話が全く進まないのでこれからスピードアップさせたいと思います。
咲夜は人里に着くと、今日買うものをメモした紙を取り出して早速店を廻りだした。
咲「今夜はビーフシチューにしようと思うので、まずはお肉を買いにいきましょうか」
リ「了解した。
・・・なぁ咲夜」
咲「はい?何でしょう」
リ「・・・いつまで手を握っているつもりなんだ・・・?」
リュウトと咲夜は紅魔館を出てからずっと手を握っている。
そもそも握ってきたのは咲夜なのだが、いつまで経っても離す気は無さそうだ。
別に手ぐらい握っていてもと思うが、リュウトは兎に角咲夜と手を握りながら歩くのが嫌だった。
嫌いだからではない、ただでさえ見た目が幼くなっているというのに更に幼く見えてしまうからだ、これでは仲良く買い物に来た姉弟である。
なので放すよう説得してみることにした。
リ「俺は大人だぞ?
それに人里くらい何回も来てるんだから迷子になんかならん」
咲「でも今は子供ですよ?
お姉さんの言うことはちゃんと聞かなきゃダメなんです♪」
リ「バカにしてるだろ!!!(怒)」
かつて無いほどニコニコしながら言ってくる咲夜に少しムカついたが、多分もう何を言っても無駄なのでリュウトは無理矢理引き離す事にした。
リ「もう頼まん!無理矢理放させてやる!」
咲「あっ!わ!ちょっと!リュウトさん!」
リュウトは握っている右手をブンブン振り回す。
咲夜はリュウトに振り回されてしまい、手を離してしまった。
リ「はぁ・・・やっと離れたか。
もう繋がないからな!」
咲「やれやれ反抗期ですか、お姉さんは悲しいです」
リ「バカにしやがってぇ~(怒)
もうさっさと買い物済ませて帰る!」
咲「もうっ、そんなに怒らなくてもいいじゃないですか」
リュウトがさっさと前を歩いていくので咲夜はそれを追いかけるように後ろを歩く。
すると早くも精肉店が見えてきたので二人は立ち止まる。
その精肉店は顔見知りの店主がいるところで、無精髭を生やした白髪の親父がいる店だった。
店の中にいる親父に咲夜は挨拶をした。
咲「叔父さん、こんにちわ」
親父「おお!咲夜ちゃんじゃねえか!
ん?そこのちっちゃい坊主は弟か何かか?」
リ「まぁわかってたさ、こんなナリだから仕方が無いな・・・」
親父は見かけない子供を連れている事に気づき、ここで咲夜がネタバラシをした。
咲「あの・・・その子リュウトさんなんです・・・」
親父「んぁ?リュウトぉ?
あのアンちゃんがこんなちっせぇ訳ねぇじゃねぇかよ?」
リ「それが本当なんだなこれが」
親父「大人からかっちゃいかんぞ坊主・・・ありゃ?
でも確かに顔に面影があるなぁ」
リ「わかったらもうこの話題に触れないでくれ、これでも落ち込んでいるんだ」
げんなりしているリュウトを見て親父は腹を抱えながら大爆笑した。
親父「ハッハッハ!こりゃ参ったな!
まさか本物とは!
いやはや恐れ入った!
ぶっ!イッヒッヒッヒ!!」
リ「そんなに笑う事ないだろ、結構大変なんだぞこの格好は。
着る服も無いんだからな」
親父「悪い悪い、でも。
ブフッハッハッハッハ!!笑えちまうんだよ!!
可笑しくって可笑しくって!」
リ「顔見知りに会うたびにこんな反応をされるとなると何だか嫌になってしまうな」
咲「中には普通に接してくれる人もいるかも知れないですよ?」
リ「・・・極少数じゃないのか?」
気づかないうちに親父の笑い声が小さくなってきた。
そろそろ落ち着いてきたようだ。
なので手早く牛肉を購入しようとしたのだが・・・。
親父「あー、良いもの見せてもらったぜ。
お礼に安くしとくよ!
何でも好きなもん買ってきな!
半額にしてやる!」
なんと半額にしてくれたのだ、これは嬉しい申し出だ。
しかしその代わりにリュウトは醜態を晒すこととなってしまった。
なので咲夜はおお喜びだったが、リュウトはあまり嬉しそうではなかった。
咲「まぁ!嬉しいですわ!
リュウトさん良かったですね!」
リ「その代わり俺の魂に傷がついたけどな」
親父「まぁそういうなよ。
今度は元に戻った状態で来てくれよな」
リ「はいはいわかってるよ、元に戻れるかはわかんねぇけどな。
牛肉を三キロくれ」
親父「あいよ!全部で三千くらいかな」
リュウトは牛肉を三キロ購入し、それを受け取る。
その様子を見ていた咲夜が持つのを手伝おうとしたのだが、軽くリュウトは断った。
咲「私が持ちましょうか?」
リ「力は前より少なくなってはいるがそれでも三キロくらい余裕さ」
咲「そうですか、でも辛くなったらいつでも言ってくださいね?意地を張る必要なんて無いんですから」
リ「わかってるよ」
仲の良い姉弟のように会話をしながら二人は店を去っていった。
親父はその様子を後ろから見ていた。
親父「結局仲良いんだなあの二人は、全くお似合いだぜ」
奥さん「貴方~、お客さんよ~」
親父「らっしゃい!何を買っていくんだ?」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
リ「次はじゃがいもとニンジンか?」
咲「あとブロッコリーも買っていきます」
リ「よし、じゃあさっさと買っちまおうぜ」
咲夜が再びメモを取り出して、八百屋に着いてから買う野菜をチェックする。
リュウトはそれを確認すると八百屋に足を向けた。
人里事態が目茶苦茶広い訳では無いため八百屋までの道のりはそんなに遠くはない。
リ「ニンジンとじゃがいもとブロッコリー・・・お!あったぞ咲夜」
咲「とりあえず6つずつ買っていけば足りると思います」
リ「6つずつだな?わかった。
親父ぃ、これとこれとこれ、6つずつくれ」
店主「あいよおチビさん!」
リ「うるさい!チビじゃない!」
咲「あらあら、フフっ♪」
妖「あれ?咲夜さんじゃないですか、お買い物ですか?」
咲夜が名前を呼ばれた方向を向くと、そこにいたのは妖夢だった。
妖夢も買い物らしく、背中には大量の野菜や魚、肉が入っていた。
もしかしなくてもあれを持ち帰るつもりなのだろうが、見た感じ80キロは有りそうである。
あれを二人で食べきるのは些か無理があるのではないかと思ったのだが、本人はこれで三日分だと言う。
すると妖夢はリュウトの存在に気がついたようで、咲夜に質問をした。
妖「あのー・・・そちらのお子さんはもしかして・・・」
咲「あぁ、この方は」
妖「咲夜さんの息子さんですか?」
咲「・・・、は?」
咲夜は状況が理解出来なかったが、妖夢は話を進めていく。
妖「いや~咲夜さんがまさか1児の母だったとは!尊敬してしまいますね~」
咲「え!あのっちょっと??」
妖「料理は上手で掃除も得意、おまけにとびきり美人だなんて、お子さんにとっては自慢のお母さんなんでしょうね!」
咲「いや、だから・・・」
妖「あれ?でもお父さんは誰になるんだろう?あ!リュウトさんがお父さんなのか!とっても素敵ですね!憧れます♪」
咲「話を聞いて下さーーい!!!」
リ「・・・俺、空気だな・・・」
~咲夜説明中~
妖「すいませんっ!すいませんっ!私が早とちりしてしまったばっかりに!」
咲「良いんですよ別に、誰だってそう思うだろうし・・・」
咲夜が事の経緯を全て妖夢に話して誤解を解くと、妖夢は物凄い勢いで謝った。
リュウトが何故あの時口を挟まなかったかと言うと、既にこうなる展開が読めていて、殆ど諦めていたからである。
しかし妖夢の他にもう一人、しかもこの状態で絶対会いたくなかった人物が此処に現れてしまった。
文「あやや、珍しいですね!お二人でお買い物ですか?」
咲「あら、珍しいわね人里に居るなんて」
リ「何?うわ!よりにもよってこいつが来るとは・・・」
三人の前に姿を現したのは、人里を一人で歩いていた文だった。
文は手にカメラを持っていて、ネタ探しの為に来ているのは明白だった。
その為リュウトはバレないように身を隠そうと、店の中へ入ろうとしたのだが・・・
咲「リュウトさん?何処へ行くんですか?」
咲夜に呼び止められてしまった、しかも名前まで呼ばれて。
ここまで咲夜が空気を読めないとは思っていなかったリュウトだったが、その前に咲夜に察してほしかったと心の底から思った。
そして仕方がないので文にも事の経緯を説明した。
~またまたメイド説明中~
文「アハハハハ!!!やってしまいましたねリュウトさん!」
リ「クソッ他人事だと思って笑いやがって・・・」
妖「でもここまで小さいと何だか母性本能が擽られますね」
咲「そうなんですよね、まるで子供が出来たみたいなんです」
文「愛されてますね~、マスコット状態じゃないですか」
パシャパシャッ!
リ「写真を撮るな写真を」
妖夢に頭を撫でられてムスッとしている様子を文に写真に納められ、一刻も早く元の姿に戻りたいと願うリュウトなのであった。
リ「というか咲夜、買い物は良いのか?」
咲「あ、忘れてました」
リ「・・・ハァ・・・」
知名度が低いせいか中々感想等のコメントが来ないんですよね、自分としては読者の感想は貴重なのでもっとほしいところです。
てなわけで感想&評価待ってます!!