ペルソナ4 the K.C.   作:黒城優輝

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遊戯王5S’sも書いてるから放置にはなってないセーフ!どうもです。黒城です。
…こっちの更新遅れて本当すみません…。楽しみに待ってくれていた方には申し訳ない。え?待ってた人なんているのかって?ひ、100人くらいはいるやい!

まぁ、謝罪と自虐はこの辺にして…
今回は陽介に頑張ってもらいます。陽介頑張れ!


第十五話 見敵!機動部隊RED! 前編

〜〜太平洋・四国近海・深海簡易泊地周辺〜〜

 

 

ルー「ヲー!…チッ、本当ニドコ行ッタンダヨ…電探ノバッテリーモ何時マデ保ツカワカンナイッテノニ…」

 

時間は早朝まで遡る。

一晩経っても戻らないヲーを探しに、海を駆ける戦艦ル級のルー。

始めは拠点近くの小島や岩場などを探していたが中々見つからず、しびれを切らしたルーは、電探を使い外洋まで足を伸ばしていた。

 

ルー「…ン?反応アリ⁉︎複数⁉︎」

 

探し続け数時間。電探に反応が出る。が、その反応は複数。

しかも、いつの間にか周囲を囲まれているようだ。

 

「………」

 

ルーの周りを囲むのは、深海棲艦の駆逐艦と軽巡洋艦。

ジッとルーを見つめていたが、しばらくすると包囲の一部が開く。

開いた先には、重巡リ級と雷巡チ級、そして…

 

ヲ級「コンナ所ニ戦艦ノハグレカ。貴様、所属ハドコダ?」

 

ルーの目の前に現れた空母ヲ級。

しかしその見た目は、探していたヲーとは似ても似つかない、スレンダーな長身と鋭い目つき。

そう、彼女は宇和海一帯で通商破壊を行う深海棲艦の部隊、その旗艦、空母ヲ級だ。

 

ルー(チッ…ハズレジャン。テカヤバクネ?絶対コイツラカタギジャネーヨ…)

 

ヲ級「オイ、聞イテイルノカ?貴様ノ所属ハ?」

 

ルー「イヤ、エット…」

 

リ級「エリヴィヲ様、恐ラク彼女ハ先日落トサレタ前線基地ノ艦カト。」

 

ルー「‼︎ソウ、ソレ!ソンデココマデ逃ゲテキタンデスヨ!」

(ブッチャケ何ノ話カワカンナイケド…トリアエズ乗ッカットケ!)

 

ヲ級「…ホウ、ナラバ私ノ艦隊デ使ッテヤロウ。アリガタク思ウガイイ、貴様ノヨウナ敗残兵ヲ使ッテヤルンダカラナ。」

 

ルー「ア、アリガトウゴザイマス〜…」

 

ヲ級「貴様、弾薬エネルギーハアルノカ?」

 

ルー「エ?イヤ、今ハチョット〜…」

 

ヲ級「チッ、マア盾代ワリニハナルダロウ。」

 

ルー(ナニコイツ!上カラ目線デチョ〜ムカツクンデスケド!)

 

チ級「エリヴィヲ様、ピケット艦隊ヨリ入電ガ入リマシタ。」

 

ヲ級「佐伯ノ奴等ガ動キ出シタカ。規模ハ!」

 

チ級「小規模ノ水雷戦隊ノヨウデス。恐ラク偵察隊カト。」

 

ヲ級「此処ヲ嗅ギ付カレテモ面白クナイ。出撃スルゾ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜太平洋・宇和海境〜〜

 

 

睦月「カモメさーん!」

 

夕立「あっ!トビウオが跳ねたっぽい!」

 

陽介(阿武隈)「おい!隊列を崩すなよ!」

 

卯月「うーちゃんのパンをあげるピョン!ってうわぁぁ!いっぱい来すぎピョン!」

 

陽介(阿武隈)「コラァ〜!俺の指示に従えっての〜!」

 

任務中だというのにほのぼのとした雰囲気を醸し出しているのは、陽介の率いる水雷戦隊。

駆逐艦の子供達は、陽介の指示など何処吹く風で、もはや遠足状態だ。

 

陽介(阿武隈)「くそぅ…日差しもそうだが照り返しも暑い…。ガキンチョどもは言うこと聞かねーし…はぁ…」

 

愚痴を漏らしながら、初夏の日差しが眩しい空を見上げる陽介。

空には、何故か持っていた卯月のパンめがけて突撃するカモメと、そのカモメの向こう、遥か上空を飛ぶ黒い影。

 

陽介(阿武隈)「ん?なんだありゃ?」

 

 

 

それに気づいた陽介は目を細め、ピントを合わせ正体を確認すると…

 

 

 

陽介(阿武隈)「ちょくじょーー!!!」

 

「「「ふぇ?」」」

 

 

ドゴーン!ドゴーン!

 

 

陽介が叫ぶのとほぼ同時に爆撃が始まる。

 

陽介(阿武隈)「危ねぇ!」

卯月「ひゃあ!」

 

卯月を突き飛ばし、庇う陽介。だが…

 

陽介(阿武隈)「ガハァッ!」

 

卯月「花ちゃん⁉︎」

 

代わりに自らが爆炎を浴びる事となる。

ペルソナの耐性により熱によるダメージは無いものの、その衝撃は陽介の背中に叩きつけられ、肺の中の空気を一気に押し出す。

 

陽介(阿武隈)「ゴホッ!ゴホッ!」

 

睦月「花ちゃん!大丈夫⁉︎」

 

夕立「対空射撃するっぽい!」

 

陽介(阿武隈)「待てっ!」

 

爆撃の被害を少しでも軽減する為に、夕立が対空射撃を行おうとするが、陽介はそれを制止する。

 

陽介(阿武隈)「お前たちは鎮守府に戻って援軍を連れて来い!」

 

夕立「花ちゃんはどうするっぽい?」

 

陽介(阿武隈)「俺はここに残って敵の足止めだ。」

 

卯月「そんなのだめピョン!1人じゃ死んじゃうピョン!」

 

睦月「私たちも一緒に戦います!」

 

陽介(阿武隈)「お前たちじゃ足手まといなんだよ!さっさと行け!」

 

卯月「で、でも!」

 

1人残ろうとする陽介。共に戦おうと食い下がる睦月たち。彼女たちに再び爆撃が襲い来る。

 

陽介(阿武隈)「チィッ!ペルソナァッ!」

 

ゴオォォォ!

 

陽介はこれをマハガルダインでまとめて吹き飛ばすと、再び睦月たちに向き直り怒鳴り声をあげる。

 

陽介(阿武隈)「こんな時くらい言うこと聞けっての!俺1人じゃお前ら庇いきれねーんだよ!」

 

睦月「でも!」

 

陽介(阿武隈)「うるせー!さっさと行けー!」

 

夕立「…行こう2人とも。」

 

睦月「夕立ちゃん…。」

 

卯月「…絶対、ぜ〜ったい死んじゃダメピョン!死んじゃったら花ちゃんのお墓にラクガキしてやる!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

陽介(阿武隈)「行ったか…」

 

あれから何度か敵艦載機を退け、睦月たちを逃すことに成功した陽介。

 

陽介(阿武隈)「ったく、息つく暇くらいくれだっていいだろ…」

 

艦載機が飛んできた方角からは、駆逐軽巡の群れ。

 

陽介(阿武隈)「イイぜ…やってやろうじゃねえか。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

陽介(阿武隈)「こっから先は通さねえ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヲ級「ハハハ!見上ゲタ根性ダ!」

 

ヲ級の杖からは、艦載機から送られてくる映像

がホログラムで映し出されており、1人残って戦う陽介の映像が流れている。

 

リ級「コノ艦娘、妙ナ力ヲ使イマスネ。」

 

ヲ級「ダカラドウシタ?確カニ驚異的ナ力デハアルガ、アノ様子デハ長クハ持ツマイ。」

 

ルー(ヒドイナ…数デ嬲リ殺シニスルツモリカ?)

 

ヲ級「チ級、コノ動画ヲ本部ヘ送ッテオケ。」

 

チ級「承リマシタ。」

 

ヲ級「サア、ソロソロ私タチモイクカ。相手ハ手負イノ獣ダ、油断セズ確実ニ沈メルゾ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜瀬戸内海・四国沿岸〜〜

 

 

クマ(球磨)「なーんもいないクマね〜。」

 

島風「つまんなーい!何でもいいから早く出てこーい!」

 

こちらは瀬戸内海の四国沿岸を探索するクマの部隊。敵の本隊どころか駆逐艦の一隻すら見当たらない。

それというのも、現在瀬戸内海・宇和海・太平洋四国沿岸の深海棲艦は、ほぼ全ての艦が空母ヲ級の指揮下に入っており、現在は陽介との戦闘を行っている最中だからだ。

そんな中、クマは鼻センサーを全開にして、そこら中嗅ぎ回っている。

 

クマ(球磨)「クマ!鼻センサーに来たクマよ!そこクマ〜!」

 

ようやく反応を察知し、深海棲艦を見つけるが…

 

いきゅう「イキュ?」

 

暁「…小っちゃいわね。」

 

吹雪「イ級の幼生でしょうか?」

 

いきゅう「キュ〜?」

 

クマ(球磨)「こんなのやっつけても弱い者イジメにしかならないクマね…」

 

「おーい!クマー!みんなー!」

 

クマ(球磨)「クマ?あ!センセー!こっちクマ〜!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悠「会えてよかった。首尾はどうだ?」

 

無事にクマ隊と合流出来た悠たち。とりあえずは偵察の成果を聞くが、

 

吹雪「イ級の幼生が1匹見つかったくらいしか…」

 

大したものは見つかってない様子。

 

クマ(球磨)「それはそうと、そっちのお連れ様は誰クマ?」

 

島風「お〜?」

 

ヲー「ヲ〜?」

 

島風・ヲー「「オー!」」

 

暁「何やってるのよ島風!早くこっち来なさい!その子深海棲艦よ!食べられちゃうわよ!」

 

ヘ級「ダレモトッテタベタリナドイタシマセン!ドコノヤバンジンデゴザイマショウカ!」

 

暁「へ?キャ〜!」

 

悠「落ち着け暁。」

 

吹雪「司令官、とりあえず説明してもらっていいですかね…」

 

 

 

番長説明中……

 

 

 

吹雪「そんなことが…」

 

クマ(球磨)「クマたちの仲間を助けてくれてありがとうクマ。」

 

ヲー「大シタコトハシテナイヲ。」

 

暁「ほ、本当に大丈夫なの⁉︎後ろからドカーンってされないわよね⁉︎」

 

悠「落ち着け暁。」

 

島風「アッキーってやっぱりビビりだよね〜!」

 

暁「な、なによぅ!暁は立派なレリィなのよ!別にビビってなんかないし!」

 

悠「2人とも止めろ。とりあえずみんなにはヘ級をつけるから、敵の機動部隊を探しつつ、ルーちゃん…戦艦ル級も探してくれ。」

 

吹雪「了解です、司令官!」

 

ヘ級「デハナルカミサマ、ヲーサマノコトヲヨロシクオネガイイタシマス。」

 

 

 

悠「よし、次は陽介たちのとこだな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜太平洋・宇和海境〜〜

 

 

陽介(阿武隈)「これで…ラストォッ!」

 

ザシュッ!ドゴォン!

 

陽介(阿武隈)「はぁはぁ…」

 

何とか敵の艦隊を退け、肩で息をする陽介。

上空からの艦爆による爆撃、艦攻の魚雷。

海上では、駆逐軽巡の砲撃と魚雷。

蓄積するダメージの回復と、少しでも被弾を減らすために【青春の風】を連発していたこともあり、かなり消耗している。

そこへ…

 

ヲ級「ヤァ艦娘君、調子ハドウカナ?」

 

陽介(阿武隈)「ッ!テメェは⁉︎」

 

空母ヲ級が現れる。

 

ヲ級「ハハハ!ソウ睨ムナ。サテ、一応聞イテオクガ我等ノ軍門ニ下ル気ハ?」

 

陽介(阿武隈)「あるわけないだろ!」

 

ヲ級「ソウカ…ソレハ残念ダ。リ級、チ級、始末シロ。」

 

リ級・チ級「ハッ!」

 

陽介(阿武隈)「負けるかァッ!」

 

 

再び始まる戦闘。

陽介は凄まじいスピードで斬りこむが、

 

ガキィン!

 

リ級「中々早イデスネ。」

 

陽介(阿武隈)(なっ⁉︎さっきの奴らよりずっと硬え!)

 

腕の砲身で受け止められてしまう。

 

チ級「立チ止マッテイテイイノデスカ?」カチャリ

 

ドォン!

 

陽介(阿武隈)「しまっ!グハァ!」

 

攻撃を受け止められ、足が止まった隙を突かれ砲撃を食らい吹っ飛ばされてしまう。

 

リ級「コンナモノデスカ。」

 

チ級「疲労ガアルトハイエ呆気ナイデスネ。」

 

ヲ級「何ヲシテイル!マダ敵ハ沈ンデイナイゾ!ボサットスルナ!」

 

リ級・チ級「!!」

 

陽介(阿武隈)「はっ!その通りだ!タケハヤスサノオ!ブレイブザッパー!」

 

今度は敵が油断した隙に、こちらが不意を突く。

 

リ級「ガァッ!」大破!

 

チ級「ナッ⁉︎コノッ!死ニ損ナイノクセニ!」

 

陽介(阿武隈)「誰が死に損ないだ!まだピンピンしてるっての!次はお前の番だ!」

 

チ級「オノレッ!コレデモ食ラエッ!」バシュゥゥッ!

 

リ級を大破に追い込んだ陽介。そこに、逆上したチ級の魚雷が迫る。

 

陽介(阿武隈)「そんな攻撃当たるかよ!」

 

だが、陽介は魚雷をひらりと躱していくが、

 

ドゴォン!

 

陽介(阿武隈)「グハッ!」

 

ヲ級「私モ忘レテモラッテハ困ルナ。」

 

ヲ級の艦載機による爆撃が上空から襲いかかる。

 

陽介(阿武隈)(くそっ!飛行機が邪魔でまともに戦えねえ!だったら!)

「ペルソナァ!」

 

ゴオォォォ!

 

ヲ級「クッ⁉︎マタソノ風カ!」

 

陽介は上空に向けマハガルダインを放ち、艦載機を散らすと、チ級に向けて一気に突っ込む。

 

陽介(阿武隈)「これで邪魔するやつはいない!」

 

チ級「当タレ!当タレ!何故ダ!何故当タラナイ!」

 

陽介(阿武隈)「ハアァァァッッッ!」

 

ザシュ!ズバァ!

 

陽介の双剣が、二度、煌めく。

一振り目は装甲を斬り裂き、二振り目は首を、命を刈り取る。

 

……………ボチャン。

 

もはや声も出せなくなったチ級はそのまま沈んでいく。

 

陽介(阿武隈)「さて…次はどっちだ?」

 

リ級「ヒ、ヒイィィ!」

 

大破しているリ級は、自身の状態と、目の前で見せつけられた陽介の強さでパニックに陥り、そのまま逃走しようとするが…

 

ドゴォン!

 

陽介(阿武隈)「な…⁉︎」

 

ヲ級「勇将ノ下ニ弱卒無シ…」

 

パチパチパチ…

 

ヲ級「天晴レダ。数的不利ヲ覆シ、我ガ艦隊ヲ全滅サセルトハ。」

 

ヲ級は、自らの部隊を退けた陽介に拍手を送る。

 

陽介(阿武隈)「…あいつは、お前の仲間じゃなかったのかよ…」

 

ヲ級「仲間?敵ニ恐怖シ背ヲ向ケルヨウナ軟弱者ナド、我ガ艦隊ニハ必要ナイ。ソレニ、アノ程度ナラ代ワリハイクラデモイルサ。」

 

陽介(阿武隈)「テメェッ!」

 

ヲ級「サァ!第二幕トイコウ!」

 

ヲ級は両腕を芝居掛かった仕草で、大仰に広げ、次の戦闘の開幕を宣言する。

 

陽介(阿武隈)(クソッ!マズい…このままじゃジリ貧だぜ…)

 

再び陽介は数的不利に嵌り、今度こそ一方的なリンチとなる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

筈だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

聞こえてきたのは深海棲艦の艦隊の雄叫びでもなく、砲撃の音でもなく、ましてや魚雷の音ですら無い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「残念ダケド、第二幕ノキャストハ全員オ休ミヨ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第二幕の中止を告げるアナウンスだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヲ級「キ、貴様⁉︎」

 

陽介(阿武隈)「な⁉︎あんたは⁉︎」

 

?「ハイ、オ土産。」

 

ボチャン。

 

突如現れた新手の深海棲艦。だが、明らかにヲ級の部下とは様子が違う。

先程ヲ級に向けて投げたのは、重巡リ級の首から下…いや、肩から下が無くなったモノ。

 

ヲ級「…弾薬エネルギーハ無カッタノデハナカッタノカ?」

 

?「アァ〜………ゴメン。アレネ…ウ・ソ♪」

 

ヲ級「貴様…ヨクモ…ヨクモ裏切ッタナ!負ケ犬ノ分際デェ!」

 

?「ハッ!誰ガ負ケ犬ダバァーカ!私ハ生マレモ育チモ瀬戸内海ダッテノ!アンタラミタイナ卑怯者ナンカ知ルカ!」

 

 

 

 

?「テナ訳デ!沈メェ!」

 

 

 

 

ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!

 

 

 

 

ヲ級「ナッ!グオォォォッッッ!!!」

 

 

 

 

 

ほぼゼロ距離で放たれた主砲。爆音とヲ級の叫び声が響き渡る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

?「君、大丈夫?」

 

ヲ級に戦艦級の主砲をぶちかました深海棲艦が、陽介に近寄り声をかける。

 

陽介(阿武隈)「大丈夫に見えるなら眼科に行くことを勧めるぜ?」

 

?「案外元気ソウジャン。」

 

陽介(阿武隈)「そうでもねーっての。

まっ、助けてくれてサンキューな?俺は花村陽介。あんたは?」

 

ルー「私ハ『ルー』。トコロデサ…」

 

陽介(阿武隈)「…ちょっと待った。どうやらあいつ、まだやる気みたいだぜ?」

 

 

 

 

 

 

話を進めようとする、ルーと名乗る深海棲艦。

だが、陽介は異変に気付き、話を制止する。

 

視線の先には、膝をつき、(うずくま)っているヲ級。

だが、様子がおかしい。

赤い(もや)のようなものが少しずつだが彼女の体から湧き出ており、それに合わせ海面に波紋が広がる。

 

 

 

 

 

 

ヲ級「オノレ…オノレェェッッッ!許サンゾ…許サンゾ貴様等!生キテ帰レルト思ウナヨ!」

 

 

 

 

 

 

ヲ級「ハアァァァッッッ!」

 

 

 

 

 

 

ヲ級の雄叫びと共に、その靄は次第にはっきりと視認できるようになり、明滅を繰り返すオーラのようなものとなってヲ級を包み、彼女を中心に発生していた波紋は波となり、海面を激しく揺らす。

それだけでは無い。先程、ルーの主砲で与えた傷も瞬く間に回復していく。

 

 

 

 

 

 

陽介(阿武隈)「マジかよ…なんだありゃ…界◯拳かよ…」

 

ルー「コリャヤッバイネ…」

 

 

 

 

やがて波が収まり、オーラも安定して赤の光を放つようになると、彼女は立ち上がり、こちらを見据え…

 

 

 

 

 

 

ヲ級(élite)「私ニコノ力ヲ使ワセタコト…後悔サセテヤル!」


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