東方混迷郷   作:熊殺し

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今回はオリジナル異変です!ちなみに前編中編後編でわけるつもりです。本編スタート


番外異変13話前編

十二月上旬、幻想郷は史上最高記録の大雪に見舞われていた。

 

 

 

~危雪異変 DANGERs Blizzard~

 

 

 

~博麗神社~

 

 

霊「凄いわねぇ、こんなに雪が吹雪くなんて生まれて初めてよ。

まぁ異常気象って所かしらね、こういう日はこたつに入って煎餅食べる!これに限るわねぇ♪」

 

 

外の景色を一頻り見終わると、彼女は居間の炬燵を根城に煎餅を頬張る。

この冬の間は神社から出ずに部屋で過ごそうと決め込む霊夢なのであった。

 

 

 

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~霧雨魔法店~

 

 

魔「うへぇ、凄い雪の量だなー。

よくもまぁこんな大雪の中ここまできたなぁアリス」

 

 

今日は珍しくアリスが魔理沙の家に来ていた。

何時ものように二人は会っているのだが、大体は魔理沙がアリスに会いに行っている。

なので彼女から魔理沙に会いに来るのは本当に珍しい。

 

 

ア「だって家に居たって人形と過ごすしかないんだもの、だから家の警備を頼んで遊びに来たのよ。

良いじゃない?貴女だって何時も私の所に来るんだから」

 

魔「まぁ私も暇だし来てくれて嬉しいけどさ、大変じゃなかったか?」

 

ア「別にどうってことないわ、天才魔法少女アリスマーガトロイドはこんな大雪に負けやしないわ」

 

 

何故かアリスのテンションが何時もより高い。

これ、雪のせいか?

 

 

魔「お、おおぅ、(何だ少女って?)てか地味に私の事バカにしてないか?

私がダメな魔法使いだってのか?」

 

ア「まぁ魔法の腕前は私の方が上よね~」

 

魔「私より弾幕勝負弱いやつが何いってんだぜ」

 

 

事実、魔理沙の火力はアリスのそれを上回っている。

しかし戦いは火力だけではない。

 

 

ア「力任せな魔法は私使わないの、もっと高度な魔法を使うからそんな野蛮な魔法私は使わないわぁ♪」

 

魔「このやろう・・・!じゃあ弾幕勝負で決着をつけてやる!」

 

 

カチンと来た魔理沙はポケットから取り出した八卦炉を構え、魔力を収束させていく。

これはまずい。

 

 

ア「ちょ!ちょっと!

アンタこんなところで八卦炉構えてまさか撃つ気じゃないでしょうね!?」

 

魔「吹き飛ばしてやる!!!」

 

ア「やめなさぁーい!!!!」

 

 

その日、魔理沙の家には大きな風穴が空き、冬の間はその修理に追われることとなった。

 

 

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~八雲邸~

 

 

籃「紫様が冬眠してる時に限ってこんな雪が降って全く・・・」

 

 

屋敷から外の景色を眺めながら、九尾の八雲藍は嘆いていた。

現在八雲紫は冬の冬眠に入っており、起きることはないため結界の維持等は籃がやっている。

なので仕事の邪魔になるこの大雪に大層うんざりしていた。

そんな時、彼女の後ろから悲しそうな少女の声が聞こえてきた。

 

 

橙「籃様ぁ~、猫達があまりの寒さに炬燵の中に皆入っちゃいました~」

 

 

藍の式神である猫又の橙が泣きついてきた。

彼女が修行の為に躾ていた猫達が寒さで炬燵を占領してしまったらしい。

猫はコタツで何とやらとはこの事だろう。

 

 

籃「まぁ寒いから仕方ないな、橙も寒くないか?」

 

橙「籃様の尻尾の中で暖まるからいいのです♪」

 

 

そう言うと橙は籃の尻尾の中にくるまって寝てしまった。

 

 

籃「橙もまだまだ子供なんだな・・・。

では私も雪が収まるまで少し寝るかな」

 

 

そう言うと、二人はそのまま丸くなって寝てしまった。幻想郷の住人はこの大雪で何時もと違う過ごし方をしていた。

そしてここでもそれは例外ではなかった。

 

 

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~紅魔館~

 

 

大きな暖炉が壁に埋め込まれた部屋に皆で集まっていた住人達は、暖かな部屋の中で暖をとっていた。

いつもなら図書館に篭っているパチュリーも、今日はレミリアに釣られて暖炉部屋で読書だ。

しかし、約2名のお陰でその読書も全く捗らない。

 

 

レミ・フ「ゆ~きやこんこんあられやこんこん降っては降ってはズンズン積もる~」

 

パ「貴女達どんだけはしゃいでるのよ、少しは静かにしなさい」

 

 

吸血鬼姉妹は現在、揃って窓にへばりつきながら大雪にはしゃいでいた。

その横に立っている咲夜は一篇変わってあまり嬉しくなさそうだ。

 

 

咲「お嬢様方は大雪で興奮しておられますね。

私としてはあまり喜ばしくないのですが」

 

レミ「こんなに雪が降ってるのを見るなんて初めてよ?

凄いと思わないの咲夜は?」

 

咲「確かに凄いと言われれば凄いですがここまで寒いと仕事が辛くなってきます」

 

フ「水が冷たいからね、あかぎれになっちゃうよ」

 

咲「ところでリュウトさんを見ませんでしたか?さっきから探してるんですけど・・・」

 

パ「リュウトなら外で雪かきやってるんじゃない?今ごろ屋根の上よ」

 

 

パチュリーが外を指差すと、その先には確かに人影が見えた。

窓の結露で良く見えないため窓の結露を拭いて覗くと、そこには雪だるまを転がしながら進んでいるリュウトの姿があった。

しかもその作った雪だるまを光る剣のようなもので真っ二つにして遊んでいる。

流石の咲夜もこれには呆れて何も言えなかった。

一時間後、戻ってきたリュウトは先程の一部始終を見られていた事に対して謝罪した。

 

 

リ「すまない、大雪についはじゃいてしまった」

 

咲「リュウトさん・・・」

 

レミ「リュウトって雪で喜ぶのね、何だか凄く珍しい瞬間を見た気がするわ」

 

フ「というかリュウトが持ってたあの光る剣はどこ?」

 

リ「あぁ、あれは俺が作ったものだ。

まだまだ改良の余地があるがな」

 

 

そういうとリュウトはポケットから剣の柄だけを出し、それを握ると柄から光る剣が出現した。

 

 

フ「わっ、これレーヴァテインにそっくり!」

 

リ「それがきっかけになってるからな、でもアイデアだけ参考にしただけだ、マネした訳じゃない。

他にもこんなことができるぞ」

 

 

リュウトの剣は形を替えて盾のような形になった

 

 

リ「シールドモード、これで攻撃を防げる。

弾幕勝負はガードするのはアリなのか?」

 

パ「自分に攻撃が当たらなければいいんだからアリじゃないかしら?

ただ誰もやってないだけで反則にはならないと思うわよ?」

 

リ「ならいいな、こいつをこれから弾幕勝負に使うとしよう」

 

咲「あのー、リュウトさん?実は頼みたい事があるんですが・・・」

 

 

咲夜は申し訳なさそうにリュウトに問いかける。何かと思えば。

 

 

咲「実は今日の分の食材と備蓄を買うのを手伝って欲しいのですが・・・」

 

 

買い物だった。

 

 

リ「それはいいんだが、何故今備蓄を買うんだ?」

 

咲「それが、今まで買うのを忘れていたんです・・・」

 

 

リュウトは紅魔館に住んでからしばらく経ってわかったことがある。

咲夜は以外とおっちょこちょいなのだ。

完璧超人にみえる彼女だが、実は希にとんでもない失態を犯すのだ。

ちなみに最近やったのは侵入者だと思って門番から帰ってきた美鈴にナイフを投げつけてしまったことである。美鈴はギリギリ反応出来て避けられたため無事だったがこれが人間だったらあたり血の海になっていた事だろう。

 

 

リ「まぁ仕方ないな、咲夜は紅魔館の管理を一生懸命やってるんだ、失敗したってしょうがない。

荷物運びをすればいいのか?」

 

咲「ありがとうございます!今度リュウトさんが好きな鍋焼きうどん作りますね♪」

 

リ「ホントか?楽しみだなぁ」

 

咲「手伝ってくださるせめてものお礼ですよ。

さぁ!雪がこれ以上酷くなる前に早く済ませましょう!」

 

リ「あぁ。もう準備は出来てるから行けるぞ」

 

 

キィ・・・バダム

 

 

二人はそのまま買い物に行ってしまったが端から見ると只の夫婦にしか見えなかったのは言うまでもない。

一方人里は行きなりの大雪で雪掻きに追われていた。

 

~人里~

 

 

慧「雪の降りすぎで家が倒壊しそうになる事態になるとは・・・。

しかし妹紅がいてくれて助かったな、雪を溶かして廻ってくれているおかげでかなり作業が進んでる。

火を操れるから火事になる心配も無いしな」

妹「慧音!こっちはなんとか終わりそうだ!」

 

慧「あぁ!すまないな妹紅!

疲れただろうからゆっくり休んでいてくれ!

ん?あれは・・・」

 

リ「おーい慧音!久しぶりだな!」

 

 

リュウトと咲夜が人里に到着し、慧音が居たので話しかけた。

 

 

慧「おおリュウトと咲夜か。

どうした?こんな天気の中で大変じゃなかったか?」

 

リ「食糧を買いに来たんだ、店はやってるのか?」

 

慧「あぁ、やっているぞ。

今回は備蓄を買っていった方が良い、この雪はまだ続く気がするからな」

 

 

強い寒波の影響で作物も育つことは無く、今は秋頃収穫した野菜や果物の備蓄を売っているのだが、それが無くなるのも時間の問題で、八百屋の計算では蓄えは1月を超えた辺りで無くなる予想らしい。

食料の値上がりは必至だ。

紅魔館の財力ならあまり関係は無いのだが。

 

 

咲「そのつもりですわ、この雪の中を買い物に来るのは辛いので」

 

慧「気を付けるんだぞ、今回のは只の異常気象ではない気がするんだ。

出来るだけ館からでない方がいい、その方が安全だ」

 

咲「そうさせて頂きます。

では私たちはこれで失礼しますわ」

 

リ「じゃあな、慧音も気を付けろよ」

 

慧「あぁ、じゃあな」

 

 

別れの挨拶を交わし、買い物に戻る2人を見送った後、慧音は薄暗い空を見上げて眉をひそめた。

 

 

慧「それにしてもいつまでこの雪は続くんだ?止む気配がまるでない。

まさか異変、なわけないと思いたいが・・・」

 

 

幻想郷を包み込む不穏な空気は、この世界の住人達を徐々に胃袋へ収めようとしていた。

 

 

To be continue

 

 

 




この回はドラゴンボールでいうところの映画みたいなものなので短くするつもりです。では次回お楽しみに

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