幻想高校の日々   作:ゆう12906

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第二十一話 ○○は悩んでいる

「綺麗……」

 

 クラスのみんなが思わず声をあげていた。ここは月世界の大展望台。月世界が一望できるその壮麗さは、幻想郷ではあまり見かけないものである。

 

「じゃあ、次は兎たちの練習を見てもらいます」

 

 きりっとした口調で依姫が話す。もう怪我からはすっかり回復しているようだ。

 

 

 

「これは?」

 

 慧音先生が質問したのはウサギたちの練習方法についてだ。

 

「見たところただ歩いているだけのように見えるが……」

 

「これはですね、何か所かに落とし穴を設置しているのですよ」

 

 ウサギたちが慎重に前に進んでいる。時たま地面が崩れ、「わあっ!」という声とともにウサギか消えている。

 

「こうすることによって集中力を鍛えるんです」

 

「なるほどなぁ、―――ふふっ……」

 

 突然慧音先生が含み笑いを漏らした。

 

「どうしたんですか?」

 

「なるほどな。これを作った理由ってお前が引っ掛かったからか」

 

「なっ!?」

 

「なるほどうどんげたちに負けたのか……ま、災難だったな」

 

「どうしてそれを……」

 

「まあ、見えたからな」

 

 依姫の顔は、トラウマを思い出した時のように白くなっていた……

 

 

 

 

 

「みなさーん!旅の思い出にお土産どうですか!」

 

 大体見学を終え、スキマで帰ろうとしたとき、兎の一匹に声をかけられた。

 

「土産物店なんてあるのか」

 

「はい、今作りました!」

 

 どうもこの兎はてゐのように商魂たくましい兎のようだ。

 

「よっしみんな!30分ばかり買い物タイムと行こうか!」

 

 これが生徒たちに大きな選択を突きつけることになるとはこのとき誰も知らない。

 

 

 

 大ちゃんは悩んでいた。何に悩んでいるかというと、お土産についてのことだ。

 

 みんなこんにちは!チルノだよ!おみやげ選びってことでアタイはさっさと選んじゃったんだけど、大ちゃんがなかなか優斗へのお土産を決められないんだ。

 

 おっ、なんか手に取ったぞ。あれは……指輪?二つセットの指輪だ。あれ?大ちゃん顔真っ赤だな?どうしてだろう?

 

 

 

 大妖精は悩んでいたんだぜ……何にかというと、指輪をお土産にするか、ということだ。

 

 久しぶりの登場、魔理沙だぜ!ったく大妖精は本当に優柔不断だな。それだから優斗にいつまでたっても気づいてもらえないんだぜ。

 

 にしても指輪か~。大妖精が迷うのも無理ないな。しょうがない、肩を押してやるか

 

「「それにしろよ(しなよ)!」」

 

「ふえっ?!」

 

 この後さんざん大妖精をいじる二人だった。

 

 

 

 私、上白沢慧音は悩んでいた。何にかというと、妹紅へのお土産だ。

 

 指輪だと……欲しい。非常に欲しい。しかし一つしかないし、大妖精も欲しがっているし……しかしあれがあればもこたんが……いかん、顔がゆるんでしまった。

 

 

 

 私、アリス・マーガトロイドは悩んでいた。何についてかというと、あの指輪を買うかどうかだ。

 

 ―――そしてたった今決めた。買うわ。そして魔理沙にプレゼントして……いけない、つい妄想が膨らんでしまったわ。

 

 私は迷いなく指輪へ手を伸ばした。

 

 ガシッ

 

「「「あれっ?」」」

 

 大妖精、慧音先生、アリスの三人が同時に指輪へ手を伸ばした。

 




第二十二話です。

この後の三人どうなるんでしょうかね……恐っろしいことが起きそうです……

次回、女の仁義なき戦い お楽しみに!←なぜドラマ風w

では次回お会いしましょう!

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