果たしてリュウトは鬼の四天王の一人にどう挑むんでしょうね?
カツ・・・カツ・・・カツ・・・カツ・・・
ガチャ、、ギィィ・・・
咲「リュウトさん?・・・いない・・・」
リュウトの様子が見当たらない咲夜は、なんとなく倉庫へ向かって歩いていった。
倉庫の前まで来ても物音一つしない。
扉を開けてみると、中には誰もおらず、明かりも全て消えていた。
カギは開いているのに何故かリュウトの姿だけが消えていたのだ。
咲「リュウトさん・・・何処へ行っちゃったんだろう・・・」
咲夜はリュウトを探しながらいつもの仕事へ戻っていった。
一方その頃、リュウトは・・・。
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ガキィン!!
萃「へぇ!!なかなかやるじゃないのさ!」
リ「余裕こいてる暇がお前にあるのか!!」
リュウトはパチュリーによって改修されたグラディウスを振りかざして萃香を襲うが、萃香の体に巻きつかれている鎖をヌンチャクのようにして防がれる。
ギチギチと鎖が軋む音が聞こえてくる。
萃香も不味いと思ったのか、鎖が切れる前に自慢の腕力でリュウトを撥ね退ける。
萃「余裕?私はこの戦いを待ち望んでいたんだ、手加減なんてするもんかい」
その証拠を見せてやる。
そういうと萃香は、自分の真下の地面に向かって拳を突く。
バンッ!!!
土煙が水面に映る波紋のように広がっていく。
一瞬の間、静かな空気が流れるが、リュウトは後方に何かを感じ取った。
リ「これはっ!!」
後ろを振り向くと、そこにはさっきまでなかった超巨大な岩の山々が連なっていた。
そしてそれはどんどん連なっていき、最終的に自分たちを囲むように巨大なリングが出来た。
リ「隆起させたとでも言うのか!?なんて正確な妖力の操作・・・」
リュウトだってやろうと思えば出来なくもない、しかしこんな綺麗に円を描くように隆起させるなど、ちょっとやそっとの修行で身につくものではない。
リュウトはこの時点で、自分と萃香の圧倒的な経験の差を悟った。
だからこそ、負けるわけにはいかない。
萃「さぁ!これからが本番さね!」
萃香が腰を下ろして低い姿勢で突きの構えをする。
間違いない、これは正拳突きの構えだ。
しかし、リュウトと萃香の距離はかなり離れている。
いくら萃香が脚力で踏ん張っても、リュウトのスピードの前では無意味も同然だ。
何故こんな離れた距離から?
だが、萃香にそんな常識的な考えは通じない。
萃「フッッ!」
バッ!!
萃香は踏み込むわけでも、距離を詰めるわけでもなく、ただ正拳突きを繰り出した。
これが何を意味するのか?
それは直ぐにわかった。
リ「!!不味いッッ!」
リュウトは咄嗟に腕をクロスして防御の構えをとる。
その直後、とてつもない爆風が襲い掛かった。
ドッギャァァァァァァァァァァン!!!
衝撃波とでも言えばいいのか。
萃香の放った拳は空気を振動させ、強力な空気砲となってリュウトを襲いかかったのだ。
リュウトは踏ん張りをきかせてなんとか耐えるが、その衝撃波すさまじく、リュウトの300mほど後ろにある岩盤にまでぽっかりと巨大な穴を開けてしまうほどだった。
萃「おや?あれを耐えたのかい?頑丈だね~」
リ「それで本気か?」
少し挑発をきかせる。
萃「そうおもうかい?」
リ「・・・さぁな!!」
ドドドドドドドドドドドド!!
両手を前に出し、リュウトはお返しと言わんばかりに指から弾幕を撃ちまくるが、萃香はバックステップや宙返りで難なく避けていく。
だが、そんなものは牽制でしかない。
本命の一発はこれからだ。
リ「そこだぁ!ライトニングスパークッ!」
萃香の回避パターンを完全に見切ったリュウトは、萃香が着地するであろう地点にグラディウスを突き付けてロックオンし、魔理沙のマスタースパークに似たレーザーを放つ。
しかしその威力はマスタースパークの何十倍というものだった。
萃「やっぱり本命はそれかい!」
リ「何!?」
だが、萃香は手から鎖をアンカーのように飛ばして岩盤に突き刺し、錨のように引き寄せようとする事で緊急回避を行う。
最初から作戦だと気づいていたのだ。
リ「こんな単純な作戦は通用しないか・・・なら!」
戦術的な作戦を企てても効果がないと考えたリュウトは、自身のスピードを駆使した攻撃に切り替える。
ビュン! ビュンビュン! ビュビュビュビュビュン!!
ランダムな動きで飛行しつつ魔法陣でレーザーを撃つ。
滑らかな旋回を繰り返している為スピードが遅いが、それでもかなりの速度が出ており、目で追うのは難しい。
萃「射撃戦かい?私の苦手な分類だねぇ」
萃香は思い切り鎖を引き抜き、飛来してくるレーザーを手で弾き飛ばしていく。
だが、何故か一本のレーザーが腕に巻き付いてきた。
そのレーザーはリュウトの手から伸びており、縄のようになっていた。
リ「かかった!」
萃「何!?うわっ!」
そのまま萃香は引っ張られ、地面へと叩きつけられた。
バゴンという音とともに地面がひび割れ、萃香は地中へ埋もれていく。
しかしそれで終わりではない。
リ「うおぉぉお!!」
萃「きゃあああああ!」
右、左、右、左と萃香を地面へ叩きつけまくる。
このままではいずれ動けなくなってしまうと脱出を試みるが、からだに力が入らない。
縄から妖力を吸われているのだ。
萃香は心乏しいが奥の手を使う。
萃「クッ!拡散!!」
ブワァ・・・
リ「何だと!?消えた・・・?」
遠心力で負荷がかかっていた筈の縄はいきなり軽くなり、縄の先端を見ると萃香の姿が消えていた。
周りを見渡しても姿はどこにも見当たらない。
リ「どこにいるんだ・・・、」
辺りを警戒していつでも対応できる構えをとるが、やはり何処にも見当たらない。
だが萃香の攻撃は既に始まっていた。
ドゴォ!
リ「うぐぅおッ!」
突然どこからともなく背中に強い衝撃を受ける。
だが後ろを振り返っても誰もいない。
次は鳩尾にそれを受ける。
痛みに堪えながらも目をひからせるが、やはり何も見えなかった。
・・・何やら声が聞こえる、反響しているような声だが、これは萃香の声だ。
萃「どうだい?これが私の能力、{密と萃を操る程度の能力}さ」
霧のような靄が集まり、萃香の形を形成していく。
なんて厄介な能力なのだろうか。
リ「参ったな・・・攻略法が思いつかん・・・」
こんなもの空気と戦えと言っているようなものだはないか。
最後の奥の手もあるにはあるが、それを使うわけにはいかない。
萃香どころかこの空間全てを消し飛ばしてしまうかもしれないからだ。
リュウトは絶体絶命の危機に陥った・・・そう思い込んでいた。
だが、一つ腑に落ちない事がある、何故萃香が元の姿に戻ったのか?だ。
もしかしたら・・・、萃香は密度0状態を長時間維持出来ないのではないのか?
だとしたら元に戻ってからしばらくの間は霧になれない筈。
なら、今から短時間で決着をつければ良い。
リュウトは体を纏うエネルギーを最大出力に上げ、全ての攻撃に身構える。
しかし、萃香の初撃はおとりとして受ける。
萃「流石に驚いたか?まぁいいさ」
萃香は右手に妖力を集中させ、魔法陣の壁を蹴ってリュウトに急接近する。
グシャア!!
リ「ッ!!」
萃「砕いた!!」
萃香の拳はガードしたリュウトの左腕の骨を容易に粉砕した。
瞬間的に強烈な痛みが腕に走り、リュウトの体は新幹線にでも轢かれたかのように吹き飛ばされる。
そしてその体は轟音をたてて岩山へと埋もれていった。
萃「仕上げだよ」
リュウトが埋もれている岩穴に向けて妖力弾を何発も着弾させる。
土煙が大量に舞い、もはや岩の山は崩れ、原形を無くしていた。
だが、そこには人の姿も見当たらない。
リュウトならボロボロの姿が残っていても可笑しくないのに。
何故か?答えは簡単、避けられたのだ。
萃「・・・何で?」
萃香の後ろには、ついさっきまで岩に埋もれていた筈のリュウトが立っていた。
全く見えなかった、全く気付かなかった・・・、。
力が感じられないから。
萃「さっきから気になっていたけど・・・何で変身してから全く存在を感じられないの?」
それは一つの答えを導き出した。
リュウトは人間と他種族のハーフと言っていた、そのもう一つの種族が解ったかもしれない。
萃「あんた・・・まさかっ!」
リ「それは・・・お前が知らなくていいことだ」
萃「!ッこのぉッッ!」
リュウトに軽くあしらわれた萃香は、怒り交じりに振り向き、右ストレートを顔面に叩き込もうとするが、
リ「無駄だ」
ビキィン!
萃「か・・・あ・・・」
萃香の拳が届くよりも早く、リュウトの人差し指が萃香の額に触る。
その瞬間、萃香の頭の中が真っ白になり、まるで魂が抜けたかのように動かなくなった。
そしてリュウトがそのまま額を押すと、仰向けに萃香は倒れた。
リ「治癒能力・・・強化」
リュウトの左腕が淡い光を放ちだし、それが消える頃には砕かれた骨の痣が綺麗に消えていた。
リュウトはいつも首から下げているペンダントを手のひらに乗せ、上を見上げる。
リ「・・・咲夜たぶん怒ってるだろうなぁ・・・どうしたものか」
これをきっかけに、宴会の回数は劇的に減り、妖力もさっぱり感じられなくなったそうだ。
この後紫に元いた倉庫へ返されたリュウトは、ボロボロの庭とレミリアを見て驚きの余り口が半開きになり、霊夢の尻拭いをしにやってきた零夜と庭を元通りにするのだった。
霊夢と萃香が弾幕ごっこで異変の決着をつけるのはその次の日の事だった。
最後あまりにも適当すぎる、、、萃香普通に倒しちゃったよ、チートじゃねえか。
最初からリュウトが本気出してたら萃香が20秒ぐらいで殺られると思う、、、何故そんなキャラを作ってしまったのか、、、紫でも倒せないんじゃないのこれ?
萃香の鎖なんですが、飛ばしているモーションは、フルメタルパニックセカンドライドの(アーバレスト)を参考にしてます。
描写が思いつかない方は一度それを観てみるとイメージがつきやすいかもしれないです。
次回は永夜抄に向けてまた日常に戻ります。
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