幻想高校の日々   作:ゆう12906

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第四十一話 さとりの裏の趣味

「で、なんでまたこんなところに?」

 

 魔理沙が率直な感想を大妖精にぶつける。

 

 大妖精は今日、魔理沙にある疑問を持った。

 

 魔理沙は普段、アリスやパチュリーの家にいろいろなものを借りに行っている。(それをきちんと返すとは限らないのだが)

 

 それと同等の頻度で、香霖堂へも足しげく通っている。普段から霖之助を振り回しながら明るくしゃべっている魔理沙は誰の目から見ても楽しそうだった。

 

「これでハッキリわかるからね。魔理沙の本心が」

 

 そこで大妖精が思った疑問。それは、「魔理沙本人は気付いていないが、心の奥には恋心を秘めているのではないか?」というものだ。

 

 大妖精が魔理沙に逆襲したいのはもちろん理由がある。

 

 大妖精の優斗への思いは、彼以外、ほとんどのものにばれている。

 

 当然、そんな面白いことをみんなが見逃すはずがない。いつもニヤニヤした笑いを浮かべながら、大妖精を言葉攻めにしている。

 

 もちろんみんな、大妖精の幸せを願っている。

 

 が、優斗のことを持ち出すと、すぐに言葉少なになってしまう大妖精がいじってて面白すぎるのだ。

 

 そんな不憫な大妖精が自分がやられていることを魔理沙にやり返したくなりたくなるのも当然だろう。

 

「さあ、行くよ魔理沙!」

 

「わかった。ほら、乗れ」

 

「ふふ……楽しみだな」

 

 いつもはやらない、何か企んでいるような笑みを浮かべる。

 

 二人を乗せたほうきは、地下へと続く巨大な穴に猛スピードで突っ込んでいった。

 

 

 

 

 

「そんなくだらないことでわざわざ大晦日に来たんですか」

 

「くだらなくないです!」

 

「あー、すまんなさとり。さっき同じようなことを私も言ったんだ」

 

「まあまあ、大妖精さん。そうなる気持ちもよく見えますから。あなたにしては珍しいですね」

 

 地底の主、さとりは第三の目をさすりながら大妖精をなだめる。

 

 大妖精と魔理沙はさとりに会うためにここへやってきたのだ。

 

 さとりは学校の心理カウンセラーとして、大妖精たちとも面識がある。能力のせいで何でも見透かされるせいでカウンセラーとしては不評だが。

 

 大妖精たちが来たのは、もちろんそのさとりの能力目当てだ。

 

「ふ~ん。魔理沙さんの本心ですか」

 

「さすが先生。わかってますね」

 

「あなたたち妖精は特に読みやすいですよ。氷のなんてのぞかなくてもいけますし。それにあなたも最近似てきましたよ」

 

「チ、チルノちゃんと!?」

 

「いや、認めたくないのはわかりますけど……。イチャイチャしたいってやましい心しか見えないですよ」

 

「えっ!? ――そ、そんなこと……ないもん!」

 

 大妖精は顔を真っ赤にして、手をバタバタ振って反論する。

 

 それを見たさとりは、今までの無表情から、片方の口角を上げて不敵に笑った。目を見開いたその顔は、ゲス顔という表現が適切だろうか。

 

「今の間が証明している気もしますが……なんといってもですね、」

 

 地底の主の本気が、大妖精に向かう。

 




第四十一話でした。

さとりの性格って書き手によって変わりますよね。僕は完全に東方MMDの影響を受けています。けど、さとりんを泣かせ隊になって、いろいろ苛めてみたい!(←ただの変態だ)

ふふ……さあ、お兄ちゃんと一緒にいいこと……――――おや?どこからかサイレン音が……

では!


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