ペルソナ4 the K.C.   作:黒城優輝

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はい。かなりの期間が空いてしまいましたが、第五話前編をお送りします。
またしても前後編に分けさせてもらいます。ほんとすみません…
前編では武蔵戦前の様子を描写しています。ガチな編集さんなら添削でバッサリカットしてしまいそうな感じなのですが、書きたかったんです…書いてしまったんです…勘弁してくだぁしゃ〜…orz
あと、お気に入り数が32になっていました。ビビるわ!こんな駄作に付き合ってくれている皆様に本当感謝です。



第五話 最初の試練!武蔵VS鳴上悠 前編

只今の時刻は午前6時前。窓からは朝日が差し込んでいるが…

 

島風「スースー…」

悠「スースー…」

 

どうやら二人はまだ寝ているようだ。

 

島風「うーん…」ゴロンッ

ドスッ!

悠「ガハッ⁉︎」

 

寝返りを打った島風の肘が、丁度悠の首に直撃した。

 

悠「ゲボッ…。あれ?ここは…そうか、俺は異世界に来たんだったな。」

 

島風の肘打ちで目を覚ました悠は、自分の置かれている状況を確認し始める。

 

 

悠(俺はたまたまテレビに落ちた。そしたら、いつものテレビの中ではなくこの世界の海に落ちた。

そして…島風との出会い。

息つく間もなく深海棲艦との戦い。

救助に来てくれたハイカラ眼鏡美人の霧島さん。

海軍本部で三嶋元帥にスカウトされたかとおもったら、武蔵という艦娘に反対されて、戦う事になったんだよな。)

「約束の時間までまだ結構あるな。とりあえず顔を洗って着替えるか…」

 

身支度を整え、すぐに出られるようにするが、いかんせんやる事がない。

 

悠「…ネコショウグン!」

パキィン!

 

何故か、ペルソナ『ネコショウグン』を呼び出し…

悠「ゴロニャーン♡」

愛で始めた。

ネコショウグン「フシャッ!」

ザシュッ!

悠「フワッ!」

引っ掻かれた…

悠「何でだ⁉︎お前は俺だろう?今の俺が暇なことくらい分かるだろ!」

 

悠は挫けない。約束の時間の8時までまだ

2時間弱はあるのだ。二度寝する気にもなれない悠は、再びネコショウグン(自分自身)を撫でようとするが…

 

ネコショウグン「ニヤアァァァッ!」

悠「何ッ!」

ネコショウグンは悠に飛びかかり…

ガブゥッ!

悠「ぎゃあ〜!」

悠の頭に噛み付いた。

悠「痛いッ!おいッ!やめろ!」

 

 

 

島風「うーん…もう、悠ってばうるさい…ってウワァ!何そのネコ!メッチャ噛み付いてるし!」

 

悠が騒いでいたせいで、目を覚ましてしまった島風。

 

悠「おはよう島風。すまない、起こしてしまったようだな。」

 

爽やかな笑顔で朝の挨拶をする悠。ただし頭にネコショウグンが噛み付いている…シュールな絵だ。

 

島風「てか、何そのネコ?どっから入って来たの?痛くないの?」

 

悠「あ、こいつはネコショウグンっていう俺のペルソナなんだ。戻れネコショウグン!」

ニャー…

ネコショウグンは悠の一言で心に戻ったが…

ピュー!

 

島風「あ、消えた。悠は色んなペルソナが…って!血が!頭から血がピューッて!」

 

悠「ん?あ、本当だ。まぁこれくらいなら大丈夫だ。ティターニア!ディアラマ!」パキィン!

 

ネコショウグンに噛まれた傷から血が噴き出るが、悠は慌てずにティターニアを召喚し、回復魔法を使う。

 

ティターニア「まったく、大事な戦いの前だというのに…ディアラマ!」

 

島風「ウワァ!妖精?すごーい!傷が治ってる!ねぇねぇ、他には何がいるの?見せて見せて!」

 

島風は、興奮した様子で悠に他のペルソナも見せろとねだる。

 

悠「そうだな…じゃあ、ジャックフロスト!」

パキィン!

 

ジャックフロスト「ヒホー!ジャックフロストだヒホー!よろしくだホ!」

 

島風「わぁ!かわいい〜!ねぇ、もっといっぱい出して!」

 

悠「そうか?それじゃあ…」

 

 

 

 

 

〜〜出張者用寄宿舎・悠、島風の部屋前〜〜

 

 

午前7時55分

霧島「バッチリ5分前ね。起きてくれてるといいんだけど。」

 

悠と島風の部屋の前に来たのは霧島だ。

約束通りの時間に迎えに来るのは流石霧島である。

コンコン、

霧島「霧島よ〜?もう準備出来てるかしら〜?」

………しかし返事がない。

霧島(しょうがない、起こしますか〜。)

悠達が、まだ寝ていると判断した霧島はドアを開ける。

ガチャ、

 

霧島「悠君〜、島風ちゃーん?起きてるかしら…」

 

「我が名はベリアル!我を呼び出すとは…貴様、覚悟は出来ているのであろうな!」

 

霧島「」

 

島風「わー!凄いぞー!強そーだぞー!」

 

悠「ん?あ、霧島さん、おはようございます。」

 

霧島「失礼いたしました〜。」

 

悠「え?霧島さん?ちょっと待ってください!ベリアル!とりあえず戻れ!」

 

 

 

番長説明中……

 

 

 

霧島「つまり、さっきの悪魔はペルソナっていうあなたの心の一部で、あれの力を使って戦うのね。」

 

悠は霧島にペルソナについて簡単に説明する。霧島もあれが悪いものではないと知り、安心したようだ。

 

悠「はい。そうです。他にもたくさんいますよ?見ます?」

 

霧島「いえ…遠慮しとくわ。それより、朝ごはん食べに行くわよ?私の仲間も待たせてるから早く行きましょ?」

 

島風「うん!早く早く!競争だよ!」

 

悠「おい、島風。場所分かるのか?」

 

島風が走り出そうとするので声をかける悠。

 

島風「…わかんない!」

 

危うく迷子になるところだった。

 

霧島「あ、そうだ。はい!学ラン、修繕終わったわよ。」

 

悠「ありがとうございます。」

 

悠は霧島から学ランを受け取り着る。

 

霧島「じゃあ、行きましょ?はぐれちゃだめよ〜。」

 

 

 

〜〜海軍本部・食堂〜〜

 

 

 

大山「おお、悠君に島風君。おはよう、昨日はよく眠れたかい?」

 

島風「おはようヤマヤマ〜!」

 

悠「おはようございます大山さん。おかげさまでよく眠れました。」

 

?「ほう、そいつが例の人間か?」

 

?「ふーん?まだ学生?無事でよかったわね。」

 

悠「えっと…あなた達は?」

 

大山「おっと、みんな、彼に自己紹介を…」

 

木曾「言われなくてもやるさ。俺は軽巡、木曾だ。よろしく。」

 

五十鈴「私は五十鈴よ。よろしくね。」

 

悠「よろしくお願いします。」

 

島風「よろしくお願いしまーす!」

 

霧島「他のみんなは?」

 

大山「日向は伊勢と何処かへ出かけたそうだ。高雄は隼鷹に飲まされて、二日酔いで部屋にいるよ。隼鷹は…」

 

?「はーい!ここにいるぜ〜!」

 

大山「うわっ!酒臭っ!隼鷹、朝から呑んでるのか…」

 

突然、大山の後ろから一升瓶を持った女性が大声で自己紹介をする。

 

隼鷹「どもっ!隼鷹でーす!よろしくなっ!」

 

悠「あ、はい。よろしくお願いします。」

 

隼鷹「なになに〜?お堅いね〜?もうちょいさぁ、なんていうの?フレンドリーにいこうぜ〜!」

 

どうやら隼鷹は、既に出来上がってるようだ。

 

悠「いえ、流石に目上の方にそれは…」

 

島風「じゃあ、ヨッちゃん?」

 

隼鷹「なんか駄菓子みたいだから却下!」

 

島風「じゃあ…ジュージュー!」

 

隼鷹「あたしゃ肉かい!却下だよ〜。ほらほら〜、もっとなんかないの〜?」

 

島風「え〜…うーんと…」

悠(隼鷹さんは島風に任せてそっとしておこう。)

 

悠は、隼鷹に酔っ払い特有の面倒くささを感じ、そっと距離を置く。

 

霧島「ごめんね?彼女、大きな作戦の後はいつもああなのよ。それより朝ご飯食べましょ?」

 

悠「そうですね。頂きましょうか。」

 

 

番長朝食中…

 

 

悠「ごちそうさまでした。」

島風「ごちそうさまでしたー。」

 

霧島「さて、じゃあ作戦会議と行く前に…悠君の実力を知りたいから、まずは演習海域に行きましょ!みんなも付き合ってもらうわよ〜?」

 

五十鈴「え?私達も?まあいいけど。」

 

隼鷹「よーし!艦載機じゃんじゃん飛ばしちゃうぜ〜!ヒャッハー!」

 

木曾「すまん。俺は用事があるから付き合えん。午後の演習は観に行ってやる。悪いな。」

 

霧島「あら残念。司令はいかがなさいますか?」

 

大山「そうだね。視察艇を出して見に行くよ。演習海域で落ち合おう。」

 

霧島「了解です。では後ほど。」

 

島風「ねぇねぇ!早く行こっ!ほら、ダッシュ〜!」

 

 

 

〜〜移動中・出撃ゲート前通路〜〜

 

 

ザワザワ、ヒソヒソ、

「ねぇあれって…」「かわいそうに、」

「あいつじゃね?」「戦うの?」

 

悠(なんだか昨日より視線が痛い…)

 

移動中、悠は沢山の人から見られていた。

昨日も好奇の目で見られる事はあったが、今日はその比ではない。

 

悠「あの、なんかすごい見られているんですが…」

 

霧島「…気にしちゃダメよ?えーと、あれよ、みんな休みでヒマなのよ。だから見ない顔がいるって事で、ね?」

 

悠「…そういうものでしょうか?」

 

霧島「そうよ。だから気にしちゃダメ。下手に相手したら余計面倒よ?」

 

五十鈴「まあ、気持ちのいいものではないわね。でも、どうしようもないから我慢しときなさい?」

 

隼鷹「んー…まあ、あれだ。飲むかい?」

 

悠「いえ、未成年なんで。」

 

 

悠は霧島に何事かと聞いてみるが、気にするなと返されるだけである。そこに…

 

 

 

?「あー!ようやく見つけましたよ〜!」

 

霧島「ゲッ!」

 

?「ゲッ!とはなんですか!失礼ですね!まあ、霧島さんには用はないんで、あっち行っててください。あなたが鳴上悠さんですね!私、海軍広報課の青葉と申します。」

 

いきなり現れた、海軍広報課を名乗る青葉という女性は霧島を押しのけ、悠に詰め寄る。

 

悠「は、はぁ…それで俺になんの用ですか?あまり時間は無いんですが。」

 

青葉「ええ、実はですね、試合前の鳴上選手にインタビューをと。あ、海軍週報号外は読んでくれました?あれ、私が書いたんですよ!」

 

悠「いえ、読んでませんが…」

 

青葉「なんと!まあ、そんなこともあろうかと、じゃじゃーん!持ってきてあるんですよ〜!はい!とりあえずささっと目を通してもらえますか?」

 

悠「は、はぁ…」

 

 

悠は青葉から新聞を受け取り目を通す。

新聞には悠と武蔵の演習について書かれていた。

 

 

悠「なっ!これは…」

 

霧島「あちゃー…見ちゃったか〜。」

 

島風「なになに〜?私にも見せて〜!」

 

悠「うわっ!大丈夫だ!お前にも見せるから!」

 

島風は、悠から新聞を奪い取るようにして読み始める。

島風「へー……難しい漢字が読めない…」

 

五十鈴「あーもうっ!こっち来なさい!どの字が分からないの?」

 

島風「えっとね…」

 

 

青葉「いや〜、あなたも大変ですね〜。海軍の殆どの方が、あなたが負けると思っていますが、それについてはどうお考えで?」

 

青葉は島風には目もくれず、何食わぬ顔でインタビューを始める。

 

悠「それは…仕方ないですね。まあ、下馬評がどうだろうと、俺は全力で戦うだけですから。」

 

青葉「ほほーう、なるほど。じゃあ…ズバリ聞きますが、勝ち目はありま…」

 

霧島「はい!そこまでー!私達は忙しいの!悪いけど、あなたの取材には付き合ってられないわ。」

 

長くなりそうだったので、霧島がすかさずストップをかける。

 

青葉「えぇー⁉︎そんな〜…せめて一言!意気込みをお願いします!」

 

悠「絶対に勝つ。負けられない理由があるからな。」

 

青葉「絶対ですか〜…お忙しい中ありがとうこざいました〜!」

 

霧島「ほら青葉、もういいでしょう?」

 

青葉「いや、すいません。では、失礼しますね〜!あ、勝者にはインタビューするんで。よろしくお願いします!」

 

青葉はそう言い残して去っていった。

 

 

 

悠「俺が注目されてるのは、あの新聞のせいだったのか…」

 

霧島「ごめんね?余計なプレッシャーをかけたくなくて黙ってたのよ。」

 

悠「いえ、全然大丈夫ですよ。これくらいなら、世界の終わりを賭けた最終決戦なんかよりもずっと楽ですよ。」

 

霧島「そう言ってくれると助かるわ。」

 

五十鈴「今、スルーしちゃいけないような発言があったんだけど…」

 

霧島「ダメよ。突っ込んだら2クールとちょっとくらいの時間がかかる話になるわ。」

 

霧島さん…メタ発言はやめてください…

 

島風「ねー…早く行こうよ〜…」

 

霧島「そうね、こんな所で話している場合じゃないわね。行きましょう。」

 

 

 

〜〜出撃ゲート〜〜

 

 

霧島「じゃあ、こっちに来てもらえる?」

 

出撃ゲートに来た悠達は駅の券売機に似た端末の前に集まる。

 

霧島「この『ターミナル』で私達は出撃や帰投、外出なんかの管理をしてるの。要はタイムカードみたいなものね。ここのターミナルは出撃と演習、遠征の申請に使うのよ。」

 

悠(あまり難しいことではなさそうだが、聞き逃さないようにしないとな。)

 

霧島は端末の説明を始めると同時に操作をしていく。

 

霧島「使用するには、この艦娘カードをタッチ…悠君と島風ちゃんは、まだ登録が済んでないからゲストカードね。

そしたら、色々演習のメニューがあるでしょ?その中から自主訓練を選んでちょうだい。」

 

悠達は言われた通りに操作をする。

 

霧島「そしたら旗艦になるか、随伴艦になるかって出るから、随伴艦になるを選んで、

そしたら旗艦を選ぶ画面になるから、私を選んでくれる?装備のボタンは触らないでね。」

 

悠「これでいいですか?」

 

霧島「はい、よく出来ました!これが旗艦になるとちょっと面倒なのよね…オーダーされた任務の最終確認とかしなきゃいけないから、ここら辺、なんとかならないのかしら?」

 

 

最後は愚痴っぽかったが、とにかく準備は終わったらしい。

 

 

霧島「さっ!出撃よ!みんなついてきて!」

 

そう言うと、霧島は出撃と書かれたパネルに乗る。すると一瞬光に包まれ、装備の装着が行われる。

 

悠「よし!島風、俺たちも行くぞ!」

島風「お〜!」

 

悠と島風も後に続く。

 

悠「うわっ!…凄いな、一瞬で装備されたぞ。」

 

出撃パネルに乗った悠に足の艤装が装備され、十握剣が目の前に現れる。

 

島風「すごいね!一瞬だよ!」

 

五十鈴「あら?あなた、武器はどうしたの?」

 

いつの間にか装備を終えていた五十鈴が、島風に武器が無いことをたずねる。

 

隼鷹「マジかよ!まあ〜、やるのは鳴上の実力チェックだけっしょ?平気平気!」

 

島風「やっぱりみんな持ってるの?私だけ持ってないって変かな?」

 

五十鈴「そりゃあねぇ…基本はみんな何かしら装備してるわよ?居ないわけじゃないけど、少数派ね。」

 

隼鷹「まっ、鳴上のやつが提督になったら作ってもらいな!その為にはまず、鳴上に武蔵を倒してもらわなきゃな!」

 

悠「ああ。島風、すまないが待っててくれ。必ず勝つ。」

 

島風「うん!」

 

霧島「みんな〜?お喋りもいいけど早く行くわよ〜!」

 

悠「はい!今行きます!」

 

 

 

 

〜〜海軍本部近海・演習海域〜〜

 

 

霧島「はい!到着!」

 

悠達は海軍本部から少し行った所にある、演習海域に到着する。天気は快晴、波も穏やかである。

 

霧島「さっそくで悪いんだけど、あなたの力、見せてもらえるかしら?…そうね、まずは一番使い慣れているものを見せてもらえるかしら?」

 

悠「はい、分かりました。」

 

悠はポケットからメガネを取り出し、それをかけ…

 

悠「イザナギ!」パリィン!

 

イザナギを召喚する。

 

五十鈴「うわっ⁉︎なんか出てきたわよ!」

 

隼鷹「うひゃー!これは驚いた!これが武蔵に勝つための秘策ってわけか。」

 

霧島「あら、朝見た悪魔じゃないのね。…これはこれで怖いけど…」

 

悠「これが俺のペルソナ『イザナギ』です。能力は高くは無いですが、一番使いやすいですね。」

 

島風「私も出せるよー!ペルソナー!」

 

悠「なっ⁉︎待てっ!お前は…」

 

パリィン!

 

悠「遅かったか…」

(島風がペルソナを使えるのは秘密にしときたかったんだがな…)

 

島風は悠が制止する前にペルソナを召喚してしまう。

 

五十鈴「あなたも出せるの⁉︎」

 

隼鷹「マジかよ…私も出せるかね?」

 

悠「いえ、ペルソナを出すには、基本は自分の心の闇と向き合う必要がありますから…オススメはしませんよ?最悪、自分自身に殺されますから。なぜか島風は最初から使えましたけど。」

 

隼鷹「ちぇー、なんだよー…まあいいや。早く使ってみせてくれよ!」

 

悠「分かりました。ほら島風、お前はペルソナをしまっといてくれ。」

 

島風「え〜…ツマンナイの…ツクヨミ戻って〜。」

 

悠はイザナギの力を使う前に、島風にペルソナを消させる。

 

悠「行きますよ!ジオ!」バチィン!

 

悠がイザナギに指示を出すと、イザナギはジオによる雷を落とす。

 

五十鈴「キャッ!雷?当たったら痛そうね…」

 

隼鷹「でもあれじゃあ、武蔵は落とせないぜ?」

 

霧島「ふむふむなるほど…じゃあ今度は最大火力を見せて?」

 

悠「え?最大ですか⁉︎ちょっと待ってください!」

(最大と来たか…本気で最大火力だと…巻き込んだら最悪だ…少し抑えめでいこう。)

 

 

悠「よし、いきますよ!」

 

霧島「了解よ!」

 

悠「チェンジ!ルシフェル!メギドラオン!」

 

ルシフェル「刮目せよ!メギドラオン!」

 

 

ドゴーン!

反逆の天使の一撃が放たれ、大爆発を起こす。コンセントレイトやヒートライザを使わない未強化の一撃だが、それでもかなりの威力だ。

 

 

 

 

霧島「キャァー!」

五十鈴「イヤー!」

隼鷹「ちょっ!まっ!ウワァー!」

島風「うわぁー!すごーい!さいきょーだ!」

 

 

 

 

悠「どうですか?その気になればあれを2倍以上に出来ますが…」

 

霧島「………ええ、あれなら武蔵といえどもただでは済まないわね…」

 

五十鈴「何よそれ!反則じゃない!いくらなんでも強すぎよ!」

 

隼鷹「いや、そうでもないぜ?」

 

五十鈴「どういう事よ?あんなの当たったら私なら大破間違い無しよ!」

 

隼鷹「当たればな。あの技には弱点がある。」

 

霧島「弱点?何かしら?」

 

隼鷹「おいおい…艦隊の頭脳のあんたが分かんないのかよ…まあいいや。

いいか?あの技は爆発するまでにタイムラグがある。大体1秒半から2秒フラットってとこか?

それだけの時間があれば、どんな技か知ってれば、高速艦なら全力で飛ばせば直撃は避けられるだろうし、そうじゃなくても防御姿勢をとるなり出来ちまうんだよ。」

 

霧島「あなた…本当に隼鷹?」

 

隼鷹「おいコラ!なんだそれ!こちとら真面目に考えてんだぞ!」

 

霧島「ご、ごめんなさい…つい…」

 

隼鷹「はぁ…まぁいいや。つまり、武蔵にはその、なんだっけ?メギドラオン?は、それだけで撃っても直撃は無いだろうな。

あの天才ならセンスと感で、初見でも見切られちまうだろうな。」

 

島風「え〜⁉︎じゃあどうするの?必殺技無し?」

 

霧島「そうねえ…セオリー通りにいくと、手数が多くて隙の少ない攻撃で、相手の隙を作ってく感じかしらね?」

 

悠「それが一番妥当でしょうね。」

 

隼鷹「それがそうもいかねぇんだよな〜これが。」

 

悠「どういうことですか?」

 

隼鷹「武蔵は戦艦、しかも超弩級のな。手数でいくにしても、威力がある程度ないと通用しないぜ?

駆逐、軽巡が装備出来る主砲位の威力の攻撃は一切通用しないとみていいな。」

 

霧島「一切効かないってのは言い過ぎかもしれないけど、武蔵なら無視して攻撃してきそうよね。」

 

悠「どうしたものでしょうか…」

 

一同が悩んでいると…

 

大山「おーい!みんなー!」

 

悠「あ!大山さん!こっちでーす!」

 

 

 

 

 

 

 

 

大山「さっき、物凄い爆発があったけど大丈夫だったかい?」

 

視察艇に乗ってやって来た大山は先ほどの爆発が何だったのかと尋ねる。

 

悠「ああ、あれは俺の魔法です。安心してください。」

 

大山「あれを君が⁉︎なるほど…武蔵に勝負を仕掛けたのは勝算があったからなのか…」

 

悠「はい。今はどう戦うか、皆で考えていた所です。」

 

島風「ねえヤマヤマ。何か武蔵の弱点って無いの?」

 

大山「うーん…そうだね、武蔵は装備が重たいから、移動速度が遅いんだ。

だから僕はインファイトに持ち込んで、ゼロ距離で一撃必殺がいいと思う。接近してれば主砲も当てられないだろうしね。」

 

悠「なるほど。ならどう近づくかですね。」

 

霧島「なら、次は耐久と装甲のチェックね!武蔵の攻撃に耐えられなければ近づく事もままならないわよ!」

 

悠「どうやってチェックするんですか?」

 

霧島「それはね…五十鈴?武器の弾薬は演習用の物になっているかしら?」

 

五十鈴「もちろん!いつでもOKよ!」

 

悠「まさか…」

 

霧島「今からあなたに向けて砲撃するから、しっかり防いでね?躱しちゃダメよ?装甲のチェックなんだから防御してね?」

 

悠「ち、ちょっと待ってください⁉︎」

(くっ、砲撃を完全に防げるペルソナは…物理無効と炎無効を両立してるやつ…よし)

「チェンジ!マサカド!」

 

悠は物理無効と炎無効を両方持っているマサカドにチェンジする。

 

悠「よし!準備OKです!いつでもどうぞ!」

 

島風「悠?怪我しないでね?」

 

五十鈴「よーし、じゃあいくわよ!砲撃開始!」

 

演習弾を使い、悠に向けて砲撃を行う五十鈴。

 

悠「…」

 

しかし、悠は防御もせずに棒立ちである。

 

五十鈴「ハァッ⁉︎ちょっと!危な…!」

 

ドーン!

 

悠「…よし。大丈夫でーす!」

 

だが、悠には傷一つ付いていない。

 

五十鈴「え?無傷?いくら演習弾といっても、当たるとかなり痛いはずよ?」

 

悠「今の俺は、物理的なダメージと炎のダメージを無効化するんで、全然痛くないですよ?」

 

隼鷹「へぇー…そらっ!」

 

悠が五十鈴と話しているところに、隼鷹がいきなり艦載機を飛ばしてきた。

 

五十鈴「は?隼鷹⁉︎何してんのよ!」

 

ズダダダダ!

ドゴーン!

 

艦載機による機銃と爆撃が悠に降り注ぐが…

 

悠「効かないな。」

 

隼鷹「ウソーン⁉︎マジかよ!スゲーな!演習弾とはいえ無傷たぁ恐れ入った。これなら勝てるぜ!」

 

島風「よーし!私もいくよー!」

 

悠「ん?…ちょっとまっ…」

 

島風「ツクヨミ!ジオ!」

 

悠「グハァー!」

 

マサカドの弱点は雷。元の威力は小さいとはいえ、弱点の攻撃が飛んでくるとは思っていなかった悠はもろに食らってしまった。

 

大山「おい!悠君!大丈夫か!」

 

悠「ええ…なんとか。今使っているペルソナは雷が弱点なんで。まぁ、元の威力は小さいんで大丈夫です。」

 

島風「ごめんね悠…」

 

悠「大丈夫だ。これくらいなら全然平気だ。」

 

霧島「大丈夫ならいいけど…大事をとってこれで戻りましょうか?データも取れたし、お昼を食べて作戦を練るわよ!」

 

 

 

 

〜〜海軍本部・食堂〜〜

 

 

本部に戻り、昼食を取り終えた悠達は、残りの短い時間を使って作戦をまとめていた。

 

霧島「じゃあ、作戦はこうね。まず、マサカドで武蔵の攻撃を無効化し、一気に接近。相手が動揺してくれれば儲け物ね。

接近したらマサカドと連携して攻撃。マサカドの攻撃は武蔵には通るのかしら?そこのところはどう?」

 

悠「多分大丈夫だと思います。俺のペルソナの中では上の下位の強さなので、無視は出来ないと思いますよ?」

 

霧島「なら大丈夫ね。そして連携で武蔵に隙が出来たら、ルシフェルで一気に決めるわよ!」

 

大山「うん。悠君が砲撃を無力化出来るのが大きいね。

最悪、マサカドのままで一方的に攻撃し続けるのもありだから、上手く立ち回ってくれ。」

 

悠「はい、分かりました。色々とありがとうございました。」

 

大山「ははは!礼を言うのはまだ早いぞ?礼は武蔵に勝ってから受けようじゃないか!」

 

隼鷹「そうだぜ〜!お前が勝ったら祝勝会だ!バッチリ決めてこい!」

 

五十鈴「そろそろ時間よ?出撃ゲートに向かいましょう?」

 

悠「よし!行くか!」

 

 

 

 

 

〜〜出撃ゲート〜〜

 

 

悠達は、武蔵との決戦に行くために出撃ゲートに来ていた。周囲には悠を見ようと沢山の人達が来ており、かなり混雑している。

 

悠「では、行ってきます。」

 

大山「ああ、僕も輸送船から応援させてもらうよ。頑張って!」

 

霧島「頑張ってね!あなたなら絶対に勝てるわ!」

 

隼鷹「悠の勝利で酒が飲めるぞ〜っと!てなわけで…祝勝会、楽しみにしてろよ〜?」

 

五十鈴「はぁ…隼鷹ったらこんな時までお酒の事を…いい?油断は禁物よ?気を引き締めていきなさい!」

 

島風「悠!絶対に勝ってね!信じて待ってるよ!」

 

悠「ああ!みんなありがとう!勝ってくるぞ!」

 

 

悠は皆の声援を受け、一人決戦の海へと向かっていった。

 

 

大山「さあ、僕達も船着場に行って輸送船に乗ろう。早くしないといい席が取られてしまうからね!」

 

霧島「はい司令!行きましょう!」

 

島風(悠…頑張ってね。)

 

霧島「島風ちゃーん?こっちよー!」

 

島風「はーい!」

 

後編へ続く…




ピンポンパンポーン…ここから先は読まなくても大丈夫な補足と独自解釈の説明です。読まなくても本編が理解出来ない何てことにはなりません。面倒な方、クソ外道理事長が嫌いな方は読まなくても大丈夫です。

やあ!またしても僕の出番かな?幾月だよ!
今回はこの作品における鳴上君のペルソナ能力についての設定と、オリジナル設定の艦娘カードについてちょっと解説させてもらうよ。
今作品の鳴上君はかなり特殊な設定かもしれないね。
まずペルソナ4に登場するペルソナ全て(仲間のペルソナを除く)が使えるんだ。
ただし!ペルソナの合体による補正は全て無し。スキルの引き継ぎなんかも無しだよ。
ペルソナの使えるスキルはそのペルソナの初期スキルとレベルアップで覚えるもののみ。
ペルソナのステータスは合体直後の未強化のものを採用してるよ。

次は艦娘カードについてだね。
このカードはタイムカードの他に、燃料や弾薬の消費量の一括管理、補給の申請に海軍内部の施設のみだけど、電子マネーとしても使える便利なカードだよ。
この作品の中に限った話だけど、このカードを導入してから艦娘達の違反行為がぐっと少なくなったんだ。例を挙げていくと…
その一
ボーキサイトの水増し請求が無くなったよ。艦娘カードを導入するまでは、書類を書いて申請してたからね。嘘の報告をしてボーキサイトを沢山持っていく艦娘がいたそうだよ。艦娘カードを導入してからは、消費した資材は全て一括管理されるようになって水増し請求が出来なくなったのさ。
その二
出かけたと思っていた艦娘が夜になっても寮に戻らず、次の日の朝、ボロボロになって帰ってきたっていうことがあったらしいんだ。提督の許可無く夜戦に行っていたみたいだね。
艦娘カードを導入してから、許可無く出撃が出来なくなったからこういう事は無くなったよ。
こんな感じだね。
ちなみに艦娘カードのデザインはゲームの図鑑のイラストをそのまま使ってる感じかな。鳴上君のは本編にはまだでてないけど、ステータス確認画面の立ち絵に、艦種のところには番長と書かれているイメージかな?伝わってるかい?
作者にコラの技術なり絵心があれば良かったんだけど…無いからね。
こればっかりはこの作品を見ている誰かが描いてくれるのを祈るしかないね。
今回の解説はここまで!じゃあ…前回はアイギスに襲撃されて言えなかった素敵なギャグを…
させるかーでありまーす!
うわぁ!また!
おっと、昔の口調に一瞬戻ってしまいました。さあ、そこの鬼畜!今度は逃がしませんよ!
ちょっと待ってよ!今の僕はニュクス復活なんて考えてないし、真面目に解説の仕事をしてるじゃないか!なんでこんなことをするんだい?
ぶっちゃけ私怨です。
そっかー。
クタバレー!
ズドドド!ドガーン!ドゴーン!ズガガガガ!
ギャァぁァァァッ!

島風「………次も見てね!☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆」

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