ペルソナ4 the K.C.   作:黒城優輝

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どうも、一週間以上間が空いてしまいましたね。黒城です。
今回は足立が湾港棲姫を救出に向かう話。足立が無双する上、艦娘轟沈。人によっては不快な思いをすると思いますので要注意。

お陰様で第七話投稿の時点で通算UA7889、お気に入り件数64件。
台本形式というハーメルン内ではあまりよろしくない方式、安定しない文体、etc…恒例になりつつあるこの一文ですが、こんな駄文にお付き合い頂きありがとうございます!
読んでくださる方がいる限りは、完結に向けて頑張りますのでよろしくお願いします!





第七話 伊邪那岐禍津神

〜〜深海棲艦軍本部基地・近海〜〜

 

 

足立「いや〜、気持ちいいねこれ。本当に海の上を滑ってるよ。」

 

基地を出発した足立は、マリンフローターを試しながら進んでいく。

 

足立「おっと、遊んでる場合じゃないな。えーと…地図はと…」

足立は海図を取り出し、しばらく眺めたていたが…

 

足立「………読めない…」

足立は海図が読めなかった…

 

足立「…うわぁ〜…ヤバい…今から戻って聞きに行くの?カッコ悪いなぁ…。」

 

レフ「オーイ!足立ー!」

 

足立「ん?あぁー!レフちゃん!助かったー!」

 

 

 

足立「ちょうどいい所に来てくれたよ!実はさ、海図が読めなくて困ってたんだよね。」

 

レフ「ソンナコトダロウト思ッタゾ。途中マデ一緒二行ッテヤルカラ感謝シロ。ホラ、海図貸シナ。」

 

足立「あ、はい。よろしく頼むよ。」

 

レフ「…フーン。ヨシ、コッチカ。ツイテコイ。」

足立のピンチに駆けつけたレフは、海図を受け取り、足立を先導する。

 

 

 

 

数時間後…

 

グウゥゥ〜

足立の腹の虫が鳴く。

足立「ううぅ…お腹空いた…朝も食べてないのにこれはキツイな…」

 

太陽の位置は南中、つまりお昼時。普通なら昼食を取り始める時間であり、無論足立も例外ではない。むしろここまで休み無しで海を進んでいるのでかなりの空腹である。

しかも、この世界に飛ばされたタイミングが朝食の買い出しに出ていたところであり、足立は朝食抜きの状態なのだ。

 

レフ「ン〜、少シ休憩スルカ。アト少シデ目標ノポイント二到着スルカラ、今休憩シトカナイトナ。」ごそごそ…

 

そう言うと、レフは懐から何かを取り出し、足立に渡す。

 

レフ「ホラ、携帯食ト水ダ。味ハ、マァ、オ察シダガ、空腹ヨリハマシダロ?」

 

足立「ありがと。モグモグ…なんだろ?カ◯リーメ◯トのプレーン?そんな感じだね。うん。モグモグ…美味しくは無いけどそこまで悪いもんじゃないね。」

 

レフ「モグモグ…ソウイエバオ前、人ヲ殺シタコトガアルンダヨナ?」

 

足立「ん、そうだね。僕が直接殺したわけじゃ無いけど。」

 

レフ「ドウイウ事ダ?」

 

足立「ん〜、ちょっと長くなるけどいいかい?」

 

レフ「アア、ワカッタ。」

 

 

キャベツ説明中…

 

 

 

レフ「フーン。田舎ニ左遷サレテイライラシテル時ニ、ナンパニ失敗して頭ニキタカラ、ソノ女ヲ突キ飛バシタラテレビノ中二落チタ。ソシテ数日後ニ変死体トシテ発見サレタト。

ソノ後ハ、同ジ能力ヲ持ッタ人間ヲソソノカシテ、自分ノ代ワリニテレビ二落トサセテイタト。

罪ガ軽イ上ニ、執行猶予ガ付イテイタノハ立証出来ナイカラカ。」

 

足立「要約ありがとう。こんな僕だけど、一応反省はしてるよ?今も罪を償いたいって気持ちはちゃんとあるしね。」

 

レフ「ソウカ。ダガ、敵ヲ殺スコトヲ躊躇ウナヨ?戦争ニ罪ノ意識ハ持チ出スナ。生キ残リタケレバナ。」

 

一応は罪の意識がある足立に、レフは躊躇うなとくぎを刺すが…

 

足立「まっ、そこらへんは割り切っていくしかないね。」

 

足立はそう軽く返す。罪の意識はあっても、罪の重さは気にしていないようだ。

 

レフ「フーン…ソロソロ行クカ。思ッタヨリ話シ込ンデシマッタカラナ。飛バスゾ。」

 

 

 

 

再び歩を進める二人。しばらくするとレフは立ち止まり、懐からやたらゴツい双眼鏡を取り出して、辺りを見回す。

 

レフ「ココラナンダケドナー。」

 

足立(あのパーカーの中、色々入ってるな。中はどうなってるんだろ?)

 

レフが周囲を見回している間、足立はしょうもない事を考えている。緊張感の欠片もない。

これからとんでもない事をされると知らずに…

 

 

 

 

レフ「見ツケタゾ。輸送船ダ。」

 

しばらくして、レフは目標の輸送船を見つける。

 

レフ「チッ、案ノ定ガチ艦隊デ護衛シテヤガル。空母2隻二戦艦1隻、重巡1隻、軽巡2隻カ。コレジャ普通ノ方法ジャ潜入ハ無理ダ。」

 

足立「そんな!せっかくここまで来たのに⁉︎」

 

足立が驚きの声を上げるが、それに対し、レフはニヤリと笑みを浮かべる。

 

レフ「イヤー?方法ナラチャーントアルゼー?」

 

足立「…なんだか凄い嫌な予感がするんだけど…」

 

レフ「ジャアイクゾー!」

 

そう言うと、レフは足立の襟首をいきなり掴むと…

 

足立「へ?」

 

レフ「オンドリャー!」

 

足立「ウワアァァァァァァァァッッッッ!」

 

輸送船に向かっておもいっきりぶん投げた。

 

レフ「ナイスピッチ俺。我ナガラ良イコントロールダ。」

 

空を飛んで行く足立を満足そうに見送った後、レフも輸送船に向かいながら大声を上げる。

 

レフ「サテ、モウ少シダケ手伝ッテヤルカ。オイ!雑魚共!チョット遊ンデヤルヨ!」

 

 

 

 

〜〜輸送船内・甲板〜〜

 

 

ドガシャーン!

足立「痛たた…普通の人間だったら死んでたぞ…」

 

レフに投げ飛ばされた足立は凄い音を立てて甲板に墜落した。

その時、墜落した音を隠すかのように、大きな爆発音と大声が響く。

「ギャハハハハ!」

「深海棲艦が出たぞー!」

 

足立(レフちゃん…囮になってくれたのかな?よし!今のうちに!)

 

 

 

レフ(…ソロソロ中二入ッタカ?俺モ撤退スルカナ〜)

「オット〜、ソロソロオヤツノ時間ダ〜。コレニテ失礼スルヨ。次ハモウチョイ楽シマセテクレヨナ〜!」

 

瑞鶴(ずいかく)「あ!こら!待ちなさーい!」

 

翔鶴(しょうかく)「瑞鶴!深追いは駄目よ!私達の任務は輸送船の護衛よ!」

 

瑞鶴「む〜…」

 

 

〜〜輸送船・船内〜〜

 

 

足立「こちらスネ◯ク、敵の輸送船内に侵入した。なーんちゃって!……一人でやっても虚しい…」

 

輸送船内に侵入した足立だが、やはり緊張感の欠片も無い。まさにお気楽刑事ここにありだ。

 

足立「さっさと見つけて脱出しないとね。まったく…生きた心地がしないよ〜…」

 

少しばかりビビりながらも、銃を構えながら慎重に進んでいく。

ズッコケ刑事と思われがちだが、足立はエリートである。真面目にやればかなり有能であり、今回は人命…もとい艦命がかかっているので、足立も真面目モードである。

その甲斐あって、足立はどんどん奥へと進んでいく。

 

 

そうしているうちに、足立は一つの部屋に辿り着く。

 

足立「ここは…倉庫?中から人の声がするな。ちょっとだけ覗いてみるか。」

 

足立は中に入ると、複数の人影を見つけ、慌てて物陰に隠れる。

 

足立(危な〜…ん?あれは…もしかしてあの子が湾港棲姫?)

 

物陰から覗いた先には、鎖で繋がれている湾港棲姫と、ざっと10人位の水夫の姿があった。

 

「この人類の敵が!」ドガッ!バキッ!

「アハハハッ!いい気味だ!」

「おら!なんとか言ったらどうだ!」バキッ

 

湾港「グッ…ガハッ…」

 

足立(なんだよこれ…酷い…とにかくあいつらがこの部屋から出て行くまで我慢だ…)

 

「ほらほら〜、反応無いとつまんないなぁ〜…そらっ!」ドガッ!

 

湾港「グゥッ!ウウウ…」

 

足立(我慢だ…我慢…)ギリギリ…

 

暴行を加えられる湾港棲姫を目の当たりにし、自己中心的な筈の足立の心に怒りがこみ上げてくる。今までの足立からは、考えられない変化だ。あの事件を通して足立も成長したという事だろうか。

 

「ん?なんだこれ?はっ!深海棲艦のくせにリボンなんかつけてやがる!」

「はぁ?本当だ、へへへ…」

 

湾港棲姫の髪に結ばれていたリボンを見つけた水夫はそれを解いて奪う。

 

湾港「イヤッ!ヤメテ!返シテ!」

 

「ん?ようやく口を利きやがったな。」

「よっぽどこれが大事なんだろうな。」

「よっし!このリボン燃やしてやろうぜ!」

 

湾港「ソンナ!オ願イ!ヤメテッ!」

 

「はっ!深海棲艦に言われて止めるわけないだろ?お前がどんな顔するのか楽しみだな。」

 

そう言って、水夫の一人がライターでリボンに火をつけようとする。

 

湾港「イヤァァー!」

 

足立「やめろー!」

 

とうとう我慢出来なくなった足立は物陰から飛び立し…

 

足立「ウワァー!」

 

「なんだ!お前、グァァッ!」

 

リボンを持っていた水夫を、警察仕込みの柔術で床に叩きつけ、リボンを取り返す。

 

足立「ハァハァ…これ、大事な物みたいだね。ちょっと待ってて…」

 

足立はリボンを結び直そうとするが、イマイチ上手く結べない。

 

足立「あはは…ちょっと不恰好だけど、今はそれで我慢してて。後で自分で直しといてね?」

 

湾港「エ?ア、アリガト…アナタハ…」

 

足立「あぁ、僕は君の救出に来たんだ。詳しい話は後でするよ。その前に…」

 

「なんだお前は⁉︎くそっ!侵にゅ…」

 

 

 

 

 

 

 

パァンッ!

 

 

 

 

 

 

 

「ガハッ!…」ドサッ…

「ヒッ!」

「な、殺し…」

 

足立「はぁ…やっぱり世の中クソだな…

任務変更、この子を助けてさっさと脱出するつもりだったけど、気が変わったよ。お前ら全員皆殺しにしてやる!」

 

 

空っぽだった足立の心に怒りの炎が燃え上がる。自分の為ではなく、他人の為に燃え上がるそれは、禍々しくも美しい輝きを放ち、マガツイザナギに新たな力をもたらす。

 

 

 

足立「ペルソナー!」

 

マガツイザナギは、伊邪那岐禍津神(イザナギノマガツカミ)に覚醒した!

 

「ヒイィッ!」

「ば、化け物!」

 

足立「空間殺法!」

 

足立が伊邪那岐禍ツ神に指示を出すと同時に、その剣が振るわれ、一振りで空間を切り裂いていき…

 

ザシュッ!グシャ!ザクッ!グチャ!

 

一瞬で、倉庫内にいた水夫を全員細切れにした。

 

 

足立「ふぅ…ちょっとやり過ぎたかな?そこら中血まみれだよ。ていうか、やってしまった…もう人間側には戻れないぞ…」

 

湾港「あ、あの…」

 

足立「あ、ごめんごめん、今その鎖を外すから。伊邪那岐禍津神!」

 

足立は再び伊邪那岐禍津神を召喚し、

 

足立「木っ端微塵切り改!」

 

湾港「キャアッ!」

 

湾港棲姫を繋いでいた鎖や枷を切り裂き、破壊する。

 

湾港「モット優シク外シテホシカッタ…」

 

足立「ご、ごめん。」

 

湾港「助ケテクレテアリガトウ。ソレデ、アナタハ一体何者ナノ?」

 

足立「僕は足立透。君たちの仲間に入れてもらう為の試験ってことで、君の救出に来たんだよ。」

 

湾港「人間ナノニ?アナタ、変ワッテルノネ。」

 

足立「ははは…とにかく僕について来て!この船を制圧するよ〜!」

 

 

 

 

足立は湾港棲姫を連れ、船内を駆け回り、水夫達を始末していく。

 

「来るなー!」

「ギャアー!」

パァンッ!パァンッ!

ザシュッ!グサッ!

「マズいぞ!本部にれんr、ガフッ!」

 

足立「ペルソナー!」

 

その姿はまさに鬼神の如く。実際の戦闘は全て艦娘頼みの人類は、なす術も無く足立に殺されていく。

 

 

そして粗方船内を回り終えた足立と湾港棲姫は、最後の部屋となる操舵室の前に来ていた。

 

足立「さて、残るはここだけだね。じゃあ、開けるよ…」

ガチャ、

 

足立「ん?開かない…チッ、鍵なんかかけやがって…湾港さん、ちょっと下がっててもらえるかな?」

 

湾港「ワカッタ。」

 

足立は湾港棲姫を後ろに下がらせると、扉に向かってペルソナ魔法を叩き込む。

 

足立「木っ端微塵切り改!」

 

明らかにやり過ぎな方法で扉をバラバラにする。

 

「ヒイィッ!」

「くそっ!もうここまで!」

「本部に連絡は取れたのか⁉︎」

「今、救援を要請しています!」

 

足立「さーて、なんだか余計な事してるみたいだね?それっ。」

 

 

 

パァンッ!

 

 

 

「」ドサッ…

「おい!大丈夫か⁉︎」

「貴様〜!」

 

水夫の一人、服装から将校クラスと思われる人物が日本刀で足立に斬りかかる。

 

足立「はぁ…テトラカーン。」

 

しかし、その剣は足立に届くことは無く、自らを切り裂いた。

 

「グゥッ!」

「船長!」

 

足立「面倒くさいな〜。無抵抗で殺されてよ〜?勝てないって分かってるんでしょ?命乞いとかしないの?まぁ、命乞いしたって殺すんだけどね。空間殺法!」

 

 

足立「ふぅ…これで制圧完了!」

 

湾港「…多分マダダト思ウ。コノ船ヲ護衛シテル艦娘ヲ倒サナイト帰レナイ…アト、コノ船ノ通信システムヲ破壊シナイト…」

 

足立「あー…まだやる事があるのか…どれ壊せばいいか分かる?」

 

湾港「ウン。コレト、コレト…」

 

 

 

パァンッ!パァンッ!パァンッ!

 

 

 

足立は湾港棲姫に破壊すべき機材を教えてもらい、銃を撃ち込み破壊する。

 

足立「よし、これであとは艦娘ってやつだけだね。」

 

湾港「ドウスルノ?」

 

足立「ん〜…ちょっと考えさせて。」

 

 

 

 

キャベツ思考中……

 

 

 

 

 

足立「よし、湾港さん、この船ってまだ動いてるんだよね?」

 

湾港「ウン。マダ動イテル。」

 

足立「じゃあさ、一旦止めてもらっていいかな?」

 

湾港「?ワカッタケド…何ヲスルツモリ?」

 

足立「まぁ見ててよ。」

 

 

 

 

 

 

瑞鶴「もぅ…なんだったのかしら?さっきの深海棲艦。」

 

名取「えっと…わかりません。攻撃らしい攻撃も最初の一発だけでしたし…」

 

摩耶「本当、訳ワカンね〜よな。ひたすら回避に徹してたし、何が目的だったのかね?」

 

酒匂(さかわ)「おやつっていってたから、お家に帰る途中だったんだよ!」

 

陸奥「もう、みんな!過ぎたことを言っても仕方ないわよ?今は任務に集中して!」

 

翔鶴「…⁉︎ねぇ、ちょっと待って!輸送船が止まったわよ!」

 

陸奥「あ〜!もうっ!なんでこうトラブルばっかりなのよ〜!」

 

 

 

 

 

 

足立「ふーん。あれが艦娘かー。」

 

輸送船を停止させた後、足立は甲板に出て、敵の様子を見ていた。

 

足立「よしよし、船が止まって戸惑ってるな。作戦開始!」

 

足立は艦娘が混乱している様子を見て、行動を開始する。

 

 

 

 

足立「ウワァー!助けてくれー!」

 

足立はわざとらしく大声を上げて助けを求める。

 

陸奥「⁉︎どうしたの!船が止まってるけど、何があったの⁉︎」

 

足立「実はこの船、鹵獲した深海棲艦を載せてたんだけど…それが暴走して!」

 

摩耶「なんだと!」

 

酒匂「ウワァー、それは大変だ!」

 

翔鶴「輸送船の護衛に、私達空母や戦艦が投入されてたのは、そういうことだったのね。」

 

足立「ねぇ!とにかくヤバいんだよ!今から飛び降りるよ!マジだよ!あぁ⁉︎もうそこまで来てるー!え、えーい!」

 

瑞鶴「えっ⁉︎ちょっ!」

 

翔鶴「くっ!間に合って!」

 

足立は大袈裟に芝居を打ち、海へ飛び降りる。

が、水面に叩きつけられることは無かった。

翔鶴がギリギリ間に合い、足立を受け止めたのだ。

 

翔鶴「ふぅ…ギリギリね。」

 

陸奥「翔鶴さん!ナイスキャッチ!」

 

足立「いや〜、本当有難いよ。こんな無防備に近づいて来てくれたんだもん。」チャキッ

 

翔鶴「えっ?モゴッ⁉︎」

 

足立は、自分を抱き抱えている翔鶴の口に銃を突っ込み…

 

 

 

 

 

 

 

 

パァンッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

頭を撃ち抜いた。

銃弾は喉から後頭部にかけて貫通し、翔鶴は崩れ落ち沈んでいく。

足立は、沈んでいく翔鶴を振り解くと、水面に立つ。

 

足立「ふぅ。まずは一人。」

 

瑞鶴「あ…あ……」

 

陸奥「あなた…何て事を!」

 

酒匂「な、何が起こってるの⁉︎酒匂分かんない!」

 

名取「待ってください…あの人、海の上に立ってますよ…」

 

摩耶「おい…訳ワカンねーよ⁉︎何がどうなってんだ!」

 

瑞鶴「翔鶴ねぇ…沈んで…嫌…ウソ…う、ウアァァッッッッ!」

 

陸奥「なっ!落ち着いて瑞鶴さん!一旦陣形を整えないと!」

 

姉の翔鶴が沈んだショックで瑞鶴はパニックになり、足立に艦載機を飛ばして攻撃を仕掛ける。

 

足立「何キレちゃってんのさ。戦争で死人が出るのは当然なのに。空間殺法!」

 

足立はすかさず伊邪那岐禍津神を召喚し、空間殺法で艦載機をバラバラにする。

 

瑞鶴「え…ウソ…私の艦載機が…全滅…⁉︎」

 

陸奥「瑞鶴さん!お願い!早く下がって!」

 

足立「残念。遅いよ!木っ端微塵切り改!」

 

伊邪那岐禍津神の木っ端微塵切り改が、瑞鶴に襲いかかる。

 

瑞鶴「キャアァァ!」

 

名取「早く!こっちです!」

 

間一髪、直撃する寸前で、名取が瑞鶴の腕を掴み、引っ張る。だが、躱しきれずに…

 

瑞鶴「イヤァァッッ!私の腕がぁぁ!」

 

足立「あーあ、中途半端に避けるからそんな風になるんだよ。素直に当たってれば苦しまずに死ねたのに。」

 

陸奥「名取さん!瑞鶴さんを連れて逃げなさい!摩耶と酒匂ちゃんは私に続いて!この男を倒すわよ!」

 

摩耶「了解だ!」

 

酒匂「ぴゃああぁぁぁ!私も⁉︎こうなりゃヤケだ〜!」

 

足立「逃すと思ってんの?マハランダマイザ!」

 

敵の撤退の指示に素早く反応した足立は、マハランダマイザで動きを鈍らせる。

 

名取「あれ…?いつものスピードが出ない⁉︎」

 

摩耶「なんだ⁉︎身体が重く⁉︎」

 

足立「消し飛べ。アンティクトン!」

 

伊邪那岐禍津神は、バリアに包まれたごく少量の反物質を生み出し、撤退しようとしていた名取と瑞鶴の真上に向けて打ち上げる。

二人の上に到達した瞬間、反物質を包んでいたバリアが弾け、対消滅エネルギーが破壊をもたらす。

 

対消滅エネルギーの暴走が収まった跡には名取と瑞鶴の姿は無かった。無論、他の三人も無事では無い。

 

摩耶「ウグゥ…今のはヤバかったぜ…」

 

酒匂「ぴゃあ…痛いよ…」

 

陸奥「痛たた…くっ⁉︎名取!瑞鶴!どこ!」

 

足立「うひゃー。凄いね、まさか僕もここまでの威力とは思わなかったよ。完全に消し飛んじゃうなんてね〜。」

 

摩耶「テメェー!いい加減にしやがれー!」

 

摩耶は怒りにまかせて主砲を撃ちまくる。

 

足立「グアァッ!痛っ!熱っ!あぁっ!もう!無駄な抵抗はやめてくれないかな!」

 

酒匂「ヒュゥ!攻撃は普通に効く⁉︎」

 

陸奥「なら!私の主砲で!全砲門、開け!」

 

陸奥は砲門を解放し、全力で砲撃を仕掛ける。

 

足立「さすがにあれはマズい!間に合え!テトラカーン!」

 

 

ズガーン!

 

 

陸奥「やったの?」

 

足立「くっ…さすがに効いたよ。君達のステータスを下げてなかったら危なかったね。」

 

足立はギリギリのところでテトラカーンを発動させていた。テトラカーンで跳ね返した一発をほかの砲撃と相殺させてダメージを最小限に抑え込んだのだ。

 

足立「僕もそろそろ疲れたから、終わりにさせてもらうよ。ヒートライザ!」

 

足立は自らに強化魔法を使い、

 

足立「もう一回!霊魔集中!」

 

伊邪那岐禍津神に魔力を集中させる。

 

摩耶「マズい!デカイのがくるぞ!」

 

酒匂「ぴゃああぁぁぁ!まだ死にたくないよ〜!」

 

陸奥「…やるしか無いわよね。摩耶、酒匂、後は頼んだわよ!」

 

陸奥は、足立が力を溜めている隙に接近する。

 

摩耶「ちょっと待てよ!何する気だ!」

 

陸奥「今この男を倒しておかないと、きっと大変なことになるわ!…みんな、ごめん!」

 

 

 

 

 

 

足立「さぁ、最後に…なっ!」ガシッ!

 

陸奥「捕まえた!周りが見えなくなるくらい集中してたみたいね!さぁ、一緒に沈んでもらうわよ!」

 

そう言うと、陸奥は自らの第三砲塔に火を放ち…

 

足立「クソッ!テトラ…」

 

 

 

 

 

 

ドゴォーン!

 

 

 

 

 

自爆した。

 

 

 

 

 

摩耶「おい…ウソだろ…自爆だなんて、陸奥の姉御らしくねぇよ!おい!返事しろよ!」

 

酒匂「ぴゅー…グスン…みんな死んじゃった…」

 

摩耶「チクショー!私がもっと強ければ…」

 

酒匂「ヒグッ、グスン…」

 

 

 

「そうだね」

 

 

 

摩耶・酒匂「!!!」

 

 

 

 

足立「いやー、まさか自爆とは…マガツイザナギのままだったら死んでたね。

ふふふ…じゃあ、さよなら。メギドラオン!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜深海棲艦軍本部基地・埠頭〜〜

 

 

レフ「ン〜、マダカナマダカナ〜。」

 

レフは、埠頭で海を眺めて足立の帰りを待ちわびている。

 

戦艦水鬼「…アノ男ガソンナニ心配カ?」

 

レフ「インヤ、全然?ボスノ方コソ、コンナトコロマデドウシタヨ?ナンダカンダ言ッテ心配ナンダロ?」

 

戦艦水鬼「フンッ!寝言ハ寝テカラ言ウンダナ。」

 

レフ「ハイハイ…ウン?アレハ…」

 

戦艦水鬼「ナ!何故人間共ノ輸送船ガ!」

 

戦艦水鬼は輸送船に向けて攻撃を仕掛けようとするが、

 

「おーい!無事に帰って来たよ〜!」

 

レフ「チョッ!待テ!アレニ足立ガ乗ッテルゾ!」

 

戦艦水鬼「ハァ⁉︎ドウイウ事ダ?」

 

 

 

 

 

 

足立「ただいま〜っと!足立、只今帰還しましたであります!」

 

レフ「オオ!ヨク帰ッテキタナ!ハハハ、ボロボロジャナイカ。」

 

足立「まあね。少し死にかけたし。そんな事よりさ!湾港さん!」

 

足立は湾港棲姫に下船するよう促す。

 

湾港「…ボス、只今戻リマシタ…」

 

戦艦水鬼「…湾港棲姫。」

 

湾港「…ハイ。如何ナル罰モオ受ケシマス。」

 

戦艦水鬼「……フフフ、ヨクゾ戻ッテ来テクレタ…落トサレタ基地ノ事ナラ気ニスルナ。ホラ、オ前タチ?」

 

リコリス「姉サン?姉サンナノ!」

 

ホッポ「ウワァーン!オ姉チャーン!」

 

湾港「リコリス!ホッポチャン!心配カケテゴメンネ!本当ゴメンナサイ!」ギュー!

 

 

 

足立「姉妹の感動の再会、そんで抱擁。これにて一件落着かな?試験は合格ってことでいいのかい?」

 

戦艦水鬼「アア。ダガ、コノ船ハ一体ドウシタノダ?」

 

足立「この船?クルーを皆殺しにして湾港さんごと持ってきたんだよ。」

 

戦艦水鬼「…護衛ニ艦娘ガ就テイタ筈ダガ、ソレハドウシタノダ?」

 

足立「あぁ、こっちも結構やられちゃったけど、全員沈めて来たよ。…もしかして死体とか装備とか持ってきた方が良かったかな?」

 

戦艦水鬼「ナッ!全滅サセタノカ!」

 

レフ「マジカ!ヤルナ足立!」

 

戦艦水鬼「…ヨシ、ワカッタ。今カラオ前…イヤ、足立透。貴官を我ガ軍ニ迎エヨウ。」

 

レフ「ヤッタナ足立!」

 

足立「よっしゃー!これでダメとか言われたらどうしようかと思ったよ!」

 

戦艦水鬼「時ニ足立ヨ、貴官ガ戻ッテクルトハ思ッテイナカッタノデナ、部屋ノ用意ナド何モ出来テイナイノダカ…」

 

レフ「ジャア、部屋ノ用意ガ出来ルマデ、俺ノ部屋ニ居候ダナ。」

 

足立「え?いいの?じゃあお世話になります!」

 

 

 

〜〜深海棲艦軍本部基地・司令室〜〜

 

 

時刻は深夜…深海棲艦といえど、睡眠は取らなくてはいけない。殆どの者が眠りについている中、司令室に明かりを灯し、まだ起きている者がいる。戦艦水鬼だ。

 

戦艦水鬼「フフフ…レフノヤツメ。トンデモナイ拾イ物ヲシテクレタモノダ。マサカココマデトハ…」

 

戦艦水鬼は密かに偵察機を足立に尾けており、今はその偵察機が撮影してきた一部始終を見ている。

 

戦艦水鬼「コレナラ勝テル!ククク、次ノ大規模作戦ノ会議ガ楽シミニナッテキタゾ!」

 

 

フッフッフッ…ハーハッハッハッ!

 

 

 

次の日、夜中の司令室に魔王が出るという噂が流れるが、それは別のお話。




隼鷹「オッス!私隼鷹!悠が武蔵に勝利したから打ち上げだー!酒が飲める酒が飲める酒が飲めるぞー!」
大山「隼鷹、盛り上がってるところ悪いんだけど、祝勝会は『甘味処間宮』でやるからね?お酒は出ないよ?」
隼鷹「」


次回ペルソナ4 the K.C.
新たな出会い!新しい旅立ち!


悠「新しい出会いか、楽しみだな!」
島風「仲良くなれるかな?」
悠「島風なら大丈夫だ!」

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