東方好きの優斗と大妖精と   作:ゆう12906

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第三十話 小悪魔から見ると優斗は結構すごいことをやっている

大妖精と小悪魔を鍛え上げて2週間、ついに弾幕ごっこ大会の日を迎えた。

 

「寒っ……」

 

意気込んで学校に来たのはいいものの、寒さで体が凍りそうだ。頼むリリー、早く来てくれ。

 

「優斗ー! 対戦表が出たよ!」

 

こちらに大妖精と小悪魔が駆けてきた。その手には対戦表が握られている。

 

「どれどれ……」

 

えっ―と2人は……Iブロックか。相手はにとり、雛ペアか。十分に戦えるな。もうひとペアが……

 

「えっ?」

 

「どうしたの?」

 

アリスとパチュリーだって?いや、強いのはもちろんなんだがあの2人仲悪かったんじゃないの?

 

「なるほど、倒せない敵ではないな」

 

「そうなんですよ。絶対倒します!」

 

おーと思いっきりこぶしを突き上げる小悪魔。俺たちの士気は今かなり高まってきている。

 

「よし、2人とも。ちょっと相手の様子を見てきてくれ」

 

「うん」

 

「分かりました」

 

ここで相手の様子を見て二人にリラックスしてもらおう。相手の上体を見ておいた方が自信もつくし。

 

 

 

 

 

「戻りました……」

 

「何があった」

 

なぜ2人ともそんなに暗い顔なんだ。大妖精、なぜ半泣きなんだ。

 

「なんかもう話を聞いてもらえませんでした」

 

しまった、失策だったか。あのアリスとパチュリーのことだから試合前に対戦相手に会話なんてするはずないか。

 

「2人とも大丈夫だ。アリスとパチュリーは仲が悪い。あの二人が強いなんてことありえないから大丈夫だ」

 

「あんなに怖い目してたのに?」

 

「絶対大丈夫だ。俺が保証する」

 

それでもまだ不安そうな顔の大妖精。どんだけ怖かったんだよあの二人。

 

「大丈夫。大妖精はそんなに弱い子じゃないだろ?」

 

「う、うん……」

 

とりあえず自信を取り戻してくれたようだ。

 

「なんかすごいですね」

 

「何がだ」

 

「惜しげもなく大妖精の頭を撫でられるところですよ。ごちそうさまです」

 

「ごちそうさまってなんだ?」

 

何か見てて楽しいか?

 

「「ごちそうさまです」」

 

「だから何がだ。というかこんなところにいていいのか?」

 

背後から現れたのはにとりと雛だった。もうすぐ二人はアリスたちの試合する時間なのだが。

 

「いや~軽くしゃべっておこうかと思ってね」

 

「そうです。ついでに様子見ですよ。なかなか強そうじゃないですか」

 

「そりゃそうです。この人ためにきちんと練習してきましたから」

 

「そう!絶対勝つよ!」

 

ここの2組は戦う相手でもあるけどクラスの仲間だもんな。ぜひ楽しんで弾幕ごっこしてほしい。

 

「にとり、雛。試合の時間だぞ」

 

「は~い。じゃあまた終わったら。絶対に負けないからね!」

 

「トップは私たちです」

 

「せいぜい頑張ってくれ」

 

「頑張って!」

 

藍先生に連れられ、にとりと雛は背を向け歩いていく。

 

「優斗、私たちもいこ」

 

「ああ、偵察だな」

 

俺たちも後を追うようにして校庭の中央、メイン会場へと向かう。

 

 

 

 

 

「なっ……」

 

思わず絶句してしまった。まあ無理もない。

 

「つ、強い……」

 

「厳しい戦いになりそうですね」

 

2人も目を見開いていた。

 




第三十話でした。すみませんキリ悪くて……

次回、あの二人とのバトルです!

ではまた!

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