異変の犯人はあの人です。
ネタばれになるから言いませんけどね!!
あれから三日が経った。
雪の量は日に日に増していき、今では積雪6mを超えていた。
~紅魔館バルコニー~
リ「よし、行くか」
このままでは幻想郷が雪で完全に埋もれてしまう為、リュウトはこれを異変と判断。
霊夢はこの大雪で出られないのか一向に解決する気配が無いので、仕方なくリュウトが調査に出ることにした。
咲夜も行こうとしたのだが、彼女は人間の女性でそんな雪の中で耐えられる訳もないとのことで連れてきていない。
彼はバルコニーから助走をつけて空に上がり、吹雪の中へ突っ込んだ。
リ「太陽が出なければ光の充填が出来ないからな、全く不便な能力を持ったものだ」
独り言を呟きながら視界が悪い中、自身が開発した武器であるルス・グラディウスをエネルギーの幕で盾状態へと変形させて飛行中。
現在この異変で分かっているのは、雪は誰かが意図的に降らせているという事。
これは紫が持ってきた外の世界の新聞に書いてある{東北地方}という地域の積雪量を見た時に、最大積雪量の約2mという高さを遥かに超えていて、外の世界の異常気象が幻想郷に影響を与えているとしても明らかに度が過ぎていると考えたからだ。
それを踏まえてリュウトはこの大雪の中、数少ないヒントを手掛かりに犯人探しをしていた。
リ「ちっ、なんて雪の量だ。
シールドが無かったら碌に前も見えないぞこれは。
・・・ん?なんだあれは?」
そのまま暫く飛んでいると、目の前に一か所だけ吹雪が渦巻く謎のボール状の物体を見つけた。
かなり大きく、およそ500mほどだろうか?
確かめる為に覚悟を決め、勢いよくその中に突っ込んだ。
雪が視界を塞いでいるせいで廻りが全く見えない。
球体の表面部分、卵の殻のようなところにいるのだろうか。
突風と雹の嵐に吹き飛ばされそうになりながらも進んでいくと、段々と雪が弱くなっていき、視界が拓けるようになってきた。
リ「吹雪が止んだ・・・。
球体の中に到達出来たみたいだな」
どうやらリュウトは、雪の吹雪く球体の中に入ることが出来たようで、吹雪も完全になくなっていた。
と同時に目の前・・・と言ってもかなりの距離があるのだが、二つの人影が見えた。
リ「あれか?二人も居るのか」
二人は天に手をかざし、大量の雪を放出し続けている。
とてつもない量だ。
幻想郷全てを覆い尽くすと言われても何も疑わない程に強力な力が使われているのだろう。
リュウトの見つけた人物とは・・・。
チ「あら?最初に誰が来るかと思えば博麗の巫女じゃなくてリュウトじゃない?
異変解決に来たのかしら?」
レティ「チルノの知り合い?見たことない顔だけど」
妖精であるチルノとレティ・ホワイトロックだった。
しかしチルノの姿は前とは全く違い、幼い少女から大人びた女性へと変わっていた。
リ「お前らが犯人だな?レティ・ホワイトロックは初めましてだな。
それはそうとチルノ、前と姿が違うのはどういうことだ?」
チ「さぁ?私にもわからないわ。
で、も、今は凄く気分がいい・・・力がどんどん湧き出てくるわぁ♪
こんな気分初めてよ♪
だから私はこの力を使って幻想卿を真っ白に染めて私たちの世界を作るの」
狂気だった。
支配欲の塊と言ってもいいだろう。
チルノは外の世界の影響を受けすぎて精神を支配されてしまっていた。
リ「私たちの世界だと?どんな理由があろうと止めさせるつもりだったがまさかこんなふざけた理由だったとはな」
しかしこの言葉を否定するようにレティが入ってきた。
レティ「ふざけた理由じゃないわ、私はチルノの生きやすい世界を創るためにこの世界を永遠の冬にするのよ。
何で初対面の貴方が私の名前を知っているのか知らないけど、私達の世界に貴方は必要無いわ」
リ「生きやすい世界?」
チ「私は妖精という類いの種族で強い力を持っていた、でも妖怪に比べたらその力は大したものではなかった。
でも今は違う、今の私は妖精、妖怪という種を遥かに超越した存在になった。
この力を使って今まで妖精だからと見下してきた愚かな者達に鉄槌を下し、そいつらを一人残らず抹殺して私たちが世界の頂点に君臨するの」
チルノは種族の格差によって強いたげられてきたその怒りをこの異変にぶつけていた。しかしリュウトはそんなことは許さない。
リ「弾幕ごっこで勝敗を決めるのがルールみたいだが、それを聞いてそんな生温い事を言ってられなくなった。
俺の力でお前のエゴを止める!」
リュウトはチルノに急接近し、グラディウスを振りかざしたが、そこにチルノの影は無く、代わりに後ろから強い衝撃が襲いかかってきた。
リ「ぐぅあ!何!?」
リュウトがダメージを受けて後ろを振り向くと目の前にいたはずのチルノがいた。
チ「言ったでしょう?今の私はすべてを超越しているって」
その言葉の後横から白い弾幕が大量に襲ってきた。
それをバックステップで避け、飛んできた方向を見るとレティがいた。
レティ「私が居ること忘れてない?貴方は二対一というのと私たちに有利なフィールドで戦うっていう二つのハンデを負ってるのよ?貴方一人で勝てるわけがないわ」
リ「だからなんだって言うんだ?そっちが一人多いだけだしそれに寒さなんか別に気にならん、俺一人で充分だ」
レティ「そうやって減らず口を叩いているといいわ、どうせ貴方はここで死ぬんだから、やるわよチルノ」
チ「わかってるわ、ごめんねリュウト。
その代わりせめて私の手で殺してあげるね」
リ「ちぃっ!!」
チルノとレティは距離をとりリュウトに攻撃を仕掛ける。
リュウトには無数の白と青の弾幕が降り注いだが、リュウトはそれを最低限の動きで避けたり弾いたりして、さらに六つの魔法陣を展開して拡散弾幕をばらまく。
それを見てチルノは弾幕を変更してレーザーを撃ってきた。
レーザーがリュウトの弾幕に当たるとリュウトの弾幕が全て凍ってしまう。
リ「何でもアリかっ!!」
リュウトの攻撃が塞がれている隙にレティが拡散弾幕で牽制してきて押されぎみになったリュウトは攻撃を止めて吹雪の中に入り地上に向かっていく。
それを逃がさんとばかりにレティが小型弾幕を大量に撃ちながら追いかける。
リュウトは弾幕を避けながら土煙をあげるため地上スレスレを飛行し煙幕を作り、レティの視界を塞いだ状態でフィンガー弾を撃つ。
視界が悪いので弾幕が見えずレティは直撃してしまい、さらに煙の中からいきなり現れたリュウトに回し蹴りを喰らって地面に落ちていく。
レティ「あぐぅっっ!!!」
リ「止めだ!!!」
リュウトはグラディウスをレティに構え、ビームを発射し止めをさしてからチルノのいる上空へほぼ全力のスピードで向かう。
ドォン
リ「うぉぉぉぉぉ!!」
リュウトは冷気の煙の中から勢いよく出てきてそのままチルノに突撃し、顔面に思いっきり拳を振るったが、チルノはそれにギリギリ反応し、それを左手で受け止めた。
チ「うっ!ぐっ!流石リュウトね・・・あの時睨んだ通りの実力だわ!
今の私じゃ貴方と実力が同じ位、でも貴方はまだ力を隠している。
でもね、隠してるのは私だって同じよ!!」
チルノの左手が急に冷たくなりリュウトの拳が凍りついてしまった。
リ「ガァァ!!ッ右手が凍った!?」
チ「まだよ!食らいなさい!
スペル:パーフェクトフリーズ
チルノはとてつもない量の弾幕をばらまく。
リュウトは構えたが避けようとした弾幕が動きを止め、さらにチルノは弾幕を撃ちそれと同時に止めた弾幕を動かして逃げ道をふさぐ。
それをリュウトはグラディウスで弾き返し弾幕の檻から脱出し、スペルを唱えた。
スペル:動かない愉快な藁人形
無数の触手がチルノを襲うが全て凍って砕けてしまった。
弾幕での戦闘が始まりどちらも殆ど実力が変わらなかったがチルノは余裕の笑みを見せたのでリュウトはそれに苛立った。
リ「そんな余裕かましてられる状況じゃないだろ?
何を企んでやがる」
チ「わかってないのね、じゃあヒントあげる、何か忘れてないかしら?」
リ「何っ!しまった!」
いつの間にか自分の後ろにレティが待機していた。
リュウトは倒したはずのレティが復活していた事に気付くのが遅れてしまった。
不味いっやられる!
レティ「あんなのでやられるわけないでしょ?お返しよ」
チ「これでおしまい♪」
スペル:ダブルクリスタライズシルバー
チルノとレティは巨大な氷結弾幕の渦をリュウトに向けて撃つ。
リュウトは完全にレティの位置がわからなかった為に隙が出来て体に直撃し、どんどん身体中が凍っていった。
ガチガチガチッ
リ「うぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
リュウトは氷と雪の塊になりそのまま地上に墜ちていった。
To be continue
文字を詰めすぎているので後で直したいと思います。リュウトが負けてしまったのかは次の話でわかります。ちなみにこの異変のチルノはいつもの70倍位の力を持っているのでかなり強いです。
レティが若干酷い扱いになってしまっているのはリュウトの力をわからせるためです
ダブルクリスタライズシルバーは東方原曲のクリスタライズシルバーからとっています