かなり長くなりました。マジビビるわ。
今回はこの作品の世界観についての話がありますが、かなーりファンタジー色が強いというか、史実を完全無視です。
『ちゃんと戦争しろや!』な方はそっ閉じをお願いするくらいです。
書いてて恥ずかしくなったのは秘密。
また、この作品に出てくる提督などの艦娘とP4以外の登場人物はオリキャラとなります。
では、投稿が遅くなりましたが第四話後編をお送りします。お楽しみ頂ければ幸いです。
〜〜海軍本部・元帥執務室〜〜
コンコン
「入りなさい」
霧島「失礼します!」
ノックをして中に入る霧島。
霧島「ほら、あなた達も入って?」
悠達も促され中に入る。
悠「失礼します。ほら、島風も。」
島風「うん。失礼しまーす。」
「おお、よく来た。立ち話もなんだ、とりあえずはそこのソファーに座ってくれ。」
悠「ありがとうございます。」
島風「ふぅー、立ちっぱなしで疲れちゃったよ。」
立派なカイゼル髭の老人に促されソファーに座る。その老人も机から悠達の対面のソファーに移る。
三嶋「まずは自己紹介だ。私は深海棲艦討伐軍元帥、
そういうと元帥の隣に立っていた男性が自己紹介をする。
大山「僕は
悠(名前の通り大きな人だ。でも優しそうな人だ。三嶋さんは元帥なだけあって貫禄が凄いな…怒らせたら大変そうだ…)
「俺は鳴上悠と言います。よろしくお願いします。島風、お前も自己紹介だ。」
島風「あ、うん。鳴上島風です。よろしくお願いしまーす。」
三嶋「ん?島風、貴艦は艦娘であろう?貴艦の艦型、艦種、艦番はどうしたのだ?まさか…分からないのか?」
島風「へ?えーと…あ!疾風迅雷です!」
三嶋「……」
大山「……」
悠「いや!違います!彼女は島風型駆逐艦一番艦島風です!」
(おい!島風!なんだ、その答えは!流石にマズイぞ!)ヒソヒソ
島風(だって!分かんないんだもん!しょうがないじゃん!てか、私の名前は鳴上島風だし!あんな長くないよ!)ヒソヒソ
三嶋「はぁ…まぁよい。とりあえず、私達は君達の素性を知りたい。話してもらえるかな?」
悠「あ、はい。分かりました。信じて貰えるか分かりませんが…」
番長説明中……
三嶋「つまり…要約すると君達は異世界から来たと。」
悠「はい。そうです。」
悠は、マヨナカテレビについてや、テーブルに小指をぶつけたせいでこの世界に来たことを上手く誤魔化しつつ、事のあらましを伝える。言霊使いは伊達じゃない。
三嶋「ふむ…深海棲艦のこともあるからな。異世界人が居ても不思議ではないか…」
悠「あの…深海棲艦とは一体なんなのですか?この軍の名前にも入っていますが…あと、この世界についても教えてもらえませんか?分からない事が多過ぎて…」
三嶋「分かった。少し長くなるが、構わんな?」
悠「大丈夫です。お願いします。」
この世界は4つの大きな大陸と多数の島々。そして、豊かな海によって形作られている。
そして、この世界には我々人類の他に妖精という種族がいる。
大きな体と力、優れた知能をもつ人類。小さいがとても器用で不思議な技術をもつ妖精。
二つの種族は多少の小競り合いはありつつも、何千年もの間、お互いに助け合い、平和に暮らしておった。
しかし、この平和は突然終わりを迎えた…
突然、海から異形の怪物が現れた。そう、深海棲艦だ。
もちろん我々も戦った。だが、平和だったこの世界にはまともな兵器など無く、瞬く間に制海権を奪われてしまったのだ。
海が奪われれば海洋資源は取れなくなり、物流は止まる。数年の間は備蓄や陸路、空路による輸送に頼っていたがやはり限界があった。
皆が絶望していた。そんな時だった。
海の上を隊列を組みながら滑る少女達の姿。
その体には不釣り合いな武装。
深海棲艦と互角に渡り合う力。
そう艦娘がこの世界に現れたのだ。
三嶋「それから私達は艦娘と共に深海棲艦と戦っている。奪われた制海権も40%程は何とか取り戻せた。これがこの世界の現状だ。」
大山「今も戦いは続いているんだけど、正直人出不足なんだ。特に提督の職に就けるような優秀な指揮官がね。」
三嶋「そう。鎮守府の運営、任務を遂行する為の作戦の立案、冷静に正しい判断を下せる精神力。そして何よりも艦娘達をまとめ上げる事の出来る『カリスマ性』すなわちリーダーシップに優れた人物。
だが、そんな人間はそうそう居ない。
…だがどうやら君はそれを持っていそうだな。」
悠「どういう事でしょうか?」
大山「元帥、まさか…」
三嶋「ふっ…大山大佐。流石に察しがいいな。そう、いきなりで悪いが鳴上悠、君には提督になってもらいたい。」
悠「ちょっと待ってください!俺は一介の学生ですよ?軍隊の指揮を取れなんて言われても…流石に無理があります。」
霧島「そうですよ!さっきから脇で黙って聞いてましたが、いくら深海棲艦と戦えるからっていきなり提督の職に就くだなんて…第一に彼は学生ですし、それに間違いなく他の提督や艦娘からも反感を買いますよ!」
三嶋「なるほど。霧島、貴艦の言い分も一理ある。だが…大山大佐、君はどう思うか?」
大山「私は賛成です。元帥の仰る通り、彼からは特別な何かを感じる。何より元帥の人を見る目は確かですから。」
三嶋「そういう事だ。自慢じゃないが、人を見る目には自信がある。彼には間違いなく提督の素質がある。」
霧島「ですがッ…!」
大山「霧島」
霧島「うっ、すみません…」
霧島は尚も反論しようとするが、大山大佐に止められ口を閉じる。
三嶋「さて…鳴上悠、君には二つの選択肢がある。我々、深海棲艦討伐軍に入隊し提督となるか。行く当ても無くこの世界を彷徨うか。考えるまでも無いと思うがね。
無論、君が提督になれば、それ相応の待遇を約束しよう。」
悠(確かに軍に入ればここでの生活は保証されるだろう。それに元の世界に帰るための手段や情報なんかも当ても無く探すよりはよっぽど楽だろうな…よし。)
悠「分かりました。その話…
「その話、少し待って貰おうか!」
バタンッ!
悠の声を遮るようにドアが開けられ艦娘と思わしき一人の女性が入ってくる。
三嶋「…戻っていたのか『武蔵』」
武蔵「ああ。元帥、敵前線基地の攻略は無事に成功した。これが報告書だ。それより…」
武蔵は悠の方を向き…
武蔵「彼に提督をやらせるつもりか?私は反対だ。一介の学生風情が軍のプレッシャーに耐えられるとは思えないな。」
悠の提督着任に反対する意思を示す。
霧島「盗み聞きはあまり感心できないわよ?」
武蔵「報告に来たら偶々聞こえてしまっただけだ。他意はないぞ?」
島風(ねぇ、なんかすごい人が来たね。)ヒソヒソ
悠(ああ、すごいおっぱ…ではなくかなりの立場にいるみたいだ。マズイぞ…このままだと最悪宿無し、金無し、ホームレスだ。)ヒソヒソ
島風(えぇっ!ダメだよ!死んじゃうよ⁉︎頑張って悠!)ヒソヒソ
悠(ああ、もちろんだ!)ヒソヒソ
悠「あの、武蔵さん。」
武蔵「ん?なんだ少年?ここは君のいるべき所では無いぞ?」
悠「武蔵さんは、俺が提督になるのを反対なんですよね?」
武蔵「ああ、君には悪いが到底務まるとは思えないな。」
悠「なら、俺の実力を証明すれば認めてくれますか?」
武蔵「確かに、提督たる実力を持っていると証明出来れば私とて文句は無い。だがどうやって証明するつもりだ?何かいいアイディアでも?」
悠は少しの間考え、そして
「俺と戦って下さい」
武蔵「…ふっ。ふふふ、あっはっはっはっ!
君、正気か?人間が艦娘、しかもこの私と戦うだと?…ふざけるな!」
三嶋「いや、中々いい案じゃないか。採用しよう。」
武蔵「は?」
霧島「な⁉︎元帥⁉︎」
大山「待ってください元帥!幾ら何でもこれは…鳴上君、君も一体何を…」
三嶋「なに、結局は他の提督や艦娘を抑え込む材料が必要だったのだ。丁度良いではないか。」
大山「…無様な敗けを晒した時は?」
三嶋「その時はもう海軍に居場所は無いだろうな。」
武蔵「いや待て。そうだな…鳴上悠、君が勝てば提督に着任する事を認めよう。但し、私が勝ったら君は私のボーイだ。」
悠「ボーイ?一体何をするんですか?」
武蔵「まあ、要は召使いだ。私が飽きるまでこき使ってやる。覚悟しておけ。」
悠「ふっ。望むところだ!」
大山「いいのですか元帥?」
三嶋「ああ、構わん。よし、ならば明日ヒトサンサンマル。演習海域にて特別演習として手配しておく。大山大佐、彼らの世話は任せたぞ。」
大山「了解です。さあ二人とも、とりあえず食堂に行こうか?お腹空いてるだろう?
霧島、君は二人の部屋の手配を頼む。」
霧島「了解です。お任せを。」
大山「すまないね。さあ、行こうか。」
悠「はい、ありがとうございます。行くぞ島風。」
島風「はーい。」
大山「では、失礼します。」
武蔵「私も行くか。では元帥これにて失礼するよ。」
皆で一礼し部屋から退出する。
皆が退出した後。三嶋元帥は天井を見上げ、
三嶋「…青葉。居るのだろう?出て来なさい。」
青葉「あちゃー、ばれてましたか。よっと。」
天井の一部分が開き、中から艦娘が降りてくる。
三嶋「この一部始終を記事にするつもりか?」
青葉「いや、まあ、そうですね〜…元帥のお許しが頂ければ…」
三嶋「なら少し頼まれてくれるか?」
青葉「私に出来ることなら…」
三嶋「ならば今回の件は号外で発行しろ。遅くとも明日朝には間に合うように。
それとこの特別演習は観戦の為に輸送船を観客席代わりに出す。なるべく大勢が観戦に来るような記事を頼む。
そして…」
三嶋元帥は机に向かい、一枚の書類を取り出し何かを書いている。
三嶋「…よし。この書類も印刷して今回の号外に折り込んでくれ。但し、この書類を折り込んだ新聞は艦娘だけに渡せ。分かったな?」
青葉「はい?この書類を…って⁉︎転属届け⁉︎しかも元帥の判が押されて…マジですか?」
三嶋元帥が渡した書類は悠の部隊への転属届け。そう、三嶋元帥は悠の勝利を確信していた。
三嶋「さあ、もう行け。この件についてやらなければならない事が山積みなのだ。」
青葉「確かに承りました。不肖青葉、この任務成功させてみせます。では。」
そういうと青葉は駆け足で部屋を飛び出していった。
三嶋「鳴上悠か…失望させてくれるなよ…」
〜〜海軍本部・食堂〜〜
大山「はぁ…大変な事になってしまったね。」
悠「すみません…勝手な事を言って…」
大山「いや、君を責めている訳ではないよ。ただ、君の今後を思うと…ね。」
時刻は既に午後8時を回っていた。
悠と島風は、大山大佐に連れられ食堂に来ていた。霧島は部屋の手配に行っており、別行動だ。
ちなみに食べているのは悠は鯖味噌定食。島風はカレー。大山大佐はお腹は空いていないのだろか?コーヒーだけを注文し飲んでいる。
悠は、食事が元の世界と殆ど似ている事に安堵しつつも、軽率だったのではないか?と少しばかり落ち込んでいたが…
島風「
「絶対勝てるよね!ヤマヤマも心配しないで大丈夫!」
島風が励ます。
悠(ずいぶんと楽天的だな。しかし…ヤマヤマ?)
「ああ、絶対に勝ってみせる。それより、ヤマヤマって、まさか…」
島風「うん!大山泰山、山が二つ入ってるからヤマヤマだよ!」
悠「…大山さん、すみません。言って聞かせますんで…」
大山「あははは!いや、大丈夫だよ。変に畏まられるよりも、僕としてもこういう方が楽でいいよ。いっその事、鳴上君も僕の事をヤマヤマって呼ぶかい?」
悠「いえ、流石に遠慮しておきます。」
雑談を交わしつつ食事をする三人。
しばらくして食事も終わった頃、霧島が大きめの紙袋を持ってこちらに来た。どうやら部屋の準備が終わったようだ。
霧島「あら?丁度食べ終わったのかしら?ナイスタイミングね!鳴上君、島風ちゃん、お味はいかがだった?」
島風「うん!美味しかったよ!」
霧島「そう、よかったわ。鳴上君はどう?」
悠「元の世界とあまり変わらないものだったので、安心して食べられました。もちろん美味かったですよ?」
霧島「お口に合って何よりです。じゃあ、部屋に案内するけど、大丈夫かしら?」
悠「はい、よろしくお願いします。」
大山「じゃあ、鳴上君、島風さん。僕は仕事があるからこれで失礼するよ。霧島、後は頼めるかな?」
霧島「はい。お任せください。」
悠「大山さん。今日はありがとうございました。」
島風「ヤマヤマまたね〜!」
大山「うん。じゃあまた明日。おやすみ、二人とも。」
霧島「じゃあ、こっちも行きましょうか?」
悠「はい。分かりました。」
〜〜海軍本部・出張者用寄宿舎〜〜
霧島「この部屋よ。」
悠と島風は霧島に案内され、部屋に着く。
道中、奇異の目で見られる事もあったが霧島がフォローを入れてくれたので、大した騒ぎにはならなかった。今はあまり目立ちたくはない悠にとっては、これは有難かった。
霧島「ゴメンね?急な話だったのと、大規模な作戦の直後で部屋がいっぱいで…一部屋しか取れなかったの。普段はガラガラらしいんだけど…
鳴上君?島風ちゃんに変な事しちゃダメよ?」
島風「しちゃダメよ?」
悠「しませんよ!島風も真似しなくていいから!」
霧島「心配はしなくて良さそうね。じゃあ、はいこれ!」
悠「これは?」
悠は先程から霧島が持っていた紙袋を渡される。
霧島「パジャマ代わりのジャージと下着が二人分はいってるわ。必要でしょ?
あとその学ラン、少し破けてるわ。どうする?預けてくれれば妖精に直してもらうけど…」
悠「ありがとうございます。学ランは…どれ位かかりますか?」
霧島「あっという間に…とまではいかなくても、明日の朝には直ってるわ。」
悠「それならお願いします。」
そう言って悠は学ランを脱ぎ、霧島に渡す。
霧島「確かに預かったわ。明日の朝8時頃迎えに来るから、学ランもその時に渡すわね。じゃあ、私もそろそろ行くわ。ゆっくり休んでね?」
悠「はい、ありがとうございます。おやすみなさい。」
島風「霧島お姉さん!また明日ね!」
室内に入った悠と島風。部屋の中はワンルームマンションとビジネスホテルを足して2で割ったような趣きで、ユニットバス、デスク、ベット、小さいながらも冷蔵庫と洗濯機も備え付けられていた。
悠(洗濯機は…なんとか使えそうだ。部屋干しだと少しばかり匂うかもしれないが仕方ないな。問題は…)
そう、この部屋には一つ大きな問題がある。それは…
悠(ベットが一つしかない⁉︎)
そうなのだ。この部屋にはベットが一つしかない。まあ、サイズはセミダブルなので二人でもスペースは十分なのだが…
悠(よし、チェンジ!ダイソウジョウ!)
持ってて良かったダイソウジョウ。紳士諸君には悪いがToLoveルな展開にはならない。あしからず。
悠「島風、風呂はどうする?先に入るか?」
島風「うん!先に入っちゃうね!」
島風入浴中…
入浴シーン?そんな物はない。
島風「あがったよ〜!」
悠「早いな…ちゃんと洗ったのか?」
島風「大丈夫、大丈夫!……フワァ〜…ねぇ悠?もう眠いから先に寝てていい?」
悠「それなんだが、ベットが一つしかないだろ?俺は床で寝るから、島風はベットで…」
島風「え?私は一緒で大丈夫だよ?それに床じゃよく寝れないよ?明日は、私達の運命が決まる大事な勝負があるんだよ!ちゃんと寝なきゃダメです〜!」
悠「そうか。じゃあお言葉に甘えるとするか。ありがとう島風。俺も風呂に入ってくるよ。」
持ってて良かったダイソウジョウ!(大事な事なので二回言いました。)
番長入浴中…
番長の入浴シーン?ゲームかアニメで見られると思うぞ!
悠「ふぅ、サッパリした。ジャージもサイズがぴったりだ。ちゃんと寝れそうだな。
島風は…もう寝てるか…」
そう言って悠はベットの空いているスペースに潜り込む。
ダイソウジョウのおかげで煩悩は抑えられているので問題は無い。
悠(明日で俺と島風の運命が決まる…少し大袈裟かもしれないが、少なくとも負けてしまったら俺の運命は…
いや、ネガティヴな事を考えるのはよそう。明日は絶対に勝つ!元の世界に帰るための第一歩だ!)
こうして長い一日が終わった。
鳴上悠の新たな旅路はまだ始まったばかり…
この先、どんな未来が待ち受けているのか…
それは誰にもわからない…
to be continue...
青葉「号外!海軍週報号外だよー!なんとあの超弩級戦艦の武蔵に勝負を挑む人間が現れたー!ただの大バカか?はたまた真の英傑か?
詳しくは号外を読んでねー!」
?「Fuun?今日はFree time!休みだから暇潰しにBattle Watching! ありですネー!」
?「おい、見ろよこれ!武蔵と人間が戦うとかただの公開処刑じゃねーか!間宮券のトトカルチョも武蔵が1.1で人間の方が…10倍だってよ!まぁ暇潰しには丁度いいな。観に行こうぜ!」
?「そうね〜、じゃあお昼食べたら行きましょうか?」
(…ふふふ、鳴上悠ねぇ…それに折り込んであるこの書類、元帥の印…手元の間宮券は…10枚もあるわね♪10倍にしちゃいましょう♪)
?「はわ〜!武蔵さんが戦うのですか!絶対に観に行くのです!」
次回ペルソナ4 the K.C.
最初の試練!武蔵VS鳴上悠
大山「マズイ!主砲が直撃したぞ!」
島風「いやぁー!悠ー!」
悠「こんな所で倒れる訳には…いかないんだ!ペルソナー!」