ある日の放課後。陽月学園高等部の廊下に怒声が響いていた。
「いい加減に校内で暴力行為はやめて下さい! 私がめり込んで壁が壊れたらDIY研究会がさっとやって来て直しちゃうぐらいに、皆慣れちゃったじゃないですか!」
「あたしだって好きでやってんじゃないわよ! あんたが要らんことするからでしょーが!」
部室に向かうその途中。進んできた道に残る爪痕をDIY研究会が手際よく修繕していくのを背景に、二人のいつも通りのやり取りをBGMにして、総二達は部室に向かっていた。途中、また壁に被害が出たりしたが、概ね平和である。
ハワイでのパピヨンギルディ以降、エレメリアンは出ていない。懸念通り、ニュースやネットで大叩きを喰らったテイルイエローこと、神堂慧理那がまた凹んでいるぐらいなものだ。
そんな慧理那は今日は生徒会の為、部室には来れない。だが、生徒会長の立場を考えればしかたのない事だ。
部室に入ってお茶など淹れつつ待っていると、ドアが開いた。
「おお、揃っているな」
いつの間にかツインテール部の顧問に納まった桜川尊である。体育教師の肩書であるにもかかわらず、常時メイド服だ。護衛任務で来ている筈なのに護衛対象から離れてて良いのかという気もするが、その辺りにも一悶着あって、慧理那がテイルイエローになって以降、自分の存在意義についてかなり悩んでいたらしい。
どれだけ強くなろうと、慧理那を護るのは別段エレメリアンに限られた話ではない。不意な事故、事件、良からぬことを企む相手もいよう。そういうのからも護る必要性を必死に説いて、どうにか立ち直った経緯があった。
学園内は比較的安全であるし、総二達も何かあれば駆け付けられるので、学園ではこうして、教師としても活動がメインになっていた。
「さて、早速活動報告と行きたいのだが……お嬢さまの
「
「そうか……大分、落ち込んでいらっしゃるからな」
総二の答えに尊は軽く肩を落とした。
悪評が大きいとはいえ、基本的に公衆の面前で脱ぐのと物理的な被害ぐらいしかない。人が聞けばそれで十分だろうと言いそうだが、ブルーのそれはイエローのそれを尽く上回る。ハワイでの一件も、何だかんだでイエローよりもブルーの悪鬼も裸足で逃げ出す形相ばかりが放送されていた。
そのツインテールは悪魔の証明――デビルツインテールだの、ツインテールのシルエット入りライトを夜空にかざせばやってくるだの、黄金のコウモリが現れると、高笑いとともに登場するだの、どこからともなく現れて超時空シンデレラをスレイヤーするだのと都市伝説が実しやかに囁かれている。
「あの……一応言っておきますが、あれはテイルギアに強制されてのものではありません。本人の無意識下にある願望――其処に起因しているんです」
「……立場ゆえの反動か。のびのびとされているのは喜ばしいのだが、このままではなぁ」
備え付けのテレビを点ければ、件のニュースである。テイルレッドが地元金髪美女にもみくちゃにされ、ツインテールを触ったり触られたりしている。そのせいで愛香がまた不機嫌になり、詐欺だとか訴訟だとか、四月当初に聞いたことのあるような言葉が愛香から飛び出しているが、鏡也は我関せずとお茶をすする。
その脇を、何故か顔を真っ赤にした愛香が通り過ぎていく。何があったのか、湯呑みを傾けたまま、視線を送る。どうやらテレビを消すつもりのようだ。だがそれなら、リモコンで充分――。
ドスン―――!!
「「ぶっ――!」」
テレビの液晶に愛香の手刀が突き刺さった。
「お前、何やってんだよ愛香!」
「え……うわぁ、何で!?」
「まさか物理的に消しにかかるとは予想外だった」
見事にぶち抜かれたテレビは完全にご臨終だった。このまま四九日を待たずに
「まあ、ファンは大事ですよ。私だって現役時代、引っ張りだこでしたし。アンチばっかりの愛香さんには理解できないでしょうけどね~ウププ~」
「………そういえば、あのイースナってのもあんたのファンだったのよね。そんなに印象に残るやつだったの?」
テレビのフレームをアルミ缶のように軽く握りつぶしながら、愛香が話を振ると、ブルッと体を震わせながら、トゥアールは答えた。
「印象に残る残らないにかかわらず、幼女のファンは皆覚えていますよ。ただ、イースナが色んな意味で困った部類であったというだけで」
「覚えているのは幼女ばかりか。お嬢さまに手を出すなよ?」
ジト目で忠告する尊に、トゥアールは静かに笑顔を返すだけだった。そんな様子に尊は軽い溜め息を吐いた。
「そのお嬢さまのことで、いささか問題が起きている」
「問題?」
尊はその問題について語りだした。
テイルイエローとしての活動を始めてから、慧理那の生活リズムも崩れ、何よりツインテイルズの活動を公にできないせいで、出動=無断外出とされているようだ。
「そういえば大久先輩も、姉さんが授業中に居眠りしてたとか言っていたな」
「生徒会の方も身が入らなくてな。もちろん、頑張ってはいるのだが……そういう事で、奥様がたいそうお怒りでな」
生活態度の悪化を、母親が怒るというのは、保護者として当然の話だ。だが、そこに色々と複雑な内情が絡んでくる。
「たしか会長のお母さんって……うちの理事長でしたよね?」
「うむ。元々、別の学校に通っていたのを陽月学園に入学するようにしたのも奥様なのだ。その辺りに神堂家の事情が絡んでくるのだが……済まないが、他言無用に願いたい」
「もちろんです。誰にも言いません」
「口約束では心許ない。これにサインを貰えるか?」
「そこは俺への信頼を担保でお願いします」
差し出された婚姻届を、右から左に流す総二。この対応力がなければ、テイルレッドなどやれないのだろう。
「おばさんが怒ってるって……もしかして、相当やばい状況ですか?」
少し考えながら、鏡也は尊に尋ねた。
「鏡也さんは知っていると思いますが……神堂家には掟がある。神堂家の女性は皆、十六になると同時に伴侶を探し、十七までに見つけて結婚まで過ごす、というしきたりがあるのだ」
「何よそれ! 今時そんなのあるんですか!? 21世紀にもなって!?」
「落ち着け愛香。古い家にはそういうのがつきものだ。実際、おばさんも結婚したのは十八になったと同時の筈だ。でも、確か姉さんは……?」
興奮する愛香をたしなめながら、鏡也はそのしきたりに関わるある事を思い出した。そして、眉を潜めた。
「お嬢さまは生徒会長としての活動を頑張ることを条件に、その婿探しを引き伸ばしにして貰っているのだ。奥様も、自分の経緯もあるから、無理にしきたりを守らせるつもりはなく、その関係でこの陽月学園に転入させたのだ。だが――」
そこまで言えば、話は見えてきた。生徒会長としての活動に加え、ツインテイルズの活動が上乗せされたせいで、その条件が崩れてしまったのだ。
「ここ最近、見合いの話が頻繁に来ている。正直、その一つでもこちらに回してくれればと思うのだが……相手も良い所の家柄だからな。一介のメイドには無理な話か」
世知辛いのもだと、尊は首を振った。総二達は、庶民感覚から逸脱した話に半ば呆然としていた。
「一介のメイドって……尊さん、神堂家の養女じゃないですか」
「いやまあ、そうなのだが」
「「―――はあ!?」」
鏡也がぶん投げた爆弾が爆発した。
「桜川先生が養女……だって苗字違う!」
「普通に別姓名乗ってるだけだぞ? 戸籍上は姉さんの姉になる」
「マジかよ……知らなかった」
これまた唖然とした総二達にコホン。と咳払い一つして尊は話を続けた
「メイド一同は基本中立であるが、お嬢さまが悲しむ顔は見たくない。見合いに関しても裏で動いているが……何かあった時は協力を仰ぐかもしれない」
「もちろんです。俺達にも責任がありますし……なにより、慧理那は大事な仲間ですから」
総二は力強く答えた。愛香もトゥアールも空気を読んでか、頷いて返した。
(あの慧夢おばさんがそこまでするなんて。厄介なことにならないと良いが……)
鏡也は慧夢のことを思いだしながら、今後の不安を心の中に留めた。
――自分の属性力の一つが『
結局、今日もアルティメギルの出現はなく、帰宅することになった。鏡也達は下校準備をしていた。
「あ、しまった。忘れ物をした。すまないが先に帰ってくれ」
「何を忘れたの?」
「弁当箱だ。鞄を整理した時に出したままにしていたみたいだ」
「別に待ってるぞ?」
「いや、すぐに追いつく。いざとなれば転送で飛べばいいからな」
総二たちに別れを告げ、鏡也は教室に戻った。すでに校内に人影は殆ど無く、運動部も段々と数を減らしている。
室内に入るとやはり弁当箱は机の上に置かれたままだった。それを鞄に詰め、総二たちの後を追いかける。
「もし、鏡也さん?」
階段を降りようとしたところで声を掛けられた。凛とした、力強さを感じさせる響きに鏡也は自然、振り返っていた。
居たのは和風をピシっと着こなした、慧理那と同じツインテールの理知的な女性。
「……神堂理事長」
「久しぶりですね。一度遠目に見かけた事はありましたが、こうして改めて見ると、随分と男らしくなりましたね」
「いや、そんなことは……」
陽月学園理事長――神堂慧夢の登場に戸惑い、鏡也は苦笑いしか返せなかった。なにせ、先程まで神堂家のお家騒動を聞いていたのだ。その当事者の予期せぬ登場となれば仕方ないことだ。
そんな内心の動揺を気付かないのか、それとも意図的に見ないのか。慧夢は話を続けた。
「最後に会ったのは何時だったかしら。慧理那が陽月学園に転入する時だったかしら? 男子三日会わざれば刮目して見よ、とはよく言ったもの。顔つきも一段と男らしくなりましたね」
「あ、ありがとうございます。それで、理事長はどうしてこちらに? 何か用でしょうか?」
「いえ、用と言うほどでは……。すこし、鏡也さんに尋ねたいと思いまして」
「俺――自分に、ですか?」
なんだろうか。鏡也は僅かに身構えた。
「最近、慧理那と仲が良いようですね。このところの慧理那に、何か変わったことはありませんか?」
「変わったところ、ですか?」
何かどころか、思いっ切り変わってしまっているのだが。変身的な意味で。だが、そんなことは口が裂けても言えないので何とか誤魔化そうと試みる。
が、それよりも早く慧夢が続けた。
「このところ、無断で出歩き、門限を過ぎることも事も多いのです。尊に聞いても逸らかすばかり。昔はあんな子ではなかったというのに」
「あ、えっと……姉さんも色々とあるんじゃないですか?」
「つまり、心当たるものはあるのですね?」
「………」
慧夢の視線は鋭かった。その場しのぎの嘘やごまかしなど容易く看破するだろう。鏡也は一度、小さく息を吐いた。
「――慧夢おばさん。姉さんは今、新しいことをしています。今はまだ、不慣れな部分も多くて乱れている所が多いと思います。でも、どうかこのまま姉さんを信じて見守ってくれませんか?」
「――何をしているかは知りませんが、そのことが原因で生活が乱れているというなら、そういう訳には行きません」
「神堂家の掟は知っています。生徒会長の仕事をしっかりと行うことで、それを引き伸ばしにしていることも。だから、見合いの話を進めているということも」
「……尊から聞いたのですね。元々の約束を破ったのです。当然のことでしょう?」
慧夢の言葉は一見すれば尤もだ。だが、視点を変えれば見えるものは変わる。
「でも、そこにどれだけ姉さんの意思があります? 姉さんは今、自分の意思でやろうとしている最中です。それは蔑ろにされても仕方ないと言うんですか? 生徒会長の話だって、見方を変えれば言われたから努めているだけだと思えませんか?」
「それはあの子が、ツインテールと同じで未熟だからです。それに、当初の約束を守れない時点で、そもそも話にならないのです」
慧夢の瞳が細まる。神堂を統べる者としての、頂から見下ろす瞳だ。彼女は決して慧理那を愛していない訳ではない。むしろ深く愛している。鏡也の母――天音にも負けない親バカだ。それを知ってるからこそ、言わなければいけない。
「……未熟であることの、何が悪いんですか?」
「なんですって?」
「誰もが最初から完成しているわけではありません。慧夢おばさんだって、そうだった筈です。未熟と揶揄した姉さんのツインテールと同じように」
誰もが最初はそうだ。始まりから、道を極める者など居ない。千里どころか終わりさえ見えない。求道とは何かと問わず、そういうものだ。
だからこそ、それを知るからこそ、どうしても言いたい。
「未熟であることは、罪じゃない――!」
気付けば、声を荒げていた。慧夢を、キッ! と見据え、ぶつけていた。不意であった驚きか、慧夢は僅かに身動ぎ、顔に紅が差していた。
「俺に、ツインテールの機微は分かりません。それでも、姉さんがやろうとしていることは、きっと正しいと信じています」
鏡也は礼を失したことを詫び、踵を返す。階段を降りていくその背中に、慧夢の声が静かに届く。
「それでも……木を見て森を見ぬ者はいても、森を見て木を見ぬ者はいないのです」
「なら、俺は森の中であえて木を見ましょう。誰もが森を見なきゃいけないなんて、決められてませんから」
鏡也は振り返らずにそう答え、階段を降りていった。
「貴方は………慧理那の事をそこまで」
「……え?」
そこに僅かに聞こえた言葉。思わず足を止め振り返るが、慧夢の背が消えるのが見えただけだった。
「……?」
何を言ったかよく聞こえなかったが、取りあえずは納得してくれたのだと判断し、鏡也は総二らの後を追いかけるのだった。
◇ ◇ ◇
土曜日。半日の授業を終えた鏡也はとあるスタジオにいた。
「いい? 絶対に仕事の邪魔をしないこと。あくまでも見学だからね?」
「はい。大丈夫です」
このスタジオでは、善沙闇子の発売するCDジャケットの撮影が行われていた。MIKAGAMIの営業担当者に注意を受けながら、共に中へと入る。
「ここが写真撮影のスタジオ……結構、広いんですね」
初めて見るスタジオは、予想よりも閑散としていた。実際に使われているのはほんの一画で、照明が煌々と照らされるそこのせいか、スタジオ全体は暗い。それ以外は機材の置き場や簡易な仕切りが設けられている。
そして今、正にカメラのフラッシュを焚かれている少女――善沙闇子がいた。
「………」
遠目に見る彼女の姿は、アイドルとして確かに輝いていた。その眼鏡は見るものを魅了する、魔性の輝きだ。
やがて写真撮影が終わる。
いよいよだ。鏡也はここに来る前に、テイルグラスを外して普通の眼鏡に変えている。こちらの正体を露見させないためだ。
緊張を抑えながら、担当者の後に続く。
「はじめまして。MIKAGAMIの佐伯と申します。先日の件につきまして――」
早速、スポンサー契約に関する話をするのを、鏡也は少し離れたところから見ていた。しばらくして話が終わったのか、佐伯が席を立った。
「――ところで、そちらの人は?」
「え? ああ、彼は社長のご子息で、闇子さんのファンだというので」
「それは光栄です」
善沙闇子は鏡也に視線を向け、微笑む。アイドル特有の営業スマイルだ。鏡也も軽く会釈する。善沙闇子は鏡也の前まで来ると、手を差し出してきた。
「はじめまして、善沙闇子です。ところで眼鏡、お好きですか?」
「その問は、まさしく愚問。という他ないと思います」
差し出された手を握り返し、鏡也は答えた。
善沙闇子と眼鏡について存分に語り合い、鏡也は長居するわけにも行かないとスタジオを後にした。人並みを過ぎる中、一度だけスタジオを振り返る。
「やはり、善沙闇子はダークグラスパー本人だったな」
目前に見据えた彼女の圧倒的なプレッシャーは、余人であるならば立っていることさえ出来ないであろう。それ程の力を持つ眼鏡を、果たして見たことがなかった。たった一度以外は。
「こちらの正体は知られていない。次はもう少し踏み込んでみるか」
正体がわかった以上、次は彼女の目的だ。アルティメギルの幹部がアイドル活動しているという異様。そこに在るであろう策謀を看破するために、必要なのは情報だ。
「……さて、総二達には説明するべきか」
だが、眼鏡属性を持ち、あれだけ眼鏡力をぶつけ合った自分でさえ、こうして会うまで正体を看破できなかった事実。答えは見えていた
「下手に教えると、トゥアールあたりがどう動くか分からんな。最悪、こっちの正体を掴まれるかも知れん」
なにせ相手はトゥアールの同郷にして、その活躍を間近で見てきた相手だ。警戒するに越したことはない。
「それに……奴も俺の正体には気付けなかったようだしな。現状維持がベターか」
このまま、様子を見ることに方針を決め、鏡也は足を再び家路へと向けたのだった。
アルティメギル基地内。ダークグラスパー私室。そのドアが開く。
「おお、お帰りイースナちゃん。……何や、随分とご機嫌やな?」
「当然じゃ。なにせ………くくくっ」
「うわぁ~、何やその笑い方。気持ち悪いんやけど」
「うるさいわ!」
ダークグラスパーことイースナはバッグを投げ捨て、ソファーに身を投げだした。
「ナイトグラスター。あやつの正体がわかったわ」
「え? ホンマに?」
「――御雅神鏡也。あやつがナイトグラスター本人じゃ。トゥアールの作ったテイルギアは持っておらなんだが、間違いない。あれだけ眼鏡力を持つ者が他にいる筈がないからのぉ」
イースナはにやりと笑う。レンズの向こうに見える瞳は邪悪な光を湛えている。
「せやけど、それやったらイースナちゃんの方も危ないんやないの? 眼鏡力なんたらかんたら言うたら、向こうかて分かるんやない?」
「はっ。あやつの眼鏡程度に看破されるようなわらわではないわ。むしろわらわの魅力でメロメロじゃ!」
「………」
いや、それはないやろ。とは、メガ・ネは言えなかった。
「それでどうするん? このまま攻撃しかけるん?」
「いいや。このまま素知らぬ顔で接触を続ける。あやつの後ろにはトゥアールがおる。そこに辿り着くには、今はあやつしか手掛かりがないからの」
イースナは神眼鏡に触れる。そしてそのまま、ソファーに転がったまま服を脱ぎだした。
「……取り敢えず、シャワー浴びる」
「だから、いつもいつも服を脱ぎ散らかしたらあかんて言うとるやろ!!」
ぽいぽい。と服を投げ捨て、シャワールームに入っていくイースナに、メガ・ネがおかんのように怒った。
「シャワー出たら、もう休むから」
「はぁ……まったくもう。ちゃんと髪、乾かすんやで? もう、いつもいつも乾かさんまま寝ようとするんやから」
ブツブツと言いながらイースナの服を拾い上げ、ついでにバッグの中のタオルやら何やらも一緒に取り出して、洗濯機に放り込んだ。
メガ・ネがシャワールームで寝込んでいるイースナを見つけるのは、これから15分後のことである。
◇ ◇ ◇
アルティメギルの動きはダークグラスパーを中心に動いている。その作戦の最終目標が見えない中、表向きの平和が続く。
「わたくし、”えろほん”なる物を買いに行きますわ――!!」
そんな表向きの平和すら、粉々に砕け散ったのは週明けすぐのことであった。
眼鏡共は、互いに正体がバレてないと思い込んでいます。
それ、なんていうコントですか?w
次回は陽月学園に戦慄が走る、大問題のイベントですね。