ソロアート・オフライン   作:I love ?

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……ホワイトデー?バレンタインデーに貰ってないから、何もあげませんよ?
それよりも早くアリシゼーション編書きたい……
あと感想がないので、やっぱりオリジナル入れないと駄目なのかな〜とか思ってます(笑)
駄文で書いた(いつも)第四十二話、どうぞ!


四十七層は、比企谷八幡にとって一番来たくない場所である。

ピピピッという音で起床。現在六時半。

ボーッとする頭でベッドの方を向くと、すやすやと寝ている人……シリカがいた。

床で寝たので、必要はないが一伸びして仮想の筋肉をほぐす。

 

「朝飯でも買うか……」

 

欠伸をしながらドアを開ける。いつも昼くらいに起きているから眠い。

階下に降りて、朝食を買う。朝食は簡単なサンドイッチだ。

アイテムをストレージに収め、階段を昇っていると、また欠伸がでる。

 

「フワアァァァッ……ねみぃ」

 

普段は八時間は寝ているが、昨日(というより今日)は僅か六時間しか寝ていない。ネトゲやってる時にはたまに寝るのが異常に遅いときがあったが……あっ、今もネトゲやっているような物でした。テヘペロ。

時間に縛られるからというのがギルドに入らない理由の一つだ。……命令権でアスナがギルドに入れと言わないのが救いか……

そんなことを考えながら、部屋で装備の耐久度とポーションを確認していると、時刻七時。シリカが起床する。

 

「……おう、おはよう」

 

声を掛けられて状況を把握したシリカは顔を真っ赤にする。

 

「いや、その……起こすのも悪いし、お前の部屋は扉が開かないし……何もしていないから安心してくれ」

 

俺の言葉に落ち着いてくれたシリカに提案をする。

 

「準備に時間がかかるだろうから、早く宿屋を出よう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちゃんと宿の隣の道具屋でポーション類を補充して、今回はロリコン達とエンカウントせずに転移門まで着く。

先を歩いていたシリカが転移門前で足を止める。

 

「……どうした?」

 

「あたし、四十七層の街の名前、知らないんです」

 

ああ、そういうことか。確かに昨日は街の名前まで説明していなかったしな。

 

「じゃあ俺が指定する」

 

確か四十七層の主街区の名前は……

 

「転移、フローリア」

 

声と同時に青い、転移していることを示すライトエフェクトが全身を包む。視界が眩しく、目を閉じて光が収まってから目を開けると四十七層主街区に着いていた。

四十七層主街区転移門広場は丸く、十字路になっていて、それ以外は花壇となっている……のだが、それ故に観光スポット……というよりはデートスポットになっていて、リア充が多いからなあ……

俺の目は――何回目かは分からないが――更に凄い速さで腐っていってるだろう。……眼が腐っていくこと光の如しと言うくらい嫌な場所なのだ。

 

「……出来るなら来たくなかったな……」

 

「え?なんですか?」

 

「いや……フィールドに行こう」

 

俺とは真逆に、花を見てテンションが上がっているシリカに何でもないと誤魔化し、メインストリートへと向かうべく男女二人組が多い広場を歩く。すれ違う時にリア充爆発しろと言っておくのも忘れない。

メインストリートに行っても花壇は大量にある。

無断で全部採って下層で売ったら儲かるんじゃね?

なんて商売人でもないのにがめついことを考えつつ歩いていると、シリカが口を開く。

 

「あの……エイトさんの妹さんって……」

 

「天使」

 

本来タブーな現実の話を注意もせず妹を褒める俺って妹好きすぎィ!……おっと、シリカが引いてるな……自重自重。

 

「あー、まあ、仲はいいな。あと目に入れても痛くないくらい可愛い」

 

「へー……そうなんですか……」

 

自分のフォローの言葉は最後の一言で失敗した。

何とも言えない微妙な空気の中、フィールドに着く。ここから南へと歩いていけば目的地の《思い出の丘》に行ける。

 

「さて、探索開始……と言いたいんだが……一つ、必ず守って欲しいことがある」

 

「なんですか?」

 

さっきまでの空気とは一変、真面目な空気になったため、思わず背筋を伸ばしているシリカに忠告する。

 

「危なくなったら……具体的にはイエローゾーンになったら逃走準備、レッドゾーンになったら転移結晶で迷わず逃げろ」

 

あれだな。SAOでは某神喰いの極東支部第一部隊隊長の言葉がモットーだ。リン○ウさんは俺の心の師匠です。……リア充なのが嫌だが。

 

「で、でも……」

 

「それを守れないなら、連れていく訳にはいかない」

 

冷たい言い方だが、引き際を間違えて死んでいった奴なんか腐るほどいる。二十五層の《アインクラッド解放軍》――通称《軍》がいい……いや、悪い例だ。

そんな物言いでも危険だから、ということを理解してくれたのか頷くシリカ。

 

「そんじゃあ、行くか」

 

「はい!」

 

あまり気合いが入らない出発の掛け声を俺が掛けて、俺達は思い出の丘を目指してフィールドを南へと歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――のはいいんだが。

 

「ぎゃ、ぎゃあああああああ!?なにこれーー!?き、気持ちワルーーーー!!」

 

フィールドを南に歩き始めて数分後。めでたく?四十七層モンスターとエンカウントしたのだが……

 

「や、やあああ!!来ないでーーーー」

 

二層の時の、どこぞの《閃光》様を思い出させる台詞だが、当然相手が違う。……て言うか閃光って二つ名恥ずかしすぎだろ……。余談だが、アスナは《閃光》の他に《攻略の鬼》、キリトは《黒の剣士》、または《黒ずくめ》(ブラッキー)、血盟騎士団団長ヒースクリフは《聖騎士》という二つ名がついている。……俺にも(恥ずかしい)二つ名があるのだが、下っぱ臭が半端ない。

話が逸れたが、現在シリカはモンスター――歩く花に教われている。

人間の腕はあろうかという茎が向日葵のような花から生えていて、先の方で枝分かれしていて触手のようになっている。

花の方も中心がパックリと割れ、鋭い歯と赤い舌が見えている。立派な食虫植物ならぬ食人植物の出来上がりだ。

 

「やだってばーーーー」

 

ただ一つ、閃光さんと違うところがあれば、怒りをエネルギーに変えて立ち向かっているか、逃げ惑っているかだな。

 

「コイツ凄い弱いし、逃げてちゃ勝てんぞ?」

 

戦え!戦え!戦え!……別に人買いに誘拐も、両親を殺されてもいないだろうけど。

……あそこからミ○サはヤンデレ化したんだろうなあ……

 

「だ、だって、気持ち悪いんですうううーー」

 

安易に俺に戦えって言ってない?嫌ですよ、気持ち悪いし。

 

「そうか……なら仕方ないから帰るか?」

 

俺が戦うと思ったらMAXコーヒーくらい甘い!……いや、やっぱり甘くない。だってMAXコーヒー超甘いし。

まあ、取り敢えず甘い考えだ。俺はそこまで年下に……あれ?俺って年下に結構甘い?

 

「ええっ!?や、やります!頑張ります!」

 

「え?あ、ああ……」

 

俺が自分を見つめ直している時にシリカが返事をしたため、呆けた声が出てしまう。

 

「キエエエエーーー!」

 

と、同時に、シリカが繰り出したソードスキルを避け、食人植物は二本の蔦をシリカの両足に巻き付け、ひょいと持ち上げる。

 

「わ!?」

 

ワー、アンガイコノショクブツッテカイリキダナー。アハハハハハ。

仮想の重力に従い捲れていくスカートから目を逸らし、現実……いや、仮想現実逃避をする。

 

「わわわ!?」

 

バシッという音は慌ててスカートを抑えた音だろうか。

そういえばキリトとパーティーを組んでた時もこんなことあったな……あの時のキリトの長い髪が右へ左へと揺れるのは、軽くホラーだったわ。

 

「えっ、エイトさん助けて!見ないで助けて!!」

 

「無理!」

 

即答だ。無理に決まっている。システム外スキル『心の眼』(勝手に作った)でも使えって言うんですか?

 

「こ、この……いい加減に、しろっ!」

 

目を逸らしているため、何が起こったのかは解らないが、ザンッという音とモンスターが爆散する音を聴いて、もう大丈夫かと思い振り向くと、シリカが地面に着地したところだった。

シリカもこっちに振り向くや俺に訊ねてくる。

 

「……見ました?」

 

……ここで冗談でも見たなんて答えたら、社会的に死ぬな……

 

「……な、何を?」

 

実際俺は見ていない。……ホントだよ?ハチマン、ウソツカナイ。




次回!『オレンジプレイヤー達との会合』です!

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