400号「先ずは小手調べ」
彼女は多数の魔法陣を展開し、赤い弾幕を周囲いっぱいにばら撒いた。流れ弾は森へ降り注ぎ、炎に代わって侵略を開始する。
最初は避けていた魔理沙とアリスだが、二次災害の大きさを考えて防御に回るしかなかった。
上海人形に持たせた盾と魔理沙の魔法壁で防ぐも、物量の多さに押されて全てをカバーするのは不可能だった。
ア「魔理沙!フォーメーションで行くわ!」
魔「クソっ何なんだよこいつは!?」
スペル:ワイドスパーク
拡散させたマスタースパークを400号に放ち、同時に弾幕を一気に消していく。しかし、ワイドスパークはあくまで近距離にて有効なスペルであり、それには距離が遠すぎた。
400号「ほぉ、流れ弾を消す為に大技を出してきたか・・・ん?」
ワイドスパークの影に紛れ、ランスを持った上海人形が彼女を八方から串刺しにするべく迫ってきていた。
400号「成程、良い作戦だ。視界を一時的に塞いでいるうちに奇襲をかけてくるとは、連携が取れている」
矛先が目前に向かってくる中、彼女は冷静に状況を分析していた。
避ける様子も無く、何の抵抗もしない400号に、アリスは困惑した。ブレインな彼女だが、本能的に何か異変を察知していたのだ。
攻撃を止めるや否や、選択肢は二つ。しかし、そんを選んでいる余地はなかった。
ボォンっ!!!
ア「何ですって!?」
400号目掛けて飛んで行ったはずの上海人形が、突如八体同時に爆発四散する。あまりに一瞬の出来事だったので、アリスは目の前で起こった事を上手く処理出来ていなかった。
ア「私の人形が・・・あんな一瞬で?」
魔「アリス!ぼさっとするなっ!」
状況を理解出来ぬまま、即座に次の攻撃が襲ってくる。
何処からともなく現れ、四方からアリスに急接近するロングブレード。それを盾を持った上海人形が魔法壁と実態盾で自動で防御する。
が、勢いが強すぎて力を完全に殺すことが出来なかった。
ア「あううっ・・・」
一瞬怯み、態勢が崩れたところへ絶えず追撃。止まる事のない弾幕の花火に、ショックを受けたままのアリスは自身の身を守るので精いっぱいだった。
そこへ魔理沙がノンディレクショナルレーザーで脱出口を作った。
魔「アリスぅ!!!大丈夫か!?」
ア「え、えぇ・・・少しびっくりしただけ」
魔「気を抜くな!あいつ、デカい口叩くだけあって手強いぞ!」
魔理沙のスペル効果が消え、二人に蒼い弾幕の竜巻の渦が接近する。急いで回避行動に移るが、渦なので中心には大きな風穴が開いており、そのまま中を通過するような形で避けられた。
魔「な、何だ?」
ア「・・・!拙い、囲まれた!!」
400号「もう逃げられない」
彼女が右腕を突き出して拳を握ると、渦が二人を絞り潰すように圧縮されていく。
スペル:ブレイジングスター
スペル:ドールズウォー
突如、渦の中心が激しい光を発し、中から猛スピードで弾幕の中を突っ切ってくる魔理沙が現れた。箒の後ろに座るアリスはスペルカードで12体の上海人形を同時操作し、降りかかる弾幕全てを武器で弾いた。
400号「へぇ、なかなか粘る。でも・・・時間切れ」
魔「え?」
その瞬間、全ての物の動きが止まった。
アリスも魔理沙も、その事実に全く気がついていない。いや、認識出来ていないというのが正解だろう。
俗に言う時間停止。それに限りなく近い現象をこの女、400号が起こした。
400号「最初に言った筈。三分だけ相手をしてやる、と」
ゆっくりと2人に近づき、首元に注射針を打ち込む。
400号「タイムアップ」
やがて時間は動き出し、それと同時に二人は意識を失う。
いとも容易く彼女は魔理沙とアリス、両者を戦闘不能にし、眠る二人を脇に抱え・・・捕獲完了。
400号「いくら強かろうと私の力には逆らえない。
マスターを除いて・・・」
その日から、アリスと魔理沙は幻想郷から姿を消した。
久しぶりに投稿です。次回の更新は未定です。