東方混迷郷   作:熊殺し

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かなり遅れて投稿します。自分でも前回どんな内容だったか覚えてないです笑


123話

~幻想郷~

 

 

外界での出来事と同時刻、世界を隔離する結界に異常が検知された。規模は極めて小さなもので、短時間ではあったものの、これは幻想郷に何者かが無理矢理侵入してきた証拠である。

幻想郷の創造主である八雲紫はそれを既に察知していた。

 

 

紫「また干渉者・・・この世界は全てを受け入れてくれる。でもそれは、とても残酷なことでもあるのよ?」

 

 

無数の目が浮かぶ不気味な空間の中で、紫は干渉者の監視を続ける。しかし、直接手出しはしない。それが全てを受け入れるという事だから・・・。

 

 

_____________________

 

 

結界への干渉があったその日、アリス邸にて女子会なるものが開かれていた。男子禁制の空間には五人の少女が集まり、日頃のストレスや最近あった話などの会話を弾ませながら、優雅に御茶を愉しんでいた。

 

 

~アリス邸バルコニー~

 

 

霊「何だか久々にこうやって集まった気がするわね。咲夜が居ないのが少し残念だけど」

 

妖「仕方ないですよ、プライベートなリュウトさんとの時間も最近あまりなかったみたいですし」

 

 

集まったメンバーはアリスと霊夢を筆頭に、魔理沙、妖夢、鈴仙の五人。何時もは咲夜も中に居るはずなのだが、今日はリュウトと出かける日と丁度被ってしまい、そちらを優先している。

残念ではあるが、今回は咲夜抜きだ。

しかし、そんな咲夜の事を鈴仙・優曇華院・イナバは羨ましく思っていた。

 

 

鈴仙「デートかぁ、月でもこっちでもそういう人には出会わなかったなぁ」

 

魔「何だウドンゲ、彼氏が欲しいのか?」

 

鈴仙「そりゃあ私だって女だし、考える事だってあるわよ。魔理沙はそう言う事無いの?」

 

魔「私にはアリスが居るからな」

 

ア「バカな事言わなくていいの。ほら、お茶のお替り注いだげる」

 

魔「流石アリス!こういうところで気が利く女に男は惚れるんだぜ?」

 

 

お前も女だろ。この瞬間全員が思っていたが、敢えて言わなかった。

 

 

 

時間は過ぎ、日も落ちかけ夕日になる頃に皆、家路に着く。しかし、アリスの家には魔理沙だけ未だに残っていた。

チェアの背もたれに前のめりで乗りかかり、キッチンで後片付けをしているアリスを彼女が退屈そうに眺めていると、その視線が気になるアリスが問いかけた。

 

 

ア「アンタは帰らないの?」

 

魔「なんだ、私が居たらいけないのか?」

 

ア「そういうわけじゃないけど・・・」

 

魔「ついでに夕飯を食っていくつもりだから安心しろよ」

 

ア「そんな事だろうと思ったわよ。

はぁ、しょうがない。アンタ食生活偏ってそうだから少しは栄養の或るもの食べさせないとね」

 

 

ため息交じりながらも、アリスは氷魔法を使った冷蔵庫の中身を確認する。

いつもの日常だった。故に何の警戒心もその瞬間は持ち合わせていなかった。

監視されているなんて微塵も考えていなかった。

 

 

瞳美「家の中には少女が二人だけ・・・か」

 

 

アリス宅の窓を、少し離れた大木の上から双眼鏡で観察していた瞳美は、随伴している女のうちの一人にゴーサインを出す。

女はゆっくり右手の平をアリスの家方面に向けると、大きな魔力弾のようなものを撃ちだした。

高速で接近する光弾に対して油断していたアリスは反応出来ず、気が付いた頃には遅かった。

 

 

ドガァァァァァァァァン!!!

 

 

爆音と共にアリスの居たキッチンへと直撃し、大爆発を起こす。炎が燃え広がる中、更に追い打ちをかけるように女は光弾を何発も発射する。

 

 

?「状況終了。戦闘データ収集終りょ・・・!?」

 

 

攻撃箇所付近に二つの生命反応を感知。二人は間一髪のところで脱出し、上空で滞空していた。

いち早く攻撃に気づいた魔理沙が咄嗟にアリスの手を引いてその場から退避したのだ。

 

 

ア「あ、ありがとう」

 

魔「礼なんて後だろ。いきなり人様の家に風穴開けるなんて無神経にも程があるぜ」

 

ア「アンタが言うな」

 

魔「あいたっ!」

 

 

魔理沙の箒に座りながらチョップでツッコミを入れる。家が壊された割にアリスが冷静なのは常日頃から壊される機会が多いからかもしれない。

 

 

魔「って!そんなことやってる場合じゃないだろ!?どうやらアイツがやったみたいだぜ?」

 

瞳美「緊急回避の反応も早いね。いいわ、少しだけ遊んであげなさい。但し、最後は生け捕りだよ」

 

?「承知いたしました」

 

 

静かに主人に対して返事をすると、ゆっくりと浮遊して二人と同じ高さまで上がり、顔が良く見えるようになった。

その時、魔理沙は女の面影に見覚えがあるような気がした。それも、かなり親しい人間だった。

 

 

魔「おいアリス、あいつ何処となく咲夜に似てないか?」

 

ア「似てるわね・・・髪色は黒だけど目元や輪郭はそのままに見えるわ」

 

 

黒の長髪だが、背が高く、瞳の色は赤。鋭い目つきはかつて紅魔の異変が起きた頃の咲夜を彷彿とさせた。

紫のライダースーツに浮かび上がっている体のラインも咲夜にそっくりだった。

 

 

?「恐らくそれは被検体398号の事だろう。私達はヤツを捕獲、または処分するためにやってきた」

 

魔「こ、声までそっくりだ・・・」

 

 

 

声も咲夜に似ていることに初めは驚いたが、口ぶりを聞く限り、やはり彼女は咲夜と何らかの関係があるようだ。

 

 

瞳美「400号、おしゃべりが過ぎるわよ。応援が来る前に片づけて捉えなさい」

 

?「承知しましたマスター」

 

 

自分達の強さを戦わずして過小評価するようなその言動に、白黒の魔法使いが激昂した。

 

 

魔「ああ、そうかよっ!!!やれるもんならやってみろ!」

 

 

魔力を八卦炉に収束させ、七色に輝く魔砲を放つ。

 

 

スペル:マスタースパーク

 

 

ア「魔理沙!敵の能力が未知数なのに魔力を無駄遣いして!」

 

魔「へへ、これであいつの強さが大体わかるってもんだぜ」

 

 

十八番の技を出し惜しみせず一気に畳みかける魔理沙。初速が異常に速いこの技を初見で避けるのは簡単ではないことを踏んでのことだ。

しかし、彼女の予想は大きく外れることとなった。

 

 

魔「何でだ?全く手ごたえが感じられない・・・」

 

400号「私にお前たちの攻撃は通用しない。いくらやっても無駄な事」

 

 

400号と呼ばれる女性は、なんとマスタースパークを無傷で凌いでみせたのだ。これには魔理沙も驚いた。

 

 

魔「そんな・・・馬鹿な!?」

 

ア「マスタースパークを受けて無傷だなんて・・・」

 

400号「種も仕掛けも無い手品、貴方たちに攻略できるかしら?」

 

 

 

 




次回の投稿も未定ですが、暇があれば書きます

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