~紅魔館~
レースが中止となった後も、何時もと変わらず時は進み続ける。
午後の晴れ空が照る中、レミリアは午後のティータイムをバルコニーで嗜んでいた。
しかし、今日はレミリアの他に客としてリュウトが同席している。
どうやら話があるそうで、彼がティータイムに顔を出すのも珍しいので、ぜひ一緒にとレミリアが誘って今の状況に至る。
レミ「それで話っていうのは何なのかしら?
あ、もしかして咲夜の事?」
リ「いや、そういった件では無くだな、自分を鍛えなおす旅に出るから暫く館から離れる事にした。
だから館の事は一切出来なくなる」
レミ「・・・はいぃ!?」
突然の長期休暇申告に此方も戸惑ってしまう。
いや咲夜は一人でも仕事出来るが、彼女は彼の恋人だ。
咲夜はそれに同意するのだろうか?
気分を落ち着かせ、冷静になって聞いてみた。
レミ「その話は咲夜にはしたのかしら?
流石に無断で行っちゃうと後が怖いと思うわよ?」
リ「今回の事は咲夜には黙っておくことにした。
あの子は妙に心配しすぎるところがあるからな、無駄に気を遣わせたくない」
レミ「そう・・・だ、そうだけど、貴方はどう思う?」
リ「何?」
バルコニーの日陰から様子を伺っていた咲夜は、呼ばれると素直に姿を現す。
メイドとしての立ち振る舞いを意識してはいるものの、何処か落ち着きがないように見える。
レミ「咲夜、貴方はどうしたい?」
咲「わ、私には館での仕事がありますので・・・」
レミ「それは貴方の意志ではないでしょう?
貴方自身はどうしたいの?」
咲「それは、その・・・」
レミリアは微笑みながら咲夜に問いかける。
まるで咲夜の出す答えを知っているかのように。
咲「私は、リュウトさんに付いていきたいです」
リ「何を言うんだ咲夜!
俺の行こうとしている場所は人間の君には環境が厳しすぎる!
それに凶悪な妖怪だって多いんだ、危険すぎる!」
レミ「あら、それなら守ってあげればいいじゃない?
貴方は元々が強いんだから、咲夜を守りながらならハンデが付いて鍛え甲斐があるでしょ。
それに、咲夜自身も良いトレーニングになるんじゃないかしら。
最近異変解決にも行ってないし、身体が鈍ってるんじゃないの?」
咲「・・・私はリュウトさんに付いていきたいです」
レミ「うん、許可するわ♪」
満面の笑みの二つ返事で外泊許可を出すレミリア。
これにはリュウトもお手上げするしかなかった。
リ「はぁ、わかった。
咲夜が行きたいというのならもう止めない」
しかし、リュウトは咲夜に対して一つだけ忠告も含めた条件を出した。
リ「但し、道中で危険な事があっても助けられるとは限らない。
危険と感じる前に逃げるようにしてくれ」
咲「畏まりました」
レミ「館の事はどうにかするから心配は要らないわよ。
ま、精進しなさいな」
リ「レミリア・・・感謝する。
出発は明日だ、俺は準備の為に一足先に失礼する」
ひとしきり話が終わると、リュウトはそのままバルコニーを去り、自身の部屋へと戻っていった。
二人きりになった空間で、レミリアはリュウトの前では言えないアドバイスをした。
レミ「咲夜、下着は新しいものを用意しておくのよ」
咲「お嬢様の助言は破廉恥です!」
to be continue・・・
咲夜さんカワユスを皆に理解してほしいだけなんだ俺は!!
ちょっとエッチな咲夜さんも…イイね!