この超ポジティブまぬけがっ!番外編   作:甚三紅

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今回はあんまり絡みがないジョセフとDIO様を。
二部相棒組にDIO様足しても美味しい。
設定はジョジョ達が二人に増えた世界です。


次にお前は「ジョセフとかよ」と言う!

「ディ~オ~!おれもう無理ディオ不足」

 

パソコンで調べ物をしているとのしりと背中からジョセフ(若)がのしかかってきた。

お前らはそろいもそろってがたいが良いんだぞ?重い。

 

「退け、邪魔だ」

「とか言ってェ、ぜってー無理矢理は退かさないもんな。そこがスキ」

 

語尾にハートマークでもつきそうな程声を弾ませておれを抱き締め頬ずりしてくるジョセフ。ここまでスキンシップが過剰なのも珍しい。…なんだ、相当参っているのか?

 

「お前は昔から、やたらくっついてくる時は何かあった時だったな。聞いてやらん事もない」

 

画面から視線を外してジョセフに向けると弱々しい笑みを浮かべておれの肩に額を押しつけてきた。

 

「ディオはおれ達の事絶対間違えないけど、シーザーちゃんと花京院はちょっぴり違うみたいでさ~。気づくと謝ってくれるんだけど、きつい態度に心折れそう」

 

これは余程きつい言葉でも言われたらしい。シーザーも花京院も敵には容赦がないからな、ジョセフの心を的確にえぐったようだ。

 

「そりゃ瓜二つだし?見分けんのが困難なのも分かるし?でも長い間親友してるシーザーちゃんには見分けて欲しいなァ、て思うわけよ。ディオは何で間違わねーの?」

 

ジョセフは喋りながらぐいぐいとおれとパソコンの間に体をねじ込んでくると、向かい合うように太股の上へと乗ってきた。お前は主人の気を引きたい猫か。

もうこうなっては仕方がない、調べ物の事は諦めてジョセフに付き合う事にしてやる。放置した方が後々大変だ。

 

「おれにとっては分かり易い、それだけだ」

 

面白い程に好意と敵意に分かれるのだ、間違う方がおかしい。おまけにジョジョは吸血鬼と人間だ、これは誰にでも見分けられるだろう。

 

「いや~ん、おれ達愛されてる!おれもディオを愛してるぜ!」

 

どう解釈したのか知らないが、ジョセフは幾分気分が上昇したようで軽くふざけながら頭を抱いてきた。

この体勢はあの船の爆発を思い出すので止めて欲しいのだが…。

 

「おれさ、シーザーに間違われてもまだいけるけど、多分ディオに間違われたら駄目だわ。承太郎も同じでディオだけは絶対見分けると思ってるから誰に間違われても平気なんだと思う」

 

不意に真剣な声が頭の上から降ってきた。我ながら好かれたものだと思いながら軽く背中を撫でてやると、髪に擦りよってくるのが分かる。

 

「次にお前は「まったく困った猫だ」と言う!」

「まったく困った猫だ…、ッ…!」

 

溜め息混じりに呟いた言葉はジョセフの言った通りでハッとする。ジョセフは満足げな顔をしておれの髪をいじっているが…ほう…このDIOをからかうとはいい度胸じゃあないか。

至極穏やかに、にっこりとでも言いそうな笑顔を浮かべると反射的にジョセフが離れようとしたので腰を抱いて捕まえる。大抵の婦人や男すら見惚れる笑顔だぞ?逃げるとは失礼な。

 

「どうしたジョセフ、顔色が悪いな」

「い、いやぁ、その顔はあんまいい思い出が…」

 

おれから顔を逸らすこいつに喉を鳴らして笑い、スタンド能力を使って床に押し倒す。何をされたのか分からず呆けた顔は実に愉快で多少は気が済んだ。すぐに気がついたようで慌てる様も含めて面白い。

 

「なっ…は、ずるッ!時止めはずりぃ!」

「流行の床ドンだ、嬉しいだろう?」

「嬉しくねーし!こういうのはジョナサンじいちゃんか花京院にしてやれよ!」

「ジョセフ」

「~~っっ!」

 

ギャーギャーと騒ぐジョセフの名を呼んでやるとぴたりと声が止んだ。これは今までの躾の結果だな、いい子だ。

丁度いい、このまま血を貰おう。

悪戯心のまま首を軽く舐めると肩を揺らしたが、おれが何をしたいのか察したようだ。体の力を抜いて噛みつき易いよう首を差し出す。

口を開けて牙を肌に触れさせそのまま顎に力を入れる、正に皮膚を破ろうとした瞬間に派手な音を立てて扉が開いた。

 

「ディオさん!その2が…」

 

扉を開けたのはシーザーだったようで今のおれ達の様子を見て固まっている。

今更見慣れた光景だろうに。ジョセフも驚きから固まって動かない。

シーザーはシーザーなりの葛藤があったようで暫しそのままでいるも、結局は中に入ってきて静かに扉を閉めおれ達の側に膝をつく。

 

「ディオさん、おれのもどうぞ」

「はぁ!?ここはどう見てもシーザーが遠慮するとこだろ!」

「うるさいぞジョジョ!一人分じゃあ足りないだろうからというおれの気遣いだ!」

 

二人が言い争いを始めると完全に気が削がれてしまい軽く息を吐きジョセフの上から退く。すぐさまジョセフは立ち上がりシーザーと額を突き合わせるような距離で口喧嘩を始めた。

よそでやれ、と思ったが矛先がこちらにきても面倒なので黙って椅子に座り二人を眺めてみる。

猫ジョセフと犬シーザーの喧嘩だな。

これが戦闘になれば獅子と狼になるのだから面白い。その力がおれを守るためにも使われるのを含めて。

 

それにしてもうるさい、お互い手を出さないだけマシとでも思わないとやってられないうるささだ。なまじ二人共頭が回るせいで口喧嘩は全く止まらない。

 

「…首輪にでも繋いで躾れば大人しくなるか?」

 

呟いた言葉は二人が息をするタイミングだったようでやけに部屋に響いた。

先に動いたのは犬シーザーであっという間におれに近づき右手をとる。

 

「ディオさんになら喜んで」

「ちょっ、シーザーちゃんマジ?まさかのドM発言?まぁおれも~、ディオになら飼われてもいいですけどォ」

 

猫ジョセフは引いたような顔をしたくせに左側からべったりとくっついてきた。そしてお互いを威嚇しあう二匹。

何なんだお前ら。

 

「ディオ、この文章の訳を…」

 

この状態で入ってきたジョジョのタイミングの良さはある意味凄い。

片手には何やら紙の束を持ち、もう片方の手はドアノブを握ったままおれ達を見つめるジョジョ。きょとんとしたまぬけ面から微笑ましいものを見るような顔に変わり口を開く。

 

「いいなァ、ペットと戯れるのって癒されるよね」

 

お前、たまにおれより酷い事を悪気なくあっさり言うよな。




ジョセフは結構喋りまくるイメージです。
二人とも波紋の使い手だからノンブレスで延々と喧嘩できそう。(十分間息を吐き続ける修行とかしてたし)


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