同じブロックのアリス、パチュリーペア対にとり、雛ペアの弾幕ごっこが今さっき終了した。
結果を一言で表すなら圧勝。6枚のにとりと雛のスペルカードは全て避けられた。
アリスたちはその6枚のスペカを全て料理した後、4枚のスペルカードでゴリ押して勝利という結末だった。
あれだな、一言でいうと弾幕ごっこらしくなかった。もうちょっとスペルがぶつかり合うところ見てみたかった。
と、いうわけで……
「頼むぞ2人とも」
「任せといて」
「もちろんです」
午後3時、大妖精たちの初戦が始まる。相手はアリスたち。アリスたちはすでに勝っているので、ここでアリスたちに負けると予選リーグ敗退が決定してしまう。
「ふふん。いままで優斗に教えてもらったことを使えばばっちりだよ!」
ちょっと得意げな笑みを浮かべて、両手を握りしめる仕草を見せる大妖精。よし、さっきなんかひどいこと言われたけど士気は大丈夫だな。
「じゃ、いってくるねー」
「いい結果を待っててください」
弾幕ごっこ会場の校庭の中央へと歩いていく2人。その背中はとても頼もしく見えた。
「えっと……」
あの後、1人になった俺は、2人の対戦表を見て次の相手を研究していた。まあ決勝トーナメントの組み合わせは明日決まるんだけど。
「どうだ2人は?」
慧音がこっちに来た。彼女は2人の担任でもある。
「ばっちりですよ。ちゃんとスペルも考えたし」
「それは良かった。――じゃなくて、今はこれを言いに来たんだ」
「はい?」
慧音が見せてくれたのは、先生用の弾幕ごっこ大会スケジュール表。これがどうかしたのか?
「これが?」
「ほらよく見ろ」
「……やべ。ありがとうございました」
俺も大妖精たちの後を追うように走る。そういえば俺にもやることがあったんだよな……
「では、大妖精、小悪魔ペア対アリス、パチュリーペアの試合を始めます」
「ああ、審判優斗だったの……」
「審判がいない! って、映姫先生が叫んでましたよ」
「ごめんごめん、先生が審判やるってこと忘れてた」
「もう……」
後で説教される確率大だなこりゃ。
「ほら、さっさと始めなさい」
アリスからも催促が来る。はいはい、厳正にやらせていただきますよ。
「ではスタート!」
「「それっ!」」
「「……」」
4者同じように勢いよく上へ飛翔する。そのまま空中で静止し、じっとにらみ合う。しかしそれも長くは続かない。
「いきなさい」
最初に動いたのはアリス。懐から2体ほど人形をだし、弾幕を出させる。
「じゃあこっちも……」
それに続いて、パチュリーも赤い結界を出現させる。
アリスの人形はそれぞれ小弾と中弾をだす。中弾のほうが速度が遅く、複雑な弾幕になる。そこに、大弾サイズの炎が加わり、様々な大きさの弾幕が2人に襲い掛かる。
「さあ、いくよ!」
もちろん2人も負けてはいない。飛び回るなんて無駄な動きはせず、その場でちょん避けを続け、空間が開くと、すかさず弾幕を撃って牽制する。
「…………」
まだ試合はまだ始まったばかりなのだ……そんなことを言っている場合ではない。
「ど、どうする……」
そう、俺は今窮地に立たされていた。
俺は空を飛べないので、4人の戦いを見上げるような形で審判を行っている。4人の戦いを真下から見上げる。つまり、
「み、見えそう……」
すごくパンツが見えそうなのだ。というかもうすでに。何言ってんの俺。
いままで弾幕ごっこの観戦ってしたことが無くて気づかなかったけど、ほんときわどいんだな。特に大妖精、ワンピース短すぎ。
しかも、審判という立場上4人の戦いを注視しないといけないというジレンマに立たされている。
お願い、誰か何とかして……
「助けてやろうか?」
「ま、魔理沙! 頼む!」
よっし、これからは救世主魔理沙と呼ぶことにしよう。
ほうきの後ろに乗っからせてもらい、猛スピードで大妖精たちの同じ目線に立つ。
俺も試合もここからがスタートだ。
第三十一話でした。優斗語りましたね~
ところで大妖精とこあのパンツって何色なんでしょ?やっぱり白と黒なんでしょうか?
あれ?二人ともどうした?えっ?こっちへ来いって?なんで?………ぎゃああああ!ピチューン
大「次回もお楽しみに!」
こあ「うp主はちゃんと処理しておきましたのでご安心を」