東方好きの優斗と大妖精と   作:ゆう12906

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第二十七話 最後の弾幕ごっこ

あの地獄のような出来事からしばらくたった。葉はこの前のがトラウマになっているらしく、もう二度とあの学校には行くか!と言ってたな。

 

まあ、その学校で体がぼろぼろになりながらも俺は過ごしているわけだから、慣れの問題でもあるだろう。俺もトラウマになったがな……

 

そんなわけで相変わらず強くなるために森の奥で修行している葉。最近ではあっちの大妖精も手伝ってるらしい。もちろんこっちの大妖精や俺もちゃんとやってるが。

 

「よう、調子はどうだ?」

 

仕事が早く終わったので、葉の元に行くと、すっごく充実した顔をしていた。これは……何か発見したのか?

 

「どうした葉。恋人に告白してOKもらったか」

 

「するか!ってか相手いないし……」

 

「ただの冗談だ。で?実のところは?」

 

「突っ込みスルーかよ。ああ、新しいスペルというか……弾を生み出すことに成功したんだ」

 

なるほど、そりゃあ嬉しいだろうな。俺も大妖精がスペルを編み出した時の顔を見たことがあるが、すごく幸せそうな顔をしてたしな。新しいものを生み出すというのはそれだけいいことだ。俺は能力の性質上そういったことはできないが。

 

「それでな……そろそろ向こうの世界に帰ろうかと思うんだ」

 

そうか……いつかは来るものだとは思ってたけど、友達と別れるのはなかなかつらいな。けれどもあっちの世界も大変だし、引き留めるのは俺のエゴでしかないし、こういうときは笑顔で送り出すものだ。

 

「そうか、気をつけてな」

 

「おいおい、まだ行かないよ。一つやり残したことがあるんだ」

 

「なに?」

 

文に新聞の内容を変えてもらうように頼みこむことか?まあ頼んだところで次の新聞の内容は俺たちがトラウマになったことだろうけど。

 

「優斗、お前とサシで弾幕ごっこがしたい。まだ一回もやったことなかっただろ?」

 

葉が得意げな笑みを浮かべた。そういえば、純粋に一対一ではやったことなかったな。協力プレイではなく対戦プレイというわけか。うん、面白そうだ。

 

「もちろんだ。やるからには全力だ。後悔するなよ?」

 

「その言葉、そっくり返すぞ。今度は力の解放使わないからな?」

 

「おおっ!優斗と葉が戦うって!面白そうだね!」

 

「はい、私も非常に興味があります!どちらが強いか気になりますね」

 

2人の大妖精か目を輝かせてこっちをじっと見ている。こりゃあ……美しい戦いをしないとな。なんてったって弾幕は魅せるものだ。この前のトラウマの時は無粋な殺傷道具にしか見えなかったけど。

 

そして俺たちは森を抜け、湖の前と向かった。いよいよ葉との弾幕ごっこか。とても楽しみだ。

 




今回キリが良かったので少し短めでした。次頑張ります!

第二十七話ということでコラボ編もいよいよ大詰めを迎えましたね。

次回、コラボ編最終話です!優斗と葉の弾幕ごっこです。二人の勝負を楽しんでいただければと思います!

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