~咲夜の部屋~
リ「ほら、咲夜、口を開けろ」
咲「あのっ・・・そのっ・・・一人で食べられますから(恥)」
あれから一週間という日にちが経っていた。
重傷を負った咲夜は奇跡的に命に別状はなく、気を失っていただけだった。
今では怪我の治療の為にベッド生活だ。
咲夜が異変解決に行っていた時、リュウトは紅魔館に居なかったようで、咲夜が緊急搬送されたときはその場に居合わせなかった。
姿が見えなかったのはそのためだ。
そしてどこへ行っていたかなどの明確な情報は何も教えなかったので、リュウトにはその代わりに咲夜の介抱を頼んでいた、しかし・・・、
リ「そんな身体で無理をしてはダメだ、怪我の治りが遅くなるぞ?」
咲「うぅ・・・恥ずかしいですよ・・・」
誰かに介抱されるなんて経験が余り無い咲夜は何処か落ち着かない様子で、リュウトが雑炊を食べさせようとしても食べようとしなかった。
しかし、頬を少し赤らめている所を見ると、どうやら咲夜は介抱してもらって満更でもないようだ。
リ「何が恥ずかしいんだ?ただの食事だろ?・・・やはりこういうのは同じ女性の方が良いのか?」
咲「そんなこと無いです!
私はその・・・リュウトさんに介抱してもらえて嬉しいので・・・」
咲夜はリュウトが誰かを呼んでこようとするのを必死に止める。
そして深呼吸をして心の準備を整え、ゆっくりと口をあけた。
リ「??まぁいいか、ほら、口を開けろ」
咲「はい、あ、アーン・・・」
パクリ
リュウトの出す雑炊を口に入れると、出汁の効いた甘酸っぱい風味と溶き卵の絶妙なハーモニーが奏でられ、口一杯に旨味が
広がっていった。
咲夜は頬に手を当て幸せそうな表情を浮かべた。
咲「あぁ~・・・幸せですぅ~(*´ω`*)」
リ「そ、そうか?そんなに美味しいのかこれ?」
咲「はい!これはリュウトさんが調理されたのですか?」
リ「あ、あぁ、そうだが?」
咲「とっても美味しいです!もっと食べたいです!」
リ「わ、わかった、はい、アーン」
咲「ア~ン・・・はむっ、ン~♪」
幸せそうな顔をして食べる咲夜を見て、リュウトも頬が少し緩む。
リ「本当に幸せそうな顔をして食べるな、作った甲斐があったよ」
咲「フフッ♪リュウトさんだからかも知れませんね」
咲夜は雑炊を一口、また一口と食べていった。
この時間がずっと続けば良いのにと、今の咲夜は本気で思った。
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幸せな時間は短く感じる、正にその通りだ。
ご飯の時間は既に終わってしまい、咲夜は少し残念そうな顔をしていた。
時刻は午後の2時辺りを指していた、リュウトは仕事があるため部屋を出ていってしまった。
そして部屋には咲夜一人だけになり、静かな時が流れていった。
咲「はぁ・・・、やはり一人だけ部屋にいてもやることがなくて暇ですね・・・」
そんな時、ドアの外からノック音が聞こえてきた。
コンッコンッ
ガチャっ
レミ「咲夜?調子はどうかしら?」
咲「お!お嬢様!?」
部屋に入ってきたのはレミリアだった。
レミリアは咲夜のベッドの近くの椅子に腰を下ろした。
咲「お嬢様?なぜ此処に?」
レミ「あら?私の家なのに自由にしてはいけないのかしら?」
咲「も、申し訳ありません・・・」
レミ「ハァ・・・貴女のことが気になったのよ、どうせやることがなくて暇してたんでしょ?
私もやることなくて暇だったし 、世間話でもしようかと思ってね」
咲「・・・お嬢様には敵いませんね、私が暇で暇で仕方ないこともお見通しなんですから」
レミ「当たり前じゃない、私の従者なんだから。
じゃあ暇だし、異変の時の話でも聞かせてくれないかしら?」
咲「喜んでお話致しますわ」
咲夜は異変解決に行ったときの出来事をレミリアに全て話した、冥界へ行ったこと、妖夢と戦ったこと。
そして・・・自分が死にかけたことを。
咲「でも私が殺されそうになったとき私を庇って助けてくれた人がいたんです。
名前どころか会ったことすら無い人でしたが・・・その・・・不思議と知っているような感じがしました」
レミ「そうなの、じゃあ今度その人を呼んでお礼をしなきゃね(能力で既に知ってるけど、ついでにそいつの正体も。
でも言ったらあいつ困るだろうから言わないでおこう)」
咲「あの・・・お嬢様?」
レミ「え?何かしら?」
レミリアはいきなり咲夜に名前を呼ばれとぼけた声を出してしまう。
どうやら気づかぬうちにボーッとしていたようだ。
すると咲夜が心配そうな目で此方を見ていた。
咲「いえ、虚空を見つめていたものですから・・・私の留守中に何かあったのですか?」
レミ「あらごめんなさい、何でも無いわ、で?その人は一体何処に?」
咲「あ、いえ、それが・・・冥界にある西行妖という桜の木の暴走を止めるために・・・私たちを逃がしてそれっきり・・・」
レミ「そう・・・会えるといいわね」
咲「はい、その時はちゃんとしたお礼をしたいです」
咲夜とレミリアが二人だけの時間を過ごしている同時刻、リュウトは紅魔館の全ての掃除を終わらせて、レミリアの部屋へと向かっていた。
~レミリアの部屋~
コンッコンッ
リ「レミリア~掃除終わったぞ~、ん?」
シィ~ン・・・
レミリアの返事が無い。
何処かへ出掛けたと判断したリュウトはとりあえず図書館のパチュリーの元へ行ってみた。
~大図書館~
ガチャン・・・
リ「パチュリー、レミリア此処にいるか?」
リュウトは図書館の廊下を真っ直ぐ歩きながらパチュリーの名前を呼んでみる、すると奥の方から返事が聞こえてきた。
パ「大きな声出さないでよ・・・」
パチュリーのうんざりした声だ、どうやら迷惑をかけたようなので一応謝っておく。
リ「悪い悪い、レミリア何処にいるか知らないか?」
パ「レミィなら此処には居ないわよ、それと、謝る気があるなら少し付き合って」
リ「ん?なんだ?」
少し付き合ってほしいと言われたリュウトは、パチュリーの机の前まで頭を掻きながら腰に手を当て歩いていった。
リ「一体何の用なんだ?今からレミリアに金を貰って買い出しに行かにゃならんのに」
パ「別に貴方自体に用があるわけじゃなくて貴方の持ってる剣に用があるの」
リ「剣?もしかしてこいつのことか?」
リュウトはポケットの中から柄だけの剣を出す。
リュウトの作った武器、グラディウスだ。
これをパチュリーは自分に預けてほしいとお願いしてきた。
パ「それ、私に預けてくれない?見た時から気になってたのよ、仕組みが解れば強化する事だって出来るわよ?」
リ「まぁそう言うことなら構わないぞ?ほれ」
リュウトはグラディウスをパチュリーに渡す。
するとパチュリーはそれをランプにかざしながらまじまじと見つめた。
パ「へぇ・・・以外と軽いのね・・・それに単純そうだわ・・・。
ありがとう、あとこれやっぱり強化しておくわね、このままだとエネルギー効率が悪いわ」
リ「そうか、じゃあ任せるよ」
パ「はいはい、あ、もしかしたらだけど、レミィは咲夜の部屋にいるかもね、行ってみたら?」
リ「わかった、行ってみるよ。
飯の時間にまた呼びに来るぜ」
パ「ありがとう」
用事も済んで、早速咲夜の部屋へ向かおうとすると、図書館の扉が開きだした。
ギイィ・・・。
レミ「あ~あ、良い暇潰しになったわ」
なんと探していたレミリアだった。
彼女も此方を見つけたようで、買い出しのお金を出した。
レミ「リュウト、そろそろ終わるだろうと思ってね、ちゃんと持ってきたわよ」
リ「サンキューレミリア、じゃあ行ってくるぜ」
そう言って買い出しに行こうとすると、レミリアがすれ違い様にリュウトの腕を叩いて小さな声でこう言った。
レミ「行ってらっしゃい、救世主さん♪バレないと良いわね~」
リ「ん?おい、どういう意味だ??」
レミ「さぁ?どういう意味でしょう~?」
リ「????」
このあとリュウトは頭の中にスッキリしないモヤモヤがあるまま一日を過ごすのだった。
ぐぬぬぬ...次どうしよう...我らがアイドル紫さんはどうすれば良いんだ、いっその事乱闘させるか...ヘッヘッヘ、ハァ...ネタバレになりそうだから辞めとこう、言っておきますが小説を書く気はあります、 ただ話の繋ぎが思い付かないだけです。
感想、評価も待ってます!!ダメ出し大歓迎!!ではさようなら