幻想高校の日々   作:ゆう12906

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第三十話 2人はスペルでゴリ押しする

「儀符『オーレリーズサン』!」

 

「はいはい、これで終わりよ。霊符『夢想封印 散』」

 

魔理沙と霊夢が2枚のスペルカードを同時に発動する。両方とも弾をばらまくだけのスペルだが、対戦相手のルーミアとチルノを蹴散らすには十分すぎる火力だった。

 

「は、反則だこんなの!」

 

「こんなの避けられない」

 

魔理沙から放出された4色の弾と、霊夢が出した光る弾に悲鳴を上げる2人。

 

ほとんど反射で飛び回り、何とか避けようとするが、たまらずルーミアは被弾してしまった。

 

「よ、よくもルーミアを! 氷塊『コールドスプリンクラー』!」

 

最後の抵抗とばかりに、苦し紛れにスペルカードを発動するチルノだったが、

 

「氷が熱に弱いなんて常識だぜ? 邪恋『実りやすいマスタースパーク』」

 

「がっ……」

 

真正面からぶつかるのは分が悪く、魔理沙の出した高温の光線によって、すべてかき消されてしまう。さらにマスパに力負けして、どんどん追い詰められていく。

 

「か、はっ……もうダメ」

 

そして、力及ばず被弾した。

 

「勝者、霊夢&魔理沙チームだ。圧勝だったな。さすがだ」

 

「ふう……これで決勝進出ね」

 

「ああ、こっからがスタートだ」

 

特に疲れの色も見せず、すでに先の戦いを想定している二人。やはり今回の優勝候補である。

 

 

 

 

 

「幻符『殺人ドール』」

 

「さっすがです咲夜さん!」

 

咲夜、美鈴ペアも危なげなく決勝進出。

 

 

 

アリスとパチュリーの対戦相手はにとりと雛であった。

 

かなり苦しそうな様子のにとりと雛。彼女たちの手にはスペルカードが握られている。

 

そのスペルカードは3枚目、つまりこれをかわされたら負けだ。

 

「これをかわされたらお手上げだよ……光学『オプティカルカモフラージュ』!」

 

「厄符『厄神様のバイオリズム』!」

 

にとりの姿が消え、座薬弾が交差されて発射される。

 

雛はゆったりと移動しながら米粒弾を配置し、弾が一気に拡散されていく。

 

2人が放った座薬弾と米粒弾は、お互いが打ち消しあうことが無く複雑な弾幕へと変貌していく。

 

とても密度が濃く、ただの妖精なら一発で被弾してしまうレベルの驚異的な弾幕だった。だが2人は、

 

「あら、弾がよく見えるわ。足引っ張らないようにね」

 

「あらそっちこそ。勢い余って突っ込まないように」

 

お互いに全く干渉せず、それぞれ高速で飛びまわる。

 

被弾してしまいそうな弾幕にはそれぞれ人形と結界で打ち消す。そしてにとりと雛のスペルは、

 

「このくらいなら切り札使わなくても大丈夫ね」

 

グレイズさえしていなかった。

 

「これでだめって強すぎるよ!」

 

「これはきついですね……」

 

簡単に避けられてしまい、思わず声を漏らすにとりと雛。その反応を無視し、2人がスペルを宣言する。

 

「蒼符『博愛の仏蘭西人形』」

 

「木&火符『フォレストブレイズ』」

 

「ま、まだこのくらいなら……」

 

「まだよ。咒詛『魔彩光の上海人形』」

 

「日符『ロイヤルフレア』」

 

「え、それはひどいよ……」

 

4枚のスペカで構成された厚い弾幕の壁に、にとりたちが避けられるはずもなく、

 

「アリス、パチュリーチームの勝利だ。――えげつないな」

 

藍の宣言で試合が終わった。




第三十話でした。

アリパチェひどいですね。完全に弾幕ごっこの意味を忘れています。

次回、アリパチェにあの二人が挑みます!

ではまたお会いしましょう!

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