第一話 初めての?出会い
桜咲く四月。
満開の花の周りに多くの少女たちが集まっていた。
「よっと……」
その中の一人、箒に乗ってきた霧雨魔理沙が博麗霊夢に話しかける。
「よう霊夢、久しぶりだな」
「久しぶりね魔理沙」
棒読み口調で霊夢が答える。二人が仲がいいのは周知の事実だが、ここのところあまり会ってなかったようだ。
「しかし今日から幻想高校入学だ。」
「ええ、そうね。みたところ魔理沙と同じクラスみたいだけど……」
「ああそうだ。見ろよ、いろんな奴がいるぜ」
二人はクラスが振り分けられた紙を見た。そこには様々な種族の生徒が並んでいる。それを見てけだるそうに霊夢は声を漏らす。
「バカに、その取り巻き。吸血鬼に、神に天狗……全くめんどくさそうね」
「まあそういうな。住めば都っていうだろ」
「ちょっと違う気がする……」
「とにかく行こうぜ」
二人が教室にいくと、ほとんどのクラスメイトが集まっていた。みんなそれぞれのグループで話している。初めての顔合わせに度合いはあれ、緊張しているようだ。
「よう、アリス」
「魔理沙。あなたも同じクラスだったの」
「おう、これからもよろしくな」
アリスは平静にしているが、顔が少し赤い。つまり、魔理沙と同じクラスになって、うれしいのだが、そんなこと二人が知るはずもない。
「さて、そろそろ先生が来るわよ。席に着いたら」
「んん、そうだな」
皆が席に座ると、変な帽子をかぶった先生が入ってきた。
「みんなおはよう。このクラスの担任の上白沢慧音だ。よろしくな」
よろしくお願いしまーすと、返事が返ってくる。
「さて、さっそくだが自己紹介をしてもらう。では、1号車の一番前から。どんどんいくぞ」
「おう!霧雨魔理沙。得意なことは弾幕ごっこだ。よろしくな」
「博麗霊夢です。よろしく」
「アリスよ。よろしく」
「お空です。本名は忘れました!」
クラスに爆笑が起こった。お空はクラスのムードメーカーになってくれる存在だろう。
「れいうじうつほだよ、お空!みなさんこんにちは。火焔猫燐です。よろしく」
「小悪魔です。よろしくお願いします」
「チルノだ!よろしく!」
「元気すぎるよチルノちゃん……大妖精です。よろしくお願いします」
「大妖精はバカに振り回されて大変そうだな……」
ぼそっと魔理沙がつぶやいた。
「リグルです。よろしく」
「ねえ、お燐。なんで男の子がひとりいるの?」
「男じゃないよ……」
お燐と大妖精は馬鹿に振り回されるという同じ境遇だった。
「ミスティアです」
「ルーミアなのかー」
「黒谷ヤマメです」
「……キスメです」
「「よろしくお願いします」」
まったく同時にヤマメとキスメがあいさつをした
「射命丸文です。みなさん新聞づくりのご協力よろしくお願いしまーす!」
「だれがあんなゴシップ新聞…」
霊夢が嫌そうにつぶやく。彼女は新聞の恐ろしさをよく知っていた。
「犬走椛です。よろしくお願いします」
「レミリア・スカーレットです。よろしく」
「お姉様、そんなに無理にカリスマにならなくてもいいのよ!フランでーす!」
「大きなお世話よ!」
「鍵山雛です」
「雛、緊張してる!河城にとりでーす」
「小傘でーす。おどろけ!」
いきなり小傘がバサッと傘を広げるが、
「…………」
「まあそう簡単にはいかないよね……」
当然のごとくみんな無反応だった。
「よし、全員終わったな。それじゃ、がんばっていこう!」
こうして彼女たちの高校生活がスタートしたのだった。
と、いうわけで一話です。いかがだったでしょうか?
交互更新ですので、隔週ペースでいきたいと思います。(いければ……ですが)
ではまた!