ソロアート・オフライン   作:I love ?

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いや、もう、ね。無駄な話が多すぎて前進しない。
どうでもいい話ですけど、ゴッドイーターのアニメでロリッ娘が生きてたことに狂喜乱舞してしまったぜぇ……。リンドウさん、マジナイス!


どうにも、三人揃えば無駄な話が多すぎる。

こちらから友達になりたいと言ったことはあるが、あっちから友達になりたいと言われたことはない。

なぜなら、普通ヒエラルキーが最下位なやつとなんか話したら、「え? なんであいつと話してんの? かおりやっさしーww」とか草生やしやがるからな。わー、ちきゅうにやさしいなー。

それだけならいい。

ただ、別にこっちが話しかけた訳じゃないのに「うわ、かおり可哀想……」とか言わないでください。笑ったあとに真顔になるとか、一番シリアスみたいじゃないですか……。

とまぁ、過去のトラウマ掘り下げてまで言いたいことは一つ。

友達になりたいと言われたら、どうすればいいんですか?

いやまぁ、分かりますけどね? ごめんなさい、ちょっと前例がないことなので驚いて。……誰に謝ってんだ?

まぁ、結論を言おう。

 

「ごめんなさいそれは無理」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前述の通り、友達になりたいと言われたことなどないので断り方も知らん。故に雪ノ下が俺の頼みを断った言葉をそのまま引用した。

のだが……。

固まっちゃいましたよこの子……あれか、氷の女王の御言葉をそのまま使っちゃったから絶対零度で固まっちゃったのん?

まぁそれも一時的なこと。すぐにガンダムの如く起動した。……ガンダムは起動戦士じゃなくて機動戦士だけど。

 

「……ん、ま、そっか。友達って言われてなるものでもないしね……」

 

……え、それどこソース? だから俺も断られたの? 原因それなの? 頼み方がアカンかったん?

 

「……つうか、お前なら俺みたいなやつをわざわざ友達にせんでも、なりたいってやつならたくさんいんだろ」

 

「ううん、『誰か』じゃなくて、『ハチ君』とお友達になりたいの」

 

「……あ、そ……」

 

千葉有数の港がある銚子にいる魚に負けないくらい目が泳ぐ。クサッタメのアクアジェット!

ちなみにアクアジェットは先制技だけど威力が弱いから使っている人はあまりいない。ソースはYouTube。

 

「それじゃ、パーティー組みましょ?」

 

「おいこら待て。それじゃ、ってなんだ。まったく話が繋がってないんだけど」

 

「え、友達になりたいからパーティー組みましょ? ってさっき言ったよ?」

 

それも込みでの「ごめんなさい、それは無理」だったんだけど……。

 

「……強引だな、お前」

 

俺の悪口とも取れる言葉に、それでもアスナは微笑んでみせる。

 

「これくらい強引じゃなきゃ、誰かさんは絶対断るでしょう?」

 

ごもっともで……。

 

「だが断る」

 

「ハチ君も文法おかしいよ……?」

 

……ネタって通じないと空しいな……。平塚先生の気持ちが解った気がする。

 

「……まぁ、なんにせよパーティーを組む気はない。じゃあな」

 

スタスタ。ガシッ。グググッ。イラッ。

擬声語で表すならこんな感じだろう。

俺歩く。アスナが腕掴む。俺構わず歩こうとするも、SAOの設定上アスナ動かない。俺この状況にイラつく。

 

「ちょ、離してくれませんかね、閃光様? いででで! あ、やっぱ痛くないけどやめろ! 痺れる!」

 

閃光様って言った途端に握力強めてきやがった。血管を長時間圧迫したような痺れが襲ってくる。

なに? キラキラネームが嫌なの? いや、俺も閃光とか中二臭いアダ名とか嫌だけど」

 

「無剣に言われたくないわよ!」

 

ゴキッ、という生々しい音と共に、俺の絶叫が辺りに木霊した。声に、出てたんですか……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それじゃ、エギルさんのところに行きましょう!」

 

「はいはい……」

 

結局、アスナのお願い(武力行使)によって明日からパーティーを組むことが決まってしまった。誰か、僕の人権を尊重して!

今から不安一杯である。さすがにパーティー組む程度ならボス戦でもやってた……が、それは討伐作戦前の話。作戦後は俺がいたらまぁ当然よくないので、一回も参加していない。

特にまずいのが、人殺しと最強ギルドNo.2が一緒にいることで血盟騎士団の品格を落とした、とか難癖つけられるのが一番メンドクサイ。ヒースクリフはそういうタイプじゃないが、あいつ放任主義だからよっぽどの問題を起こさん限り団員を放っておくしなぁ……。

 

「というか、なんでエギルのとこ行くんだよ」

 

「ん? だってハチ君のことだから、どうせフレンド解除してから会ってないんでしょ? 挨拶くらいしなきゃ」

 

「え、なんで知ってんの? なにお前、俺のこと好きなの? アアッヅ!」

 

的確に足の小指を踏み抜いてきたアスナは怒ったように先を歩いていく。気持ち悪いこと言ってすいません……。

 

「ま、まぁ言わんとすることは解った。けどなぁ、正直、めんどい。家帰って寝たい」

 

(ホーム)、買ったの?」

 

「いや、今のは言葉の綾だ」

 

実際は家買ったけど、こいつには絶対に教えん。フレンド登録していた頃、無理矢理攻略に付き合わされたの、忘れてなんかないんだからねッ!

 

「ふぅん……あ、キリトちゃーん!」

 

攻略組特記戦力の一、《黒の剣士》キリトは攻略組特記戦力の二、《閃光》アスナに声をかけられ、こちらに振り向く。

 

「あっ、アス……エイト!?」

 

アスエイトって誰だ。なんかカッコいいキャラ名みたいになっちゃったろーが。

 

「おぅ……」

 

相も変わらず人がゴミのようなアルゲードの通りを縫うように移動してきたキリトに帰せたのはわずか二文字。というか、こいつなんで弱ぼっちなの? 超フレンドリーなんだけど……。

ガシッと両肩を掴まれ、強制的にヘッドバンキングの刑に処される。痛みを感じないアインクラッド内では何気に一番効果的な罰かもしれない。

小さい頃、止めろと言っても親父にコーヒーカップを回されたときのような感覚に襲われながら、あのあと母ちゃんにみっともないと叱られた親父の憐れさを思い出す。親父、ザマァ。……ていうか母ちゃん、泣いた息子より体裁なの? ひどくね?

 

「キリトちゃん、ストップ、ストーップ! ハチ君の顔がグロッキーになってる上に、目が更に濁ってるから!」

 

「えっ、あっ……」

 

いきなり放されたことで若干よたよたするが、通行人に当たったことで止まる。その時「げっ、なにこいつ」みたいな顔をされただけですんだのは幸運だ。クズを育てる親父の英才教育では「人に当たったら治療費請求されると思え」と中一の時に教えられた。

 

「ご、ごめんね? エイト。大丈夫?」

 

「全然大丈夫だ気にするなお前がちょっと二人に影分身しているように見えるだけだから」

 

「それは大丈夫じゃないと思うよ……頭が」

 

アスナさん、最後の一言は要らないから。地味に俺のMP抉ってこないで……。対雪ノ下用のダイヤモンドハートを搭載している俺じゃなかったらあっさり撃沈していたレベル。司令! 自爆艦比企谷が轟沈しました! むしろ嬉しいです! ……嬉しがられちゃった……。

 

「で、お前なにしてんの、アイカツ?」

 

「いや、違うよ……ていうかなんでアイカツ?」

 

「いや、まぁそれはどうでもいいけど、マジでお前なにしてんの、帰宅途中?」

 

「ううん、エギルのところに行こうと……あ、そうだ! シェフ捕獲!」

 

「え、え、え?」

 

いきなりアスナの両手を自らの両手で包み、困惑させるキリト。なに、君らもゆるゆりなの?

 

「な、なに? シェフって」

 

「あ、うん。一応聞いておきたいんだけど、アスナって料理スキルいくつ?」

 

確かアスナは俺と同じ料理スキルを取っていた覚えがある。と言えども、俺はあくまで日常生活で飽きないくらいの料理レパートリーがあればいいため、熟練度は四百くらいだが、果たしてアスナのは……。

ちらりと頭一つ分小さい場所にあるアスナの顔を盗み見ると、氷の女王がよくみせる笑顔……勝ち誇ったような表情をしていた。おもわず「君はなにと戦っているのかね?」とか、その台詞だけ聞けば深く感じることを言っちゃいそうになったぜ……。

 

「聞いて驚きなさい。先日《完全習得(コンプリート)》したわ!」

 

「うそっ!」

 

「……アホか……」

 

無意識に口を吐いた言葉のせいで鬼のにらみつけるを喰らってしまったでおじゃる……。こいつに防御力下げられすぎじゃね?

スキルとはプレイヤーの生命線であり、当然のことながらそうそう簡単に熟練度が上がるものではない。俺も片手剣スキルがカンストするようになるには一年は掛かった。

ましてや、料理スキルなんてものは完全な趣味スキル。同じ生産系スキルでも鍛冶や裁縫と違い攻略上は必要ないし、なんならNPCレストランで事足りる。

しかもこいつは攻略至上主義の攻略の鬼だったのに……丸くなったもんだ」

 

「ハチ君……。声、出てるからね?」

 

「えげっ……す、すいません、勘弁してください! つい本音が! フラッシング・ペネトレイターだけは! どうかリニアーで!」

 

「リニアーなら甘んじて受けるんだね……」

 

いや、俺はMじゃないから受けたくはないけど、そこは平塚先生の鉄拳(スクライドの技)と同じくもう割り切っているんだ。

きっちり三十度折り曲げて、恐怖心に従って誠心誠意謝罪する。スナオニナルッテダイジ。

怒りに体を震わせていたが、段々と小刻みにしてやがて震えはなくなる。許してくれたのだろうか。もし許してくれたら八万ポイントプレゼント!

 

「ん、まぁ事実だし、なにも言えないわね……」

 

なん、だと……。いつもならここで反論十倍フライ返しなのに、ヘアリードだけって……。こいつ熱でもあんの? どうでもいいけど鈍感主人公が赤面したヒロインを見て言う言葉で「熱でもあるのか?」の使用率は異常。

 

「だってわたし、ハチ君とO☆TO☆MO☆DA☆TI☆になろうとしてるんだもんね」

 

「ごめんなさい、やっぱお友達になるの断らせていただいてよろしいでしょうか?」

 

怖い恐い(こわ)いよ。最後だけ意味合い違うけど。なんだよO☆TO☆MO☆DA☆TI☆って。O☆HA☆NA☆SHI☆みたいだろ。星使いすぎだし、ギンギラギン過ぎる。パチンコかよ。

ちなみに、キリトが方向修正をするまでシェフの話はまったく触れられなかった。……本題入るまで時間かかりすぎだろ。

 


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