…こっちの更新遅れて本当すみません…。楽しみに待ってくれていた方には申し訳ない。え?待ってた人なんているのかって?ひ、100人くらいはいるやい!
まぁ、謝罪と自虐はこの辺にして…
今回は陽介に頑張ってもらいます。陽介頑張れ!
〜〜太平洋・四国近海・深海簡易泊地周辺〜〜
ルー「ヲー!…チッ、本当ニドコ行ッタンダヨ…電探ノバッテリーモ何時マデ保ツカワカンナイッテノニ…」
時間は早朝まで遡る。
一晩経っても戻らないヲーを探しに、海を駆ける戦艦ル級のルー。
始めは拠点近くの小島や岩場などを探していたが中々見つからず、しびれを切らしたルーは、電探を使い外洋まで足を伸ばしていた。
ルー「…ン?反応アリ⁉︎複数⁉︎」
探し続け数時間。電探に反応が出る。が、その反応は複数。
しかも、いつの間にか周囲を囲まれているようだ。
「………」
ルーの周りを囲むのは、深海棲艦の駆逐艦と軽巡洋艦。
ジッとルーを見つめていたが、しばらくすると包囲の一部が開く。
開いた先には、重巡リ級と雷巡チ級、そして…
ヲ級「コンナ所ニ戦艦ノハグレカ。貴様、所属ハドコダ?」
ルーの目の前に現れた空母ヲ級。
しかしその見た目は、探していたヲーとは似ても似つかない、スレンダーな長身と鋭い目つき。
そう、彼女は宇和海一帯で通商破壊を行う深海棲艦の部隊、その旗艦、空母ヲ級だ。
ルー(チッ…ハズレジャン。テカヤバクネ?絶対コイツラカタギジャネーヨ…)
ヲ級「オイ、聞イテイルノカ?貴様ノ所属ハ?」
ルー「イヤ、エット…」
リ級「エリヴィヲ様、恐ラク彼女ハ先日落トサレタ前線基地ノ艦カト。」
ルー「‼︎ソウ、ソレ!ソンデココマデ逃ゲテキタンデスヨ!」
(ブッチャケ何ノ話カワカンナイケド…トリアエズ乗ッカットケ!)
ヲ級「…ホウ、ナラバ私ノ艦隊デ使ッテヤロウ。アリガタク思ウガイイ、貴様ノヨウナ敗残兵ヲ使ッテヤルンダカラナ。」
ルー「ア、アリガトウゴザイマス〜…」
ヲ級「貴様、弾薬エネルギーハアルノカ?」
ルー「エ?イヤ、今ハチョット〜…」
ヲ級「チッ、マア盾代ワリニハナルダロウ。」
ルー(ナニコイツ!上カラ目線デチョ〜ムカツクンデスケド!)
チ級「エリヴィヲ様、ピケット艦隊ヨリ入電ガ入リマシタ。」
ヲ級「佐伯ノ奴等ガ動キ出シタカ。規模ハ!」
チ級「小規模ノ水雷戦隊ノヨウデス。恐ラク偵察隊カト。」
ヲ級「此処ヲ嗅ギ付カレテモ面白クナイ。出撃スルゾ!」
〜〜太平洋・宇和海境〜〜
睦月「カモメさーん!」
夕立「あっ!トビウオが跳ねたっぽい!」
卯月「うーちゃんのパンをあげるピョン!ってうわぁぁ!いっぱい来すぎピョン!」
任務中だというのにほのぼのとした雰囲気を醸し出しているのは、陽介の率いる水雷戦隊。
駆逐艦の子供達は、陽介の指示など何処吹く風で、もはや遠足状態だ。
愚痴を漏らしながら、初夏の日差しが眩しい空を見上げる陽介。
空には、何故か持っていた卯月のパンめがけて突撃するカモメと、そのカモメの向こう、遥か上空を飛ぶ黒い影。
それに気づいた陽介は目を細め、ピントを合わせ正体を確認すると…
「「「ふぇ?」」」
ドゴーン!ドゴーン!
陽介が叫ぶのとほぼ同時に爆撃が始まる。
卯月「ひゃあ!」
卯月を突き飛ばし、庇う陽介。だが…
卯月「花ちゃん⁉︎」
代わりに自らが爆炎を浴びる事となる。
ペルソナの耐性により熱によるダメージは無いものの、その衝撃は陽介の背中に叩きつけられ、肺の中の空気を一気に押し出す。
睦月「花ちゃん!大丈夫⁉︎」
夕立「対空射撃するっぽい!」
爆撃の被害を少しでも軽減する為に、夕立が対空射撃を行おうとするが、陽介はそれを制止する。
夕立「花ちゃんはどうするっぽい?」
卯月「そんなのだめピョン!1人じゃ死んじゃうピョン!」
睦月「私たちも一緒に戦います!」
卯月「で、でも!」
1人残ろうとする陽介。共に戦おうと食い下がる睦月たち。彼女たちに再び爆撃が襲い来る。
ゴオォォォ!
陽介はこれをマハガルダインでまとめて吹き飛ばすと、再び睦月たちに向き直り怒鳴り声をあげる。
睦月「でも!」
夕立「…行こう2人とも。」
睦月「夕立ちゃん…。」
卯月「…絶対、ぜ〜ったい死んじゃダメピョン!死んじゃったら花ちゃんのお墓にラクガキしてやる!」
あれから何度か敵艦載機を退け、睦月たちを逃すことに成功した陽介。
艦載機が飛んできた方角からは、駆逐軽巡の群れ。
ヲ級「ハハハ!見上ゲタ根性ダ!」
ヲ級の杖からは、艦載機から送られてくる映像
がホログラムで映し出されており、1人残って戦う陽介の映像が流れている。
リ級「コノ艦娘、妙ナ力ヲ使イマスネ。」
ヲ級「ダカラドウシタ?確カニ驚異的ナ力デハアルガ、アノ様子デハ長クハ持ツマイ。」
ルー(ヒドイナ…数デ嬲リ殺シニスルツモリカ?)
ヲ級「チ級、コノ動画ヲ本部ヘ送ッテオケ。」
チ級「承リマシタ。」
ヲ級「サア、ソロソロ私タチモイクカ。相手ハ手負イノ獣ダ、油断セズ確実ニ沈メルゾ。」
〜〜瀬戸内海・四国沿岸〜〜
島風「つまんなーい!何でもいいから早く出てこーい!」
こちらは瀬戸内海の四国沿岸を探索するクマの部隊。敵の本隊どころか駆逐艦の一隻すら見当たらない。
それというのも、現在瀬戸内海・宇和海・太平洋四国沿岸の深海棲艦は、ほぼ全ての艦が空母ヲ級の指揮下に入っており、現在は陽介との戦闘を行っている最中だからだ。
そんな中、クマは鼻センサーを全開にして、そこら中嗅ぎ回っている。
ようやく反応を察知し、深海棲艦を見つけるが…
いきゅう「イキュ?」
暁「…小っちゃいわね。」
吹雪「イ級の幼生でしょうか?」
いきゅう「キュ〜?」
「おーい!クマー!みんなー!」
悠「会えてよかった。首尾はどうだ?」
無事にクマ隊と合流出来た悠たち。とりあえずは偵察の成果を聞くが、
吹雪「イ級の幼生が1匹見つかったくらいしか…」
大したものは見つかってない様子。
島風「お〜?」
ヲー「ヲ〜?」
島風・ヲー「「オー!」」
暁「何やってるのよ島風!早くこっち来なさい!その子深海棲艦よ!食べられちゃうわよ!」
ヘ級「ダレモトッテタベタリナドイタシマセン!ドコノヤバンジンデゴザイマショウカ!」
暁「へ?キャ〜!」
悠「落ち着け暁。」
吹雪「司令官、とりあえず説明してもらっていいですかね…」
番長説明中……
吹雪「そんなことが…」
ヲー「大シタコトハシテナイヲ。」
暁「ほ、本当に大丈夫なの⁉︎後ろからドカーンってされないわよね⁉︎」
悠「落ち着け暁。」
島風「アッキーってやっぱりビビりだよね〜!」
暁「な、なによぅ!暁は立派なレリィなのよ!別にビビってなんかないし!」
悠「2人とも止めろ。とりあえずみんなにはヘ級をつけるから、敵の機動部隊を探しつつ、ルーちゃん…戦艦ル級も探してくれ。」
吹雪「了解です、司令官!」
ヘ級「デハナルカミサマ、ヲーサマノコトヲヨロシクオネガイイタシマス。」
悠「よし、次は陽介たちのとこだな。」
〜〜太平洋・宇和海境〜〜
ザシュッ!ドゴォン!
何とか敵の艦隊を退け、肩で息をする陽介。
上空からの艦爆による爆撃、艦攻の魚雷。
海上では、駆逐軽巡の砲撃と魚雷。
蓄積するダメージの回復と、少しでも被弾を減らすために【青春の風】を連発していたこともあり、かなり消耗している。
そこへ…
ヲ級「ヤァ艦娘君、調子ハドウカナ?」
空母ヲ級が現れる。
ヲ級「ハハハ!ソウ睨ムナ。サテ、一応聞イテオクガ我等ノ軍門ニ下ル気ハ?」
ヲ級「ソウカ…ソレハ残念ダ。リ級、チ級、始末シロ。」
リ級・チ級「ハッ!」
再び始まる戦闘。
陽介は凄まじいスピードで斬りこむが、
ガキィン!
リ級「中々早イデスネ。」
腕の砲身で受け止められてしまう。
チ級「立チ止マッテイテイイノデスカ?」カチャリ
ドォン!
攻撃を受け止められ、足が止まった隙を突かれ砲撃を食らい吹っ飛ばされてしまう。
リ級「コンナモノデスカ。」
チ級「疲労ガアルトハイエ呆気ナイデスネ。」
ヲ級「何ヲシテイル!マダ敵ハ沈ンデイナイゾ!ボサットスルナ!」
リ級・チ級「!!」
今度は敵が油断した隙に、こちらが不意を突く。
リ級「ガァッ!」大破!
チ級「ナッ⁉︎コノッ!死ニ損ナイノクセニ!」
チ級「オノレッ!コレデモ食ラエッ!」バシュゥゥッ!
リ級を大破に追い込んだ陽介。そこに、逆上したチ級の魚雷が迫る。
だが、陽介は魚雷をひらりと躱していくが、
ドゴォン!
ヲ級「私モ忘レテモラッテハ困ルナ。」
ヲ級の艦載機による爆撃が上空から襲いかかる。
「ペルソナァ!」
ゴオォォォ!
ヲ級「クッ⁉︎マタソノ風カ!」
陽介は上空に向けマハガルダインを放ち、艦載機を散らすと、チ級に向けて一気に突っ込む。
チ級「当タレ!当タレ!何故ダ!何故当タラナイ!」
ザシュ!ズバァ!
陽介の双剣が、二度、煌めく。
一振り目は装甲を斬り裂き、二振り目は首を、命を刈り取る。
……………ボチャン。
もはや声も出せなくなったチ級はそのまま沈んでいく。
リ級「ヒ、ヒイィィ!」
大破しているリ級は、自身の状態と、目の前で見せつけられた陽介の強さでパニックに陥り、そのまま逃走しようとするが…
ドゴォン!
ヲ級「勇将ノ下ニ弱卒無シ…」
パチパチパチ…
ヲ級「天晴レダ。数的不利ヲ覆シ、我ガ艦隊ヲ全滅サセルトハ。」
ヲ級は、自らの部隊を退けた陽介に拍手を送る。
ヲ級「仲間?敵ニ恐怖シ背ヲ向ケルヨウナ軟弱者ナド、我ガ艦隊ニハ必要ナイ。ソレニ、アノ程度ナラ代ワリハイクラデモイルサ。」
ヲ級「サァ!第二幕トイコウ!」
ヲ級は両腕を芝居掛かった仕草で、大仰に広げ、次の戦闘の開幕を宣言する。
再び陽介は数的不利に嵌り、今度こそ一方的なリンチとなる。
筈だった。
聞こえてきたのは深海棲艦の艦隊の雄叫びでもなく、砲撃の音でもなく、ましてや魚雷の音ですら無い。
「残念ダケド、第二幕ノキャストハ全員オ休ミヨ?」
第二幕の中止を告げるアナウンスだった。
ヲ級「キ、貴様⁉︎」
?「ハイ、オ土産。」
ボチャン。
突如現れた新手の深海棲艦。だが、明らかにヲ級の部下とは様子が違う。
先程ヲ級に向けて投げたのは、重巡リ級の首から下…いや、肩から下が無くなったモノ。
ヲ級「…弾薬エネルギーハ無カッタノデハナカッタノカ?」
?「アァ〜………ゴメン。アレネ…ウ・ソ♪」
ヲ級「貴様…ヨクモ…ヨクモ裏切ッタナ!負ケ犬ノ分際デェ!」
?「ハッ!誰ガ負ケ犬ダバァーカ!私ハ生マレモ育チモ瀬戸内海ダッテノ!アンタラミタイナ卑怯者ナンカ知ルカ!」
?「テナ訳デ!沈メェ!」
ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!
ヲ級「ナッ!グオォォォッッッ!!!」
ほぼゼロ距離で放たれた主砲。爆音とヲ級の叫び声が響き渡る。
?「君、大丈夫?」
ヲ級に戦艦級の主砲をぶちかました深海棲艦が、陽介に近寄り声をかける。
?「案外元気ソウジャン。」
まっ、助けてくれてサンキューな?俺は花村陽介。あんたは?」
ルー「私ハ『ルー』。トコロデサ…」
話を進めようとする、ルーと名乗る深海棲艦。
だが、陽介は異変に気付き、話を制止する。
視線の先には、膝をつき、
だが、様子がおかしい。
赤い
ヲ級「オノレ…オノレェェッッッ!許サンゾ…許サンゾ貴様等!生キテ帰レルト思ウナヨ!」
ヲ級「ハアァァァッッッ!」
ヲ級の雄叫びと共に、その靄は次第にはっきりと視認できるようになり、明滅を繰り返すオーラのようなものとなってヲ級を包み、彼女を中心に発生していた波紋は波となり、海面を激しく揺らす。
それだけでは無い。先程、ルーの主砲で与えた傷も瞬く間に回復していく。
ルー「コリャヤッバイネ…」
やがて波が収まり、オーラも安定して赤の光を放つようになると、彼女は立ち上がり、こちらを見据え…