いきなりすごいことが…
第十二話 二学期初日から…
「う~ん…」
二学期初日、気持ちよく目覚めた魔理沙だったが…
「……やば!遅刻だ!あと十分だって?!」
足でタオルケットをふっとばし、すぐに着替える。朝食を食べる暇もない。
「くっそ!!」
ほうきに飛び乗り、フルスピードで駆け抜ける。
「でも間に合いそう…―――って、あれは!」
魔理沙の真下にあったのは…
「早くチルノちゃん!!」
「まってよ~…」
あたふたしている大妖精とチルノだった。
「なんであんなに遅かったの?!」
「だって……寝坊して……」
「なんだ、私と同じか。」
共感が持てた魔理沙は、二人のほうへと機首を傾ける。
「よお。」
「魔理沙!」
「遅刻になるぞ!早く乗れ!」
「へ?いいの?」
「ああ、大妖精も速く!」
「三人で大丈夫?」
「ああ、重量オーバーだけど…何とかする!」
ギュオーン
無理をしながら乗せていく。
「遅いな~」
三人の担任慧音はいつまでも来ない三人を待っていた。
「寝坊でもしたんじゃない?」
「おう、妹紅。―――まあ、あの三人ならあり得るな。」
苦笑しながら慧音が言う。
「しかし、あと三十秒だ。やっぱり遅刻か…」
慧音が頭突きの用意をしたその時―――
「うおおおおお!!!!!!」
「あっ、きたよ慧音!」
猛スピードで突っ込んでくる魔理沙たち。
「でもあのスピードで止まれるか?」
ズサアアア
と、慧音が危惧した通り、校門にいた二人の前を通過し、派手にほうきが木に激突する。
「痛あ~。」
「早く、教室に…」
「こりゃ、まず医務室ね。」
軽く笑いながら妹紅が医務室に連れて行く。
「うう~ひどい目にあったんだぜ……」
「それは遅刻するからね。」
「ええ、自業自得よ。」
お昼、アリスとパチュリー(二年一組)にいわれ、へこむ魔理沙。
「あれ?なんであなたがここにいるの?」
突然来たパチュリーに驚くアリス。
「あら?いけないのかしら?」
「できればやめてほしいわね。」
「それが先輩に物申す態度?」
「まあまあ、二人とも。一緒に購買行こうぜ。」
二人の間に入り、仲を取り持つ魔理沙。(まあ、二人は目線も合わせていないのだが。)
「幽々子?今日は何があるんだぜ?」
場を明るくしようと、明るい調子で幽々子に聞く。
「ん~―――今日はいつものAランチだけど……実は今日サービスデーなのよ。」
「ん?何かもらえるのか。」
「ええ。スープをただであげるわ。」
「へ~」
スープをもらいながら席に着く。
「じゃあ、座らせてもらうわよ。」
「じゃあ、私はこっちに。」
アリスとパチュリーがやっぱり目を合わせず魔理沙の両隣りに座る。
(また仲を取り持つのか……―――なんで二人は近づくんだろ?)
無自覚な魔理沙であった。
「うあ~疲れたぜ…」
昼休み、完全にノックダウンした魔理沙。―――しかし……
ピーンポーンパーンポーン
「ん?なんだ?」
突然放送が流れた。
「え~今日スープが配られたと思います。」
「ああ、そうだったな。」
放送に反応する魔理沙。
「あの中には私お手製、性格が変わる薬が入ってまーす!」
「………―――なにーーーーー!!!」
「なんだかおもしろそうだったから協力したわよ~」
「この声は…購買部の幽々子先生……」
「効果はこれから二十分後から。午後の授業はお休みにしてもらったから存分に楽しんでね~」
そこで放送が切れた。
「これは……楽しそうだ!」
疲れが一気に吹き飛んだ魔理沙。そしてこれから二学期初日最大の(カオスな)イベントが始まる。
はい!第十二話です。
今回魔理沙視点でしたがどうだったでしょうか?
マリアリ&パチェマリも目が離せませんね!
ではまた!