ちなみに言っておくと今回の異変に岡崎夢美は全く関係ありません、彼女は傍観者というだけです。
幻想郷に行くために作った装置を応用して隕石が幻想郷に落ちるようにしたのは夢美ですが、隕石自体は彼女が偶然見つけたものでそれには手さえ触れていません。
まぁ手っ取り早く読んでもらいましょう!
~幻想郷上空~
リ「おおおお!!」
ガギギギギギギィィィィ!!!
遥か上空、速度を上げながら勢いよく隕石へ突撃を開始する。
腕に力を入れ大きく振りかぶった光の剣は縦に隕石を一刀両断していく。
切り込みは上手く行った。
しかし、此処に来てある重大なミスに気が付いてしまった。
リ「この隕石、思った以上に大きいぞ!
これでは両断まで届かん!」
隕石の大きさは想像していた倍はある大きさの300mはあった。
刃は確かに隕石の中に食い込んでいるが、両断するにはもっと長さが必要だ。
リ「クソッ!これでは意味が無いぞ!」
剣はこれが最大出力、これ以上は長くならない。
誰かに残りの半分を斬ってもらうか。
いや、地上に落下する速度が速すぎて残骸を破砕する時間が無くなってしまう。
どうすればいいんだ・・・。
リ「長さが・・・、足りない!!」
剣で切り込みを入れたお陰で隕石の速度が若干相殺されて遅くはなっているがそれでもどうしようもない。
これでは作戦が水の泡となってしまう。
考える時間も無いその時だった。
ヴォンヴォンヴォンヴォン!!!
リ「何だ!?」
後方から何かが飛来してきて隕石の上方へ激突した。
上空から飛んできたものだ。
鈍い金属音と岩が破壊される音が鼓膜に響き、同時に隕石上部に大きな一列のヒビが入る。
その時少しだけブーメランのように帰っていくそれがみえた。
どうやら投げられたのはウォーハンマーだったらしい。
ハンマーなんて渋い武器を使うのは一人しかいない。
リ「・・・じいちゃんか?
良いタイミングだ!」
間違いなく零夜の持つミョルニルだろう。
自分の祖父は中々粋な計らいをしてくれるものだ。
隕石の上部が破壊されたことが分かるとそれに便乗して一気に刀に力を入れ、切り口はバターのように滑らかに切り裂かれた。
300mの大きな岩の塊は瞬く間に真っ二つに割れて地上へと落下していった。
リ「後は頼んだぞ!」
綺麗に二等分された隕石が落ちるのを上から見下ろす。
これで後は下に居る者達がどうにかしてくれる筈だ。
______________
零「よし、援護は完了した」
帰って来たミョルニルを掴み、落ちてくる隕石に目を当てる。
リュウトも射線上からの退避は完了。
零夜もその場から急いで退く。
これで隕石を粉砕する条件は整った。
紫「今よ!撃ちまくりなさい!!!」
幽香「待ちくたびれたわよ」
幽香の日傘が空へと向けられ、先端から大出力のレーザー砲が発射される。
真っ直ぐと空を突き抜けるレーザーは隕石の中心を貫通し、内部から破壊していった。
何処となくマスタースパークに似た技だが、幽香が真似ているのではなく、魔理沙が真似て使っている技なのだ。
つまりこれが元祖マスタースパークというわけだ。
かなりの威力で風穴を開けたが、隕石の大きさから考えると小さな損傷だ。
しかもまだ片方が健在している。
魔「そこで私の出番が来るんだなわかるぜ」
待っていたと言わんばかりに右手に持った八卦炉を隕石に向け、十八番のマスタースパークをさらに強化した大技を放った。
魔「これが魔理沙様のファイナルスパークだぜ!!」
八卦炉から放出された膨大な魔力の渦は、幽香の放ったマスタースパークの倍の太さがあり、容易く隕石の分厚い層を貫いた。
中に傷を負った隕石は大気の抵抗に抗えずに形状崩壊を起こしていく。
バラバラと岩石を撒き散らしながら崩れていくところを見ると、作戦は上手くいったようだ。
だが、隕石の破片には未だ大きなものが多く、地上に落ちても被害が出ない程の大きさにする必要がある。
そこで第三陣の出番がやってくる。
レミ「ま、楽な仕事よね」
輝「さっさと撃ち落として帰りましょ」
地上から放たれる二人のレーザーは個々に破片を破壊していく。
スペルカードなど使うまでも無い。
フ「ギュッとしてドカーン!」
萃「鬼の四天王嘗めちゃいけないよ!」
能力で纏めて破壊するフランに続いて萃香も負けじと火炎弾を投げ、爆発の衝撃で破片を巻き添えにしていく。
全員が一斉に空に向けてレーザーや弾幕を破片に向けて狙い撃ちしていき、さながら弾幕ごっこのような光景だ。
数分後には隕石は散り散りとなり、気が付けば落ちてくる破片は非常に小さなものとなっていた。
もし大きかったとしても速度が落ちた破片が着弾したところで地上には被害はでないだろう。
幻想郷は救われた・・・。
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紫「これで片付いたわね、皆お疲れさま。
礼を言うわ」
会釈程度だが、紫は事が済むと感謝の意を全員に伝えた。
此処にいる全員の奮闘があったからこそ幻想郷には何の被害も出なかったのだ。
幽香「フンっ、妖怪の賢者がそんなに簡単に頭下げるものじゃないわよ」
紫に対してツンとした態度でそっぽを向きながら一人だけそそくさと帰って行ってしまう。
少し機嫌が悪そうにも捉えられるが、これが彼女なりの感謝の受け取り方なのだろう。
それに対して萃香がまたまた余計な事を口走ってしまった。
萃「昔から素直じゃないんだよなぁ。
もう少し正直になっても良いと思うんだけど・・・痛い!?」
幽香「うるさいわよ、黙ってなさい。
ったく、私はもう帰るわよ」
油断していたところを後ろから頭めがけて弾幕を撃たれて黙らされ、最後に後頭部を抑え悶える萃香を睨みつけると彼女は今度こそ飛んでいってしまった。
去り際頬が少し赤かったのを全員が見ていたのでそれが照れ隠しだという事もバレバレだったが。
零「それにしても突然隕石が落ちてくるなんて驚いたな。
紫は事前に察知していたのか?」
紫「えぇ、でも今日の朝よ。
外の世界では何の発表もされてないみたいだし、不思議よねぇ」
それに関しては紫も朝から不思議に感じているらしいが、原因は全く分からないと腕を組みながら応えた。
今回の一件に関しては本当に謎だらけだそうだ。
外の世界で察知されていないというのも気がかりだが、それよりも何故世界から隔離されている筈の幻想郷に落ちてきたのか。
そして、それよりもさらに驚くべきことをリュウトが口にした。
響「リュウ兄、未来の世界に幻想郷に隕石が落ちてきたなんて歴史あったっけ?」
リ「いや、幻想郷縁起にもそのような事は書かれていないし、ユカ姉からもそんな話は聞いていないぞ」
永「貴方達の世界ではこの出来事は無いってこと?」
リ「そうなるな・・・」
なんとこの出来事は未来の世界では起きていないというのだ。
これはリュウト達が未来からやってきてしまったことで起きた危雪異変や暗黒異変などと同じケースだ。
また歴史が改変されたのだろう。
だが、今回は被害が全く出なかっただけ良いと考えるべきか。
今までが酷すぎたのだ。
リ「ま、これ以上何も起きないと願うだけさ」
次の日、誰だか分からないが異変終わりに宴会をやろうと言い出し、何も知らされずに神社で宴会を起こされた霊夢が怒り狂い、隕石を止めるよりも危機的状況に陥るのだった。
もう話が空想科学小説みたいになってきちゃってますね。
でも魔法とか全然わかんないし東方=魔法関連だから他の作品となるべくかぶらないようにしたいんですよ。
、、、東方=魔法はおかしいか。
この小説には科学っぽいのが大量に出てくるのでファンタジー好きよりもSF好きの人の方が楽しめるかもですね。