ソロアート・オフライン   作:I love ?

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UA四万突破!!……ところで、UAってなんですか?
あ、それと、死亡キャラ生存させたほうがいいですか?サチとかユウキとか。原作沿いにはしたいけど、死なせたくもないし……みたいな感じで決まらないのでいっそ読者様に決めてもらおう!!という結論に至りまして……感想に書いてください。その他希望、指摘、もちろん感想も、感想欄に書いてください。それ以外に読者様の声が聞こえる方法がわからないので……あ、感想以外の方法もあったら教えてください。お願いします。
……さて、長くなりましたが、それでは第二十四話、どうぞ!!(まだテストは終わってません)


やはり比企谷八幡にとって、アスナは畏怖の対象である。

まだまだこれからだ!!と売れない漫画の最終回みたいなことを(脳内で)言ったが、実際にはあれから約二十五分後くらいに《ブルバス・バウ》は、体を硝子の欠片に変えて、四散した。

随分危なっかしい戦いだったが、死者は0。……かなりのスローペースな攻略速度だか、死者がいないのでまあいい方だろう。SAOでの大原則は、『死なないこと』だ。

そういう意味では、ギルド――いや、確かギルドが結成できるのは三層からだったか?――チーム《レジェンド・ブレイブス》は十分な働きをしたと言えるのだが……いかんせん装備が《強化詐欺》で盗ったものだろうから、素直に褒められたことではないが……。

 

「……ヒヤヒヤさせるわね……でも、まあ、良かったわ。無事に終わって」

 

「心配だったなら、素直に攻略部隊に入れてくれって頼めば……」

 

途中で言葉を止める。……な、なんでそこで睨む?このツンデレ……はい、ごめんなさい。謝りますからその読心術と睨み付けるをやめてください。これ以上防御力が下がったら、僕死んじゃいます。

俺が心の中で頼んでも、しっかりと睨み付けてくる。

――コイツあれだわ。ツンデレじゃなくて、ツンドラだわ。ギャルゲーだったら(俺にとっては)攻略不可能なキャラだわ。……まあ、雪ノ下姉妹みたいな感じだな。攻略不可能!!の権化だよ、あれは。神にーさまでも落とせないよ。神にーさまが、「この僕……落とし神にもエンディングが見えない……だと……?」とか言ってキャラ崩壊起きちゃうレベル。

 

「まあまあ……落ち着いてよ、アスナ」

 

キリトの宥めるような言葉で、やっと防御力を下げる行動(睨み付ける)をやめてくれた。

そのまま不機嫌そうに石の方へ歩き、不機嫌そうに座り、不機嫌そうに鼻を鳴らし、不機嫌そうな声で言ってくる。……不機嫌そうって言い過ぎじゃね?どんだけ俺にとって不機嫌そうに見えるんだよ……

 

「で?二人は、どうしてあの勇者さん達が気になるの?」

 

「はっ?」

 

意表を突いた質問に変な声が出てしまう。

正直に答えたら、コイツ《レジェンド・ブレイブス》壊滅させそうだしなぁ…

俺が内心平静に、外面は目を泳がせながら必死に言い訳を考えていると、キリトがあっさりとゲロる。

 

「鍛治屋ネズハは、《レジェンド・ブレイブス》の一員なんだ……」

 

え、ちょ、キリトさん?俺が必死に言い訳考えてたのにあっさり言っちゃいますか?アスナの目力に負けたんですか?……まあ、俺も怖いけど。ぶっちゃけ逃げたい。

 

「えっ……!それって……じゃあ……」

 

こちらを見て、問うような視線で見てくる。……さすがに無関係だと言っても信じてもらえないだろうし(まあ無関係ではないのだが)……説明するか。

 

「ナタ……いや、ネズハがしている《強化詐欺》は、集団……つまり、リーダーであるオルランドの指示でやっている可能性が高い。……《ネズハのスミスショップ》がウルバスにできたのは、正確にはいつだ?」

 

「ええと……二層が開通した、その日だったと思うけど……」

 

早ッ!一体いつから《強化詐欺》を画策していたんだ?

 

「そ、そうか……じゃあ、一日に一、二本でもアニールブレード級の武器を搾取したら、かなりの儲けだな……」

 

「えっ?じゃあつまり……」

 

キリトが察したようだ。……見た目からして中学生に見えるが、察しがいいな。

 

「ああ……さっきアスナが言ったように、アイツらは装備の強化でステータスの差を埋めてるって言ったが、武器スキルは戦わなきゃ上がらないが、装備の強化は……」

 

「……お金があれば、いくらでもできる。そういうことね」

 

おお……俺達はとんでもない阿修羅(アスナ)を誕生させてしまったようだ……。……そういえば、阿修羅とアスナってなんか語感似てるな。

そんなことを考えていたら、アスナがウインドフルーレを握って……っておいおい。

 

「ま、待ってアスナ!!気持ちは解るけど、まだ何の証拠もないんだよ」

 

「だからって、このまま……」

 

「せめて、《強化詐欺》のトリックを見破らないと名誉毀損扱いされるぞ。GMがいないからこそ、大勢の人間に嫌われる必要はないし、お前らも『ビーター』扱いされるぞ」

 

……なんならパーティーを組んでる時点でまずいからなぁ……二層を攻略できたらソロに戻るか。

ソロになる決意をしていると、アスナが俺をビシッ!と指を指す。人を指さしちゃいけません!!

 

「それこそ今更な気遣いよ、これから一緒にダンジョンに入ろうっていうのに。――でも、言わんとすることは了解したわ。確かに証拠どころか仕組みも不明じゃ、ただの言いがかりね……」

 

ふう……説得成功か……。けど、いくつか誤解があるな。

 

「気遣いなんてしてないし、ダンジョンに入るのはお前が無理矢理……んんっ!じゃなくて、二層が攻略されたら俺、ソロに戻るから」

 

「「えっ?」」

 

えっ?そこで驚く?

 

「いや……それより、最低でも《強化詐欺》のトリックを暴かないといけないことは解ったろ?」

「……ええ、そうね」

 

……そう言っているアスナの目には、蒼い焔が宿っているようで怖かったです。……お前は青焔魔(サタン)か。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺達が岩山を降りたのは、補給とメンテのために6×2+3人がいなくなった後だった。

迷宮区を目指し、ほぼ垂直な崖と崖の間の曲がりくねった道を歩く。

坂道〜トンネル〜草っ原〜一本橋に〜凸凹砂利道〜って、そういえば、全部歩いたな……。蜘蛛の巣はまだくぐったことないけど。

心の中で、となりのト○ロの歌を歌っていたら、迷宮区のシルエットが見えてきた。……なんか突起物があるけど。

 

「あれ、何?」

 

恐らく『あれ』の指示語は、俺が思ったのと同じ、突起物について指しているのだろう。

 

「牛のツノだよ」

 

一言だった。え?あんなばかでかい牛のMobがいるの?

 

「う、牛?」

 

「近くまで行くと、あそこにでっかい牛のレリーフがあるよ。二層のメインテーマだし」

 

なんだ、Mobじゃないのか……。よかった……。……層ごとにメインテーマがあるんだな……。覚えておこう。

 

「……わたし、さっきのデカイので牛はもう打ち止めだと思ったわ……」

 

……牛がいっぱいいると聞いて、牧場を思い描いてしまうのはしょうがないと思う。

 

「あはは、二層のモーモー天国はこれからだよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリトの言葉は、その通りと言ったらその通りだし、違うと言ったら違った。

 

「嫌っ……来ないで……近づかないで……!!」

 

その言葉は俺に向けられている――――のではなく、のっしのっしと歩いて来るものに向けられている。

 

「来ないでって……言ってるでしょ!!」

 

怒りが混じった声でそう言うと、少女は前方へと駆ける。歩いて来たものも迎撃するように両手斧を振りかざす――が、それより早く少女の右手――正確には、右手の剣だが――が雷を纏ったように黄色く光る。

その剣が叩き込まれて、僅かに両手斧の剣速が鈍る。普通ならここで回避がセオリーだが、怒りをぶつけるように今度は二連撃を襲撃者の剥き出しの胸板に叩き込むと、襲撃者は体をグラリと揺らし、断末魔を上げる。

 

「ブ……モオオオオオオ!!」

 

徐々に筋肉質な体が発光するようにボンヤリと光り、やがて体を硝子へと変え一際光が強くなりそのまま爆散した。

……俺、実況の才能あるんじゃね?

他の奴らに聞こえたら、『自意識過剰だ』と言われそうだが、思うのは自由だろ。……なぜかアスナに読心されるが。

で、襲撃者を倒した少女――固有名詞で言うとアスナは、はぁはあと息を切らし、ようやく落ち着くと、こちらを睨み一言言った。

 

「……牛じゃないでしょ、こんなの!」

 

……知らんがな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さっきまでアスナが戦っていた《レッサートーラス・ストライカー》は、牛は牛だが、半人半牛――――いや、八割人だな。

しかし、これだけでは怒らないだろう。なんでアスナが怒っているのかと言うと――

 

「あいつ、その……着てないじゃないの、ほとんど!腰んとこにちょっと布巻いてるだけなんて、セクハラもいいところだわ。ハラスメントコードで黒鉄宮送りにしてやりたいくらいよ」

 

とのことだった。

まあ、男の俺はそこまでではないが、お嬢様(だろう)のアスナには耐え難かったようだ。キリトもベータテスト時には、恥ずかしくて動けなかったらしい。

ちなみに、さっきみたいな奴は《ミノタウロス》ではなく、《トーラス》と呼ぶのが適切らしい。初めて知った。

とはいえ、今回は攻略目的ではなく、ボスの攻撃の対処のために迷宮区に来ているので、戦闘は必至だ。

敏捷極振りの俺は回避が防御の主体のため、もう対処はできるが、アスナがまだ完璧とは言い難いため、更に次のブロックへと向かうべく、俺達は部屋の出口へと歩いた。

 

約一時間後。俺達はアイテムでストレージを一杯にして、幸い誰ともすれ違わずに迷宮区を後にするのだった。

……一時間の間に四体のトーラス族と戦ったが、女性剣士×2が無双していて、「俺、いらなくね?」とデジャヴったのは余談だろう。

 




次回!『ネズハを再び発見、アルゴと再びの会合』です!

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