比企谷八幡と黒い球体の部屋   作:副会長

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※これは最新話までのネタバレを多分に含みます。本編を全て読んだ上で目を通すことを推奨します。

※これはあくまでこの小説における設定の為、原作での設定と相違点が生じる場合がございます。ご注意下さい。

※その他の注意点に置かれましては、活動報告にてご確認の上、読んでいただきますようよろしくお願いします。


設定資料集 ①
設定資料集――ねぎ星人編―― ※ネタバレ注意


・比企谷八幡【ひきがや・はちまん】

 

 種族:人間・戦士(キャラクター)

 

 死亡:なし

 

 あだ名(ニックネーム):ぼっち(笑) はちまん

 

 初登場:ねぎ星人編

 

 愛用武器:透明化(ステルス)

 

 原作:やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。(生徒会選挙編のラストから分離)

 

 知力:A

 戦闘力:B

 生存力:AA

 運:D

 指揮力:C

 情報力:A

 本物への想い:AAA

 

 

 そもそもの話として、僕は彼を書きたくて、この小説を書き始めた。比企谷八幡を主人公にした小説を、僕もどうしても書いてみたくなった。

 

 始めは当時一番楽しく読んでいた八幡が無条件にモテまくるハーレムssを書こうと思っていたのだけれど、何故か、八幡と葉山――正反対のこの二人の関係ってGANTZの玄野と加藤のポジションがハマるんじゃないか? なんて妄想が無性に膨らんだ。そして当時は八幡が色んな作品とコラボするssが流行っていたのもあって、だけどまだGANTZとのコラボは見かけず、なら誰かにやられる前にやってみようかという感じで、とりあえずねぎ星人編を書いてみた。

 

 当時はコミックと俺ガイル原作本を膝に置いて、なるべく原作に忠実にと夢中で書き殴って、それが面白いように筆が進んだ(原作に忠実に書いているので当たり前といえば当たり前だが)。当時から僕は何本もの長編を並行して書いていたのだが、この作品が当然のように一番速く(執筆スピード的に)書き上がって、そして、一番大きな反響をいただいた。

 それはこの作品が面白いというよりは、やっぱり旬の俺ガイルものを書いたというのが大きかったと思う。だけど凄く嬉しかった。

 

 そんなこんなで、気が付いたら一番長いシリーズになっていて、そして大分原作のGANTZともかけ離れてしまった。

 まぁ、それはこれだけ長くやっているのだから、ただ原作の玄野を八幡に置き換えただけの小説では、書いている方はそれなりに楽しくても、読んでいただいている読者の方達はつまらないだろうと思ったから、これでよかったのだと思う。たぶん、僕も読者だったらそんなのはつまらないし。途中で切るし、そんな小説。

 それに、登場人物が変われば当然行動も変わるし、行動原理も変わるし、行動動機も変わる。なら、当然物語が変わって当たり前だと、途中で開き直った。

 

 開き直った末に、こうなったら好きなように面白おかしくやりまくってやれとなった結果、とんでもなくカオスな小説になってしまったけれど、後悔はしていない。たぶん、こうならなかったら、ここまで書けていないと思うし。逆に。

 

 けれど、だからこそ――小説自体がここまでカオスになってしまったからこそ、初志だけは貫徹しなければならないと、それは今でも強く、こうなってしまった今だからこそ強く思っている。戒めている。

 

 それは、この物語は比企谷八幡の物語だということ――比企谷八幡の物語を、書きたくて始めた物語だということだ。

 

 どれだけ主役級キャラが増えても、物語のスケールが大きくなっても、彼のパートの文字数が減っても、それでも主軸は比企谷八幡であるということだけは、いつも心掛けている。つもりだ。つもりです。はい。

 

 主要キャラにはそれぞれテーマを決めていて、八幡のそれはやはり【本物】――そして、オニ星人編で遂に表に出た【幸せ】。

 

 実は、この小説を書き始めた当初は、まだ原作俺ガイルは生徒会選挙編が終わったばかりで、あの神巻であるクリスマスイベント編は発売しておらず(この小説での千手編を書く前くらいに発売された)、本物というテーマを背負わせたのはその後からなのだけれど(八幡というキャラクターを書く以上この言葉(ワード)は根幹になると思った)、この幸せというテーマも、この小説を書いている内に、段々と彼に背負わせたくなったテーマだ。

 

 これは僕の悪癖なのだが、この小説は、いつも重く、苦しく、辛く、悲しい展開ばかりだ。

 僕が好きで書いているのは置いておいて、僕のそんな悪癖にいつも付き合わされるのは、僕の小説の中を生きるキャラクター達で、そして、その中の主人公である八幡は、その被害を最も受けて来たと言っていい。

 

 いつも彼には痛みばっかりを与えて来た。傷ばかりを与え、苦しみばかりを与え、絶望ばかりを与えて来た。

 だからこそ、それはオニ星人編のラストシーンに繋がったのだと思う。もう彼は限界で、今にも壊れてしまいそうで、いや、とっくに致命的に壊れていて、それでも、彼はずっとそのまま罅だらけの心と身体で戦い続けてきた。

 

 死にたい――それは、決して主人公が言ってはいけない台詞で、でも、紛れもなく彼の心の叫びだったと思う。

 そして気が付いたら、僕は小町や陽乃にあんな台詞を言わせていた。いや、彼女達が勝手に動いて、八幡にそう願わずにはいられないかったのかもしれない。

 

 幸せになって欲しい。

 だからこそ――彼には、幸せになってもらいたい。彼には、幸せを見つけてほしい。幸せを掴み取って欲しい。

 

 きっと、彼はこれから幸せというものを探し続けるのだと思う。小町の為に。陽乃の為に。死にたい気持ちを抱え続けながら、それでも自罰的に幸せを探し続けるのだと思う。

 そして――戦い続けるのだと思う。

 

 それが彼にとっての幸せなのか。ここまで壊れ、傷ついた彼が、本当に幸せになれるのか。

 

 彼にとっての幸せとは、何なのか。

 

 作者にとっても、それは分からない。だからこそ、八幡と一緒に探し続けたいと思う。

 

 

 

 

 

 

・雪ノ下雪乃【ゆきのした・ゆきの】

 

 種族:人間

 

 死亡:なし

 

 初登場:ねぎ星人編

 

 原作:やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。(生徒会選挙編のラストから分離)

 

 

 彼女の本格的な出番は田中星人編からだったけれど、一応登場はねぎ星人編の時にしているので、この章に。

 

 雪ノ下のこの小説のポジションは、書き始めた当初は未定だった。

 なんとなくの思いつきでGANTZとクロスして、書き始めた当初の原作は生徒会選挙編の一番奉仕部がギスギスしていた時だったこともあってか(例えもっと後に書き始めていても八幡の現実世界への帰還のモチベーションの為にここからの分離になっていたと思うが)、なんだか彼女のポジティブな面を全く書くことが出来ていない。毒舌もないし。まぁ僕自身があまり雪ノ下の毒舌が好きではない(それが彼女の持ち味でキャラクターだとは分かっていても)ので書きたくないというのもあるのだが。それでも、この作品の雪ノ下は、彼女の良さというのがあまりにも出せていないような気がする。

 結果的にタエちゃんポジになったのに、姉にメインヒロインの座を奪われた悲運のヒロイン。ただトラウマを負っただけじゃないか……。雪乃ちゃんはまた選ばれないんだね……。

 

 もしこの小説で小島多恵編を描いていたら、もしかしたら再び彼女がターゲットに選ばれていたかもしれない。そっちのプロットも考えてはいたのだけれど、その場合、何の躊躇もなく八幡が和人達を虐殺して、とんでもない地獄絵図になったので止めた。万が一、八幡が和人達に敗北していたとしても、その場合は和人達に致命的な傷を残したと思う。それに和人達なら八幡と一緒に雪乃の護衛側にあっさりと回ることも考えられて、そしてそんなドリームチームを相手取れるモブキャラなどいるわけがないので、何もしない一時間が過ぎるだけでどうしても面白く出来なかったし、作者としてもあの状態の雪乃をターゲットにするのは抵抗があった。ので、やめた。僕は物語としてシリアス展開を面白いと感じるだけであって、ただただ闇雲にキャラクターを傷つけたいわけではない。説得力皆無だが。

 

 このことからも、僕は雪ノ下雪乃という少女を、どこか“弱い”と思っているのかもしれない。決めつけているのかもしれない。弱いというよりは、脆い――雪の結晶のように、美しいけれど、だからこそ儚い、そんな少女だと。

 だからだろうか。GANTZミッションと並行して奉仕部の復活を目指すという八幡の物語の初期構成の為もあったけれど、僕は雪ノ下をガンツメンバーにするという発想は全くなかった。それは他のヒロインもそうだけれど、特に彼女の場合は、何故か、幼い女の子を虐めているような、弱い者虐めをしているような、そんな罪悪感が凄かった。結果としては負けず劣らずの酷い目に遭わせているのだけれど、なんというか、彼女は僕の中では最初から最後まで、ピンチを助けられるお姫様のような少女だった。

 

 それでもこの世界では、この小説では、この物語では――比企谷八幡は、彼女にとっての王子様にはなれなかった。

 王子様が到着した時には、お姫様の心は壊されていた――白馬の王子様は間に合わなかった。

 チビ星人の来襲によって雪乃の心は破壊された。これは、奉仕部が壊れかけ、雪乃の心にも大きな負担がかかっていたことも一因である。結果として彼女は、八幡に依存するようになった。八幡はそれを恋愛感情ではないと断じたが、それはおそらく雪乃自身も理解していないだろう。そんなことを考えることも出来なくなったといっていい。彼女にとって八幡は暗く恐ろしい世界の中で自分の心を助けてくれる温かい光であり、ずっと傍に居て欲しい、居てくれなければ怖くてたまらない、そんな存在になった。なってしまった。

 

 八幡にとっても、雪ノ下雪乃を壊してしまったことは、己の心に刻まれた最大級の傷である。永遠に自責の念でその傷を癒える間もなく痛め続けるだろう。

 おそらくは、この世界の八幡は、雪乃を恋愛対象と見ることは、見れることは、一生ないのだろうと思う。八幡にとっては由比ヶ浜と並んで、彼にとっては、守りたい、けれど守り切れなかった、失ってしまった、帰れなくなってしまった、そんな光の日常の象徴であり、己の犯した罪の象徴でもある。

 八幡は雪ノ下の為ならば命を投げ捨てることが出来るだろう。だが、それは懺悔の気持ちであり、贖罪の気持ちであり、決して恋愛感情ではない。

 

 かつて比企谷八幡が憧れ、もしかしたら本物になれるかもしれなかった、正しい世界ではきっと正しい形で隣にいることが出来た筈の少女。

 八幡は、そんな彼女を守れなかったことを悔やみ、傷つけてしまったことを嘆き――彼女から逃げるように、彼女を解放する道を選んだ。

 それは雪ノ下雪乃という壊れてしまった儚い少女にとって、どんな未来を齎すのだろうか。

 

 正しい世界では、平塚静は、こう、比企谷八幡に言葉を贈る筈だった。

 

 雪ノ下雪乃を救うのは、比企谷八幡でなくても構わない。それでも、それが君だったらいいと思う――と。

 

 この世界で、比企谷八幡は雪ノ下雪乃を救うことを諦め、それを由比ヶ浜結衣が成し遂げてくれることを願った。

 果たして、この世界で雪乃を救うのは、やはり由比ヶ浜か。それとも――。

 

 ちなみに時間が跳んだ無印と続の間の半年間、八幡とは半同棲みたいな感じでかなりの時間を一緒に引っ付いて過ごしていた。

 そこの絵だけを見ればかなり真面目にラブコメしているのに……。

 

 

 

 

 

・由比ヶ浜結衣【ゆいがはま・ゆい】

 

 種族:人間

 

 死亡:なし

 

 初登場:ねぎ星人編

 

 原作:やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。(生徒会選挙編のラストから分離)

 

 

 彼女も雪ノ下同様に、初登場はねぎ星人編の冒頭なので、この章に。

 

 由比ヶ浜も雪ノ下同様に、この小説のポジションは当初は未定だった。

 考えて見れば、僕は由比ヶ浜を岸本ポジションに置こうなどとは、まるで考えなかった。巨乳繋がりで思いつきはしてもいい筈なのに、その可能性すら浮かばなかった。

 僕が岸本で一番強烈に思い浮かぶのはやっぱりあの全裸転送シーンだからかもしれない。由比ヶ浜のそんな姿を不特定多数の男に見せるのが嫌だったのかも。結果的には相模もそんな目には遭わなかったけれど。それに、僕は初めから岸本ポジの子を考えるときに、加藤――つまり葉山に惚れる、もしくは惚れているという条件で考えたので、だからかもしれない。それが彼女にとってそれは幸だったのか不幸だったのか……。

 

 それでも僕の中では、由比ヶ浜も雪ノ下同様にガンツミッションに参加させる予定はなかった。だけど、それは雪ノ下とはまた別の理由だと思う。なぜだろうか。色々と可能性は思い浮かぶけど、明確な理由は自分でも分からない。

 

 少なくとも、僕には由比ヶ浜は弱いという印象はない。むしろ雪ノ下よりも、そして八幡よりも、遥かに強い人間だと思っている。

 だが、結果として、強過ぎる彼女は、強過ぎた彼女は、誰よりも辛い役回りになってしまった。

 

 ただただ耐えた。ただただ待った。耐えて耐えて耐えて、待って待って待って。

 

 それでも、彼女は――切り捨てられた。比企谷八幡に、切り捨てられた。

 

 八幡にとって由比ヶ浜は、雪ノ下とは違う意味で罪の象徴であり、そして二度と戻れない、光の日常の象徴でもある。

 八幡は彼女に甘え続けた。苛烈な罪悪感を感じながら、強い彼女に甘え続けた。

 いつしか八幡は彼女との約束を果たすことを諦め、それでも彼女に甘え続けた。

 もしかしたら、雪乃が八幡に依存していたように、八幡も由比ヶ浜に依存していたのかもしれない。そして由比ヶ浜は、きっとそんな雪乃と八幡に依存していた。

 

 共依存。歪んで、狂って、それでも崩れない不気味な空間――それが、小町が見て、泣くことしか出来なかった悲劇の奉仕部。

 由比ヶ浜結衣という少女は、奉仕部という何かに依存していた。奉仕部という場所に、奉仕部という空間に、奉仕部という時間に、恐らくは八幡以上に何かを求めていて、求めるようになってしまって、そして誰よりも縋り諦めきれなかったのは、きっと由比ヶ浜だ。

 

 あの場所を求め、あの時間を求め続けていた。あの空間が帰って来ることを、誰よりも誰よりも待ち望み続けた。

 だからこそ耐えられて、だからこそ強く在れて――けれど、それも、遂に終わった。

 

 八幡は、由比ヶ浜を自分という重荷から解放した――それが彼女にとって、どんな意味を持つ重みだったか、それを理解していたのかは分からない。

 もしかしたら、雪乃以上に強く悍ましく八幡に依存していた彼女は、その八幡から解放され、その八幡から切り捨てられた今、彼女は何を支えに生きているのだろう。

 

 自分ではない誰かと由比ヶ浜が幸せになることを、八幡は望んだ。祈った。

 彼女を救うのは、八幡ではない別の男なのだろうか。それとも――。

 

 なんていうか、雪ノ下も含めてだが、奉仕部の三人は、その三人の関係が特別過ぎて、どうしても一人を選ばなくてはならない恋愛という分野では語れない気がするのだ。だからこそ、あの三人の青春ラブコメはまちがっているのだと。

 そんなことを言っておきながら、八幡以外とくっつく由比ヶ浜も雪ノ下も見たくないのだから、僕も相当にアレだけれど。

 

 この作品での三人の関係はこれ以上ないくらい悲惨に壊れ、歪み切っている。

 結果としてそこを目指したわけではないけれど、それでも僕は初めから、この三人の結末は恋愛というものを超越した、人によっては異様に感じてしまう程に特別な何かという形で表現したかったのだと思う。

 

 由比ヶ浜結衣、雪ノ下雪乃、そして比企谷八幡。

 この三人の関係。この三人を繋いでいるもの。この三人だからこその世界。

 

 奉仕部。

 この言葉は、あの空間は、きっといつまでも三人を縛り付けて、三人はいつまでも囚われ続けるのだろう。

 彼女達が、この小説で、この世界で、どんな結末を迎えるのか。

 

 どんな結末だとしても、大切に描いていきたいと思う。

 

 

 

 

 

・平塚静【ひらつか・しずか】

 

 種族:人間

 

 死亡:なし

 

 初登場:ねぎ星人編

 

 原作:やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。(生徒会選挙編のラストから分離)

 

 

 出番は殆どないけれど、一応名前の初登場はねぎ星人編なので、一応ここに。

 殆ど出番がない――というよりは、僕はこの人を書くことを避けている自覚はあった。

 

 彼女はこと俺ガイル二次創作においては駄目人間で教師失格で結婚したいが持ちネタのネタキャラみたいになっているけれど、勿論そんな平塚先生も僕は好きだ。

 駄目人間で教師失格な面もあるけれど、それでもやっぱり僕の中で彼女のイメージは【教師】で、【大人】だった。

 

 だからこそ、書きにくかった。なんていうか、間違っちゃいけない、みたいな感じがして。

 気軽に書けるキャラじゃなかった。本当はチビ星人戦のときとかに八幡を諫めるシーンとかを入れたり、またはどんどん堕ちていく八幡や奉仕部に対して、何かしら対処に動く彼女を書こうかなとも思ったけれど、それでも結局書くことは出来なかった。

 

 それでも、いつまでも僕も、大人から逃げていてはいけないのだろう。この小説も話のスケールがどんどん大きくなって、大人のキャラも増えてきた。そして、得てして大人のキャラは立場や力を持っているので、物語に対するマンパワーが大きい。それが書くのを躊躇する理由でもあるのだけれど。

 

 状況に振り回されるのではなく、そんな状況から導くキャラ。それは、彼女の言葉を間違えれば、物語の舵取りが致命的に取り返しがつかなくなる可能性も抱えている。ああ怖い。気軽に書けない。

 

 まぁこんなことを言ってきたが、それでも平塚先生は今後もあんまり出番はないと思う。

 それでも、いつかあの神巻の神シーンのような、あんなカッコいい平塚先生を書いてみたいという気持ちはある。

 いつかこの人をカッコよく書けるような、そんな立派な大人になりたいものだ。

 

 

 

 

 

・葉山隼人【はやま・はやと】

 

 種族:人間・戦士(キャラクター)

 

 死亡:あばれんぼう星人・おこりんぼう星人編

 

 復活:オニ星人編

 

 あだ名(ニックネーム):イケメン☆

 

 初登場:ねぎ星人編

 

 愛用武器:Yガン

 

 原作:やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。(生徒会選挙編のラストから分離)

 

 知力:A

 戦闘力:C

 生存力:B

 運:E

 指揮力:B

 情報力:C

 八幡への憧憬:A

 

 

 この作品におけるはじまりの一人。なんかこんな風に言うとカッコいい。

 

 事実、カッコいい男だと思う。八幡よりもよっぽど主人公な男だ。正しい男だ。だけれどそんな、正しいのにそれでも正しさが通用しない――そんな所が加藤と重なり、この作品を書いてみたくなったのだと思う。

 

 だけど、僕の持つ葉山のイメージは、加藤程にその正しさを貫けるような強者ではなかった。

 正しいけど、正しく在りたいけど、正しさを貫きたいけど――正義のヒーローを背負い続ける程の強さを持っていない、ヒーローになれないヒーロー。

 そんな彼のテーマ――というか、僕が意識して書いたのは、【八幡(アンチヒーロー)との対比】。

 

 正しいヒーロー、本来の主人公の気質の男が通用せず、アンチヒーローが無双していく。そんな昨今ブーム(?)の俺TUEEEな感じのことを書きたかった。

 でも、僕はそれは別に、クラスのイケメンリア充をアンチして貶めるといったことを書きたいわけではなかった。それは、信じてもらえないかもしれないけれど、僕の本音だ。

 それよりも、そんなことが成り立ってしまうくらい、平時の強弱関係が簡単に意味を失くしてしまうくらい、GANTZという戦場は理不尽なもので、平時では輝かない才能を八幡が持っている。そんなことが伝わればと思っていた。

 

 言うならば、書きたいカッコよさが違った。八幡は理不尽を間違った強さで打倒していく邪道のカッコよさを。葉山はそんな理不尽な地獄の中でも藻掻き続けるクラスの王子様の凡庸なカッコ悪いカッコよさを、書きたかったのだと思う。

 それでも、この作品の主人公は八幡だし、それと対比するように書いているので、結果的に葉山アンチのようになってしまったことは、結構悔しかった。

 

 葉山のあばれんぼう星人編での慟哭はかなり初期の頃から書いてみたかったし、書けて嬉しかったシーンの一つだ。そして、葉山が八幡を救う。これまで数多くの尻拭いを、己の力ではどうしようもなかった状況を八幡に押し付けてきた葉山が、八幡にそれを押し付けられる。それに満足げに笑う葉山。葉山の死ぬシーンはそうしようとずっと決めていた。

 

 相模とくっついたのは僕としてもちょっと予想外だったけれど、結果的にはよかったと思っている。相模は原作でも一応(クラス一のイケメンにキャーキャーくらいのそれだとしても)葉山に惚れている設定だけど、三浦と違ってほとんど葉山とくっついている作品は見かけないので目新しいというのもあったし、GANTZの方でも岸本は加藤と最終的に結ばれることが出来なかった。両想いではあったのだろうけれど。

 この作品でも二人の想いが通じ合ったのはほんの僅かな間だったけれど、それでも八幡の凄さを知った上で、それでも相模は葉山を選んでくれた。そんな彼女の告白は、これまで数多くの告白を受けて来た葉山にとっても特別な意味を持っているのだと思う。

 

 そんなこんなで、個人的には葉山はかなり思いが強いキャラクターだ。だからこそ、彼は復活させることは決まっていた。僕が葉山で書きたいシーンは、まだ一番大きいものが残っている。

 加藤の一番の見せ場である大阪編。それをどうしても葉山ありで書きたかった。

 

 葉山がこの小説で死んだのは、原作のマラソン大会編の発売前。あの巻を読んでより深く知れた葉山隼人という人間を、大阪編でよりカッコよく描きたい。今度こそしっかりと描いてやりたいとずっと思っていて、やっとここまで辿り着けた。

 

 葉山が戦っていた時のそれとは、遥かに絶望のレベルが上がった戦場に、葉山隼人はどう立ち向かうのか。

 そして、葉山は、彼女を取り戻すことが出来るのか。

 

 葉山隼人という凡庸だけれどカッコいい男の本当の戦いはこれからだ。

 そして、この男が立ち向かうべき本当の絶望も――。

 

 

 

 

 

・相模南【さがみ・みなみ】

 

 種族:人間・戦士(キャラクター)

 

 死亡:あばれんぼう星人・おこりんぼう星人編

 

 あだ名(ニックネーム):うちぃ~

 

 初登場:ねぎ星人編

 

 愛用武器:特になし

 

 原作:やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。(生徒会選挙編のラストから分離)

 

 知力:C

 戦闘力:D

 生存力:B

 運:D

 指揮力:C

 情報力:C

 葉山への想い:A

 

 

 まさかの序盤のヒロイン枠。

 八幡、葉山、相模という組合せがメインだった俺ガイル小説など中々なかったのではなかろうか。作者もビックリだ。

 故に、相模がメインヒロインで嬉しいみたいな感想を頂いた時、ひどくドキッとしたことを覚えている。ああ、そうか。普通に読めばそういう風に読めちゃうよなって。

 

 前述の通り、僕は彼女を岸本ポジに置いたのは、葉山に惚れるという前提の元で決めたので、八幡のヒロインにするつもりはまるでなかった。それに、誤解を恐れずに言えば、僕は多くの原作読者の一人として、始めは――少なくとも、この小説に登場させたときは、僕は相模のことはあまり好きなキャラではなかった。後述の折本もそうだが。

 

 これも前述の通りだが、僕はシリアスな展開ばかり書いてしまうが、キャラクターを虐めて悦に浸っているわけではない。当然ながら、好きなキャラがひどい目に遭うのは心が痛いし、いつかこれを伏線にスカッと無双して欲しいと読者側ならばそんな展開を期待する。

 八幡は理不尽な状況をそれでも切り抜いていくといった主人公の立場なので書けたが、それを引き立てる存在として、そんな理不尽な状況に屈服してしまう――ようは酷い目に遭って絶望する立場のキャラはやはり物語上、必要不可欠なわけで。そんな立場に、好きなキャラを好き好んで配置などしたくないわけで。

 

 つまり、当初はそんなヒドイ理由で、相模は雪ノ下や由比ヶ浜を退けて初期ヒロインの座を勝ち取ったわけだ。……そんなわけだから、相模がヒロインで嬉しい、中々相模好きの同志がいなくて、みたいな感想を頂いた時は、申し訳なさで心苦しかったのを、今でも覚えている。……本当にすいません。性格がゴミなクズ野郎で……。

 

 けれど、書いていく内にキャラクターは成長するし、愛着も湧いてくる。

 結果的に彼女は、葉山隼人を救う程にまで強くなってくれた。

 

 原作者の渡航先生もいつだかのあとがきに書いていたが、彼女は本当に人間らしいキャラクターです。

 間違いも犯すし、気に入らないものは気に入らないし、イケメンにキャーキャー言うし、チヤホヤされたいし、嫌なことからは逃げたい――とても弱い人間だけど。

 

 きっと、だからこそ、そんな自分が嫌いで、そんな自分を直したいっていう自分も、きっと持っていて。

 

 一人の男の子をじっと見つめて、いいところもわるいところも受け入れて――一人の男の子に恋をする。

 

 そんな強い女の子の部分も、きっと持っているのだと、そう思った。

 

 この小説の相模南には、そんな普通の、だけどとても尊く、強い女の子になって欲しかった。

 

 葉山隼人という普通の男の子を救うのは、きっとこんな女の子なのだろうと。

 

 原作の岸本恵という少女は、終ぞ悲しい終わりのままだったけれど――この小説での相模南という初期ヒロインは、果たして報われるのだろうか。

 

 それは、一人の、カッコ悪くてカッコいい男の子に懸かっている。

 

 

 

 

 

・山田太郎【やまだ・たろう】

 

 モブキャラ①。

 眼鏡の男。

 教師風の男。

 

 こんなキャラまで肉付けしようか迷ったけれど、こんなモブキャラにもそれなりに裏設定が合ったら面白いなと思ったので、簡素ながら設定を。

 

 八幡の予想通り、千葉県内の小学校で教師をやっている。教師歴は五年以上十年未満くらい。仕事に慣れてきたがベテランという程には熟成していない。

 

 教える教科は小学校なので全般的だが、思考は理系寄り。理屈で考えたがり、理屈を繋げたがる。故に、理解の範疇外の事態に弱く、テンパりがち。いざという時に頼りにならないタイプ。

 

 死因は原作と同じく仕事帰りにスクーターで事故った。一応、原作とはちょっと名前を変えてある。

 

 

・稲森孝之【いなもり・たかゆき】

 

 モブキャラ②。

 不良風のチャラ男。

 

 バイトを転々とするフリーター。根気はなく、根性もないが、人にすり寄るのが上手く、世渡りは得意。どのバイト場でもすぐに上司に気に入られるが、単純に根性の問題ですぐに仕事に嫌気が差して辞める。だからといって、単純にどうにかなんだろと開き直れるほどに馬鹿にはなれないので、すぐに次のバイトを探し、持ち前の世渡り術で面接は割とすんなり通る。

 このままじゃやべぇなーとはなんとなくわかってはいるが、どうしても根性が足りないので、いまいち奮起できず、駄目人間を卒業できない。

 

 死因は、そんなことをぼうと考えていたら、突然歩道に乗り込んできたトラックに轢かれた。神様のミスかな。

 もし、彼に何らかの可能性があったら異世界転生とかしていたかもしれない。

 

 事実、ガンツに見つけられて、第二の人生を獲得できるかもしれないという境遇を得ることはできたが、小説みたいなことはそう簡単には起こらなかった。小説だけれども。

 

 

・鈴野重蔵【すずの・じゅうぞう】

 

 モブキャラ③。

 おじいさんとおじさんの中間くらいのおっさん。

 風格がある、どっかの重役っぽい男。重役さん。

 

 死因は病死。それもかなり長い闘病生活の末の死だった。

 故に死を比較的に冷静に受け止めていたが、実際に久方ぶりに外に出て、歩いていることを実感した時、もう一度家族に会いたいという当然の欲求を覚えた。

 

 中小企業の社長をしており、比較的に順調な業績を上げていたが、昨今の情勢により、少し経営が傾き出し、ここが頑張り所と気合を入れたところで病を発症し、苦境な状態で会社をバトンタッチしなくてはならなかった息子に負い目を感じていた。

 

 

・畠中宏【はたなか・ひろむ】

 

 モブキャラ④。ヤクザ①。

 武闘派。とある暴力団の戦闘要員。

 

 いつの間にかドロップアウトし、ふとある時に喧嘩を売った相手が本物のヤクザで、ボコボコにされた後に半ば強制的に組合の一員にされた男。

 

 体格の良さ、気性の荒さ、肝の太さなどを買われ、次々の手柄を上げ、気が付けば幹部の吉井とつるむほどの位置に。

 

 だが、それ故に他の組合からも恨みを買っており、死因は闇討ち。

 余談だが、趣味は組合がバックに付いている風俗店通い。特別料金で通してもらえたらしい。

 

 

・吉井聖【よしい・さとし】

 

 モブキャラ④。ヤクザ②。

 幹部。腕っぷしよりも、政治力で幹部まで伸び詰めた男。

 

 学はなかったが、地頭はよく、策謀に長けていた。

 関西出身の外様だったが、畠中の有用性に気付き、駒としては使い勝手がよかった畠中を上手く運用して、敵組合や同じ組合の邪魔な存在を次々と退けていき、出世を重ねた。

 

 が――それによって敵を作り過ぎ、最後は同じ組合の蹴落とした男の策略により、敵組合の闇討ちにあって死亡。

 だが、只では死なず、畠中が殺された後、残り一名まで道ずれにした。

 

 

 

 

 

・霧ヶ峰霧緒【きりがみね・きりお】

 

 種族:人間・戦士(キャラクター)

 

 死亡:田中星人編

 

 復活:オニ星人編

 

 あだ名(ニックネーム):厨房

 

 初登場:ねぎ星人編

 

 愛用武器:透明化(ステルス)

 

 原作:なし(オリキャラ)

 

 知力:SS

 戦闘力:SS

 生存力:S

 運:E

 指揮力:E

 情報力:A

 異質度:SSS

 

 

 

 オリキャラ①。

 中坊。

 言われるまでもなく、原作の西君ポジ。

 

 霧ヶ峰霧緒というのは、俺ガイルっぽい名前にしたいなと思って色々と地名を探してみたがしっくりこず、CMを見てなんか霧ヶ峰って文字としてカッコいいなってふと思い、そっから霧ヶ峰キリオになって、文字を当てて霧緒になった。緒にしたのは、男や雄はイメージに合わないし、霧生も面白いかと思ったのだけれど、緒という字には魂を繋げるという意味があるそうなので、霧緒にした。何気に命名にはかなり時間を掛けた。俺、コイツのこと好き過ぎだろ。

 

 始めは只の説明キャラで、原作西くん同様に田中星人編であっさりと死亡して、その後復活させないでそのままフェードアウトのかませ犬キャラの予定だったのですが、ねぎ星人編で何故かあんなキャラになってしまい、トップクラスのお気に入りキャラに……(笑)。

 

 キャラクターのイメージとしては、『めだかボックス』という漫画の『球磨川禊』というキャラクター。僕はまだ、このキャラクター以上に好きなキャラに出会ったことがない。未だに個人的ナンバーワンのキャラ。

 

 相当危ないイカれた奴だけど、日常世界では実はそこまで大きな問題を起こしていない。

 例の同級生をバットで殴打した暴力事件も、いじめに対する正当防衛ということになっている。学校側が問題を隠すために退学ではなく不登校扱いになっている。

 

 一応、こいつも千葉県在住。けれど、基本的に家には帰らない。

 なので、基本的に消息不明。ミッションがない日常世界で彼を見つけるのは擬態している星人を見つけるよりも難しいかもしれない。

 

 さらっとパンダがレコードホルダーであることをバラしたが、能力値が表す通り、本当は天地がひっくり返るようなことがあっても田中星人如きに殺される存在ではないのだが――それでも、いざという時はあっさりと絶命するところも彼らしい。

 

 スペックで言えば、彼は作中でも最強クラスの“人間”である。恐らくは陽乃以上に、まさしく異質な、異常種。

 その辺りも含めて、未だ彼は謎めいていて、書きたいことがいっぱいある。

 

 田中星人編で死んでしまったが、コイツの過去は未だに謎に包まれていて、これから先、かなり重要なキャラクターになってくるので、どうかお楽しみに。

 

 いつかその辺りのエピソードも、前日譚の外伝として彼を主人公に書いてみたいと思っている。

 

 あと、復活シーンの過去回想でのキャラは、『雪ノ下陽光』ではないとだけ、明言しておく。これは、――繫――で明らかになるかと。

 

 

 

 

 

・比企谷小町【ひきがや・こまち】

 

 種族:人間

 

 死亡:オニ星人編

 

 初登場:ねぎ星人編

 

 原作:やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。(生徒会選挙編のラストから分離)

 

 

 比企谷八幡の愛妹。天使。

 絶対に守り抜きたかった存在で、八幡が自らの手で殺めた――【本物】。

 

 比企谷八幡にとって、きっと生涯で最も深い心の致命傷となっただろう。

 

 八幡が黒い球体の部屋に引き摺り込まれていくにつれて、日常が侵食されていくにつれて、小町が追い込まれていくのは、多分確定的だった。

 

 初めに考えたのは、やっぱり原作でのタエちゃんポジへの配置。

 それも雪乃と同様に八幡が躊躇なく全てを虐殺する未来が見えたので、白紙に。でも、あのシーンはどうしてもこの小説でも何らかの形で出したかったし、雪乃が既に壊れている以上、それと同等以上に八幡の心を破壊するには、やはり小町だろうと思っていた。いうならば、雪乃と小町の二人で多恵ちゃんポジといったところか。

 

 だからこそ、オニ星人編のラストは、一番最初に決まっていた。個人的には、原作の小島多恵編とオニ星人編とゆびわ星人編を一気に一つの章として書こうと思ってプロットを作った。結果として長すぎたので二つに分けたが。

 

 図らずとも大志が重要キャラとなったので、小町の作中重要度も上がったが、個人的にはやはり小町にとって大志はお友達なので、大事ではないということでは決してないだろうが、一番は八幡だったのだろうと思う。八幡がおかしな原因に、大志も関わっているのでは、といった感じで。

 

 八幡のいう、本物。

 相手の全てを知って安心したい。完全に理解したい。

 そんな醜い自己満足を、そんな傲慢を、お互い許容できる関係。

 

 そんな関係を、作ろうとするまでもなく、当たり前のようにそうであった存在――八幡にとって、小町は無条件でそうだった。

 

 小町だけは、まるで神に与えられていたかのように。

 

 そんな本物を、八幡は自らの手で撃ち抜き、破裂させ、破壊した。

 

 小町はガンツのリストに入っていない。よって、ガンツでは彼女を蘇らせることは出来ない。

 八幡がどれだけ頑張っても、何を犠牲にしても、この手で取り戻すことの出来ない死。

 

 この死は間違いなく八幡のターニングポイントとなる。

 

 妹を殺した――本物を壊した。

 それは、これからの比企谷八幡の物語に、どのような致命的な影響を及ぼすのだろうか。

 

 ただ一つ、明言したいのは。

 小町は笑顔で、兄が大好きで――ただ、幸せを願って、死んでいったということだ。

 

 

 

 

〔ねぎ星人〕

 

 住宅街にそっと紛れ込む父子の星人。

 基本的に家の中でひっそりと隠れ潜み、たまに食糧のネギを調達に街を徘徊する。

 

 その名の通りにネギのみで生存に必要な栄養を全て獲得することが出来るが、光合成は出来ない。また、他の食物を食べることは可能だが、栄養とはならずに排泄される。

 

 戦闘能力は高いわけではないが、人間よりは遥かに高い身体能力と、武器となる爪、刺激臭を放つねぎ汁分泌能力を備えている。

 

 争いは基本的に好まない温和な性格で、命の危機を感じると、命の次に大事なねぎを差し出して命乞いをする。

 だが、友人や仲間を傷つけられた時は、個体によっては血の涙を流す程に激昂し、命を懸けてでも復讐を成し遂げようとする。

 

 

 

・ねぎ星人子 1点

 

 ねぎ星人の子供。

 父と二人、人間から隠れてひっそりと暮らしていた。

 

 父から人間には絶対に見つかるな、人間は恐ろしい生き物だということを強く教えられながら育った。

 故に、父が帰って来たとドアを開けたら人間が現われた時、彼はただ一目散に逃げだした――だが、結果は。

 

 

・ねぎ星人父 3点

 

 ねぎ星人の雄の成体。

 ねぎ星人は、彼と息子が最後の生き残りで、既に絶滅がほぼ確定している種族だった。

 

 ネギがあればおよそ生きるのに必要な全ての栄養が手に入るので、場所を転々としながらなんとかここまで生き延びてきたが、遂に今回のミッションにて絶滅した。

 

 人間に対して並々ならぬ復讐心を抱えていたが、己の力を理解していたために――同族最後の生き残りである自分達が生き残る為に、ただ只管に堪え、息子の為に耐え忍んでいた。

 

 だが、遂にその日、ネギ畑が見つからず、止むをえず一か八かの覚悟でコンビニに赴きネギを購入したが、ガンツに危険行為だとみなされ、標的にされた。

 


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