アリスとパチュリーのやり取りから数十分後、
「よっし、学級会始めるぞ~」
「待ちわびてたんだぜ!」
「相手は見つかったのか魔理沙?」
「はっ、よく考えてみろ。霊夢は禁止されてて、アリスも姿が見えない。他に誰かいると思うか? まったく短慮だな」
「よーし、あとで職員室で頭突きな」
1年1組では、弾幕ごっこ大会のペア決めが行われていた。といっても、叫んでる魔理沙や、無言で青い顔をしている霊夢以外は、ほぼ決まっているようなものなのだが。
「えっと、それでどこまで決まってるんだ? ――ペアが決まってる2人は、黒板に書いてくれ!」
慧音の支持でわらわらと黒板の前に殺到する。
全員が席に着くと、7組の名前が書かれてあった。
「なるほどなるほど……ルーミアとリグル、大妖精と小悪魔。お燐とお空にヤマメとキスメ、レミリアフラン。文と椛。それと、雛とにとりでいいか?」
はーい、と元気な反応が14人から聞こえてくる。
残されたのは、6人。
「じゃ、残った奴は決めとけよ」
「ま、待ってください!」
声を張り上げたのはミスティア。彼女はリグルあたりと組もうかと思っていたが、夜に開いている八目鰻屋台の準備に忙しく、あぶれてしまったのだ。
「チルノ、一緒にやらない?」
「え? ――うん、いいぞ!」
「私、チルノとやるのでいいですよね!」
「別にかまわないが。書いておくぞ」
黒板に、ミスティアチルノと整った字で書かれる。
正直なところ、ミスティアはバカなんかとではなく、常識人と組みたかった。例えば大妖精やリグル。しかし、霊夢や魔理沙などの鬼強いものと組んで、足を引っ張るのはもっと嫌だった。
「あと残ったのは、霊夢と魔理沙と小傘とアリスか。あいつどこ行ったんだ? ――まあいい。さっさと決めておけよ」
「私アリス!」
「まて、アリスは渡さん!」
霊夢と魔理沙が同時に挙手をして、慧音に訴えかける。
別に小傘が嫌いというわけではない。ただ、小傘は所詮からから傘お化けだ。霊夢と魔理沙とでは、明らかに実力が違う。
一方アリスは体力こそないが、その火力は非常に魅力的だ。二人が所望するのも当然であろう。
「わかったわかった。じゃあ公平にジャンケンで決めろ」
2人は立ち上がり、お互いをにらみつけてけん制しあう。
「負けねえぞ霊夢……」
「そうね。弾幕ごっこは私のほうが強いんだから勝つしかないわよね?」
「いいやがるぜ……」
「さっさとやるわよ。ジャン、ケン、」
「「ポン!!」」
気合を込めて出したお互いの手は、
「やった!」
「な……嘘だろ……」
魔理沙がグーで、霊夢がパーであった。