東方混迷郷   作:熊殺し

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挿し絵を前半に出しすぎて載せれなくなってしまったせいでかなり苦しんでおります。
ターミネーター鈴仙は果たしてどんな活躍をするのでしょうか?



緋想天93話※

~永遠亭~

 

 

てゐ「鈴仙・・・大丈夫かなぁ?」

 

 

要請信号を受けて補給物資を射出した後、心配になって庭に出てきたてゐが空を見上げている頃、天界では響華と鈴仙が天子と激戦を繰り広げていた。

 

 

_____________

 

 

~天界~

 

 

鈴仙「地獄へ送ってやるぜ」

 

 

サングラス越しに天子を睨み、持っているマシンガンを撃ちまくる。

正確な射撃をすると弾道が読まれると考えたのだ。

実際、滅茶苦茶な撃ち方ではあるものの、気弾とは桁違いに速い銃弾は天子を翻弄していた。

 

 

バシュッ!

 

 

天「ぐっ!」

 

 

一発の銃弾が、避けきれなかった天子の左肩を掠る。

激痛に顔を歪めるが、痛がっている余裕など無い。

次から次へと飛来してくる鉛の弾は一時の休息さえ取らせてくれない。

左肩を庇いながら剣を回転させ、ディフェンスロッドのようにして盾代わりにする。

しかし、敵は鈴仙だけではない。

 

 

響「博麗アミュレット!」

 

天「くっ!」

 

 

背後に回った響華が符撃を撃ち込んでくる。

博麗の結界でコーティングされた陰陽札は如何なる悪をも滅する強力な武器だ。

直撃すれば大ダメージは免れない。

彼女はこの危機的状況に、切り札を出してきた。

 

 

スペル:無念無想の境地

 

 

剣を仕舞い、銃弾が飛び交う中スペルを唱え終わると、彼女の身体を赤い霧が取り囲み、体へと吸収されていく。

しかし、アミュレットを防ぐことは出来ずに彼女は爆発の奔流に呑み込まれた。

彼女が何を企んでいるのか分からないが、鈴仙は追撃に弾が切れたマシンガンを捨ててハンドグレネードのピンを抜いた。

 

 

 

鈴仙「私からのプレゼントだ。

あの世の手向けだぜ、受け取りな」

 

響「何かキャラ変わってない?」

 

鈴仙「I`ll be back」

 

響「〇ーミネーターはダメだって!」

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

ヒュン・・・

 

 

ドガァァァァァァァァァン!!

 

 

 

榴弾は天子の目の前で光となり、爆炎となって彼女の身体を包み込んだ。

爆煙で姿が全く見えないが、普通なら致命傷レベルの攻撃を直撃したのだから、只では済むまい。

あの爆発を見た後二人はそう確信した。

しかし、その確信は大きく裏切られる形となった。

 

 

響「噓でしょ・・・?」

 

鈴仙「・・・あの赤い霧は何だ?」

 

 

煙の中から出てきたのは、まるで先程の攻撃が効いていないかのようにピンピンした天子だった。

防御した気配も無いし、避けれる速度の代物でもなかった筈。

しかし、先程とは違い、彼女の身体からは何やら怪しげな赤い霧が噴出していた。

これが防いだとでもいうのか?

試しに鈴仙は太腿のホルスターから二丁拳銃を取り出し、全弾撃ち尽くすまでトリガーを引いた。

 

 

天「無駄よ、それくらいの攻撃では私の障壁を突破できないし、体に傷一つつけることも出来ないわ」

 

 

剣を腰に収め、目の前に赤い霧を巻き上げる。

渦を巻きながら霧はたちまち天子を取り囲み、銃弾を容易く受け止めてみせた。

その強度に鈴仙は焦りを覚えた。

 

 

鈴仙「うわぁどうしよ、全然効いてないじゃん」

 

 

やはり原因はあの霧だったようだ。

しかし、それだけではない筈。

恐らく体自体も防御力が格段に上がっているのだろう。

そうでなければ流石に榴弾を直撃して無傷はあり得ない。

自分の無力さに歯がゆくなるものの、実際この戦闘で自分が役に立つことは無いだろう。

本当に全て響華に委ねるしかなくなってしまった。

 

 

天「これを展開するには相当量のパワーを支払わなければいけなかったけれど、貴方達を倒すためには致し方ないわね」

 

 

緋想の剣が炎を纏い、太陽のように明るく光を放つ。

これが、この剣の本来の力なのだろう。

 

 

天「この剣は天候を操ることが出来る特別な剣。

晴天の力を纏った剣は如何なる闇も払い退ける。

さぁ、最強の盾と矛を身に着けた私に、貴方達は勝つことが出来るのかしら?」

 

響「確かに、今のままだったら勝てる見込みは無いよ。

でもね・・・奥の手を隠してるのは自分だけじゃないんだよ!」

 

 

大幣を両手で目の前に突き出し、腕の遠心力で袖がバッと音を立てる。

目を閉じて、体の最深部に眠っているナニカをイメージしながら彼女は詠唱を始めた。

それは、かつて歴代最強と謳われた博麗の巫女が愛した一人の男から受け継がれてきた力。

彼女も兄と同様、{なれる}のだ。

 

 

響「・・・神化解放(シンカカイホウ)

 

 

淡い光に包まれ、段々とシルエットが無くなっていく。

完全な光の球体となって天を照らすと、球体は弾け飛び、流星群の如く地上に降り注ぐ。

しかし、隕石が降ってきた時のような破壊は何処にも無く、優しく、それでいて生命を育む母のような温かい光が辺りを優しく包み込んだ。

 

 

天「これは・・・?」

 

鈴仙「霊力が感じられない?

そうか、響華もあの人の血を受け継いでいる。

成れても不思議ではないわね」

 

響「正確にはこれは変身ではない。

この姿もまた、私の本来の姿なのだから」

 

 

光の卵から出てきたのは、輝く八卦が映し出された円光を背負った神々しい姿へと変身した響華だった。

その体からは金色のオーラが絶え間なく放出され、霊力は全く感じられなくなった。

これが、神の遺伝子を前面に出した響華のもう一つの姿だ。

 

 

響「さぁ、これからが本番だよ」

 

天「そうね・・・お互い本気でぶつかり合いましょう」

 

 

燃えるような赤と、光り輝く白。

ぶつかり合う二人のオーラは天を貫く柱となって聳え立つ。

今、少女たちの究極バトルが始まる。

 

 

to be continue...

 

 

 




天子が使ったスペルカードは緋想天で登場した無念夢想の境地です。
防御が滅茶苦茶固くなるトランセルですね。
響華は霊夢の血を色濃く継いでいるので、博麗の力をリュウトよりも上手く扱えます。
その代わり、零夜の雷や光といったものは殆ど使えません。
設定に書いたか覚えてないwww

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