あれから一週間が経ち、咲夜の怪我も順調に回復、今では普通に動く事が出来る程だ。
幻想卿にもすっかり春が戻り、一気に桜も満開になった、ということはやることは一つだ。
霊「異変解決に乾杯!!!」
皆「かんぱ~い!!」
春の訪れと異変解決の祝いの宴会が開かれた、場所は勿論、博麗神社だ。
ちなみに時刻は午後1時程、やはり桜は昼間の明るい時に見なければ意味がないとの事でこの時間らしい、紅魔館の住人は勿論のこと、今回は白玉楼の二人も新たに参加して会場は大盛り上がりだ。
霊夢が神社の縁側で酒を飲んでいると、慧音が
やって来て隣に座る。
慧「霊夢、異変解決ご苦労だったな」
霊「まぁ私にかかれば、こんな異変の一つや二つくらい、簡単に解決出来るけどね」
慧「寝てたやつが言う台詞ではないな」
霊「ギクっ・・・」
霊夢は何も言い返せないので冷や汗をかきつづけている。
暫くすると魔理沙が、何処からか縁側の霊夢の隣に座ってきた。
魔「まぁいいじゃないか、異変は無事に解決したんだしな」
慧「ま、まぁそれは良いんだが・・・」
魔「それに!折角の宴会なんだから説教は次の機会でいいだろ?」
霊「魔理沙・・・」
慧「それもそうだな、異変を解決したのに説教というのもおかしな話だ」
魔「よし!じゃあ今日はパーっといこうぜ!
おーい!妖夢ー!お前の持ってきた肉焼けたかー?」
妖「もう焼けてますよ~、妹紅さんの焼き鳥も焼けたそうですからどうぞ~」
魔理沙の目線の先には、屋台の中で妹紅と肉を焼いている妖夢の姿があった。
話によると、異変の迷惑料として持ってきた肉を皆に振る舞う為に、妹紅の屋台の厨房を借りて自ら焼いているらしい、特に異変を解決したメンバーには絶対食べてほしいそうなので、霊夢と魔理沙は小走りで妖夢の元に向かっていった。
ジュゥゥー...
屋台の厨房では妖夢と妹紅が一緒に肉を焼いており、妹紅は妖夢の事を絶賛していた。
妹「お前、肉焼くの上手いな!私の目から見てもかなり凄いと思うよ!」
妖「そ、そうですか?まぁ料理の腕には多少の自信はありますけど・・・」
妖夢の焼いた牛肉ステーキは脂を逃がさずしっとりとした艶が美しく、食欲をそそる香ばしい香りがする。
肉のうまみを最大限に生かしている料理人の鑑であるような絶妙な焼き加減だ。
妹「いや、私も店では牛肉とか豚肉焼いたりしてるけど、見ただけであんたが手慣れているのがわかる」
妖「う~ん・・・あまりそういう事を意識したことが無かったので凄いのかどうか良くわかりません」
妹「少なくともあんたのご主人様はあんたの事を立派だと思ってるだろうよ」
妖「えへへ、何だか照れちゃいますね」
妖夢が照れながらニヤニヤしていると、肉の香ばしい匂いに釣られて色々な人物が集まってきた。
そのうちの一人、西行寺幽々子はよだれを垂らしながら指をくわえて肉をジーっと見ていた。
幽「妖夢~・・・お腹空いちゃったわ~、お肉食べたい~」
妖「ダメですよ幽々子様!これは皆さんに迷惑料としてお出しするものなんですから!これを食べちゃったら持ってきた意味が無いじゃないですか!」
幽「良いじゃない!まだいっぱいあるんだから!」
妖「ダ!メ!で!す!いくら幽々子様の頼みでも聞けません!我慢してください!」
幽「わぁーん!妖夢の意地悪ー!横暴よー!最低よー!そんなのだからいつまでたってもおっぱいが大きくならないんだわー!」
妖「・・・幽々子様、黙りましょうか、それと、今晩は無しです(怒)」
幽「ヒィ!ご!ゴメンナサイ・・・」
妹「・・・一体どっちが主人なんだか・・・」
妹紅は思った、妖夢は本当はメチャクチャ強いんじゃないか・・・と。
妖夢は涙目になっている主人を他所に、ステーキを小分けにして皿に乗せ、どんどん配っていく。
ステーキは人気が高くてあっという間に全て無くなってしまった、妹紅の焼き鳥もファンが多いため、直ぐに無くなってしまった。
ちなみに幽々子は妹紅の焼き鳥を食べたらいつも通りの状態に戻った。
妹「屋台はもう必要ないから片付けるよ」
妖「あ!手伝います!」
妹「お!済まないねぇ」
妖夢は屋台を畳むのを手伝う、すると声を掛けてくる人物がいた。
リ「二人ともご苦労だったな、俺も片付け手伝うよ」
咲「私も手伝わせて頂きますわ」
紅魔館に住んでいる十六夜咲夜と、神谷リュウトだ、正直嬉しい人手なので断る理由も無い。
妹「助かるよ、じゃあ炭を片付けてくれるか?他のゴミはこっちでどうにかするからさ」
リ「了解だ、咲夜?持てるか?」
咲「怪我も治りましたのでこれくらいは余裕ですよ」
二人は仲良く段ボールの中の炭を運んでいった、その様子を見ていた妖夢は何処か憧れを感じていた。
妖「良いなぁ・・・」
妹「良い雰囲気に見えるだろ?あれ、付き合って無いんだぜ?」
妖「え?付き合ってないんですか?あんなに仲良さげに見えるのに・・・」
妹「お似合いだと思うんだけどねぇ、妖夢も気になるやつがいるのかい?」
妖「あ、そういうわけでは無いんですが、何だかああいう関係が羨ましいというか・・・やはり守りたいと思う人がいれば強くなれるのですね、私が咲夜さんに負けた理由が解る気がします」
妹紅も何となくだがその気持ちがわかった。
里の人々や慧音を守りたいと思う気持ちと同じだろう、しかしそれは妖夢だって同じだ。
妹「それはお前にだって当てはまる事じゃないのか?お前には幽々子っつうご主人が居るんだからさ」
妖「それはそうなんですけど・・・やはり私の幽々子様に対する思いが弱いんでしょうか?」
幽「そんなこと無いわよ~?」
妖夢の言葉に反応して近くにいた幽々子が反応してきた。
いきなり介入してきた幽々子に妖夢はビックリしてしまう。
妖「幽々子様!!聞いてたのですか?」
幽「途中からね~。
私は妖夢が側に居てくれるだけで嬉しいわよ?独りぼっちじゃないって安心できるし、ご飯も美味しいし♪」
妖「幽々子様・・・」
幽々子は扇子で口許を隠しながら微笑む、妖夢も嬉しかったのか口許が緩んでいた。
妹「そうそう、それに強くなりたいんだったらリュウトも協力してくれるかもよ?あいつ意外と強いからな」
妖「え?あの人そんなにお強いんですか?」
妹「あぁ、一人で異変解決しちまう位だからな、不老不死の私でも勝てるかどうか怪しい」
妖「妹紅さん不老不死なんですか!?」
妹「あれ?言わなかったっけ?何なら証拠見せようか」
妹紅は懐から短刀を取り出して手首に突き立てる、しかし妖夢はそれを全力で阻止した。
妖「やめてください!それは流石にダメですって!」
妹「そう?まぁぶっちゃけ痛いしやめとくよ」
妖「はぁ・・・心臓に悪い・・・」
この日、妖夢はまだ見ぬ世界の片鱗を味わった。
ちなみにこの日の幽々子の夕食は無かった。
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~???~
籃「よろしかったんですか?宴会」
紫「ええ♪私は見ているだけにするわ」
幽々子を救ってくれてありがとう・・・リュウト。
春雪異変 完
まーた妖夢がメインで、しかも何故か妹紅との絡みです。
書いてて頭が可笑しくなったのか、他のキャラをあまり出してません、あとプリズムリバー出すの忘れた。
あ~あ、もう丸投げだーい