ペルソナ4 the K.C.   作:黒城優輝

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お久しぶりです。どうもです。黒城です。
お久しぶりといっても5S’sも入れると月一投稿ギリギリセーフ。…正直忘れられてないか心配ですが。
今回でようやくヲーちゃん編が終わります。
結局シリアスを貫けなかったよ…
お楽しみ頂ければ幸いです。どうぞ。


第十五話 見敵!機動部隊RED! 後編

ヲ級(élite)「全機発艦!」

 

陽介(阿武隈)「うぉっ!しまった!」

 

ルー「アブナッ!」

 

赤いオーラを纏ったヲ級が艦載機を発艦させ、2人の間に割り込むように突っ込んでいく。

 

ヲ級(élite)「サァ、マズハ貴様カラダ!」

 

紅く輝く瞳を陽介に向けるヲ級。

第二ラウンドのゴングが響く。

 

 

 

 

キィン!ガキィン!カン!カン!ギャィィン!

 

陽介(阿武隈)「クソッ!ハアァァッ!」

 

ガキィン!

 

ヲ級(élite)「ハンッ、見エテイルワ!」

 

陽介(阿武隈)(こいつ…強え!)

 

双剣と杖で打ち合う2人。はたから見れば拮抗している様に見えるが、実際はヲ級からは攻めておらず、陽介の攻撃を完封し、確実な隙を窺っている。

 

陽介(阿武隈)(ルーさんとやらは…期待出来そうにねぇな。)

 

そしてルーは、ヲ級の艦載機に周囲を囲まれ、対空装備を持たない彼女は回避と防御を余儀なくされている。

とてもじゃないが、包囲を振り切りこちらの援護に来るのは無理そうだ。

 

陽介(阿武隈)(こりゃ本格的にヤベェ!)

 

陽介は思考を続けながらも攻撃の手は休めない。この均衡が崩れ、流れが敵に傾けば、逆転の一手となり得るペルソナ召喚は恐らく出来なくなる。

ペルソナ召喚の為の隙を作るために、何としても一撃をお見舞いしダウンを奪いたい。

 

陽介(阿武隈)「これならどうだぁァァッッッ!」

 

二刀を大上段に振り上げ、いっそ杖ごと斬りつけてやろうと渾身の力を込めて振り下ろす。

 

 

 

ニヤリ。

 

 

 

双剣と杖がぶつかり合う寸前、ヲ級は笑みを浮かべた。

 

 

 

ガキィン!

 

 

彼女は双剣を受け止めると、瞬時に杖を回す。

 

シャァァァッッッ!

 

半回転、力の流れを逸らされた双剣は杖をこする様にして受け流される。

 

一回転、返す刀…もとい返す杖で陽介の腕を回転に巻き込み、重心を崩しつつ、脇に回り込む。

 

陽介(阿武隈)「ウオォォッ⁉︎」

 

バランスを崩し、転倒する陽介。

脇に回り込んだヲ級は、杖の遠心力を殺さないように回しながら掌で滑らせ、石突きの部分を掴み、構えを取る。

その構えはまるでゴルフのドライバーショットの様。

遠心力を使い大きく振り上げられた杖を…

 

 

 

 

 

振り抜く。

 

 

 

 

 

 

 

ガゴンッ!

 

 

 

 

 

 

転倒し倒れこむ陽介は、顔面を杖の頭部分に取り付けられた玉石で思い切り殴られ、水切りの様に水面を転がる。

吹き飛ばされている間じゅう、鈍い音が頭の中で反響し、鼻の奥は鉄の匂いで満たされる。

 

陽介(阿武隈)「〜〜〜〜⁉︎」

 

3回ほど水面を跳ねたところで何とか踏ん張り立ち上がろうとするが、そこで陽介は痛みを知覚し、顔を抑えながらその場で蹲ってしまう。顔を抑えるその手からは血が溢れ、真っ赤に染まる。

回復しようにも痛みで精神集中がおぼつかない。いわゆるダウン状態というやつだ。

 

陽介(阿武隈)(まず…鼻が…折れ…)

 

ヲ級(élite)「フン、頭蓋ヲカチ割ルツモリデ振リ抜イタノダガ…思ッタヨリ頑丈ダナ。ダガ…」

 

ヲ級は杖を頭上に掲げると、ルーに纏わりついていた艦載機の一部…(それでも30機だが)が上空へ舞い上がる。

 

ヲ級(élite)「終ワリダ。」

 

陽介に標準を合わせるのは深海艦上爆撃機。

 

陽介(阿武隈)(あ、ダメだ。負けた。)

 

陽介は理解してしまった。今の自分にはあの爆撃を防ぐ術が無いことを。

 

ルー「〜〜〜〜!〜〜⁉︎」

 

遠くでルーが何か叫んでいる様に聞こえるが、生憎と、彼女の周囲にいる艦載機にかき消されて内容が分からない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、自分の背後からの声はよく聞こえた。

 

 

 

 

 

「対空砲火…撃てえぇぇッッッ!」

 

 

 

 

勇ましさと凛々しさを併せ持つ声で号令をかけるのは、最近知り合った頼れる姉貴分。

 

 

 

 

 

ズドドドドドドドドドドドドドドドドドド!

 

 

 

 

 

 

機銃の音がけたたましく響く。

尋常じゃない量の弾丸は弾幕となり、上空の敵機を一網打尽にする。

 

そして、声の主は陽介に近づくと肩に手を置き…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

武蔵「待たせたな!あとは私たちに任せておけ!」

 

 

 

 

増援の到着を告げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

武蔵「睦月、卯月、夕立!花村を連れて下がっていろ!」

 

「「「了解!」」」

 

武蔵の指示を受けた駆逐艦たちが陽介に肩を貸し、後方へ下がる。

 

卯月「花ちゃん大丈夫ピョン⁉︎」

 

睦月「生きててよかったよぉ〜!」

 

夕立「顔中血まみれっぽい…!早く手当てしなきゃ!」

 

陽介(阿武隈)「…あんがとな。正直死ぬかと思った…」

 

睦月「どういたしまして!護衛は私たちがやるから休んでて!」

 

卯月「こっちに来た艦載機は全部うーちゃんが落としちゃうピョン!任せるピョン!」

 

夕立「花ちゃん、こっち来て!消毒とかするっぽい!」

 

陽介(阿武隈)「すまねぇ…後は頼む…」

 

ここで陽介の意識は途絶えた。

 

 

 

 

 

 

武蔵「よし、金剛!足柄!砲撃ヨーイ…撃てえぇぇッッッ!」

 

金剛「buining looove!」

 

足柄「この瞬間を待ってたわ!いっけぇぇぇッッッ!」

 

武蔵は後方へ下がる駆逐艦を確認した後、金剛と足柄と共に攻撃を開始する。

今回増援として来たのは、救援要請に向かった陽介の隊の駆逐艦、睦月、卯月、夕立。

そして、偵察終了後に出撃予定だった主力部隊の武蔵、金剛、足柄の6隻。

主力部隊が来たならば、空母ヲ級…それがたとえエリートクラスでも、それが一隻だけならば相手取るのは容易い。

ヲ級もそれには気付いており…

 

 

 

 

ヲ級(élite)(チィッ!戦艦ダト⁉︎不味イ…艦爆モ先ホドノ砲火デホボ全滅。此処ハ…)

「一旦退ク!」

 

ヲ級は、ルーに向かわせていた艦載機に指示を出し、『眼』と『盾』として運用する。

眼とした艦載機を通じ弾道を読み、躱しきれない砲撃は艦載機を犠牲にし、ベクトルを逸らす。

『船』だったあの頃ではまず出来なかった芸当。小さく小回りの効くようになった艦載機を脳波にリンクさせ、直感的に操作。

通常のAIによる操作とも合わせて脳への負担を極力減らし、ある程度距離をとったところで背を向け、全速で逃走する。

 

金剛「sit!このままじゃ逃しちゃいマース!」

 

足柄「もう私の砲じゃ射程圏外よ!」

 

逃走に全力を注ぐヲ級はあっという間に点となり、目視する事すら危うい距離まで進んでしまう。

だが、武蔵は余裕を崩さない。

 

武蔵「狼狽えるな!何の為の観測機だ?何の為の46㎝砲だ?奴の艦載機は制空権を放棄し、自らの守護に徹している。」

 

足柄「つまりなんだって言うのよ!」

 

武蔵「弾着観測射撃だ!」

 

 

武蔵は何時ぞやの演習の時と同じく観測機を放つと、眼鏡のスイッチを入れ、スカイビューアーを起動させ、前回は使用しなかった長距離弾着観測射撃補助システムも起動させる。

 

武蔵「危険だから離れていろ!」

 

金剛「言われなくてもデース!」

 

clothes observation shooting system set up(弾着観測射撃システム起動)

sign of enemy confirmation(敵影確認)

course prediction(進路予測)

spotting Simulate(弾着シュミレート)

elevation correction(仰角修正)

retry(再試行)

correction complete(修正完了)

countdown(カウントダウン開始)

 

−three

 

−two

 

−one

 

武蔵「全砲門、開けっ!」

 

−zero

 

武蔵「撃てえぇぇッッッ!」

 

ドゴォォン!

ドゴォォン!

ドゴォォン!

 

轟音と共に放たれる46㎝主砲。

もう既に見えなくなったヲ級めがけ、砲弾が空を割く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヲ級(élite)「ガハッ!ゴホッ、ゴホッ…自食改装(オートファジー)ノ副作用カ…危ナカッタ…戦闘中ニ発症シテイタラ…」

 

血を吐きながら撤退を続けるヲ級。どうやらエリートクラスへと改装する際に、自食改装(オートファジー)という技術を使ったようだ。

本来なら、艦娘と同じように資材を用意し、工廠にて改装を行うことでエリートクラス、フラグシップクラスへと改装されるのだが、

この自食改装という技術は、自らの臓器の一部を資材へと還元し改装を行うというもの。

発動すれば、正規の改装と同じように、基礎能力の強化。損傷や燃料、弾薬の回復。コンディションを平時の状態に戻すといった恩恵を得ることが出来るが、当然使用した部位は回復の対象にならず、また不完全な改装となる為、上昇したステータスは時間が経つにつれ減少していき、また、失った臓器によって身体に不調が現れるなど、あくまで一時凌ぎにしかならないのだ。

 

だが、それでも何とか逃げ切ったと、安堵の表情を浮かべ独り言を漏らすヲ級。

 

ヲ級(élite)「サテ…ココハ一旦切リ上ゲ軍本部ヘト帰投カ?仮泊地ノ始末モセネバ…」

 

彼女は今後について思案を巡らし、泊地へと舵を切る。

この時、彼女は完全に油断していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ズゴォォォオンッッッ!

 

 

 

 

それは呆気ない幕切れだった。

射程外へ逃げたと完全に気を緩めていた。

ヲ級は知らなかった。

あの場には陽介以外にも、規格外(・・・)がいたことに。

 

武蔵の放った46㎝主砲はヲ級に着弾。炸裂した爆炎は一瞬のうちに彼女を轟沈させた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

武蔵「…敵空母の轟沈を確認。フッ、まぁこの程度、この武蔵にかかれば造作もない。」

 

金剛「Congratulations!」

 

足柄「やったわ!これで宇和海…いえ、瀬戸内海の制海権は完全に取り戻せたわね!」

 

武蔵「…で、後はお前だけだが?」

 

敵の指揮艦を沈めた武蔵。仲間の賞賛を受けつつも、警戒は解かずに最後の1人…彼女たちが到着して以降、傍観に徹していた戦艦ル級に視線をむける。

 

ルー「OK、降参。私ハアンタラト争ウ気ハ無イシネ。」

 

武蔵「敵意は無いと?」

 

ルー「ムシロアノゴーマンチキヲ沈メテクレテアリガトウッテ、オ礼ヲ言イタイクライヨ。」

 

武蔵「どういうことだ?」

 

ルー「チョットヒト…ジャナクテ空母ヲ探シテルノ。アンタガ沈メタヲ級ト同型艦ナンダケド、背ハチッチャイクセニ胸ハデカイオ子チャマ空母。ソノ子ヲ探シテル最中ニアイツラニ絡マレタノヨ。」

 

武蔵「…もしかしてあれか?」

 

ルーが武蔵に事情を説明している最中、小さな人影がこちらに向かってくる。

近づくにつれ、徐々にその姿がはっきりと確認出来るようになる。どうやら2人組のようだ。

 

ヲー「ルーチャーン!」

悠「おーい!みんなー!」

 

武蔵「お呼びだぞルーちゃん?」

 

ルー「マッタク…。コノバカヲー!ドコ行ッテタノヨ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヲー「ウェ〜ン!ルーチャーン!」

 

ルー「ハイハイ、見ツカッテヨカッタヨ。」

 

金剛「Reunion was fill with emotion デース!」

 

悠「感動的だな。グスン…でも何でみんないるんだ?」

 

夕立「ちょっと提督さん!そっちより花ちゃんの怪我を治してほしいっぽい!説明は後でするっぽい!」

 

悠「陽介の?」

 

ルーとヲーの感動的な再会に、御涙頂戴してた悠。だが、夕立に若干キレ気味に声をかけられる。すぐに気持ちを切り替え、そちらに向き直ると…

 

陽介(阿武隈)「」チーン…

 

悠「ウワァァァ!陽介ェェェ!!!」

 

睦月「さっさと回復するがよいぞ!」

 

卯月「早くペルソナ出すッピョン!」

 

 

 

番長メシアライザー中…

 

 

 

悠「…怪我は治ったが目を覚まさないぞ!」

 

卯月「死ぬほど疲れてるからだピョン。そっとしとくピョン。」

 

陽介に回復魔法をかけたが、強い疲労のせいか陽介は気を失ったままだ。

呼吸は安定しているので大丈夫だろう。

 

悠「そうか…。じゃあ陽介は俺が背負ってくよ。みんなお疲れ様!とりあえず帰投して、クマ隊も帰ってきたら報告会だ。ヲーとルーにも来てもらうが…いいな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜佐伯湾鎮守府・本棟・会議室〜〜

 

 

悠「じゃあ2人と一隻と3匹?は難民ってことでいいんだな?」

 

ルー「ソダネ。厳密ニハ違ウカモダケド、ソウイウ認識デ間違イナイヨ。」

 

あれから無事帰投し、陽介を鎮守府本棟の医務室に寝かせて来てから会議室に集まった一同。

ちなみにクマ隊は既に帰投しており、誰もいないと暇を持て余していた模様。

休んでいた天龍、龍田、龍驤も加わり、今はヲーとルーの身の上話を聞いて処遇を考えている最中だ。

へ級?イザナミとお茶してるよ?

 

島風「行くとこないんならここに住んじゃいなよ!いいでしょ悠⁉︎」

 

悠「うーん…しかしなぁ…」

 

ルー「私カラモ頼ムヨ。雑用クライシカ出来ナイケド、アノ暮ラシハ正直シンドイ。

ソレニ、モウ弾薬エネルギーモ切レチャッタシ…」

 

暁「私は嫌よ!こういうのししししんちゅ〜の虫って言うのよ!危険だわ!」

 

卯月「しが1個多いピョン。」

 

睦月「あと使い方も違うよね?」

 

暁「な、何ケチつけてんのよ!」

 

天龍「でもよ、ここまで関わっといて今更放っぽり出す訳にもいかねーだろ。」

 

足柄「うーん…やっぱり元の居場所に戻ってもらって、食料支援とかをしてく形が無難じゃないかしら?」

 

ヲー「イヤダヲ!アソコハ満足ニオ風呂ニモ入レナインダヨ!火ヲ点ケルノニモ一苦労ナノ!」

 

皆の意見は見事に分かれる。

がここで「みんな〜、クマの話を聞いてほしいクマ!」と、クマが手を挙げる。

 

悠「いいぞクマ、言ってみてくれ。」

 

クマ(球磨)「クマはここに住ませてあげたいクマ。みんなでいた方が楽しいクマ!

それに、クマは昔、クマがシャドウ…化物だってわかった時、クマはみんなと一緒に居られないと思ったクマ。それでも、センセイや陽介、特捜隊のみんなは優しく迎えてくれたクマ。

だから今度はクマの番クマ!」

 

悠「クマ…」

 

武蔵「しかし…お前とは事情が違う。深海棲艦とは、国、世界レベルで敵対しているんだぞ?」

 

クマ「ウグゥ…で、でも…」

 

クマの気持ちも分からなくはないが、それを一蹴する武蔵。彼女たち深海棲艦を匿うということは、最悪反逆者の烙印を押されてしまう可能性だってある。

が、そこに…

 

?「いえ!クマ様の仰る通りです!」ドアバァーンッ!

 

全体的に青い服装、そしてその上に、奥様方に人気の多機能エプロンを身につけたイケメンが派手な音を立てて会議室に乱入する。

 

悠「テオさん⁉︎」

 

テオドア「クマ様のお優しい心、私いたく感動しました!私からもそちらのお二人を此方でお雇いすることをお願い申し上げます。」

 

若干芝居がかったようなアクションを交え、2人を雇うよう、隈の浮かぶ目から涙を流し訴えるテオドア。

 

悠「…本音は?」

 

テオドア「もう1人で鎮守府の掃除は嫌なのです!姉上は端から端まで毎日全部1人でやれと!

ちょっとでも手を抜けば平手打ちされ全てやり直し!

サボろうものならメギドラオン!

お願いします悠様!どうか!情けを!私めにお情けを〜!」ドゲザ〜!

 

悠「ちょっ!テオさん⁉︎分かった!分かりましたから顔を上げて下さい!」

 

テオドア「っ!今分かったと言いましたね!」

 

悠「あっ!しまった!」

 

テオドア「言質!言質取りましたからね!今更無しとか言わないで下さいよ!」

 

悠「くっ…しかし…」

 

テオドア「ではルー様、ヲー様、これからよろしくお願いいたします。」

 

世にも珍しい力の管理者の土下座に、思わず言質を取られてしまう悠。

テオドアは有無を言わさない勢いで捲し立て、退室しようとし、去り際に一言。

 

テオドア「もし約束を反故にしましたら…」

 

悠「…しましたら?」

 

テオドア「ストライキ起こしますので。それでは失礼いたします。」

 

悠(ストライキなんて起こしたらマーガレットさんにフルボッコにされるんじゃ…)

 

言うだけ言って去っていくテオドア。

唖然とする一同。

 

龍驤「あ〜…提督はん?」

 

悠「なんだ龍驤…?」

 

龍驤「どないするん?」

 

悠「マーガレットさんになんとかしてもらうしかないだろ…」

 

ルー「ア〜…ナンダ?結局居テイイノカ?」

 

悠「…部屋を用意するから今日はとりあえず泊まっていってくれ…」

 

ヲー「ヤッタ!島風!鎮守府ノ案内シテ!」

 

島風「うん!じゃあね…最初は一階の間宮さんに行こう!」

 

吹雪「ちょっ⁉︎甘味処間宮は一般の方も利用するんですよ!マズイですって!」

 

悠「…フブキチ、島風とヲーちゃんのことは頼んだぞ。俺はマーガレットさんの所に行ってくる…」

 

吹雪「へ⁉︎ちょっ⁉︎おまっ⁉︎」

 

龍田「あら〜…心配だから私たちもついていきましょうか〜。」

 

天龍「おい、たち(・・)って何だ?俺もか⁉︎」

 

龍田「天龍ちゃんと龍驤さんのことで〜す♪」

 

龍驤「何ちゃっかりうちまで巻き込んでんねん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この後めちゃくちゃ交渉した…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜佐伯湾鎮守府・寮・悠の部屋・居間〜〜

 

 

悠「疲れた…」

 

あれからマーガレットとの交渉を終えた悠。

1日の仕事納めに、一癖二癖どころではないあの女傑との交渉は、悠の精神を疲弊させるには十分すぎる過酷な業務だった。

 

島風「ねぇ悠、大丈夫?」

 

悠「何とかな。だが、これでどうにかマーガレットさんに根回ししてもらえるよ。」

 

島風「じゃあヲーちゃんこっちに住めるんだね!」

 

悠「ああ、仲良くするんだぞ?」

 

島風「うん!」

 

悠(…うん。これで今回の任務は終了。色々あって疲れた…今日はもう寝よう…)

 

 

 

 

 

 

 

 

番長就寝…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悠「ふわぁ…」

 

武蔵「ん、おはよう。」

 

悠「おはよう武蔵。」

 

翌朝、総員起こしの10分前程に目が覚めた悠。

居間には、早朝ランニングの後にシャワーを浴びたと思われる武蔵が、朝の情報番組を見ながら寛いでいた。

 

武蔵「ああ、そうだ。マーガレットから封書を預かっているぞ。」

 

悠「封書?」

 

武蔵「ランニングの最中にな。見積書がどうとか言っていたな。」

 

悠「多分ヲーちゃんとルーさんの生活費なんかのだと思う。」ビリビリ

 

封を開け中を確認すると、思った通り、ヲーとルーの生活にかかる費用の見積書だ。

 

武蔵「あの2人の?」

 

悠「ああ、2人は深海棲艦だからな。生活費の予算はまず降りない。一般の職員として雇用するのも戸籍なんかが無いから無理。

だから2人の生活費は俺の給料から天引きすることになったんだ。」

 

武蔵「2人分だと結構な額になるんじゃないのか?大丈夫か?」

 

悠「何とかな。2人には悪いが、俺の給料で賄えるように本当に最小限にしてある。

…うん。概ね予想通りだ…な…⁉︎⁉︎」

 

武蔵「ん?どうした?」

 

見積書を確認している最中、突如絶句し、驚きと困惑の表情を浮かべる悠。

何事かと、武蔵は後ろから書類を覗き込む。

 

武蔵「なになに…食費に光熱費…まぁ良心的だな。最後に…事務手数料⁉︎」

 

内容はこうだ。

食費約3万円、

光熱費約1万5千円、

日用品等の雑費約2万円、

これが2人分で月々計13万円。

 

それになぜか事務手数料、一人当たり10万円。

 

もう一度言おう。事務手数料が一人当たり10万円である。2人分で20万円である。

 

もっと言うと、悠の今月貰うであろう初任給は、階級が新米少佐なので固定給30万に任務などの戦果褒賞をプラスし、そこから鎮守府での生活費や税金、年金、保険料などを天引きした額が手取りとなる。

 

恐らくだが…赤字になる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悠「……………………………………………………」

 

武蔵「お、お〜い?悠〜?」

 

悠「マーガレットォォォッッッ!!キッサマァァァ〜ッッッ!!!」

 

ドアバァーン!ドォーントシメール!

 

ウオォォォォォ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

武蔵「………行ってしまった…」

 

金剛「へ〜イ、goodmorning…とは言い難いネ〜…悠の大声で fresh morning air が台無しデース…」

 

島風「なに〜…?朝からうるさ〜い…」

 

武蔵「…あれだ。こういう時は、こう言うんだったな…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

武蔵「そっとしておこう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

to be continue…




悠「待ちに!」
島風「待った!」
クマ(球磨)「給料日クマ〜!」

吹雪「とりあえず私は貯金を…」
悠「なんて保守的なんだフブキチ!水雷魂が泣くぞ!」
吹雪「え、えぇ〜?」

島風「えへへ〜♪なに買おっかな〜♪」
悠「島風はとりあえず服な?」

次回 ペルソナ4 the K.C.
待ちに待った給料日!

陽介(阿武隈)「俺も男もんの服買わねーとだな。」
悠「陽介はその前に俺と一緒に参考書を見に行こう。」
陽介(阿武隈)「何でだよ⁉︎嫌だよ!ふざけんなよ!」
悠「陽介が大学落っこちたら親御さんにどう言えばいいんだ!」
陽介(阿武隈)「知らねーよ!お前は俺の先生かっ⁉︎」

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