綿月依姫。月の世界のリーダーで、八百万の神を自分に宿らすという非常に特殊な能力を持っている。
八百万ということはつまり800万回連続で戦うということができるわけで……要するに、いくらフランやお空が強くてもかなうわけがないのである。
フラン、お空、お燐、大妖精、小悪魔の五人は全く歯が立たず、ひもで縛られていた。
「むむ~強すぎる」
「負けた~ホントあなた強いね!」
頬をふくらますフランとお空。でも二人はどこか楽しそうだ。
「もうすぐ決着がつきます。アリスと椛という人も捕まえたし。なのでもう少しここで我慢していてください」
気怠そうに説明する。やはり結構余裕だったようだ。
「で、でもまだ優斗がいるよ!」
「そうですよ!あと雛もいますし……あとバカルテットも!」
と、最後の抵抗をするのは大妖精と小悪魔。二人は弾幕ごっこより頭を動かすことの方が得意だ。
「ああ、そんな人がいましたね。今お姉様が相手をしているわ」
「「…………」」
そういうと、余裕を含めた声でとどめの言葉を放った。
「あなたたちの負けです」
それを聞いた2人は顔を寄せ合った。
「これはあれだねこあちゃん」
「ほんとだね大ちゃん」
そして依姫に顔を向けこう言った。
「「完全に作戦通りだね」」
「えっ?」
2人はニヤリと笑い、
「まだ霊夢たちがいないこと気づいてなかった?一番暴れたいのは霊夢たちだと思うよ?」
「なんだか月の裏手って警備が薄そうですよね~」
「ま、まさか……」
その時、依姫から通信が入った。豊姫からで、若干焦った声だった。
「依姫、そっちは?」
「もう片付けました」
「そう、終わったのね。すぐ月の裏側に回ってちょうだい」
それだけ言って通信が切れた。彼女も敵と向かい合っているのだろう。
「ぐっ、やられたわ……」
そう言って全速力で駆け出す。そのまま最短距離を駆け抜ける。
「ふふ、完全に作戦通りだね」
「うん。これであとは優斗がうまくやってくれるよ。こういうことに優斗は強いからね」
「さすが同居人!そして優斗の将来の……」
「や、やめてよ~!」
2人は随分と余裕だ。それだけ優斗に信頼を置いているということだ。
「ん?何かしら?」
猛スピードで走っている依姫。その50メートル先がなぜか真っ暗なのだ。
普段の彼女なら注意深く、いったん止まっていただろう。しかしそのまま突っ込んだのはやはり、さっきの言葉で焦りがあったためか……
「ま、関係ないわ」
そのまま突っ込んでいく。しかし、この言葉が最後の言葉となった。なぜなら―――、
ゴォン
暗闇の中で何かと激しくぶつかり、意識がブラックアウトしてしまったからだ。
第十九話でした。
大こあのからみが個人的に好きです。(大こあと大チルっていいよね!)
明後日夏コミですね!楽しみです! 満腹神社、幽閉サテライト、さばーい出版、アクアスタイル、りぼんえにっき+……行きたいサークルが目白押しですね!
では次回決着です!(前回も同じ事書きましたね……すみません……)