東方混迷郷   作:熊殺し

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少し戦闘シーンの参考を読み、もう少し簡単な文にすることにしました。
読みやすくはなりましたが、馴れていないのでイマイチだと思います。
シーンに出てくるラッシュというのはドラゴンボールをイメージしてもらえれば結構です。



花映塚72話

爆音が鳴り響く地獄の空には、閃光と爆発が絶え間無く出ては消えていく。

力を制限されている零夜は、先程とは打ってかわって苦戦を強いられていた。

敵に囲まれて1対多数という劣勢の中、それでも闘いにおいては優勢を保っていた。

 

 

零「能力が使えないとここまで苦戦するものか!」

 

 

向かってくる敵に対して、力が制限された零夜は苦戦を強いられていた。

幾ら大妖怪とはいえ、一体ずつであれば彼の敵ではない。

しかし、妖怪達に圧倒的な物量の前では話は別だ。

前、右、左の三方向から接近して来た敵と3体1の格闘戦。

遠距離からは狙撃役からレーザーが随時放たれ、飛来してくるたびに三体が一旦引く。

そして、狙撃が終ると再び格闘戦に持ち込まれる。

しかし、それでも零夜は戦闘において他の妖怪よりも優勢の位置を取っていた。

 

 

零「はぁぁぁぁっ!」

 

三体「「「グオォ!?」」」

 

 

三体の攻撃を受け流す防御体制から、隙を突いて霊撃で吹き飛ばし、拡散弾幕を全方位発射して一気に殲滅する。

遠方の敵には拡散レーザーを放ち、巻き返しを開始した。

 

 

_______________________________

 

 

空での戦闘が激化する中、地上でも空亡とリュウトが激戦を繰り広げていた。

同時にぶつかり合った瞬間、目にも留まらぬ速さで拳と蹴りのラッシュが繰り返され、二人のエネルギーが徐々に上がっていく。

同時につかみ合いになり引き離しあうと、空亡がレーザーを撃ちまくり、それをリュウトがグラディウスⅡを抜刀して斬り払う。

 

 

リ「なんて奴だ。

なら、これならどうだ!」

 

 

スペル:愚か者達の笑い声

 

 

4つの神力陣が空亡を囲むように展開し、レーザーの辺と面が出現して中に閉じ込める。

空亡を捕縛した。

 

 

リ「これで動けまい!」

 

空亡「どうかな」

 

 

捕縛した空亡に向けて弾幕を放とうと両手をかざした瞬間、奴は妖気を極限まで放出し、その内部圧力でスペルを打ち破った。

これにはリュウトも驚きを隠せなかった。

 

 

リ「んな!気合いで破壊したと言うのか!?」

 

空亡「脆い技だったな。

簡単に破れたぞ」

 

リ「くそ・・・。

やはりスペルカードでは歯が立たんか」

 

 

スペルカードは本来、弾幕勝負をするときに使うもの。

本気の殺し合いで使えるかは正直、微妙な線だった。

しかし、零夜の援護が来ない以上、一人で倒すしか無い。

再び接近戦に持ち込むため距離を詰める。

アタックとラッシュの攻防が続き、二人の拳がぶつかり合う度に衝撃と轟音が鳴り響いた。

高速で動き続けるが故に、次第に疲労が蓄積されていく。

先に疲労が出始めたのは空亡だった。

動き疲れてきた空亡はリュウトから受け続けたダメージもあり、よろめいた所を鳩尾めがけて蹴られ、飛ばされた先に回り込まれてさらに追撃された。

 

 

空亡「ぐぼぉあ!?」

 

リ「決まったな」

 

 

かなりの手ごたえを感じたリュウトは勝ちを確信した。

彼の身体もボロボロだが、まだ体力には余裕がある。

腹部の痛みの悶えながら膝をつく空亡を、リュウトは見下しながら降伏するよう宣言した。

 

 

リ「既にお前に勝機は無い。

もうあきらめて降参しろ、俺も命まで奪おうとまではしない」

 

空亡「フ・・・クハハハ」

 

 

静かにリュウトの言葉に対して嗤いを返す。

不愉快極まりない。

リュウトは拳を握り激昂した。

 

 

リ「何が可笑しい!

まさか、未だに勝てるなんて思ってるんじゃないだろうな!」

 

空亡「勝てるさ・・・。

今からそれを証明してやる」

 

 

その瞬間、空亡の漆黒で彩られた腕が変形し、十数メートルはある巨大な口となる。

襲われると感じたリュウトはサッと身構えるが、その標的はリュウトではなかった。

 

 

リ「な、何!?」

 

 

空亡が喰らったのは、味方である筈の妖怪達だった。

巨大な口が開くと妖怪達を纏めて呑みこみ、体へ吸収していく。

死体もお構いなしに喰らい続け、自分以外の全ての妖怪を胃袋に収めた。

いや、体の一部にしたという表現の方が正しい。

大妖怪の妖気を大量に吸収した空亡の傷は完全に癒え、筋肉が増大して体も2倍近く大きくなった。

妖力は今までが比にならない程肥大化し、正真正銘の化け物へと進化した。

 

 

リ「バカな!!

妖怪を吸収しただと!?」

 

 

圧倒的な力の前に、リュウトは後ずさってしまう。

光の翼を纏えば少しは善戦出来るが、今の彼に勝機は無かった。

身体がそう感じ取っていた。

しかし、彼に諦めるという選択肢は存在しなかった。

吸収したばかりで動きが止まっている空亡に対し、霊力を纏った拳によるラッシュを放った。

 

 

リ「ダダダダダダぁ!!」

 

 

さらに、上空から零夜のドロップキックが炸裂し、リュウトの支援をする。

が、それが空亡に届く事は無かった。

 

 

ガシィッ!

 

 

リ「何!ガァァ!?」

 

零「ぐあ!」

 

 

リュウトは足首を掴まれ、強靭な腕でこん棒のように振り回される。

地面に叩きつけられ、零夜に向けて投げつけられ、その勢いで二人は地平の彼方へ飛ばされてしまう。

さらに、空亡は巨大なレーザーで追い撃ちを掛けた。

最初、リュウトに向けて放たれた一撃とは比にならない強さの妖気が込められた一撃。

正にトドメの一撃だった。

 

 

ドォォォォォォォン・・・・・

 

 

空亡「・・・・・」

 

 

噴煙が舞い上がり、大きなキノコ雲が上がる。

最強の妖怪の前に、幻想の戦士は敗れ去った。

 

 

To be continue




これからは沈黙時は、、、ではなく、・・・にします。

二人は負けてしまいましたが、これで終わる二人ではありません。
あるアイテムが切欠でリベンジする事となります。
二人が持っている共通のアイテムです。
本来は零夜が持っている1つ以外は存在しない筈でしたが、未来の世界からリュウトが持ってきてしまった物です。
話にも出てきています。

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