ペルソナ4 the K.C.   作:黒城優輝

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すまん、前回の次回予告、あれは嘘だ。
どうもです。黒城です。
とりあえず番長はまだDTでございます。
それと、今回はちょっとだけえっちぃ表現を使わせていただいてます。
R-15のタグが付いているので、大丈夫だとは思いますが、一応注意喚起。
もひとつ。今回は、キリの良いところで区切ったので、かなり短めになりました。うす塩のポテチをつまむくらいの軽い気持ちでどうぞ。


第十話 初めての建造!

〜〜寮・悠の部屋前〜〜

 

 

金剛(ササッ!route clear!OK!)

 

草木も眠る丑三つ時。抜き足差し足忍び足で、悠の部屋の前にやってきた金剛。

 

金剛(フッフッフッ、誰にも気付かれてないデスネー!doorにlockが付いていないザル設計なのは昼間のうちにcheckedデース!)

 

どうやら、良からぬ事を企んでいる様子。

 

金剛(そ・れ・で、は!『お花を摘みに行ったあと、寝ぼけて悠の部屋で寝ちゃった作戦』start!)

 

ガチャ…

 

金剛(オジャマシマース…)

 

音を立てないよう、慎重にドアを開ける金剛。一切の明かりの無い、真っ暗な室内を手探りで進む。が、

 

金剛(……おかしいデース。人の気配が感じられまセーン…。)

 

それもそのはず。今、悠はBAR velvetでぶっ倒れて眠っているのだ。

 

金剛(huum…何処に行ったんデスカネー?)

 

悠が、何故部屋にいないかを思案する金剛。

そんな時、足にフンワリ柔らかな感触が。

 

金剛(…これは、悠の布団!)

 

金剛は、その場にしゃがみ布団を撫でる。

 

金剛(………ちょーっとだけなら…)

 

一瞬躊躇うも、意を決し、悠の布団に潜り込む金剛。

 

金剛(…あんまり暖かく無いデース。どうやら結構前にroomを出たみたいデース。でも、ほんの少し悠のflavorが…)

 

金剛は、枕に残った悠の残り香をクンカクンカする。

 

金剛(…………ンッ!フワァ〜…。)

 

と、突然、金剛の体がビクンとする。

 

金剛(これはなんというdrug…クセになっちゃいマース…)クンカクンカ…

 

 

 

 

 

 

 

〜〜BAR・velvet〜〜

 

 

「起きて…。ねえ、起きて。」

 

悠「うーん…あれ?ここは…?」

 

耳元で囁く声に、意識の覚醒を促され、目を覚ます悠。

 

早霜「おはよう。ここは私の部屋よ。」

 

悠「君は…ああ、そうか。昨日は酔い潰れたんだったな。すみません、世話になったみたいですね。」

 

早霜「はい、水。それを飲んだら、早く戻りなさい?初日から朝帰り、なんてなったら…まずいでしょう?」

 

悠「!そんな時間なのか⁉︎」

 

悠は、慌てて部屋にかけてある時計を見る。

針は午前4時を指していた。

 

悠「…4時?」

 

早霜「よっぽど、早起きな子がいない限りは、大丈夫だと思うわ。」

 

どうやら、気を利かせて、早めに起こしてくれたようだ。

 

早霜「フワァ〜…ごめんなさい、私も眠いの…早く行ってもらえると、助かるわ。」

 

だが、その為に、早霜もあまり眠れていないよう。あくびを噛み殺しながら悠を急かす。

 

悠「すみません、俺のせいで…」

 

早霜「いいのよ。そのかわり、次はお友達も、連れてきて?」

 

悠「はい、じゃあ失礼します。」

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜寮・悠の部屋前〜〜

 

 

悠「よし、無事に戻って来れたな。」

 

誰にも見つからずに、自室に戻って来れた悠。早めに起こしてくれた早霜に感謝だ。

 

悠「くっ…頭が痛い。確か総員起こしは6時だったはず。少し寝て治ればいいが…」

 

少しでも睡眠をとりたい悠は、部屋に入る。

すると…

 

悠「……なんか変な匂いが…」

 

部屋の中から、甘い香りの中に、ほんの少し生臭さが混じった妙な匂いがする。目を凝らし、暗い部屋を見渡すと、布団が盛り上がっているのが見えた。どうやら誰かがいるらしい。

 

悠「…南無三!」バサァッ!

 

悠は、意を決して布団を捲ると…

 

金剛「ZZzz…ZZzz…」

悠「」

 

そこには、はだけたパジャマ姿の金剛が、幸せそうに寝息を立てていた。

とても可愛らしいが、何故か布団が湿気っぽいし、妙な匂いもより一層強く感じられる。

 

悠「…そっとしておこう。」

 

諦めて、居間の座布団を使って寝た…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜寮・居間〜〜

 

 

武蔵「…なんでこいつは居間で寝てるんだ?」

 

只今の時刻は、午前5時半。

 

武蔵は、日課となっている早朝ランニング、(といっても10分から15分程度の軽いものだが)を行うために、ジャージに着替え、下に降りてきた所で、居間で寝ている悠を見つけた。

何故自室でなく居間で寝ているのか?疑問は尽きないが、悠に聞かなくては何も分からない。

 

武蔵「はぁ…おい、起きろ〜。」ユサユサ

 

悠「…ん、あぁ、誰だ?」

 

武蔵は、悠の体を揺すって起こす。

 

悠「ふぅ〜…体が痛い…」

 

目を覚ました悠は、体を起こし、伸びをする。

 

悠「武蔵か、おはよう。」

 

武蔵「ああ、おはよう。何故居間で寝てたんだ?寝辛かったろうに。」

 

悠「あ〜…実は…」

 

 

 

番長説明中…

 

 

 

武蔵「夜中に散歩に行って戻ってきたら、いつの間にか金剛が寝ていたと。」

 

悠「ああ、下手に起こしてセクハラ扱いされても困るからな。」

 

悠は、バーでの一部始終は話さずに武蔵に説明する。

 

武蔵「…夜の散歩にしては随分と長い散歩だったな?いったい鎮守府を何周したんだ?ん?」←バーサク系スマイル

 

悠「分かった、全部話す。だからその笑顔はやめろ。」

 

どうやら、全て…とはいかないが、何かあったのだろうと見透かされているようだ。

 

 

番長再度説明中…

 

 

武蔵「なるほど。鎮守府内にバーを見つけて、酔っ払って朝帰りか。いい御身分だなぁ?えぇ?」

 

全てを話した悠。どんな処遇を受けるのか戦々恐々だ。

 

悠「す、すまん。だが、ほとんど事故みたいなものだったし、勘弁してくれないか?」

 

武蔵「なら、今度は私も連れて行ってもらおうか?無論お前の奢りだ。」

 

だが、武蔵はそこまで怒ってはおらず、悪戯な笑みを浮かべ、次は自分も連れて行けと言う。

 

悠「分かった。給料が入ったら一緒に行こう。」

 

武蔵「ふっ、言ったな?お前の財布が空になるまで飲んでやるから、覚悟しておくんだな。」

 

悠「お、お手柔らかに頼む。」

 

武蔵と飲みに行く約束をした。

 

武蔵「さて、あとは金剛の奴だな。」

悠(あっ…察し…)

 

 

 

 

 

〜〜寮・悠の部屋〜〜

 

 

『マルロクマルマル。おはようございます。朝になりました。総員起床してください。今日も1日頑張りましょう。』

 

寮の館内放送で、総員起こしの放送が響く。

ちなみに総員起こしの放送を行っているのはマーガレット。かなりの棒読みである。

 

金剛「ウーン…朝、morningデスカ?」

 

金剛は、総員起こしの放送を聞き、体を起こす。

 

金剛(結局悠は帰って来なかったみたいデース。仕方ないデス。誰かに気付かれる前に、さっさとMyroomに戻りましょう。)

 

金剛は、素早く身なりを整え、ドアを開ける。

 

ガチャ、

 

武蔵「おはよう金剛。」ニッコリ

 

ガチャリ、

 

ドアを閉め部屋に戻る。

 

金剛(oh my god…)

 

 

 

 

〜〜寮・居間〜〜

 

ガミガミ!クドクド!

ーーー!ーーーー!

アーダコーダ!

sorry!sorry!

 

 

島風「朝からうるさ〜い…なんでムサしゃん怒ってるの〜?」

 

悠「自業自得だ、そっとしておけ。」

 

金剛(mission failed デース…でも!こんなトコでくじけちゃNO!なんだからね!)

 

 

 

 

 

〜〜佐伯湾鎮守府・ベルベットルーム〜〜

 

 

朝の騒動の後、皆と食堂で落ち合い朝食を済ませ、昨日行うことの出来なかった『艦娘召喚』を行う為に、悠達はベルベットルームに来ていた。

 

イゴール「ようこそ、ベルベットルームへ。」

 

悠「おはようございますイゴールさん。」

 

イゴール「おはようございます。こちらにおいでなさったという事は、艦娘召喚を行うという事でよろしいですかな?」

 

悠「はい、一応、建造申請の書類は持ってきたんですけど、大丈夫なんですか?」

 

イゴール「えぇ、問題ありません。では、今必要な艦種は…」

 

イゴールは、書類を受け取ると、品定めをするように皆を見渡す。

 

イゴール「おや、航空母艦の方がいらっしゃいませんな。」

 

悠「はい。そのせいで、本部での演習も結構苦労したみたいで。」

 

イゴール「ならば、正規空母、と言いたい所ですが、開港したてのこの鎮守府では、運用は難しいでしょう。ですから、ここは燃費の軽い軽空母の召喚を行うことにしましょう。よろしいですかな?」

 

悠「はい、おねがいします。」

 

悠の返事を聞くと、イゴールは席を立ち、ステージへ上がる。

 

武蔵「お手並み拝見といくか。」

 

 

イゴール「では…始めましょう。」

 

パチンッ!とイゴールは指を弾く。すると、ステージ上に、各種の資材が現れる。

 

島風「すごーい!魔法使いみたーい!」

 

イゴール「燃料300、弾薬30、鋼材400、ボーキサイト300。こちらの資材が、軽空母召喚の為の媒介となります。

そして…召喚される艦娘の核となるのが…」

 

そう言うと、イゴールは手のひらに収まる程度のガラス玉のようなものを、どこからともなく取り出す。中には何か液体のようなものが入っている。

 

イゴール「これは、原初の水球。一般には、開発資材と呼ばれているものでございます。」

 

悠「あれが核になるのか。」

 

天龍「なんだかんだいって、俺らも初めて見るな。」

 

龍田「私たちが運んだりする時は、厳重に梱包されてるものね〜。」

 

金剛「What’s inside it ?中は何ですカ〜?」

 

イゴール「こちらには、出来たばかりの地球の原初の海と、ほぼ同じものが入っております。生命のスープとでもいいましょうか?」

 

そう説明しながら、イゴールは準備を進める。

 

イゴール「さあ、準備はこれで終わりです。では、いきますよ…」

 

イゴールは、懐から白紙のカードを一枚取り出すと、ステージの上に並べた資材にかざしていく。と、資材は光の粒子となってカードに吸い込まれていき、吸い込む度に、カードが輝いていく。

 

吹雪「綺麗…神秘的ですね。」

 

全ての資材を取り込んだカードは、胎動するかのように明滅を繰り返す。

 

イゴール「艦娘…召喚!」

 

宙に魔法陣が描かれ、そこにカードを投げ込む。すると、光が強くなり…

 

 

 

 

 

 

 

ビー!ビー!ビー!

警報音と共に赤く輝き始めた。

 

イゴール「……」

 

悠「これって…」

 

イゴール「何か予定外の事象が起きている様子…」

 

悠「予定外って!これ俺知ってますよ!ペルソナ合体に失敗した時と同じじゃないですか!」

 

武蔵「おい!大丈夫なのか⁉︎」

 

吹雪「なんですか⁉︎失敗ですか⁉︎」

 

イゴール「ッ!空間に亀裂が⁉︎」

 

そして、光が弾け…

 

 

 

 

 

 

 

?「うわぁぁぁッッッ!」

?「クマァァァッッッ!」

?「軽空母、りゅ、グハァッ!」

 

ドカシャーン!

 

 

 

召喚されたと思われる、りゅナントカさんの上の空間の亀裂から、2人の艦娘らしき子が降ってきて、りゅナントカさんに直撃した。

 

?「痛って〜…くっそ、着地失敗かよ…」

 

?「クマァ…お尻が割れるかと思ったクマ。」

 

?「もう割れてんだろ…」

 

悠「えーと…」

 

イゴール「よかったですな。一度の召喚で3人も呼び出すとは、中々運が良いご様子。」

 

武蔵「軽巡洋艦・阿武隈と軽巡洋艦・球磨か。」

 

島風「クマクマコンビだね!」

 

阿武隈?「ん?」

悠「ん?」

 

唖然としていると、武蔵が阿武隈と呼んだ方の艦娘と目が合う。

 

阿武隈?「………!」

悠「………?」

 

すると、阿武隈が驚きと喜びが混ざったような表情を浮かべ…

 

阿武隈?「相棒!良かった!無事だったんだな!」

 

悠「…は?」

 

悠を相棒と呼んだ。

 

阿武隈?「は?じゃねーよ!すぐに会えて良かったぜマジで。お前がテレビに落ちた時は久しぶりに焦ったからな…」

 

悠「………どちら様で?」

 

阿武隈?「まさか…お前⁉︎記憶がっ⁉︎俺だよ!陽介!花村陽介!」

 

 

 

 

 

 

 

悠「……………………ハあアァァぁァァァァァッッッッッッ!」

 

 

 

 

 

 

 

とぅーびーこんてぃにゅー…

 




悠「俺と陽介が殴りあった場所は⁉︎」
阿武隈?「鮫川の河川敷!」
悠「俺の通り名は⁉︎」
阿武隈?「鋼のシスコン番長!」
悠「陽介のお宝はベットの下のダンボールの中?」
阿武隈?「その通り…って、おいっ!なんで知ってんだよ⁉︎」


次回 ペルソナ4 the K.C.
『最適化』


悠「このツッコミのキレは…陽介!」
阿武隈?「だからそうだって言ってんだろ!」
球磨?「クマ、美少年から美少女にクラスチェンジしちゃったクマ!これでセンセ〜を逆ナンするクマ!」
阿武隈?「ツッコミきれねーからお前は黙っとけ!」

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