ペルソナ4 the K.C.   作:黒城優輝

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活動報告にもあるように、長くなりそうな説明回。投稿期間に間が空かないようにもしたいので、前後編に分けさせてもらいます。
あと、お気に入りが13件になってました。こんな駄作にお付き合い頂き有難うございます。


第四話 提督番長誕生?前編

時はほんの少し遡る。

 

 

〜〜海軍本部近海〜〜

 

 

霧島「はーい。みんな、一旦全体止まって!そろそろ目標のポイントに着くから、作戦の確認をするわよ?」

 

「はいっ!」「了解だ。」「ウィース」

 

霧島「今回は、味方の偵察隊が発見した敵の輸送航路に向かい、敵の輸送船団を強襲します。この作戦が成功すれば、現在進行中の敵前線基地の攻略が楽になるわ!」

 

日向「あぁ、必ず成功させる。ところで霧島、そろそろ偵察機を飛ばしておかないか?敵の護衛艦の数を確認しておきたい。」

 

霧島「えぇ、分かったわ。じゃあ…偵察機持ちの艦は偵察機を飛ばして!それ以外の艦は偵察隊からの電報が入るまで待機!今のうちに武装のチェックとか済ましちゃってね?」

 

霧島「じゃあ…お願いね〜」

日向「頼んだぞ。」

高雄「偵察機、発射します。」

ビューン……

 

隼鷹「うーし、じゃあ酒でも飲んで…」

 

木曽「止めろ。作戦中だ。」

 

隼鷹「えー…」

 

五十鈴「えー…じゃないわよ!当たり前でしょ!てか、なんでお酒持って来てんのよ!」

 

霧島「こらー、隼鷹さーん?真面目にやって下さいね〜!」

 

隼鷹「集中砲火かよ!私の装甲薄いんだぞ!」

 

日向「それは船体の装甲だろ。むしろお前の心の装甲は戦艦並みだろう?」

 

隼鷹「うわーん!私の味方はいないのか?あ!高雄!お前は私の味方だよな!」

 

高雄「あ、すいません。聞いてませんでした。」

 

隼鷹「」

 

霧島「ん、ほら、みんな?偵察機から電報が入ったわよ。ふざけるのもそろそろ終わりにしてね〜。」

 

 

 

日向「どうやら敵は予定通りの航路をとっているようだな。」

 

高雄「護衛艦の数は…戦艦1、重巡2、駆逐3、戦艦が少し厄介ですがいつも通りやれば大丈夫ですね。」

 

霧島「……不味いわね。」

 

隼鷹「ん?どうした?」

 

霧島「私達がとる航路から大分西に逸れた方に二人…一人は艦娘みたいだけど武装が無い。もう一人は…学生?男の子?剣を持ってるらしいけど…とにかく、このまま放置しておいたら不味いわ。」

 

木曽「たとえはぐれ部隊でも深海棲艦に見つかったら一巻の終わりだな。」

 

五十鈴「なにそれ…でもこっちの任務はどうすんのよ?救助に行ってたら敵の部隊は行っちゃうわよ?」

 

日向「仕方ないな…部隊を二つに分けるしかない。霧島、振り分けは旗艦のお前に任せる。」

 

霧島「そうね…救助の方は私が一人で行くわ。輸送船団の強襲は…日向、あなたが旗艦になって指揮をとってもらえるかしら?」

日向「霧島、一人で大丈夫か?」

 

霧島「大丈夫、大丈夫!私は高速戦艦なのよ?最悪、二人を抱えて全速力で逃げ切ってみせるわよ。」

 

隼鷹「無茶して大破なんてすんなよ〜?」

 

霧島「それはこっちのセリフ。あなた装甲薄いんだからね!気をつけてよ?」

 

隼鷹「ウグッ、今それ言うか〜?」

 

高雄「見事なブーメランですね。」

 

隼鷹「うるせー!」

 

木曽「おい、話がまとまったならさっさと作戦を開始するぞ。霧島、そっちは任せた。」

 

五十鈴「じゃあまた後でね?お互い、良い報告が出来るように頑張りましょ!」

 

霧島「ふふっ。えぇ、もちろんよ!また後でね!」

シュバーッ!

 

日向「…よし!私達も行くぞ!」

「はいっ!」「了解だ」「了解です」「パーっと行こうぜ〜!」

 

 

 

 

霧島「……無事で居てくれると良いんだけど…」

 

霧島は皆と別れ、要救助者を探す。

 

アァァッ!

しばらく進むと、深海棲艦のものと思われる絶叫が聞こえた。

 

霧島「なに⁉︎今の⁉︎ん、あれは…戦ってる⁉︎あれは巨人?あ!消えた?

あっちの艦娘の子もよく見えないけど何か出してる?

なっ!あの子突っ込むつもり⁉︎え?嘘…無事なの?流石にあれは私でも小破くらいはしちゃうわね。

うわぁ、凄いわね。剣で重巡リ級をぶっ飛ばしたわ。え?なに⁉︎天使⁉︎」

 

ピキーン!ザシュッ!

 

霧島「キャア!え?嘘…一撃であんなに…胴体が完全に消し飛んでるじゃない…戦艦の主砲並みかしら?」

 

救助の事など完全に忘れ、少年の戦いに観入ってしまう霧島。声をかけることも助太刀に入る事もせずに只々見ているだけである。

 

『伏せろ!島風!』

 

ザシュッ!ズバッ!

 

霧島「うわぁ〜。一刀両断…」

 

ドゴーン!

 

 

霧島「はっ!私ったら何してるのかしら!おーい!そこのあなたたちー!無事ですかー!」

 

 

 

ーーーーーーーー

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

霧島「……鳴上悠君に鳴上島風ちゃんね!私は、金剛型 4番艦 戦艦 霧島よ!よろしくね!」

 

簡単に自己紹介を終えた三人。

 

悠(ハイカラで綺麗なお姉さんだが…戦艦…装備品を見る限り、恐らくは軍人か何かだろうな。下手に逆らわない方がいいな。)

 

悠は霧島を見て、軍の関係者と当たりをつける。

 

悠(島風、あの人は恐らく海軍か何かの関係者だ。大人しく従おう。)

島風(うん。わかった。)

 

霧島「うーん…聞きたい事は沢山あるんだけど、まずは安全な所まで行かないとね。二人とも付いてきてもらえるかしら?」

 

悠「はい、わかりました。」

 

ザザ〜ッ

霧島の先導で海を進む悠と島風。

 

悠(ふむ、さっきまで気づかなかったがこの海を移動する為の靴はSPをほんの少しずつだが消費するみたいだな。)

「島風」

 

島風「ん?どしたの?」

 

悠「この海を移動する為の靴は、どうやらSP…あ〜、ペルソナを使うときに消費する心のエネルギーみたいなものなんだが、どうやらこの靴はそれをつかって動いてるみたいなんだ。島風はどうだ?何か感じないか?」

 

島風「うーん…そういえばなんかちょっとずつ減ってる感じ。てか、ペルソナって何?」

 

悠「そこからか…ペルソナっていうのは…」

 

 

 

番長説明中……

 

 

 

島風「へぇ〜。つまりペルソナは自分の分身みたいなものなんだ?それで悪い奴らをやっつけると。」

 

悠「ああ。悪い奴らをやっつけるかは分からないが、この力に島風が目覚めたってことは、何か島風が立ち向かわなければならない何かがあるんだろうな。」

 

島風「そっか!じゃあ、頑張らないとだね!もちろん悠も一緒だよ!」

 

そう言って、島風は屈託のない笑顔を悠に向ける。

 

悠(真っ直ぐないい子だ。この子の為にも頑張らないとな。)

「ああ!もちろんだ!」

 

霧島「二人ともー!そろそろ着きますよー!」

 

どうやら、島風にペルソナについて説明しているうちに目的地に着いたようだ。

 

 

 

 

〜〜海軍本部〜〜

 

 

霧島「ようこそ!ここが『深海棲艦討伐軍』通称『海軍』の本部基地よ!」

 

連れてこられたのは海軍本部基地。海に直接繋がっているゲートを通り、中に入る。

 

霧島「ちょっと待っててもらえるかしら?」

 

そう言うと霧島は、岸のすぐ側の海面にある、中央に『帰投』と描かれているパネルのようなものに乗る。

 

ピカァー…

 

すると、霧島が一瞬光に包まれたかと思うと、武装が解除されていた。

 

悠(凄い技術だな…)

 

島風「うわー!霧島さんだっけ?あの人の大砲が消えちゃったよ!」

 

そのまま霧島は壁際にある機械に向かい何かをしている。

 

霧島「…これでよし。二人とも〜?『ゲストカード』を発行するから、その『帰投パネル』の上に乗ってくれるかしら?」

 

悠「あ、はい。分かりました。」

 

島風「はーい!これに乗ればいいのね?」

 

ピカァー…

 

悠たちの武装も光と共に解除され消える。

 

霧島「これでよしっと!二人ともこっちに来てもらえる?」

 

悠と島風は、霧島の方へと向かう。

 

霧島「はい!これが『ゲストカード』よ!当分はこれがあなた達の身分証明書代わりになるわ。無くしちゃダメよ?」

 

悠と島風はゲストカードを手に入れた!

 

悠「あの、俺たちの装備品は…」

 

霧島「ああ、あれは一旦こっちで預からせてもらうわ。ここは軍の本部だし、武器を持ったままってのも安全面からしてもちょっとあれだしね。」

 

悠は十握剣を一時的に失ってしまった…

 

霧島「とにかく、あなた達は元帥に一度会ってもらうわ。アポはとってあるから心配しないで。」

 

悠「元帥ですか?軍のトップにいきなり会えだなんて…軍についてはよく分かりませんが、普通は遭難者なんかの対応をする場所に案内するべきじゃ…」

 

霧島「…それはね、あなた達が普通じゃないからよ。盗み見るつもりとかはなかったんだけど…見ちゃったのよね。あなた達が、巨人やら天使やらを出して深海棲艦と戦っているのをね。

それを私の司令官に報告したら、その司令官が元帥に報告したのよ。そしたら元帥がえらく興味を惹かれたらしいわよ。」

 

悠(しまった…まさか見られていたとは…これで下手な誤魔化しは出来なくなったな。

しかし、深海棲艦か…シャドウではないと思ってはいたが、全く知らない存在だな。…分からないことが多過ぎる…)

 

悠は心配そうな表情を浮かべ、どうしたものかと思案する。

 

霧島「もうっ!そんな顔しないの!よく考えて?これはチャンス。どうせあなた達、行く当てないんでしょう?」

 

悠「どういう事でしょうか?確かに行く当てなんてありませんが…」

 

そう、今の悠たちは行く当ても無く、頼れる人も居ない。ここで何とかしなければ八方ふさがりなのだ。間違っても投獄だの実験台だのにはなってはならない。

 

霧島「いい?ここで元帥に気に入られれば、軍に居場所が出来るわ。身分も保証されるし、キツいかもしれないけどちゃんと職にも着ける。だからそう悲観しないで?私もちゃんとフォローしてあげるから!

さっ!いつまでもここで話してるわけにもいかないわ!元帥の執務室に行きましょう!」

 




後編へ続く…

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