比企谷八幡と黒い球体の部屋   作:副会長

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八幡vs千手。一騎打ちです。

にしても、もう30話か。ほぼ一ヶ月毎日更新しても、まだまだストックあるとか、俺結構書いたんだなぁ。


そして比企谷八幡は、千手観音に戦いを挑む。

「八幡!! ――っ!」

 

 陽乃さんは何か言いたげだったが、それでも俺の言った通りに剣を拾いに行ってくれた。

 

 陽乃さんが剣を拾い終わって戻ってくるまでに、決着をつける。

 

 

 再生能力さえ無効化すれば、Xガンが効かない相手ではない。

 

 俺はXガンを発射。そして、すぐさま回避する。

 

 千手は両手の剣を交差して防ぎ、そして大きく開いて跳ね返す。

 

 後方の地面が時間差で大きく抉れたが、俺はそのまま走り続けて、千手との距離を縮める。

 

 ……やはり、あの防御方法は、二本の剣を使うことで初めて使える方法のようだ。千手の体自体は、大仏と違って一発でもまともに食らえば大きく吹き飛ぶ。それは、俺が腕を破壊したことや、つなぎさんが上半身を吹き飛ばしたことで、確かだ。

 

 なら、狙うは背後か、剣の内側の懐――――すなわち接近戦。

 

 千手の姿が閃光に包まれる。

――ッ!! レーザーが来る!!

 

 俺は全力で飛び込む。そのわずか上をレーザーが通り過ぎる。

 ッ、まだだ! このレーザーは射出したまま動かして、武器にすることも出来る!

 

 ヒュンッ ヒュンッ とレーザーの鞭が空間を切り裂く。

 俺は、とにかく全力で走り、避ける。

 レーザーの鞭は確かに速いが、射出レーザーのように光速というわけではない。

 出所は分かっているんだ。それにこの暗闇じゃあ、発光するレーザーの全体像がよく見える。

 大丈夫だ。避けられる!

 

 ピカッ! 

――ッ! 来たか、二発目!!

 予想通り、左右の灯籠のどちらからもレーザーを出してきた。それも同時に。

 一発目よりも距離が近く、レーザーの鞭を避けながらだったから、かなりギリギリだったが、なんとか避けることが出来た。こればっかりは運だな。悪運ばっかりは強いらしい。

 

 だが、レーザーの鞭が二本に増えたところで、相当厳しくなってきた。

 紙一重、間一髪の回避が続く。まずい。このままじゃ捉えられるのは時間の問題だ。

 

 もっと距離を詰めろ!レーザーは遠距離、中距離用の武器だ。距離を詰めればレーザーは使わないはずだ。

 

 懐に。とにかくアイツの懐――

 

 

――?レーザーがやんd

 

 ビュォン!! という風切り音。

 俺は咄嗟にYガンを盾n――

 

――ッ!! だ、ダメだ!!

 

 俺は大きく仰け反るようにして躱す。Yガンは真っ二つに斬られ、俺の前髪がパラパラと落ちる。

 

 剣。

 ついに、千手は武器を変えた。つまり、それだけ近寄れた、ということだ。

 

「っ…うぉぉおおおお!!」

 

 俺は千手のどてっ腹を殴る。ズサササッと千手は片足を引くが、結果としてビクともしない。クソッ。さすがにネギ星人の時のようにはいかないか。

 

 千手は剣を振るう。俺は無我夢中で避ける。

 この剣はYガンを斬り裂いた。スーツは当てにならない。おそらくはレーザーもそう、容易くスーツを貫くだろう。

 

 ゾクッ と悪寒が襲う。恐怖心が再びせり上がるのを感じる。

 つまり、コイツの攻撃は全て、一撃必殺。

 

 一発でも食らえば即死。一発でもその身に浴びれば必死。

 

――ッ!! 今そんなこと考えている余裕は無い!!

 

 千手の鋭い右袈裟斬り。

 俺はそれを、片足を引くよう下げて身を開くことでギリギリで躱した。自分でも一瞬真っ二つに斬られてしまったのではと錯覚するほど、まさしくギリギリで。

 

 そして、千手はもう一方の剣を、俺の体を串刺しにするように、突き出す。

 

 俺は、その突きを繰り出す千手の腕を――――片手で掴んだ。

 

「あああああぁぁぁぁぁ!!!」

 

 俺は、その突きの勢いを利用し――陽乃さんのような熟練の技術ではないが――体を回転させて、地面に倒れ込ませるように投げ飛ばした。

 

――今だッ!!

 

 今しかチャンスはない。俺はXガンで千手が下から4番目の左手持つ――――鏡。

 

 それ目がけて、発射する。

 

 ギュイーン と青白い発光と共に発射音が響く。

 

 よし!!

 

 その時、強烈な閃光により目が焼かれそうになる。倒れこみながら、苦し紛れのように放たれる、千手のレーザー。

 だが、俺はその時にはある程度距離をとっていたし、千手から見て背後への攻撃だったので、狙いは粗く、避けるのは容易かった。

 

 千手は即座に立ち上がり、こちらに向きなお――

 

――バンッ

 

 千手の鏡と、それを持っていた腕が吹き飛んだ。

 

「きょーーーー!!! きょーーーー!!!」

 

 甲高く啼き叫ぶ千手観音。

 

 その腕は――――再生しなかった。

 

「―――っしッ」

 

 俺は小さく拳を握る。これで一気に勝ちに近づいた。もう完全再生(パーフェクト・リバース)なんてふざけたことはさせない。

 

 お互いが背水の陣の、凄絶な殺し合いだ。

 

「きょーーーー!!!!」

 

 再び、強烈な発光。俺は身を思い切り屈める。その頭上を交差するレーザー。

 交差。それはつまり、いきなり二発のレーザーを同時に放ってきたということ。

 つまり、全力全開モードってわけだ。まさしく白い悪魔だ。白くないけど。

 

 俺は一気に距離を詰める。

 

 その頭上から、今度は二刀の剣が同時に襲う。

 

「――くっ!」

 

 俺は、それを両手で掴んで防いだ。防いでしまった。

 

 ッ!やっちまった。両手が塞がった。だが、重い。外せない。さすがはボス。パワーも一級品か。

 

 ギギギと力比べのような体勢になる。

 

 その時、千手は、一番下の左手に持った水瓶を傾けた。

 

――水瓶? それも武器なのか?

 

 ぞっ となぜだか分からないが、俺は猛烈な嫌な予感がした。

 

 俺は、両手に掴んだ剣を無理矢理地面に叩きつけるようにしてやり過ごし、その水瓶から零れた液体を強引に身を捩るようにして、無理矢理、躱す。

 

 その液体は地面に零れると、ジュアという音と煙を立てた。

 

――溶解液!? 酸か!? コイツ、一体何種類の武k

 

 

 ピカッ と、俺の視界の隅で何かが光った。――――気がした。

 

 

 その数瞬後、俺の左肩口に、燃えるような痛みが走る。

 いや、本当に燃えていたのかもしれない。それくらい痛かった。というより熱かった。

 

 水瓶の攻撃に気を取られ、それがどういうものなのかを確認する為に、それまで極限まで高めていた危機察知を疎かにした――――と、パニックになった頭の中で妙に冷静な部分がそう分析していた。

 

 あと、勝手にレーザーが遠距離用だと決めつけたのが悪かったのだろう。

 それにより、懐に潜り込むことが出来た時点で、無意識にレーザーを選択肢から外してしまった。

 

 一撃必殺。

 

 先程、俺は千手の攻撃をそう結論づけた。

 その読み通り、今回まだまともに星人の攻撃を受けていなくて万全だった筈の俺のスーツを、コイツのレーザーは簡単に貫いた。

 

 まだ、肩口だ。

 心臓や脳をやられたわけじゃない。まだだ。まだやれる。

 

 俺は意識が飛びそうになる激痛の中、必死にそう自身を鼓舞する。

 

 だが、事態はそう甘くなかった。この戦争は、そんな温くなかった。

 

 すでに、俺の体勢は完全に崩れている。

 

 これまで、千手の攻撃を奇跡的に紙一重で、間一髪で避けてきたが、これじゃあ紙一枚分の厚みも髪一本分の入る隙間もありやしない。

 

 

 

――ちくしょう。

 

 

 

 もう一方の、レーザーが光る。

 

 

 

 どこかで、俺の名前を叫ぶ陽乃さんの声が聞こえた気がした。

 

 

 

 

 

+++

 

 

 

 

 

 雪ノ下陽乃が千手に弾き飛ばされたガンツソードを拾って振り返ると、八幡がまるで合気道の熟練者のように見事に千手を投げ飛ばしていた。

 

(――すごい)

 

 陽乃は感嘆する。

 元々、逆境に強い子だとは思っていた。

 追い込まれると自分の予想を越えて面白い結果を導き出す。そんなところに、陽乃は始め興味を持った。

 

 そして、彼は再び自分の想像を越えた。

 

 あの千手を、彼は追い詰めている。

 

 このわたしですら恐怖し、慄いた強敵を前に、一歩も引かずに互角に渡り合っている。

 

 陽乃は、自分の胸が激しく鼓動するのを感じる。

 

 彼に見蕩れ、見惚れる。あぁ、今の自分は、まるで初心な乙女のような表情をしているだろう。

 彼女の妹が見たら、それこそ呆気にとられて硬直するような。彼女のことを深く知っている人間ほど、信じられないと、そんな反応を示すに違いない。

 

 雪ノ下雪乃。

 陽乃にとって、この世の全てと言っても過言では“なかった”少女の顔が浮かび、陽乃の胸に別種の鈍痛が走る。

 

 彼女の中で、雪乃の大きさが変わったわけではない。

 

 ただ、彼女に対する気持ちと同等以上に大事な想いが、陽乃の中で膨れ上がっただけ。

 

 あのキスから、必死に気づかないように目を逸らしていたことに直面し、陽乃は顔を俯かせる。

 

 

「きょーーーー!!! きょーーーー!!!」

 

 突如響いた奇声に、陽乃は顔を勢いよく上げる。

 

 その発生源は千手だった。

 そして、それまでとはレベルの違う猛攻を、八幡に浴びせ始める。

 

 八幡はそれらを避けているが、それもいつまで持つか分からない。

 

 陽乃は駆け出す。拾った剣を仕舞い、全力疾走で。

 

 その身を苛む圧倒的な焦りに突き動かされるように。

 

 

 

 だが。

 

 

 陽乃の目の前で。

 

 

 必死のレーザーが、八幡を――――貫いた。

 

 

 

(――うそ。――い、や)

 

 

 陽乃の頭が真っ白になる。死ぬ。死んでしまう。八幡が。殺されてしまう。

 

 陽乃は足元に転がる物体――そこら中に飛び散っている、大仏の残骸、死骸――を掴み、投擲した。

 

 その行為に、陽乃らしい策略や裏はなかったのかもしれない。

 

 ただ八幡の命を奪おうとする死神を、少しでも八幡から遠ざけたくて、無我夢中だっただけかもしれない。

 

 だが、それは結果として、八幡を貫き、そしてさらに貫こうとした二本のレーザーから八幡を救う遮蔽物となった。

 

 八幡の体が、瞬間的にレーザーの楔から解放される。

 

 しかし、そんなものは一瞬の気休めに過ぎない。

 

 千手の殺人レーザーは元大仏の肉塊を何の抵抗もなく貫き、再び八幡に襲いかかる。

 

 

「八幡!!!」

 

 

 陽乃は必死で、八幡に飛びつく。スーツの肉体強化を最大限に発揮したそれは、凄まじい跳躍力を生んだ。

 

 踏切地点が遠すぎたのか――それでも、あと一瞬でも遅れたら間に合わなかっただろうが――八幡の腰や胴体には届かず、両足を抱えて押し倒すので精一杯だった。

 

 それでも、そのおかげで八幡の左肩口を貫いていたレーザーは八幡の顔右横を擦過するだけで、回避に成功した。

 

 だが、八幡の胴体を狙った二本目のレーザーを回避しきることは叶わず、八幡の右脇腹を貫いた。

 

「がぁぁぁああああああああ!!!」

「八幡!! ――ッ!!」

 

 陽乃は八幡の絶叫に気を取られるが、すぐさま殺気を感じて、八幡を抱えて走り出す。

 

 背後から再び殺人レーザーが迫る。陽乃はとにかく距離をとる。

 

 そして、なるべく土の地面を狙いながら、Xガンを乱射する。

 

 バンッ バンッ バンッと連鎖的に地面を吹き飛ばす。

 それはもちろん、千手の進行の妨げになる程には地面を抉れない。

 

 それでも、大量の土煙が巻き起こる。

 

 陽乃はその隙に、建物の陰に隠れた。

 

 見つかるのは時間の問題。だが、今はその僅かな時間でも欲しかった。

 

 

「がぁぁぁ……はぁ……はぁ……は、陽乃さん?」

「八幡!! 大丈夫!?」

 

 大丈夫なはずがない。

 体に二か所も風穴が空いているのだ。特に脇腹は抉り取られていると言っても過言ではないほどの大怪我だ。

 

 だが、彼はそれでも大丈夫かと聞かれたら、こんな状態でも――

 

「……大丈夫ですよ。助けてくれて、ありがとうございます。それより、陽乃さんはどうですか? レーザー、当たりませんでしたか?」

 

 陽乃は、グッと唇を噛みしめる。

 ああいえば、彼はこう強がることは分かっていたのに。あろうことか、こんな状態の彼に気を遣わしてしまった。

 

 陽乃は彼が――比企谷八幡がこんな状態になって予想以上にパニックになっている自分に気づく。

 自分は、いつの間にこんなに弱くなってしまったのだろう。

 

「……わたしは、大丈夫。――それより八幡。いくつか確認しておきたいことがあるんだ」

 

 自分は、わたしは、雪ノ下陽乃は、もっと強かった。

 自分より優れている人間を、わたしは知らない。

 いつか、あの母でさえも超えてみせる。その自信は、確固としてあった。

 

「――アイツがボスで、残り一体。アイツを倒せば、ミッションはクリアで、あの元いた部屋に戻るんだよね」

「……ええ。そうです」

 

 だけど、わたしは弱くなった。

 雪乃ちゃんだけで占められていた、わたしの大事なもの。そこに八幡は、どんどん侵入してきて、今じゃ雪乃ちゃん以上に占領している。

 

 こんなのダメだって分かっているのに。

 そんな資格ないって分かっているのに。

 

 もう二度と、雪乃ちゃんから、大事なものを奪わないって、決めたのに。

 

 

 ……それでも、それでも、わたしは――

 

 

「そして、クリアの時、生きてさえいれば。五体満足で、怪我も治った状態で、あの部屋に送られる。――そうだよね?」

 

 

 わたしは――――

 

 この子を――この人を――この男性(ひと)を――――

 

 

「……陽乃さん。まさか――」

 

 

 失いたく、ない。

 

 

 わたしのものだ。誰にも渡さない。神様にだって、奪わせやしない。

 

 

「わたしが――」

 

 

 

 

 

 たとえ、雪乃ちゃんに、一生恨まれることになろうとも。

 

 

 

 

 

「あれを、倒すよ」

 

 

 雪ノ下陽乃は立ち上がりながら、威風堂々と宣言した。

 

「ま、待ってください!! 一人でなんて――」

 

 八幡は、強引に体を起こしながら反論するが――

 

「一人で勝手に突っ走って、こ~んな大怪我を負ったのは誰かな~?」

 

 ちょん。と八幡の肩口の傷に触れる。

 

「~~~~~~っ!!!」

 

 八幡は悲鳴を必死に堪えて悶える。

 

 陽乃はくすっと笑い、そして表情をガラリと変えて言う。

 

「今の八幡が一緒に戦っても、わたしは八幡に気をとられてまともに戦えない。――――わたしを死なせたくないなら、ここでじっとしてて」

 

 ゾクッと八幡は呑まれる。

 

 この圧倒的さ。底知れなさ。これが、雪ノ下陽乃。

 

 八幡は歯噛みする。

 こんな情けない自分が、この人と並びたいなんて、やはり烏滸がましかったのか。

 

 結局自分は、この人の背中を見送ることしか出来ない。この人の背中しか見えない。

 

(……雪ノ下は、こんな気持ちを、ずっと味わってきたのか……)

 

 八幡は、思わず顔を俯かせる。

 歯がゆい。悔しい。情けない。

 

 

 陽乃は、そんな八幡を、優しく抱きしめた。

 

 

「――ぁ」

「八幡。わたし、絶対帰ってくる。アイツを倒して、全部終わらせて――――そしたら」

 

 

 

「わたしに告白して」

 

 

 

 そう言って、妖しく微笑む。

 そして、八幡の唇を力強く奪った。

 

 

 ああ。やはりこの人は、雪ノ下陽乃だ。

 

 八幡は、再び、心の底から魅せられた。

 

 雪ノ下陽乃に、溺れた。どうしようもなく狂ってしまった。

 

 本当にずるい人だ。本当にすごい人だ。

 

 その言葉一つで、その行動一つで、その表情一つで。

 

 その存在全てで。

 

 この俺の心を掴んで離さない。簡単に揺り動かす。

 

 

 永遠のようなキスを終え、唇を離す。

 陽乃は、名残惜しさを精神力で断ち切って、スクッと毅然と立ち上がり、八幡に背を向ける。

 

 そして、立ち去ろうとした時――

 

「――アイツは」

 

 八幡が、ぶっきらぼうに言った。

 

「――おそらく、もう再生は出来ません。……距離があるとレーザーを使ってきますが、接近戦では剣と、水瓶に入っている酸で攻撃してきます。……けれど、近距離でもレーザーを使ってくることもあるので、注意してください。あと――」

 

 ポツリ、ポツリと自分が命を削って得た情報を、陽乃に伝える。

 

 陽乃は振り返る。八幡は、今まで見たことがないような表情で、陽乃を見つめていた。

 

 そして、最後に八幡は。

 

 振り絞るように、絞り出すように、託すように、祈るように、願うように、懇願するように、嘆願するように。

 

 それこそが、それだけが、唯一の望みであると、告げるように。

 

 

「……どうか、死なないでくれ」

 

 

 陽乃は、その表情と、その言葉に。

 

 色々な感情がかつてないほど襲い掛かり、荒れ狂い、完全に持て余す。

 

 ぐちゃぐちゃになりそうな表情を、必死に抑えて、なんとか無理矢理、笑顔を作る。

 

「わたしを誰だと思ってるの? 八幡が考えるべきことは、わたしへのあつ~い告白文句だけよ」

 

 そこに、陽乃らしい強化外骨格など、微塵もなく。

 

 それでも、紛れもなく、雪ノ下陽乃だけが見せる笑顔だった。

 




次回は、陽乃vs千手。最強vs最強です。

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