「じゃあこれからどうします?」
「う~ん。――じゃあちょっとみんなの様子を見に行こう」
と、『性格が変わるクスリ』の効果を確かめにいく俺と霧之助先生。
「優斗先生、霧之助先生~」
「あっ、藍先生」
前から数学の藍先生がやってきた。
「聞きましたか」
「ええ。―――もう橙が心配で心配で……」
すこし涙目になりながら橙を心配している。(スープは飲まなかったらしい。)
「じゃあ、見に行きましょう」
「ありがとうございます!」
「じゃあ、一年二組に行きましょう」
「それなら私、職員室に戻りますね。ほかの先生の様子を見てきます」
霧之助先生が戻り、藍先生と行く。
「着いたか」
ガラッ
そのまま一年二組の前のドアを開け、教室を見渡す。
「おっ、いましたよ!」
「ちぇん!」
そこにいた橙は………
「あっ、藍しゃま。どうなさったんですか」
「「えっ?」」
「お体に何かあられたのですか? それならすぐに私を呼んでくださいよ。いつでもお供しますから」
こ、これは………
「大人っぽくなってる……」
さすが永琳先生のクスリ。かなりの効き目だ。――そしておそらく藍先生の反応は…
「ち、ちぇぇぇぇぇぇぇん!!大人になって!もうそんなに成長したのか……」
涙を流しながら橙に抱きついている。大変わかりやすいことで。
「じゃあほかの様子も……」
次に隣の一組の教室に行く。
「ねえねえいいでしょ!!」
中から駄々っ子のような声が聞こえてくる。誰だ?―――普通に考えたらチルノとかだが……まさか大妖精とか?
―――キャラ崩壊もいいとこだな。
考えながら教室に入るとそこにいたのは
「ねえにとり!あの便利な防水服頂戴よ!」
「いきなりどうしたの?!雛らしくないよ?!」
そう、冷戦沈着
「ひ、雛……なんというキャラ崩壊(笑)」
「あっ、優斗!なんか雛が変わっちゃって……なんとかして……」
「いや、俺にはどうしようもないから頑張れ。」
「そんな~」
「まったくうるさいわね~」
と、教室に入ってきたのは、
「幽花先生……」
幽花先生はどうなったんだろう?
「あっ、ちょうど良かった理科教えてもらえるかしら?」
クスリですごい大人っぽくなったフランとレミリア(その周りにギャップ萌えしている咲夜)が聞く。
「ええ。構わないわよ」
やたら優しい幽花先生。薬の効果か?
「ありがとう」
「べっ、別にあなたのためじゃないわ! ただ成績が良くなってほしいからよ」
「あらお姉さま、抜け駆けはずるいですわ。私も教えてくださる?」
「だから私はそんな暇は……ああもう、貸しなさい! 仕方ないからやってあげるわよ」
「「ありがとうございます」」
これってもしかして……
「ツンデレ……――ふはははははは!!」
これは笑える。口調は普通だが完全にツンデレだ。
「あなた……笑ったわね」
「え?気にしているんですか?」
「なぜかこうなってしまうのよ!笑ったな。許さん!」
「マズ……」
幽花先生に背を向けダッシュで教室を出る。――危ない危ない。ピチュるところだった。
さすが幽花先生。クスリの効果があるのに少しは自我があるみたいだ。
「さて……どうしよう」
どうせならいろんな人の変わり様を観察して楽しみたい。
そんな欲望丸出しの願望を考えている俺の前に現れたのは……
「おにーちゃんどうしたの?」
「な………」
絶句した俺の前に現れたのは、すごく性格がロリ化した映姫校長先生であった。
と、いうわけで第十三話です。
今回でこの話終わらせようと思ったけど、おもしろかったんで映姫校長先生登場させちゃいましたw
次回は優斗があわてる未来しか見えないですね。
ではまた!!