緋弾のアリア~二丁拳銃の猛犬~   作:猫預かり処@元氷狼

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Re:EpisodeⅡ‐Ⅶ

――――――――――――告白後は絶対酒羅場。

 

 

 

 

 

 

 

敵であるジャンヌに恋をして即告白した翌日。

朝から東京武偵高男子寮はざわついていた、理由は確実に和久が原因だった。

いつもに無い見てて冷や汗をかくような赤いオーラを発している和久に、男子寮に住む男子たちはある意味恐怖を、そして畏怖を抱いていた。

実際赤いオーラではなくピンクのはずなのだが、この世で初めて見る猛獣の恋心を見てそれが恋だと認知できない彼らにとっては、充分狂気と認知できるものだ。

その和久はというと、自室で私服へと着替えていた。

梗との約束はハチ公前で11時、今は9時半だ。愛車で行くか電車で行くか……。

まあハーレーで言っても置き場所ないし、歩いていくか。

煙草を机の上から取り出してポケットに入れようとしたが、流石にデートで煙草を持っていくってのはアレだと俺のいまだに残っていた公衆的なマナーによって断念した。

その代り酒はいっぱい飲むだろうが…………財布には20万ほど入れておく。

 

「おいカズ、今日もどっか行くのか?」

 

昨日、一昨日と続き学校を休んでいる俺は、強襲科を止めて以来傍から見ると、異常なほどの行動量をしている。武偵高生徒にとって、武偵高を休むイコール大きい依頼を受けたという事に結びつく。

だからキンジにとっては昨日、一昨日と休んでまで調査をしている俺が大きな依頼を受けている。という認識でいるのだ。

まあ今日は、休みである土曜日で梗とデートだから、依頼とか調査なんかではないのだが。

 

「ああ」

 

現在キンジはまたも俺の部屋に避難中である。

理由は簡単に、白雪と神崎の動きが活発になってきて怖いから。とのこと。

そろそろ大黒柱として機能してもらいたいわ、自分の身内の事は自分でけりつけろっての。

 

「行ってくる」

 

「おー、行ってら」

 

と言ってもまだ九時だ。

約束の時間までにはまだ二時間、渋谷駅まで行く時間を引いても一時間は余裕がある。

玄関に置いてあるヘルメットを取る。

 

「ん?カズ、ハーレーで行くのか?」

 

「ああ、そうだが」

 

「乗せてくれ」

 

「どこまで?」

 

「強襲科まで」

 

玄関の靴棚から茶色いブーツを取り出していた手が止まる。

 

「何故に?」

 

これまで自分から強襲科に行くなんてキンジはする筈なかった。

となると、神崎が強要したか?

 

「いや、魔剣なんだが……カズがそこまで動くってことは」

 

どうやら俺が原因らしい。

 

「ああー、なるほどな。一応言っておくが今日は調査も何も、目的違うから」

 

「え、そうなのか?」

 

「そうなんだ、まあ時間もあるしいいぜ」

 

「サンキュー、三分待ってくれ。支度する」

 

「了解、下で待ってる」

 

ブーツを履いて、ヘルメットを持って玄関を出る。

駐輪場から愛用ナイトロッドのエンジンをかけて引いていく。

ちょうどキンジも寮から出てきて、白いヘルメットをかぶる。

 

「行くぞ」

 

「はいよ」

 

何度目か、キンジとこのハーレーに乗って武偵高へと向かう道を走る数は覚えてはいないが、それがとても心地良い物で、いつまでも忘れてはいけない思い出であると俺は思う。

物心ついてから遠山キンジと出会ってもう10年以上は経っている。

昔はよく、今は無き灯央の実家で白雪と遊んだものだ……。

車の通りが少ない学園島では、ハーレーで行けば5分ほどで全領域に行くことができる。

ハーレーを買った時はここでよく乗りまくっていた、キンジを後ろに乗せてな。

強襲科に着く、専用の建物前でキンジを降ろす。

 

「帰りはこれないからな」

 

「わかってる、ありがとなカズ」

 

「ああ、じゃあな」

 

キンジの背中を見送り、ハーレーにまたがる姿は傍から見れば完全な保護者と言える。

実際保護者的な立場で和久の面倒を見ているのは、キンジでもあるのだが。

異性関係になると和久が完全な保護者となる。

アクセルを踏んで俺はレインボーブリッチを走り抜く。

潮風が横から俺に当たってとても気持ちいい。

芝浦ふ頭にハーレーを止めて、電車に乗る。時間を見ると今はまだ9時40分だ。

電車に乗りながらふと思いつく、女性専用車両があるんだったら喫煙車両もあっていいんじゃないか。という事だ。最近では喫煙者をほとんど差別的な目線で見てくる馬鹿共が多い。

いや、それはしょうがないのかもしれないが煙草に関しての知識が少ない中で世間が、煙草を悪とするために喫煙者の肩身が狭くなっている。

そもそも煙草はとても歴史があるものだ、そこらのゲームとかよりも煙草という物は昔から紳士たちの息抜きや、娯楽としても存在してきた物。今なぜ煙草が悪として認識されてきたのかは、当然煙草が影響を与える肺などの病気への恐怖。そしてマナーを守らないで吸う馬鹿共だろう。

実の事を言うと俺は日本という国が嫌いだ、というより日本人の人間性が好きではない。

大抵の日本人は周りが否定すれば自分も否定する、肯定すれば肯定する、という者が多い。

否定があれば肯定もある、だけどそれが日本人にとっては世間に出てくる時間が極端に遅い。

『流行』流行りともいうが、それだ。

日本人は流行に敏感すぎると言ってもいい、ネットで何か流れるとすぐそれに飛びつく。

煙草の批判もそれにある、三年ほど前にあるテレビ番組で過剰なほどの煙草批判放送が流れた。

小学校や中学校で学ぶ教材でも、煙草を吸うことによって悪影響を及ぼした後の肺の写真などを写したりと、ある意味韓国の反日教育に似た行動をしていた。

テレビ番組では煙草が与える悪影響を、盛りに盛りまくって報道した。

これには煙草会社もテレビ局に営業妨害として訴えた。その報道を境に日本人の喫煙批判は大きく肥大化していった。愛煙家たちにとってはいい迷惑……いや迷惑すぎだ。

 

『新橋~新橋です』

 

っと、着いたか。まあとにかく、何も知らずに批判するような日本人は嫌いだ。ということ。

ゆりかもめを降りながら俺は乗り換える。東京メトロ銀座線にのる。

銀座までは六駅ほど、それまで煙草談義を再開しよう。

…………さて、この俺の心の中で談義しているわけだが聞いている人はいるのだろうか。

いや、いないな。まあいい。自己満足だ、一人の愛煙家としての自分に言い聞かせる自己談義だ。

煙草と言えば他にも葉巻とかパイプスモーキングなどもあるが俺は煙草以外だと葉巻ぐらいしか吸わない。

というか、高い。滅茶苦茶高い、吸うのであればいい物を吸いたい俺は葉巻でもいい物を吸う。

一本500ドルとかするからな、すごいのだと。パイプは嫌いって程じゃないが好きでもないし、あまり吸うことはない。綴の様に自分で巻く紙煙草もあるが、やはり市販の煙草は美味い。

ちなみに、義武叔父さんも結構愛煙家で、時々俺にお勧めの煙草とか葉巻をくれたりする。

というより灯央家は煙草や酒が大好物と言ってもいい、今は死んだ曾爺ちゃん灯央楓延も相当な酒飲みで、愛煙家だったらしい。酒は浴びるように飲み、煙草は肌から煙が出るほど吸ったとかどうとか。

今の日本で言えば、日本で最も不健康な家と言えるだろう。

煙草談義はこれにて終了、銀座駅に電車が到着する。そこでひとつ思い出す。

何時もある筈の鉛の重さが太ももに無い事を。

 

「…………あ、得物(コルト)忘れた」

 

武偵としては致命的な、自分の武器を部屋に忘れてしまった。

敵との交戦方法は、CQCと『話し合い』だけだ。

 

「ま、まぁいいか。アイツもそんなことするはずないよな、うん」

 

自分が恋してしまった相手が敵というだけあって、和久の判断能力は著しく低下していた。

普通であれば和久が得物を忘れる事なんて無いに等しい、ましてや敵がそんなことするはずないなどの考え何て芽生えるはずもないが。

 

「ハチ公前だったよな、行くか」

 

今の和久にとって、敵である存在のジャンヌ・ダルクは一人の乙女でしかないわけだった。

ハチ公前に着き、スマホを見ると現在10時25分。

時間はまだ45分も空いている、正直暇だ。

あそこにあるマックででも時間潰すか…………

 

「和久‼」

 

え、まさか……

ゆっくりと後ろを振り向くと、其処には黒主体のボーイッシュコーデに身を包んだ梗がいた。

好きなのか黒字のホットパンツに、赤いハートマークがプリントされている黒いTシャツ。

方にはベージュのカーディガンをかけている。

 

「お、おはよ?かな」

 

「あ、ああ。おはよう、早いなまだ45分前だぞ」

 

「そっちこそ……」

 

「…………」

 

「…………」

 

何故か気まずくなって、お互い無言になる。

 

「うー……」

 

梗の癖なのか、戸惑ったときに上げる呻き声の様な低音が響く。

中々に通った声で、周りは何事だ、と梗の方を見る。

それに恥ずかしくなり、梗は俺の背中に隠れる。さながら妹のようだな……

 

「ほれ、行くぞ梗」

 

「うん、どこ最初行くの?」

 

「あー……そうだな、先に携帯行きたいが、店開くの10時からだろうしな。行きたいとことかあるか?」

 

「服屋さん、行きたい」

 

服屋か、まあ俺も久しぶりに服買うか。

 

「了解、行こうか」

 

「うん!」

 

始まりは出来たてほやほやのカップルの如く戸惑いを隠せない俺達は、何故か集めてしまう周囲の目線を裂ける様に梗は歩き、俺ははぐれないように梗と手をつないだ。

最初に言ったのはPARCOだ、中のベルシュカというブランドに入って服を見る。

海外のブランドだからやっぱり日本のブランドとは服の雰囲気いかも違う。

こっちはなんというか、海外感がある。よく分からなかったらすまない。

 

「こ、これとかどうだろうか?」

 

梗が持ってきたのは、Roarの黒い夏用のベスト。

先程着ていたカーディガンと色が合いそうな肩から腕を大きく露出したもの。

てかこれはキャミソールでも通用しそうだな、おい。

 

「いいんじゃないか?梗には黒が良く似合う。他にないのか?」

 

「……和久が……選んでくれないかな?」

 

「俺が?俺センス無いぞ?」

 

……嘘付けと梗が呟く。

現在の俺の服装は、白い布地に黒くストーンズのマークがプリントされている半袖Tシャツを肩までまくり、タンクトップの様にしている。そしてその上からは長めの袖の黒いベスト。

下はエヴィスジーンズのジーパンだ。エヴィスのジーパンは高いし、さりげなく履いている茶色い靴もアメリカのブランドであるウルヴァリンだ。

 

「そうだな……これとか?」

 

俺が手に取ったのは同じく黒いポンチョ。

布地がものすごく薄く、周りから見ても透けないようにできているために下着の上からも着ることができる。そして下はニッカポッカの様に途中少しふくらみがある灰色のズボン。

 

「まあ、俺は今のお前の格好が気に入ってるから。今はそれ着とけ」

 

「……ありがと」

 

「ん?ああ……そうだ、お前がさっき持ってきたやつも買ってやるよ」

 

「え……?」

 

「礼だ、買わせろ」

 

やはり和久自身も梗がいたことで任務漬けだった自分に、人間性らしきものが芽生えたということは理解していた。梗がいたからこそ今の自分がいたと言ってもいい。

だけど礼と言っても俺ができることは、情けないが何かお礼としてプレゼントするぐらいしか思いつかない。ただ、俺は梗に感謝していることを伝えたかった。

 

「俺にはこうすることしかできない、それしか思いつかなんだ。不器用だからな」

 

「…………うん」

 

「お前には感謝してるよ、梗」

 

梗の頭に手を置いて微笑む。

 

「私も。感謝してる」

 

実の事を言うと、梗が俺に恋愛感情を向けているということは分かっていた。

梗は俺の事が好きだと、その事に関して羞恥心も虚栄心も何もないが、俺も恋愛小説を見てそれくらいわかる。思い人にもまた思い人がいたら、傷つく。

そりゃあそうだ、自分が恋している相手の心の向きは違う方向に向けられているのだから。

そこで恋愛小説や漫画の主人公たちの道は二手に分かれる。

『諦める』『諦めず敵を蹴落として自分が恋人となるようにする』

という二つの道だ。前者はとても簡単だが、後者はとても険しい道を進まなければならない。

後者は誰か一人の恨みの感情を受けるほかないから。

だけど俺はその二手だけとは思わない、俺が考える事。

それは『何故恋する相手が一人だけでしかならないのか』という事だ。

 

「それじゃあ、行くぞ。飯までには決めて、午後は映画でも見よう」

 

「うん‼」

 

一時間ほどで携帯を買うことができた。

下取りで一万、そして引継ぎ値引きで思ったより安く買うことができた。

スマホも最近はほとんど大量生産状態になっているらしく、当初の発売価格よりも相当安くなっていた。

現在も刻々と進化しているということが電化製品でもわかる。

そう遠くない未来にも空飛ぶ車が出てくるんじゃねぇか?って思うほどに世界の成長速度は速い。

それは武偵達にも影響することは確実だ、

例えば。もし警察や武偵に代わる存在である人工知能ロボットが出てきたりするとどうなる。俺達の価値は消えうせる。実際武偵連盟では人工知能の研究は相当進んでいるらしいし、最強の第三者としてロボットが登場する未来もそう遠くはない、と親父も言っていた。

キンジの爺さんも人工知能ステルス機をアメリカが開発したという噂を聞いたことがあるらしい。

世界の成長は、いま世界を生きている者にとっては恐怖ともなるし希望ともなる。

今の俺にとってはこれ以上の成長は恐怖を生み出すほかないと思うがな。

 

「和久?」

 

「あ、ああ。すまない。考え事してた」

 

「そうなのか?」

 

「ああ、今も大分便利になったな。ってな」

 

「ふーん……」

 

「飯行くか、もう12時半近い」

 

「うん」

 

俺等が入ったところはハンバーガーのチェーン店だ。

今度は奢られてばかりだと悪い、と言われて割り勘した。

俺も言われてみれば俺は初めて割り勘というものをした。

しょうも無いが昔からキンジとか武藤とか不知火たちを外食する時は俺がいつも金を出していた。

理由、単純にあいつらが金を持ってこないから。

いつもいつも、金を持ち歩いている俺を利用していると言ってもよかった。

酷い時なんて自分たちは手ぶらで旅行に行って、俺の金だけ使うということもした。

だけどそれを俺が怒りを示さないからアイツらはいつもそうする。その内に俺がキンジ、武藤、不知火の俺を含む四人組の財布になった。元々煙草と酒ぐらいしか使わない金だったから俺も何も言わなかったが。

 

「うまいな、これ」

 

エビカツが挟んであるハンバーグを食べながら俺は感嘆の声を上げる。

 

「うん、美味しいな」

 

今着ているチェーン店はあの俺と同じ、赤い髪のピエロみたいな奴が居る店ではなく、その店の看板に似た少し高めのハンバーガーチェーン店だ。

学生が手を出すには少し財布がきつい場所だが味はやっぱりうまい。

 

「あ。美味しいね」

 

…………

 

「さっきから思ってたんだが、お前なんでさっきから言い直すんだ?」

 

携帯を買って説明を受けているときもだった。

梗が発言した直後に、例えば「そうだな」と肯定の発言をしたと思えば「あ、そうだね」というのだ。

 

「え……そ、そのだな……」

 

「ん?」

 

「わ、私って話し方おかしくないか?」

 

…………

 

「お前、まさか男口調意識してるのか?」

 

「そうだな…………そうだね」

 

「俺は気にしないから、普通でいい」

 

「そ、そうか?」

 

「ああ、話し方なんて人それぞれだ。お前は方言を使っている人を非難するか?しないだろ?そういう事だ」

 

方言と言えば貴希も昔関西弁を気にしていたことがある。

俺が初めて大阪に行ったときも、友達の前で無理に標準語で話して不思議がられていたりとか。

関西弁はそこまでじゃないが、秋田弁とかになると聞き取れないのがほとんどだ。

そう言う意味でも非難されることは多い。

 

「まあ、気にするなってことだ。俺は言葉づかいなんかで人を選ばない」

 

「…………うん、ありがと」

 

「それにそこまで男口調って程じゃなないだろ、武偵高に語尾「ござる」の奴とか普通に居るからな」

 

ちなみにそいつはキンジの戦妹である風魔陽菜だ。

諜報科のランクBで、一人称は某。忍者として風魔一族の末裔ではないかと噂されているが、実態は不明だ。俺と同じく焼きそばパンが好物で好感が持てる奴だ。

 

「そ、それは……」

 

それに男口調と言ったら武偵高には『男女』ってのがいるからな。

キンジの戦妹である風魔と同じく、一年生だが。

 

「ほら、分かったなら食え。映画見に行くんだろ?」

 

「ま、待って和久‼」

 

席を立ちあがった俺を、追いかけるように口にハンバーガーを詰め込もうとする梗の手を止める。

 

「喉詰まらせるぞ、ゴミ捨てに行くだけだからゆっくり食え」

 

「むぅ……」

 

「笑わせんな腹イテェ」

 

「全然笑ってないじゃないか‼」

 

「これを腹の底から笑う、っていうんだ。底だから分からないだろ?」

 

「へぇ、そうなんだ……ってそんなわけあるか‼」

 

バシンッと俺の手を漫才のツッコミの如くはたく光景に、店の中に居た客たちがクスリと笑う。

途端梗の顔が真っ赤になって、机に顔を伏せるがその時にまた品物を置くボードに思いっきり顔をぶつける。

 

「~~~~~~っ⁉」

 

灰花梗の真骨頂その一。

『たまに見せるドジ』

何時もしっかりしている女子高校生の灰花梗だが、最高潮に羞恥心などが高まる時相当ドジっ娘になる。

他にもあるが、それはその時説明しよう。

 

「おい、大丈夫か?」

 

苦笑しながら梗に声をかけると、梗のおでこが赤くなっていた。

それを見たのか、店員がお手拭を持ってきてくれる。

 

「あ。すいません」

 

「い、いえいえ。……ぷっ」

 

笑ってたな、あの店員思いっきり笑ってたな。

確かに面白いけども‼

最初に梗の事を着に掛けた時もこいつは思いっきりドジを踏んでくれた。

俺の事を尾行していたのだが、途中電柱にぶつかりゴミ捨て場に落ちて、犬の尻尾を踏んで追いかけられたりと、まるで漫画のようなことが起きた。

あの時は足が速い俺を追いかけるのにテンパってたからだろうな。

 

「ほら、これ」

 

お手拭を梗のおでこにあてる。

 

「んっ」

 

「ったく、ドジが」

 

「ご、ごめん」

 

「慌て過ぎ、俺は何処も行きやしねぇよ」

 

我ながらクサイセリフを言ったものだ。

 

「……うん」

 

これまで以上に顔を赤くしながら、ハンバーガーを頬張る梗はめちゃくちゃ可愛かった。

そこらのモデルなんて目じゃないほどに。梗の事を調べたことがあるのだが(ストーカーじゃない)梗の母親は元モデルだったらしく、とても似ていた。流石遺伝は言う事が違う。

梗も食べ終わり、店を出ようとするその時だった。店を出ようと扉を開けた瞬間に目の前の人にぶつかったのだが……

 

「じゃ、ジャンヌ?」

 

「ひ、灯央?」

 

「あ、ひおっちじゃん⁉やべっ…………っと、それより」

 

そのぶつかった人物は……白銀の髪を防止で隠した美少女――――ジャンヌ・ダルクと金髪ツインテールの悪魔怪盗娘、峰理子だった。ものすごく嫌な予感がするのは何故だろうか。

 




さて、梗の初めてのデートと言う戸惑いと慌てぶりはうまく書けていたでしょうか?
とぎれとぎれに描いて行ったので、もしかしたら読みづらかったり誤字があったりするかもしれません。もしその時は指摘戴けたりするとありがたいです。

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