「うっ!」
廊下でいきなりうめき声をあげる魔理沙。
「大丈夫ですか?!」
近くにいた文が駆け寄る。
「ああ、大丈夫―――」
と、特に悪いことは起きなかった……―――そう、体(・)に(・)は(・)。
「―――大丈夫よ。」
「はい?」
「心配ないわ。………あれ?」
「口調変わってません?」
「ええ。これも薬の効果なのかしら……って!不自然だわーー!!」
「くくっ、いいですね。強烈なネタです」
そういって片手で写真を撮る文。
「おまっ、ふざけないで!」
「そんな口調じゃ威厳がありませんね」
「くっ……なんで口調だけ変わったのかしら?」
顔を赤らめ、教室に入る魔理沙。
「ふう……危ないところだったわ」
しかし教室の中にも薬を飲んだ生徒がいるわけで……
「よう魔理沙~」
「あれっ?キスメ?」
キスメはいつもは内気な性格なのだが……
「どこ行くの~」
「なんかいつもとは違うわよ!―――そうか、薬か」
酔ったようにからんでくるキスメを引き離し、目線を上に向けると……
「ねえいいでしょ!!」
誰かが叫んでいる。
「ん?あれはなんですか?」
近づく魔理沙。―――チラチラと赤いリボンが見える。
「あ、あれはまさか……」
「ねえ!その防水服ちょうだいよ!!」
「やっぱり……」
いつもは冷静沈着な雛だった。
「どうしたの雛!らしくないよ!?」
からまれて困り果てているにとり。
「ふ、ふははははは!!立場が逆転しているわ!」
「あっ!魔理沙助けて!」
(薬を飲んでいない)にとりが助けを求める。
「あ~無理です。自分でなんとかしてね」
「さっきも言われた……って、口調変わってない?」
「それについてはツッコミ禁止!じゃね!」
「ちょっ!?」
背を向けて歩き出す。
「危ないところだったわ……」
歩き出す魔理沙の肩に手を当てたのは、
「あら魔理沙。どうしたの?」
「ん……?」
その口調から一瞬紫かと思ったが、聞こえてきたソプラノボイスから、その声がすぐに分かった。
「フラン……―――つまりフランの性格が変わったってことかしら」
もう慣れたのか頭の回転が速い。
「つまりすごく大人っぽくなった!どうこの推理!」
「その通りよ」
「どう?薬の効果は?」
「ええ、いい感じだわ」
「お前のお姉さんは?」
「ええ。やっぱり大人っぽくなっているけど、持ち前の好奇心でみんなの様子を見に行ったわ」
「ああそう」
フランと別れた後、教室を出ると、魔理沙にとって最大のイベントが待ち受けていた。
「魔理沙~」
「え?」
「魔理沙~」
「はい?」
同時に声をかけられた魔理沙。その声の主は……
「アリス、パチュリー……」
しかし2人の様子が違っていた。
「ねえ、お腹すいた」
「疲れた。おぶって」
「え……?」
2人とも性格がロリ化していた。
第十三話でした。
魔理沙……大変ですね。アリスとパチュリーが入り、この後どうなっていくんでしょうか!(魔理沙が青い顔になりそうですね)
ではまた!