東方混迷郷   作:熊殺し

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この小説をかきはじめた頃からずっとやりたいと思っていた話です。
やっと書けるぞ!!
ではどうぞ。


外界編53話

~紅魔館~

 

 

リ「咲夜、ちょっといいか?」

 

咲「はい?」

 

 

永夜異変から数日が経過し、幻想郷の住人たちは元の生活を取り戻していた。

咲夜がいつも通り屋敷の無駄に広い部屋の数々を清掃をしていると、後ろから自分を呼ぶ声が聞こえ、振り返るとそこにはリュウトが立っていた。

何か用事があるのだろうか?

いつもなら昼食の食材を買ってくるからメモをくれだとか、そういう事が多い。

今回もそれを聞きに来たのかと考えたが、リュウトが聞きたかったのはそんなことではなかった。

 

 

リ「咲夜・・・外の世界に旅行に行かないか??」

 

咲「・・・えぇ!?」

 

 

いきなり旅行にさそわちゃった。

 

 

________________

 

 

~PM7:30~

 

 

夜の7時半、紅魔館ではいつもこの時間になると夕食の為、食堂に全員集まる。

今日の夕食はハンバーグと豪勢なのだが。

ただ・・・何故か一人だけすごく機嫌が悪い人間がいる。

 

 

リ「なぁ・・・なんでそんなに怒っているんだ?」

 

咲「怒ってません!!」

 

リ「・・・どうしたってんだよ・・・」

 

 

 

何故咲夜の機嫌が悪くなったのか、それは数時間前に遡る。

 

リュウトが異変で迷惑をかけたことを気にかけ、咲夜を旅行に連れて行こうと誘い、咲夜はそれに同意したのだが、リュウトの説明不足だったのだろう。

他の者も誘っていると言わなかったため、咲夜が二人きりで行くと勘違いしてしまい、現在絶賛お怒りタイムというわけである。

 

 

レミ「あ~あ、リュウトは一体どっちに似たのかしらね。

咲夜をあんなに怒らせるなんて」

 

パ「まぁ、十中八九零夜さんでしょうね」

 

フ「咲夜怒るとすっごく恐いのに・・・リュウトやっちゃったね」

 

 

三人が呆れた表情でそのやり取りを眺めている。

紅魔館の中で一番怒らせてはいけないのは咲夜かもしれない。

そんな咲夜に困り果てたリュウトを見かねて美鈴が咲夜を宥めるため、咲夜を引っ張り部屋の隅に連れていく。

 

 

咲「何よ美鈴・・・私は今すっごく機嫌が悪いんだけど」

 

美「咲夜さん、旅行はみんなで行くかもしれませんけど、旅行先で二人きりになるチャンスがあるかもしれませよ?

皆さん咲夜さんの気持ちに気付いてますし、そんなに怒らなくてもやり様はいくらでもありますよ」

 

咲「!!」

 

 

耳元でそう教えると、咲夜の顔は一気に明るくなった。

 

 

咲「!そうよね!ありがとう!」

 

 

さっきまでの怒りはどこへやら。

咲夜は上機嫌でリュウトの隣の席に座り、ニコニコと彼に微笑んだ。

 

 

咲「リュウトさん!旅行、楽しみにしてますね♪」

 

リ「ん?あ、あぁ。

期待していてくれ」

 

咲「はい♪」

 

 

何とか美鈴のおかげで助かったリュウトだが、いきなり咲夜の機嫌がよくなったことには少し不気味さを感じた。

 

 

_________________

 

 

リ「・・・ユカ姉、見てるんだろ?出てきてくれないか?」

 

 

夕食が終わってすべての仕事が終わった夜、リュウトは部屋に戻ると誰かからの目線を感じた。

名前を指定して呼ぶと、空間を引き裂いて視線の主が現れた。

 

 

紫「流石ね、そういうところは霊夢譲りなのかしら?」

 

リ「さぁ・・・おれはおばあちゃんの事をそんなによく知らないから」

 

紫「それもそうか・・・」

 

リ「それより例の件、どうだった?」

 

紫「えぇ、一応聞いてきたわよ」

 

 

紫が聞いてきたというのは、外の世界に旅行へ行くメンバーだ。

仕事で忙しいリュウトに代わって白玉楼や永遠亭を廻り、わざわざ聞いてきてくれるのだから彼女も中々のお人よしだ。

ちなみにこの旅行は外界での身分証明書や、外界へ送るスキマなどに紫の力を使っており、彼女への負担が大きい。

その為の金は一応払っているからいいのだが、これも割に合わないほど安い。

リュウトは今まで紅魔館で働いてきた分の金を貯金してはいるが、決して大きい額ではない。

そこを気を使って紫は安くしてあげているのだろう。

 

 

紫「幽々子と永琳、輝夜、てゐは行かないそうよ。

幽々子は妖夢師匠と楽しんで来い、永琳達も同じようなことを言っていたわ。

まぁ、お土産だけくれればそれでいいみたい」

 

リ「そうか・・・ごめん。

ユカ姉ばかりに負担を押し付けて・・・」

 

 

リュウトは申し訳なさそうに謝るが、紫はクスクスと笑いながら扇子で口元を隠してそれを否定した。

 

 

紫「そんなこと気にしなくてもいいわ。

これでも結構楽しんでるし、頼ってくれるのが嬉しいのよ」

 

 

扇子で表情を隠しているが、紫の声は少し、喜んでいるように聞こえた。

 

 

それから二日経ち、二泊三日の外界旅行の日は訪れた。




咲夜って解りやすい性格してますね、可愛いです。
リュウトは咲夜の気持ちに気付いてないダメ男ですね、旅行に行ったら頑張ってほしいものです。
そういえばこの小説ってR15指定入ってたような、、、ニヤリ(確信犯)
次回もお楽しみに!

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