんね」

 

「おっ、どうりで寒いと思ったよ。んじゃ、駅まで急ぐか」

 

 幸い、そこまでまだ大降りにはなっていなかった。

 駅までは歩いて十分程だし、困る事もないだろう。

 

 にしても、最近ほんと寒くなってきたな。

 よし、いっちょ走って身体をあっためるか。

 

「そんなに急がなくてもいいんじゃない?」

 

 速歩きしようとしていた俺達を、メリーが止める。

 

「折角の雪なんだし、のんびり楽しんで歩きましょうよ」

 

 まぁ確かに、急がなきゃいけないって程でもないしな。

 雪もまだ楽しんで見ていられる範囲だ。

 俺としても、二人とは出来るだけ長く喋ってたいし。

 

 強いて言うなら、寒いから出来れば駅までは急ぎたかった。

 今日は手袋持って来てないからな。

 

「それに」

 

 ギュッと、俺の片手が誰かに握られた。

 そこからほんのりと温もりが伝わってくる。

 

 俺の手を握った相手は、もう一方の手を彼女と繋いでいた。

 

 そして、続ける。

 

「恋人達といる時の雪って、特別な気分になれるじゃない?」

 

 

 





デスソースは、食材ではありません。
そもそも料理においてデスって時点でおかしいでしょう。
ピザを八枚切りにしてスプーン一杯のデスソースを掛けると死ねます。
マジで注意して下さい。

今回は、割と日常な感じの話になりました。
何とか一話に収めました。
ただ、主人公を俺口調にすると地の文が読み辛くなる気がするんですよね。
そもそも俺口調が苦手なもので。
些か、完成度が前回の話より劣ってしまった感じが…
その辺、どうだったでしょうか。

誤字脱字、コメント、アドバイス、何時でもお待ちしております。
気軽に話し掛けて下さい

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