東方混迷郷   作:熊殺し

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実際、天子ちゃんはどれくらい強いんでしょうかねぇ?
というか緋想の剣って天気操れる以外に何か出来るんかね。
わかんねぇけど本編スタートだぁ(トトロのおばあちゃん口調)


緋想天92話

天「覚悟は良いかしら?

・・・撃て」

 

 

天子が左手で二人を握るような合図を出すと、全ての要石が一斉に弾幕を発射しだした。

放たれる赤いビームは二人を的確に狙っており、攻撃の隙を与えないようにローテーションを組んで撃ちまくる。

防戦一方な状況を打破するべく鈴仙は狂気の眼をプロジェクターにして、虚無の分身を何体も宙に映し出す。

これがどうやら効果あったらしく、要石の攻撃は自動的に分身も対象に入れた。

この要石は人の形を認識して攻撃しているようだ。

これにより終わらない波状攻撃が分散し、攻撃のチャンスが出てきた。

 

 

鈴仙「響華!今よっ!!」

 

響「優曇華ナイス!

これなら行ける!!」

 

 

スペル:夢想天誅

 

 

ドンドンドンドンドンドン!!

 

 

スペルカードを発動した響華から六つの虹色の玉が放たれ、ランダムな飛行をしながら要石へ突撃してナパームのように大きな爆発を繰り出す。

これにより、相当数の要石が爆散していった。

しかし、破壊しきれなかった要石は再びドリルとなって響華へ特攻を掛けてきた。

 

 

響「え!まだ来るのぉ!?」

 

 

ホーミング機能の付いた要石ドリルから逃げつつも撃ち落とそうと札を何枚も投げつける。

しかし、通常の攻撃で破壊することは叶わなかった。

そこで彼女は考えた。

 

 

響「逃げても追いかけてくる・・・それなら!」

 

 

彼女はわざと逃げることを止める。

そして、迫りくる要石ドリルを当たる寸前で擦れ擦れの状態で全て避けきると、背後からありったけの弾幕を撃ちまくった。

回転する正面への攻撃が効かなかったのに対して背後からの攻撃は有効だったらしく、簡単に破壊することが出来た。

これで要石の攻撃は全て攻略した。

 

 

響「次は本体!」

 

天「剣を持ってる相手に接近戦で挑むなんて、貴女は近距離の方が得意なのかしら?」

 

 

ガキィン!

 

 

二人の武器が互いにぶつかり合う。

速度の乗った重い攻撃にも怯むことなく受け止めた天子は、そのまま斬り合いへ持ち込む。

響華もそれを望んでいた。

しかし、天子のリング内である近距離戦は、自らに相応のリスクを与える。

 

 

響「ふっ、はぁぁ!」

 

 

大幣の突きと回し蹴り、ラッシュの連打で天子との距離を詰めようとするが、彼女と響華の実力は近く、両者一歩も譲らない攻防戦となる。

剣がぶつかり合う度に派手な火花が散り、蹴りがぶつかり合う度に衝撃波が空気を揺らす。

 

 

鈴仙「少しでも意識を散らせられれば!」

 

 

スペル:クラウンヴィジョン

 

 

天「無駄だぁ!」

 

 

鈴仙の合図で響華は天子から離れ、能力を使った長距離からのリングレーザーの射撃を敢行する。

リング状のビームは真っすぐに天子に向かっていったが、彼女は剣に炎を纏わせてリングを一刀両断してしまった。

 

 

鈴仙「私のスペルが!」

 

天「緋想の剣の前でそんなものは無力よ!」

 

 

スペル:非想非非想の剣

 

 

天子も自信のスペルカードを発動し、剣に禍々しい赤く濁る気を纏わせ、鈴仙に向けて斬撃を飛ばす。

とてつもない攻撃範囲を誇るそれは、易々と彼女の身体を一閃した。

 

 

鈴仙「きゃあああ!?」

 

響「優曇華ー!」

 

 

鈴仙は真っ赤な光に呑み込まれた。

咄嗟に手を前に出して防ごうとするも、もう遅い。

斬られた鈴仙は力なく墜ちて・・・いかなかった。

 

 

鈴仙「あ、あれ?

斬られて・・・無い?」

 

響「どういう事?」

 

天「あと五秒。

三、二、一・・・あなたはもう、此処から退場よ」

 

 

パチンッ

 

 

天子は徐に数を数え、指を弾く。

すると、その瞬間から鈴仙の体に異常が現れ始めた。

 

 

鈴仙「何も起きな・・・って何これ!?

力がっ!!入らなくなって・・・!」

 

響「妖力が・・・小さくなってる?」

 

 

鈴仙の妖力は段々と力を失っていき、浮力を得られなくなった彼女は徐々に下へと降りていった。

既に、有り余っていた妖力は20分の1以下まで激減していた。

 

 

鈴仙「そんな、一発だけで私の妖力を殆ど消してしまうなんて!」

 

天「この緋想の剣は緋名那居に伝わる伝説の宝刀。

この剣なら造作も無い事だわ。」

 

鈴仙「くっ・・・!」

 

 

飛行する為の妖力を失った彼女は、他にも弾幕や能力、スペルカードなどの妖力を必要とするあらゆるものが使えなくなってしまった。

気力が使えなくなるという事は、この世界の戦闘での丸腰状態という事。

事実上の敗北だ。

しかし、彼女にはとっておきの秘密兵器があった。

 

 

天「これであなたは戦闘続行不可能。

もうおしまいよ」

 

鈴仙「・・・確かに飛べなくなったのは痛手だわ。

でも、だからと言って負けた事にはならないという事を教えてあげる」

 

 

そう言って彼女はブレザーの内ポケットから一つのリモコンを取り出し、ボタンを押す。

リモコンには{緊急支援要請}と書かれていた。

ボタンを押してから数十秒後、何処からか飛んできたミサイルが空中分解し、中から二メートル以上ある金属製のコンテナが落ちてきた。

ズシンと重たい音を立てて落ちてきたそれの外側に取り付けられた赤いスイッチを押すと、それが変形して武器庫となった。

 

 

鈴仙「うん・・・装備は全部揃ってるわね。

たまには、てゐも良い仕事するじゃない?」

 

 

中に入っていたのは二丁セミオート拳銃とポンプ式ショットガン。

カートリッジ式の軽量バズーカ二丁にコイルマシンガン。

予備弾倉一式と、それを全て装備するためのホルスター類だ。

バズーカは背中へ、ショットガンは腰、拳銃は太腿へ、そしてマシンガンを携える。

最後にサングラス型ゴーグルを掛ければフル装備完了だ。

全ての武装を装備した彼女は、遠い過去の記憶を思いだし、感傷に浸る。

 

鈴仙「う~ん、何だか昔に戻った気分ね。

懐かしいわ」

 

天「はん!

そんな武器に頼ったところで私に敵う筈ないわ!」

 

鈴仙「誰が{私が貴女を倒す}って言った?」

 

 

次の瞬間、天子の真横へ瞬間移動してきた響華が強力な霊気を纏わせた大幣で振りかぶって来る。

目の端でそれを捉えた彼女は咄嗟に緋想の剣で防いだが、同時に背中に蹴りが直撃して地上へ吹き飛ばされてしまった。

 

 

バガァッ!

 

 

天「ぐあぁあ!?」

 

 

思わぬ不意打ちに対応出来ずにダメージを負った天子は、辛うじて受け身に成功するも、膝をついてしまった。

そして、ここから二人の快進撃が始まる・・・。

 

 

to be continue...




非想非非想の剣は元々スペルカードを破壊する技なのですが、何か地味そうなのでエネルギーを消滅させる設定にしました。
お陰で鈴仙がターミネーターになりました。
ではさようなら。

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