光纏え、閃光の騎士   作:犬吉

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気が付けば長い間がww

これはもう、構成のために怪盗になるしかありませんね。
ちょっと、悪人の心に潜入してきます!







……え、お前が潜入される側だ、ですと? そんなバカな。
(足元に予告状が届く)




 ケルベロスギルディが撤退したため、鏡也達はアドレシェンツァまで戻ってきた。無事に戻ってきた愛香に慧理那が責められ、慧理那はひたすらに肩を落としていた。どうやら、愛香がM78星雲に帰りかけたのは慧理那が巨乳の属性玉を発動させ、愛香がそこに割り込んだせいだったようだ。

 途中で尊と合流し、店の前ではトゥアールが「wktk」というネットスラングそのものの顔をしている。ニヤニヤと絡んでくるトゥアールが愛香によって「bkbk」にされたのは言うまでもない。

 店に入ると、中は中々盛況だった。だが、総二が足を踏み入れるや途端に立ち上がった。

「すまん! おれと友だちになってくれ!」

「いや、俺と!」

「ばかもの! ワシとじゃぁあ!」

「何なんだよこれ!」

 総二に向かっていきなり迫る客達。そして視線がグルッと鏡也に向いた。

「「「そのポジションをよこせ!!」」」

「揃いも揃って……血迷ってるのか?」

 迫る客の群れを十把一絡げに亀甲羅状に縛り上げ、鏡也は首を傾げた。総二は事のあらましを知っているであろう自分の母であり、この店の店長である観束未春に尋ねた。

「一体どうなってるんだ?」

「みんな『モテモテの主人公を羨む親友ポジション』と『変身ヒロインと事あるごとに遭遇する一般人のポジション』になろうっていう願望よ。先達の願い、叶えてあげて?」

「お断りです」

「ていうか、何だよそれ。モテモテの主人公って……」

 母の世迷い言に辟易しつつ、総二は店の奥へと入る。その後ろに愛香らが続き、そして未春が――。

「店を見てろ経営者―――――!!」

 あまりにも自然に、当然のごとく付いてこようとする未春に総二のツッコミが入った。だが、その程度で怯むようなら苦労はしない。引き下がるようならば、世間で噂の変身ヒロイン(男)の母親などやっていられないのだ。

「ああ、大丈夫。最近じゃ、みんな勝手に淹れて飲んでるから。それにほら、今はみんな縛られているし」

「解いてやれよ!?」

 アドレシェンツァのセキュリティはどうなってるのか。そんな些細な事など気にも留めない。そうでなければ、地下に秘密基地をこさえた喫茶店など経営できないのだ。

 もう、止める事はできないんだと、そんな人が母親なのだとうなだれる総二の肩を、鏡也はぽん。と叩いた。

 ちなみに慧理那は日常的な場所(カムフラージュ)から非日常的な場所(秘密基地)へ行くという、ヒーロー物のお約束展開に終始興奮していた。

 

 基地内では早速、ケルベロスギルディに対する会議が行われた。モニターには先程の戦闘の様子が映しだされている。

 ブルーの卑怯極まりない蛮族度満点の奇襲攻撃だったが、当たる直前に二体に分裂、一体が喰らって残り二体は躱していた。

 そしてその後、三体は一つになり、一体が受けたダメージは完全に回復しているように見えた。

「やはり、予想通りか。これはやはり三体が分離している間に倒すしか無いか」

「ダメージを与えても、一体でも無事なら回復されるからな。これは偶然……じゃないよな?」

 ダークグラスパーの登場と合わせるかのように現れたケルベロスギルディ。これが偶然である筈がない。

「俺達、ツインテイルズに対抗するために選ばれた……って考えた方が自然だよな」

「流石観束君。素晴らしい着眼点ですわ」

 慧理那に褒めそやされ、総二は照れくさそうに頭を掻いた。それを尻目に、鏡也は考えていた。

 

(善沙闇子が一躍有名になったのは、髪型を変えてからだ。ツインテールから、三つ編みに。そして、ケルベロスギルディは三つ編み属性。思い返しても見事な三つ編みだった……それこそ、”善沙闇子の三つ編みと同じぐらいに”)

 

 この予想を立てられたのも、総二と違い〈善沙闇子がダークグラスパーである事〉を知っているからだ。

 だとすれば、ケルベロスギルディはツインテイルズに対する為というよりも、ダークグラスパーの作戦――つまり、眼鏡属性を拡めるために招集されたと考えるべきだ。

 しかし、そう考えると一つ、得心が行かない点が出てくる。

 

(何故、ケルベロスギルディは善沙闇子を襲おうとした? ダークグラスパーの作戦に関わっているなら、その正体も知っているはずだ。だとしたら……一体?)

 

 そこにある筈の意図を読み切れない。鏡也は思考を中断し、顔を上げた。

 

「ほらほら! 総二様がもみくちゃにされてますよ! あの女生徒、制服の中に手を突っ込ませてすぐに離脱してますよ! 中々にやりますね!」

「うっさいわね。現場にいたんだから知ってるわよ!」

「あれ~? もしかして嫉妬してます? 心配しなくても愛香さんがいたって、誰も触らせようとしないどころか、油汚れをJ◯Yしたみたいになるのがオチじゃないですかね~!」

たみたいなるのがオチじゃないですかね~!」

「あらいやだ。こんなところに頑固な汚れがあるじゃない」

「ちょ、人の顔に何で手のひらをぉおおおおおおおおおおおお!?」

 グワシグワシと力を込めて愛香がトゥアールの顔を拭いている。力を入れ過ぎて白煙が上がっているが、大したことではないだろう。

 その隣では凄い速度で婚姻届を書き上げている尊がいた。手書きなのに、輪転機よりも速いかもしれない。

 そして総二はといえば、未春と何やら盛り上がっていた。昔、ケルベロスyという犬という名の下僕を飼っていたとか、その頃は真なる闇の女王(オプスキュリィ=レイヌ)と名乗って神魔超越神(父)と戦っていたとか。正直、どれもこれも小指の先ほども関わり合いになりたくない状態である。

 必然的に関わらざるをえない総二は、ツッコミと絶叫のハーフアンドハーフでこれでもかと悶えている。

「これはもう、お開きだな」

「そうですわね。次こそ、ケルベロスギルディを倒してヒーローとして認められてみせますわ」

 慧理那がグッと決意とともに拳を固める。熱いハートを持っているのに、見た目のせいでつい、温かい目で見守りたくなってしまう。

 総二はどうしてか、鏡也の方を捨てられた仔犬が救いを求める目で見ている。首輪とかドMとか色々と心当たる言葉が聞こえたが、全く分からない。

「――ん? そういえば今日は何かあるんじゃなかった?」

「え? ああ、そうでしたわ! 今日はTOKYO XNテレビで〈爆走戦隊バギーレンジャー〉の再放送があるんでしたわ!」

 爆走戦隊バギーレンジャーとは、10年ほど前に放送されていた特撮戦隊物である。前作の超自然戦隊サイコレンジャーがシリアス路線であったのに対し、こちらはコメディ色が強い異色作となっている。

「今日は敵幹部がヒーローの弱点を探ろうと、悪巧みをするんです。部下の怪人に自分を襲わせて、わざと助けられて親しくなるんですが……そこからまさかの、禁断の恋愛に発展してしまうんですよ」

「秘密を探る……? もしかしたら」

「うん? どうかしましたか?」

「いや、何でもないよ。俺は先に帰るから。――総二、愛香。また明日な」

「え? ああ、うん。じゃあね」

 愛香は返事を返すが、総二は頭を抱えたままだった。尤も愛香の手にも、抱えられたままのトゥアールがいるのだが。

 

 ともあれ、鏡也は基地を後にした。翌日にもう一度、あの会場に行くことになると考えながら、その帰路を行くのだった。

 

 ◇ ◇ ◇

 

 翌日。鏡也の姿はイベントスペース前にいた。先日も遅れながらイベントは開催されたようだ。そして今は夜に行われるイベント本番前の最終リハ中だ。

 昨夜、父に頼んで関係者パスを用意してもらい、それを使って会場内へ。

 イベントの行われる会場に、観客以外で入るという行為に若干の緊張をしつつ、目的の部屋へとやって来た。

「………」

 手の中の花束と、ドアの脇の名札をチラリと横目で確認する。間違いはない。

 これから先は伏魔殿だ。下手をすれば、ここで全てが終わってしまうかも知れない。だが、行くしかない。

 鏡也はドアをノックした。少しの間が空いて、中から声が聞こえた。

 

「はーい?」

 

 その返事を待って、鏡也はドアノブに手を掛けた。

「こんにちは。今、大丈夫ですか?」

「御雅神さん! 来てくれたんですね!」

 顔を覗かせた鏡也を見て、楽屋の主――善沙闇子は朗らかな声を上げた。

 

 ◇ ◇ ◇

 

『だから……ナスは嫌゛い゛な゛の゛て゛す!』

『ッ……! まずいわ、また電がプラズマ化してるわ!』

『ハラショー。すごく嫌な予感しかしない』

『誰か暴徒鎮圧用兵装(比叡先輩の料理)を! 急がないと扶桑先生に次ぐ被害者(大破)が!』

 

 

「ぐへへへへ………。いいやぁああああぁあぁあぁああああ………幼女って、本当にいいものですね」

「何をピーピングしてんのよ、このガチ不審者」

「うぶはぁあああ!?」

 地下基地でモニターを眺めながら、某映画解説者のようなことをのたまったトゥアールが車輪のように転がっていく。

 愛香がそれはもう酷いものを見るような目でコンソールを操作する。次々に映る、小学生低学年らしき少女達の姿。

「………あんたさぁ、そろそろ自首しなさい? 異世界の超科学を使っての盗撮なんて、シャーロック・ホームズもびっくりだから」

「むしろ、愛香さんの口から世紀の名探偵の名前が出たことにびっくりですよ」

「そう言えばシャーロック・ホームズって格闘技も出来るのよね」

「バリツッ!!」

 ライヘンバッハの滝の戦いのごとく、二人が戦う。ただし名推理など何処にもない一方的な展開だが。

「愛香、あんまりやり過ぎるなよー」

 と、置いてけぼりにされたワトソンのような総二が声をかけるが、果たして聞こえているだろうか。呆れ気味に嘆息し、後ろにいる二人に声を掛けた。

「えっと、騒がしくてごめん」

「何を今更。いつもの事だろう。それでもそう思うなら、この婚姻届にサインを――」

「そうですね、いつも通りですね。あ、慧理那はなにか飲むか?」

 婚姻届を音もなく出した尊を強制シャットダウンして、慧理那に話を振る。尊の追求を躱すにはこれが一番早いと総二も学習していた。

「いいえお構い無く。客人ではないのですから。それにしてもお二人は本当に仲良しですね」

 慧理那は微笑ましい物を見るように、戯れ合う愛香とトゥアールを見ている。戯れ合いというのは正しい見解だ。ただ、その力関係がベンガルトラと三毛猫程に差があるというだけだ。

「……おや、これは横須賀にある全寮制学校のものではないか?」

 尊がモニターに映る少女達を見てポツリと零した。映像の中では銀髪少女が筆舌にし難い、何か魔紫色のものを暴走する少女の口に投擲していた。その一撃で暴走少女は大破確定なのは一見して分かった。入渠完了まで4時間は固そうだ。

「知ってるんですか?」

「うむ。私がよく行くお見合いパーティーに、いつも現れる……いわゆる宿敵(とも)とも言える奴がいるのだが、そいつがここで教師をしていた筈だ」

「は、はぁ……宿敵、ですか」

 尊の宿敵。そう聞いただけで件に人物も婚活魔人なんだろうなと容易に想像できた。

「奴はなかなかすごいぞ。なにせ家事も料理の腕も私に比肩する程だ。女子力という点ではそこらの小娘なぞ足元にも及ばない」

「……なのに、結婚できないんですね」

「ううむ……果たして何が問題なのか。きっと運か環境のせいだろう、先日も『何でビッグ7のくせに辛いカレーがダメなのよー!! いい大人がお子様口か―!!』と叫んでいたしな」

「…………えっと、その件はさておいて。ケルベロスギルディ対策の話をしましょう!」

 これ以上、この話を続けるのは危険だと感じて、本題に入る。総二はバサッとチラシの束をテーブルの上に並べた。

「ケルベロスギルディは以前、大きなイベントが行われる施設に現れた。目的は女性を三つ編みにすること。という事は同じように、次もイベント会場を襲う可能性が高い。で、近く行われる、女性が多く来そうなイベントを調べてみたんだけど……」

「多いですわね。近郊だけでも20はくだらないですわ。これでは何処を襲うか予想できませんわ」

「そもそも、イベントを襲うとは限らない。女子の多いところなら、女子校や女子大でも良いのだからな」

「なにか決定的なものがないとダメか」

「こういう時、鏡也がいれば何か思い付いたりしてくれるんだけどねぇ」

 激しい戦いから帰ってきた愛香が、チラシを手に取って呟く。その手に生々しい跡が付いていることには触れてはいけない。

「そういえば鏡也くんは来ていないんですの?」

「ああ。昨日、ケルベロスギルディが善沙闇子を襲ったらしくて、大事な会社の広告塔だから、様子を見に行くって」

「そうですか。そういえば最近、善沙闇子さん……でしたか。よくテレビに出ていますわね。確か今日も、新曲の宣伝で出ていたかと」

 慧理那は先日基地に来た時に覚えた操作で、テレビを映した。本人はイベント会場入りしている筈なので、その番組は録画だ。

「最近、よく出てますよねぇ。そのせいか、眼鏡をかけてる人も増えてきてますよ」

「ナイトグラスターの時よりも確実に増えてますよ。まあ、露出の差というのは大きいですけど。あ、折角ですから愛香さん掛けてみたらどうですか? きっと鏡也さん喜びますよ」

「嫌。絶対嫌。死んでも嫌。世界が滅んでも嫌。むしろあんたが掛けなさいよ」

 7割程度の復活を果たしたトゥアールが赤いフレームの眼鏡を差し出す。が、愛香は速攻拒否。逆にそれを手にしてトゥアールに掛けさせようとする。

 二人の第二戦が始まるのを尻目に、総二はふと思い立つと、トゥアルフォンで”善沙闇子”と検索をかけた。

「………うわ、22万件もヒットした。デビューしてまだ間もないのに」

 そのすさまじい反応に、総二は何故か、薄ら寒いものを覚えた。これではまるで―――。

「――テイル、レッド………っ!?」

 総二は目を見開き、トゥアールに叫んだ。

「トゥアール! この映像、町中とか映せるか?」

「え? ええ、出来ますよ。ちょっと待って下さい。……で、何処の小学校を映せば良いんですか?」

「いや、そうじゃなくて……駅前辺りを頼む」

 頭をギリギリと締め上げられながら、トゥアールがコンソールを操作する。映し出されるリアルタイムの映像。時間も時間であり、人通りはとても多い。それを食い入る様に総二は見つめた。

「総二、一体どうしたの?」

 愛香がトゥアールを締め上げながら首を傾げる。

「――何時からだ?」

「え?」

「何時から、こんなに眼鏡をかけてる人が増えた? 街行く人の殆どが、眼鏡を掛けている」

「そういえば……多い多いとは思ってましたが、改めて見ると……少々おかしいですわね」

 映像の中で、眼鏡をしていない割合は1割程度だ。これは明らかに異常だ。何か、異常事態が静かに起きている証だ。

「こんなに眼鏡が増えたのは……善沙闇子が出てきてからだ。今にして思えば、彼女は自分よりも眼鏡をアピールしていたような気がする」

 総二の中で、些細な違和感から生じた疑問はどんどんと膨らんでいく。何故そんな事をするのか。それではまるで彼女の活動は眼鏡を世に拡める為にしているようではないか。

 

 ――眼鏡属性を、拡めるために。テイルレッドがツインテール属性を拡めたように。

 

「善沙闇子………ヤツは、ダークグラスパーだ」

「えっ……?」

「なんで今まで気付かたかったんだ? 善沙闇子のやってる事はテイルレッドがツインテールを拡めたのと同じだ。それに、今なら分かる。こいつの顔は、あの時会った顔だ!」

 総二が断言すると、愛香たちはまじまじと画面を見る。そして――。

「あ……ああ……ぁああああああああああああああああああああああああ!?」

 トゥアールがこれでもかと目を見開いて、絶叫した。

「何なんですか、何なんですかこれは!? 何でこんなアイドルスマイル全開で歌って踊ってるんですか!? あの子、こんな顔なんてしませんよ!? もっと淀んだメスの顔するんですよ!? 何ですかこの悪夢のような光景はぁああああああああああ!? 何で今まで気付かなかったんですよ私ぃいいいい!!」

 頭を抱え、ブレイクダンスしながら悶えるトゥアール。

「もしかして認識阻害、でしょうか?」

「間違いない。トゥアールでさえ気付けなかったんだ。相当に強力な認識撹乱装置(イマジンチャフ)を仕掛けてるんだろう」

 慧理那の言葉に総二は頷く。イースナをよく知るトゥアールでさえ誤魔化された程だ。今、ふとした疑問を抱かなければその正体を看破し得なかっただろう。

「……ねえ、これってヤバイんじゃない?」

「ああ。すでにアルティメギルの侵攻が行われてるってことだからな」

「いや。それもそうなんだけど……」

 愛香が口ごもる。

「何だよ?」

「だって……会いに行ってるんでしょ? ……鏡也が」

 愛香の言葉に、基地内が沈黙した。そして――。

 

「いやぁあああああああああ! すぐそこに! すぐそこにイースナの魔手が! 総二様、今すぐに何とかしましょう! 具体的には総二様の全てで私を慰めて下さい、ベッドの中で!!」

「総二、今すぐ鏡也に電話しましょう。すぐに教えてあげなきゃ」

「そ、そうだな。よし」

 トゥアールがベッドの中で安静しなければならないような状態にされていくのを尻目に、総二はトゥアルフォンを手に取った。

 間に合ってくれ。心から願って。

 

 ◇ ◇ ◇

 

「それにしても元気そうで何よりだ。怪物に襲われたと聞いた時は、びっくりしたよ」

「ありがとうございます。でも、わざわざ来てくれるなんて思いませんでしたよ」

「そりゃ、うちの会社の大事な看板娘ですからね」

「それだけですか~? もっとこう『君の眼鏡が心配で心配で堪らなかった』とか」

「自分のことを、よくそこまで言えるな。尊敬するよ」

「言えますよ! だって、あたしの眼鏡は世界一ですから!」

 そう言って「キラッ!」と眼鏡を光らせた。その威容に鏡也の心が激しく揺さぶられる。その正体を知っても尚、抗いがたい魅力があった。蠱惑、という名の輝きだ。

 なるほど。知らぬ者がこれを見れば心を染められてしまうな。と、逆に納得さえ出来た。

「………」

「……何?」

 はたと返った鏡也は、善沙闇子が顔を覗き込んでいるのに気付いた。レンズ越しの黒い瞳に、自分の困惑気味の顔が映っている。

 そのままじっと見ていた善沙闇子は、姿勢を直して神妙な面持ちで口を開いた。

 

「――もしかして、ナイトグラスターですか?」

 

 突然の切り込みに、鏡也は動揺して目を見開いた。




ついに明らかとなった善沙闇子の正体。
鏡也に迫る危機。総二達は間に合うのか。

そして、トゥアールの貞操はイースナに捧げられてしまうのか。
はたまた鬼畜眼鏡が踏みまくりにしてしまうのか。

そんな中現れる影。運命が交錯し、悲劇が訪れる!!


次回、乞うご期待!

(予告内容は本編と何ら関わり合いがありません)

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