ULTRAMAN GINGA with GOD EATER   作:???second

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ついに残酷なる運命の展開が幕を開く…


終焉の時(前編)

アナグラへの連絡を通したのち、闇のエージェントらの企みから辛くも生き延びたユウ、リンドウ、エリックの三人とタロウは、サクヤからの連絡で聞いたランデブーポイントへ向かっていた。

「降って来たな…」

サングラス越しに、空を見上げるエリックはそのように呟いた。

運が悪いことに、ランデブーポイントの道中で雨が降り始めていた。体が冷えて動きが鈍くなってしまう。

「この雨でアラガミの目から俺たちが見えづらくなりゃいいんだがな」

リンドウの言うとおりだった。今ほどアラガミと遭遇せずに済むことを願わずにいられない。

「すみません、僕がもう一度変身さえできれば、こんな手間はかからなかったのに…」

ユウは仲間たちに謝罪する。変身して全員でアナグラへ帰還する。最初に考えていたことで、ギースたちにもやってみせたかったのだが、それは無理だった。その理由をタロウは特に知っていた。

「仕方あるまい。タイムリミットを過ぎた上に、あれほどダメージを負わされたんだ。もう一度変身できるまで、時間を要するだろう。たとえユウ、君が万全であっても、君に力を貸しているギンガ自身も万全でなければならない」

「先輩さんの言うとおりだ。それに、俺たちは元々ウルトラマンを知らないまま戦ってきた。こんなことはいつ起こっても不思議じゃねぇ。

とにかく、サクヤの言っていたポイントに急ぐぞ。次のデートのためにも、とっととアナグラで休まないと身が持たないぜ」

「そ、そうですね…僕も早く帰ってエリナに顔を見せてやらないと。新しい服を買う約束までしたんですし」

タロウに続いて口を開いたリンドウに、エリックが同意する。

これ以上の戦闘以前に、長時間外の世界に留まることも危険すぎた。3人とも疲労が蓄積しているだけでなく、活動限界を迎えつつある。ウルトラマンほど短くはないが、ゴッドイーターもまた活動限界というものがある。それを超過してしまうと、体内の微量なオラクル細胞に対する制御が弱まり、制御下を離れた細胞が人体を侵食、全身がオラクル細胞と化し、最終的にアラガミとなってしまう。疲労も蓄積している中、アラガミの危険が高すぎる防壁外にいることは、彼らはいつ最悪の事態に陥っても、あらゆる意味でおかしくなかったのだ。

 

 

 

雨の中、サクヤたちが乗っている第1部隊のヘリも、ランデブーポイントへ向かっていた。

「あのさぁアリサ、それ何?」

その最中、コウタは座席に座っているアリサの膝の上に載っている黒いケースに目を向けた。一見なんてことない箱なのだが、なんとなく異質な何かを感じる。

「大車先生から預かったものですけど、何か?」

「いや、何かって…別に、なんとなく気になっただけだけど」

「どちらにせよあなたに教える義理はありません」

「あのさ…アリサって、なんか俺にだけ特に冷たくない?」

「気のせいでしょう。自意識過剰じゃないですか?」

「やっぱ俺にだけ冷たいじゃん!」

初対面から特に自分に対して悪い意味で変わらない冷めた対応の仕方に、コウタは抗議を入れずにいられなくなるが、対するアリサはどこ吹く風を貫いている。これでもユウに対して一定の評価を持つようになったから入隊直後よりもマシになってきているが。

せっかくかわいいのにもったいない。などと不純なことを心の中で呟きながら、アリサの方から、自分の左隣の窓に向き直った。

「それよりサクヤさん。この先のルート、アラガミが集まってないんですか?」

「私たちは今北東に進路を向けているわ。オペレーション・メテオライトに使うアラガミ誘導装置が数機、そのポイントから南へ少しばかり離れた場所で稼働させてる。近づいて来てもそっちの方に数が集中して、こっちへの注意がそがれているの」

「なら、今のうちになんとしてもユウたちを助けないと…ユウたち、大丈夫かな…」

少し不安げにコウタは窓の外を眺めながら呟くと、サクヤが温かく言葉を向けてきた。

「リンドウや本部直轄のゴッドイーターも一緒だから、きっと大丈夫よ」

「…その割には、あんたが一番不安そうに見えるがな」

ソーマが二人に視線を向けないまま指摘を入れてくる。任務の直前、自分でも妙な不安を覚えていたが、さすがはソーマ、そこはよく見えているのだろう。サクヤはそのように思ったが、何でもないふりをした。

「そうかしら…?こう見えても、私はあの人を見てきたから、信じてるつもりよ。どちらにしても、早く迎えに行くのに越したことじゃないけど。

そういうあなたはどうなの?」

「ふん…別に」

言い返されたソーマは、さらに顔を真逆の方に向ける。相変わらずの態度だ。鼻に突くとは思うが、リンドウほどじゃないものの長年ソーマと共に戦ってきたこともあって慣れてしまった。

そのソーマだが…

(…っち、さっきから妙な胸騒ぎがする)

苛立ちと共に、実はサクヤと同じ嫌な予感を彼は感じ取っていた。

リンドウのアホ面を見ないとどうも落ち着かない。本人には知られたくない本音を、無意識のうちに抱え込み始めていた。

(…『あの野郎』、何かする気じゃないんだろうな)

 

 

 

「はぁ、はぁ…」

指定されたランデブーポイントに向かう内に、ユウたちの疲労はさらに深まっていく。雨も強くなり、体が冷えていく。特に最も疲労が強かったのはユウだった。

「大丈夫か、新入り?」

倒れかけたユウをリンドウは覗き見る。顔が若干青く染まり始めている。体調が悪くなり始めていたのが伺えた。

「やはり先ほどの戦いのダメージが酷かったか…エリック、何か体力を回復できるアイテムは残っていないか?」

「回復錠の事かい?それならストックが残っている。残り少ないが…」

タロウから促され、エリックはすぐに所持品の中に余っている回復アイテムを探り始める。

「いいよ、エリック…それは君のものだよ。僕のために使ったら、君の分がなくなる」

「何を言うんだ。僕のような高貴な者は誰かに施しを与えるものさ。素直に受け取ってくれ」

自分の体が重くなり始めているのを感じながらも遠慮しようとするユウだが、エリックは取り出した回復錠をユウの口に向けてくる。

「新入り、とりあえずその一個は食っとけ。お前さんが一番消耗しているからな」

「…じゃあ、いただきます」

結局ユウはリンドウから促されたこともあり、その回復錠を口にした。少しだけだが、力が戻ったような気がした。

「指定されたポイントはもうすぐだな。近くに休める場所がないか見て回るぞ」

ここまでの間アラガミの姿は見当たらない。サクヤたちの迎えの時間も迫っている中、不幸中の幸いだが警戒は怠らないようにしなければ。彼女たちがやって来た頃、自分たちはアラガミに食われてしまったなんてことになったらシャレにならない。前に視線を向け直したリンドウは、撥ね休めできる場所がないか、視界の悪い前方を見渡しながら目を凝らす。

すると、暗雲と雨のせいで暗くなっていた前方に、他と比べて少し黒く見える何かが見える。アラガミだろうか、と思ったが、違った。アラガミよりも大きく見える。

そこは建物だった。アラガミがこの地球に現れる前に建てられた、古びた2,3階建てほどの小さめのビル。

「ここなら雨風を凌げそうですね」

サングラスをずらし、肉眼でビルを見上げながらエリックが言った。

「うし、じゃあここで休憩に…」

リンドウがさっそくここで休息を進言しようとした、その時だった。

カラン、と何かが転がった音が、ビルの中から聞こえてきた。

「「「!!」」」

三人の中で、一気に警戒心が高まる。

「リンドウさん、今のは…」

ユウが思わず言葉を発したが、リンドウがすぐに彼の口を手で強引に押さえつけた。

言葉を発さず、視線のみで彼は「今は黙っていろ」命令した。大きく口を開けていたビルのガレージの入口。先行するリンドウはそこから隠れながら、ビルの中を覗き込む。タロウも今は人形であることを活かし、さりげなくリンドウたちの足元から中に入り込んでみる。

さっきの音は、もしかしたらアラガミの可能性がある。この付近には、迎えの途中のサクヤからの通信によると、オペレーション・メテオライトのためにこの場から少し離れた場所に設置した誘導装置の影響でアラガミは寄り付かないはずらしい。とはいえ装置も万能ではない。装置に引っかからないアラガミもいて、そいつが今この中にいるのかもしれない。

いないことを祈りながら、リンドウは中を覗き込む。そこに見えたのは…

「ひぃ…!」

聞こえてきたのは、小さな悲鳴だった。そして目に飛び込んできたのは、小さな子供。そして、複数人の大人たち。

「こんなところに、人…!」

まさかここで、またしても防壁外で生きている人と出くわすことになるとは。しかも、以前ソーマやコウタと共に鉄塔の森のミッションに向かったときに会った一団と比べると大人数だ。

「ゴッドイーターだ…」

ビル内部の闇の中で、息を潜めていた人たちも、最初はアラガミだと思って身を隠していたが、現れたのがそうではないことを知って顔を出してきた。

「なんで、こんなところに…」

「もしかして、俺たちを助けに来てくれたんじゃ…!」

「んなわけないでしょ。防壁の前であたしたちを追い払った連中が今更…」

自分たちは生き延びれるという希望、またはふぇんりるに対する失望ゆえに希望を見出さないものと様々だった。

ユウの中に、この人たちにどうにかできることはないだろうか、そんな思いが駆け巡る。一度人を守る道を選んだ以上、そう思わざるにいられない。

「リンドウさん、この人たちをどうにか助けること、できませんか?」

「…現状じゃちと無理がありすぎるな。それに…」

リンドウは雨が降り続く外のほうに目を向ける。

「ここからどこへ連れて行くんだ?ヘリに部外者を乗せられる余裕はないし、ここから迂闊に彼らを連れて行くと、誘導装置の干渉対象外に入る。かえって彼らを危険に追いやるぞ」

「…ですよ、ね…」

やっぱり無理があるのか。でも、たとえだめでも何とかしてあげたいという気持ちを押し殺せなかった。

そんなときだった。

「…まさか、ユウか?」

「え?」

ユウの名を呼ぶ声が、集団の中から聞こえてきた。まさか自分の名前を呼ばれるとは思わなかった彼は、集団の中にいる人たちの顔をそれぞれ確認すると…。

「スザキ、さん…?」

見知っている男の顔を見た。

「知り合いか?新入り」

リンドウからの問いに、ユウは「はい…」と頷く。

「ゴッドイーターになる前、僕が第8ハイヴに侵入して修繕した機械を売ってお金を稼ぎ、生活用品や食料を調達していたように、彼は女神の森の装甲壁強化のための資材を調達していました。盗み…でしたけど」

ゴッドイーターになる以前のユウが何をしていきつないできたかは既に聞いていた。なるほど、とリンドウは納得した。彼以外にも既に何人か動いていた者がいて、このスザキという男はその一人なのだ。

「でも、どうしてスザキさんがここに…」

「はっ。さすが選ばれし勇者様。何も聞いてなかったようだな」

「どういう…ことです?」

スザキと呼ばれた青年は、自分がここにいることを不思議がるユウに対して露骨に呆れる。

「俺もアナグラに潜り込ませてもらってたんだよ。フェンリルからオラクル資材を奪取し女神の森の装甲強化に当てるためにな。けど、そいつがお前らに保護された影響で、俺も捕まって追い出されたんだよ」

「え…」

それを聞き、ユウは言葉を失った。僕の…せいで?

「偽造で侵入したとはいえ、俺はフェンリルの技術開発職員としても信頼されていたんだ。けど、お前がのこのこ捕まって、偽造証使っていたのがばれたせいで、俺たち技術班にも同じようなやつがいないか、徹底的な検査が行われたんだ。結果…俺だけクロ。当然壁の外に追い出されて、女神の森のために資源を確保することができなくなった。もっとも、フェンリルの連中がちょっとばかし、自分から俺たちに資源を提供してくれたのは以外だった。今更俺たちに塩を送る意図がまるで理解できねぇが助かったことに変わりない。

だが俺が許せないのは…ユウ。お前だ」

スザキは顔を上げ、ユウに対して激しい怒りをあらわにしながら怒鳴り散らした。

「なんでお前だけ追い出されず、ゴッドイーターになってんだ!!俺だけ追い出されてお前だけ助かるなんて、ざけんなよ!!フェンリルの連中の甘い汁に誘われて、俺のことなんかさっぱり忘れてたんだろ!?おかげでお前は奴らのおかげで、かつてない裕福な暮らしを約束されたんだからな!!」

ゴッドイーターは過酷な戦場に立つことと引き換えに、フェンリルから破格の待遇を約束される。当然の措置ともいえるが、それは壁の外で毎日のように荒神に食われる恐怖におびえる人たちから見て、不公平かつ理不尽なものを見せ付けられているようなものだった。結局命と隣り合わせのままとはいえ、アラガミに対抗できる唯一の兵器を扱えるというだけで自分たちとはまったく異なるのだ。

「なんだそれ…自分だけ助かるために、仲間を見殺しにしたのか…」

「くそが…ゴッドイーターになって裕福になるためなら、仲間さえも切り捨てるのか!!」

「人でなし!!」

「フェンリルの色に染まりやがって…」

「…!!」

ユウが、ゴッドイーターになるために仲間を切り捨てた。その悪い見方ばかりでユウを判断するスザキの言動に、周囲の人たちのユウに対する怒りが高まり始めた。

ユウは、胸の中に弾丸を撃ち込まれたような感覚を覚えた。かつての自分が、フェンリルに向けていた敵意。それが今、自分に向けられている。

「や…やめたまえ!ユウ君はあなた方が考えているような男じゃない!!彼は僕らよりもずっと華麗で誇るべき…」

「黙ってろやこのキザ野郎!フェンリルの飼い犬が口挟んでんじゃねぇ!!」

「ひぅ…」

これ以上戦友が一方的に暴言を言われるのをよしとできなかったエリックが口を挟むが、集団の中にいた強面の男性から怒鳴り散らされ、あっさりと押し黙ってしまう。

「あ~はいはい、そこまでにしてくれ」

これ以上重くなるばかりの空気を避けるため、リンドウが両手をパンパン叩いた音で周囲の注意を自分に向ける。

「なんだよあんた。同じフェンリルの犬同士、庇おうってのか?ましてやそいつは、俺たち女神の森の裏切り者…「今のこいつは、俺の大事な部下だ。………あんまりいじめてくれるなよ?」…ぐッ…」

そこまでいったとき、最初はいつもの飄々とした態度とは打って変わり、鋭い視線をスザキに向けた。睨まれたスザキは、リンドウがアラガミよりも恐ろしい存在に感じ取れたのか、押し黙った。

「いやぁ~悪い悪い、俺としたことが、ついカッとなっちまった。許してくれ」

スザキが黙ると同時に、リンドウは軽いノリに戻して彼に謝ってくる。だがスザキも、ほかの難民の人たちも、さっきのリンドウの迫力に押されていたためか、彼に対して何も言い返してこなかった。

すると、リンドウの通信機から連絡が入る。

『リンドウ、無事?応答して!』

その連絡からほどなくして、サクヤたちがリンドウらのいるビルまでやってきた。

 

 

 

以前、この『女神の森』に極東の支部長、ヨハネス・フォン・シックザールが訪れた。今まで自分の方針のために、ゴッドイーターの素質のない者を切り捨ててきた男。女神の森は、ゴッドイーターの素質を持たないことを理由にアナグラへの入居を認められなかった人間たちが作り上げた場所。故に彼の存在は許されざるものだった。

そんな彼が、まさかここへ来るとは思わなかった。その際、知りたかったことを思わず彼の前で尋ねてしまった。

『碧眼に少し金髪がかった、若い男の人を見かけませんでしたか?

『神薙ユウ』…という名前なんですけど』

彼とは、数年前にこの女神の森…正確には数年前まだ女神の森が存在しなかった時にこの場所で出会った昔馴染みだ。第8ハイヴに侵入し、フェンリルが独占している資源を盗んだり、廃都市から発掘した旧世代の機械を修復しそれをハイヴの店に売るのを生業としていたこともよく知っている。彼のように、フェンリルから資材を回収したりする人間がいなければこの女神の森は発展できなかっただろう。

しかし、ユウはある日を境に帰ってこなくなった。女神の森の防壁から外に出ることは、生活に必要な資源の調達以外ではほぼ禁止とされている。行方を探る余裕もないのでユウのことは事実上放置されていたようなものだった。

そんな彼が、まさかゴッドイーターになっていたとは。

「そうか、あの子はゴッドイーターになったと…あの男が言ったのだな?」

「うん…」

その話を、すぐにこの地の総統である父『芦原那智』に、芦原ユノは報告した。娘に背を向け、那智は窓から一望できる女神の森の景色を見渡していた。

「ねぇ、お父さん。ユウさんのこと…」

「返してくれと、あの男が頷くと思っているのか?」

何とか連れ戻したりはできないだろうか、とダメもとで話を続けようとしたユノだが、那智は遮るように問い返した。

「でも、ユウさんのことでおじいちゃんやサツキだって心配してるわ」

「独占欲の強いフェンリルの事だ。ゴッドイーターは誰にでもなれるものじゃない。貴重な人材である彼を、シックザールが見逃すはずがない」

フェンリルが貴重な資源を、人間さえも含めて強引に独占していることは今に始まったことじゃない。壁の外での生活を強いられていたのだから何度も思い知ったことだった。

「…尤も、彼は自分に神機への適合率の高さなど知らず、そして知る機会もなかった。知ったとたんに手のひらを返すように、ここを捨てたかもしれんな。フェンリルのせいで妹が死んだことさえも忘れて、奴らの与える甘い汁につられたのだろう」

父とは思えぬほど冷たい言動を言い放つ那智に、ユノは抗議した。

「お父さん、そんな言い方ないわ!!あの人の頑張りもあって、私たちの今の生活が保たれていたはずでしょ!?それに、あの子のことを忘れたなんて、ユウさんに限ってありえないわ!」

彼女はフェンリルに対してよくない感情は確かにある。しかし、現在のユウがそうであるように、フェンリルのやり方にも理解を示すことができている。

一方で、父は違った。過去に第8ハイヴへの入居を頑なに拒絶されたことで、自分たちを救えるはずの資源を独占し続けているフェンリルを存在さえも否定するかのように毛嫌いしている。

「……ユノ、我々がなぜこの女神の森を建設したか忘れたか?もうフェンリルを信じない。そう誓った者たちが自分たちで生き延びるために造ったのだ。フェンリルに取り込まれた時点で、もう彼は…私たちを裏切ったも同然だ」

ヨハネスの計らいで断れなかったこともあるが、それでもこの女神の森にいる皆のためにもフェンリルに入り、ゴッドイーターとして、ウルトラマンとして戦う彼を徹底的に拒絶し始めた。

「そんな…もしかしたら、断りたくても断れなかったかもしれないじゃない!どうしてそんな言い方…!!」

横暴な持論を掲げる父にユノは激高寸前になる。父のフェンリル嫌いは極みの領域だった。

「もう部屋に戻りなさい、ユノ。そして彼…いや、奴のことは忘れなさい」

「お父さん!!」

それでも抗議しようとする娘を、那智は部下たちに無理やり追い出させた。

 

すぐに部屋を追い出され、那智の部下に部屋に連れて行かれた後、ユノは私室で父に対する不満を募らせた。

(お父さん…ユウさんと仲が良かったのに、フェンリルに加担したってだけで、あんなこと…!!)

自分の父ながら何とも信じがたいことだった。父のフェンリル嫌いが今に始まったことじゃないし、その理由もユノは知っている。フェンリルがたとえゴッドイーターの素質がない人間でも助けようとさえしていれば、あんな冷たい人にはならなかったはずだった。しかし…。

(おじいちゃんの言っていた通りだわ。最近のお父さん、前よりずっと冷たくなってる。でも…)

いくらなんでも横暴が過ぎる。フェンリル嫌いであっても、それでも父はフェンリルから見捨てられた人たちのために、この残酷な現実に抗おうとしている立派な人だ。ユウは父も昔から知っている人だし、その人となりだってよく知っている。あの二人は決して不仲ではなかったはずなのに…。

(フェンリルを嫌っているのはそのままだけど、それよりも、もっと人が変わった様な…)

 

 

 

「やぁソーマ、またこうして生きて君と会えるなんて、まるで神の導きだね」

「…相変わらずふざけたことを言う。俺たちはその神を毎日ぶっ殺しているだろうが」

一方でエリックはソーマとの再会を喜んでいたが、対するソーマは素っ気ない。

「ユウ、大丈夫かよ!?すげぇボロボロじゃん」

再会して間もなく、コウタが傷だらけのユウを見て慌てたように言った。

「ちょっと、しっかりしてくださいよ。同じ新型として、あまり弱いところ見せてほしくないんですけど」

「…ごめん、アリサにも心配かけちゃったかな?」

「し、心配なんてしてません!!変な言いがかりはやめてください…」

コウタと異なり、辛辣さを混じらせた物言いのアリサだったが、ユウからそのように返されて狼狽える。だが、すぐに二人と、横目でユウの姿を見やったソーマは、ユウの声に力を感じないことに気づく。

一応再会と同時に、ユウ、エリック、リンドウの三人はサクヤたちによって、腕輪に偏食因子を投与されて活動限界を引き飛ばし、回復錠などのアイテムで体力も戦闘を再度行えるだけの分は回復させてもらったが、ユウは元気を取り戻せたように見えない。

「ユウ、なにかあったの?」

コウタが尋ねるも、ユウは何でもない、と力のない返事をした。リンドウとエリック、そしてユウの服に隠れていたタロウはユウが今、何を思っているのか察した。

ギースたちを満足の形で守りきれず、続けて自分の出身地の仲間からもゴッドイーターになったからという理由で批判される。ショックが続きすぎたのだ。

サクヤも一部のみだが、リンドウから話を聞いていたので、ユウが心を痛めていることに気づいていた。

「同行していたアーサソールって部隊の子たちがいないけど…あなたたちだけでも無事でよかったわ」

「…できれば、助けてやりたかったがな。ここの連中も、今の俺たちだけじゃ無理がある」

もう覆せない事実。だからこそどうにかしてやりたい。だが、満身創痍のゴッドイーターが3人、ウルトラマンの力を持つユウもその一人に入ってしまっていて、万全の状態に戻すには時間がかかり過ぎることが予想された。

「そうね、困ったわ…本来このエリアってヴァジュラの生息圏なのに、まさかこんなに人がいたなんて…」

以前、鉄塔の森で救出した人たちのように、どこか安全な場所へ送れないだろうかとも考えたが、人数が多すぎる。乗り物はヘリのみで、第1部隊メンバーたちを乗せるのがやっと。なら往復で安全な場所に…ともいかない。ヘリの燃料が足りなすぎる。

そんな時、少し痺れを切らしたように、ソーマがリンドウたちに向けて口を開いた。

「…そんなに助けたきゃ、応援を呼んでみたらどうだ?誘導装置とやらが正常に働いているなら、アラガミが寄り付いていない間に他の連中もここに呼び寄せればいい。

あの野郎の作戦のためにゴッドイーターが他の支部からも取り寄せられてんだ。人材には困ってねぇだろ」

「おぉ、さすがソーマ!その手があったじゃないか!」

「ほほぅ、ソーマ君頭いいじゃないの♪ご褒美に戻ったら俺のジャイアントトウモロコシを…」

「いらん。んなもん自分で処理しやがれ」

エリックは真っ先にソーマを褒め称える。同時にリンドウもソーマの肩に手をまわしてくるが、ちゃっかり残飯処理を押し付けようとした。

「待って…もしかして、私たち助かるの?」

「な、なんだよ…それならそうと早く言ってくれよ!」

やはり自分たちは助からないのか、そんな嫌な予感をよぎらせていた難民たちの顔に、わずかながら希望が戻り始めた。だがソーマはそんな彼らに鋭い視線を向ける。

「喚くな。まだ助かるとわかったわけじゃねぇぞ」

その一言で、難民たちはソーマに対して恐れを抱いて押し黙った。その中には、ソーマに対して不快感を覚えるものもいたが、ソーマは無視し、ユウの方に歩み寄る。

「…こいつらに何言われたかしらねぇが、いつまでしょげてる気だ」

「え…?」

顔を上げてきたユウの表情は、まだ沈み切っていた。ソーマはちっ、と舌打ちし、話を続ける。

「覚悟してきてんだろ。てめえの言う夢とやらを叶えるために」

ソーマには許せなかった。以前任務に同行した際、おおっぴらに『夢』を…『あの雲を超える』夢を強く抱いていたユウが、他者からの言葉に簡単に折れてしまうことが。

「わかったらさっさと立て。このくそったれな仕事を選んだんなら、こいつらに何言われようがいちいち気に留めるな」

「…ごめん、ソーマ。君の言うとおり…だね。いろいろあり過ぎてまだ心の整理、ついてないけど…まずは立ち上がらなくちゃ」

ユウは、あまり顔色が元通りにとはいかないが、何とか立ち上がって笑みを見せた。

「ありがとう、ソーマ」

「…ふん、勘違いするな。てめえがしょげると任務が滞るから口を出しただけだ」

ユウからのお礼に、ソーマは小さく鼻息を飛ばして顔を背けた。そんなソーマを見て、付き合いの長いリンドウやサクヤの顔にも笑みがこぼれた。

(この少年、この冷たい態度と違って心優しいのだな…エリックが彼をよく評価しているのも頷ける)

密かに、ユウの服のポケットから覗き見ていたタロウは、ソーマに対して好感を持った。

 

 

しかし、追い打ちをかけるような悪夢が直後に襲うこととなるとはだれも予想しなかった。

 

 

ユウたちがサクヤたちと合流を果たした頃…。

支部長室にて、ヨハネスはいつものように深く椅子に座り込んでいた。

目の前の電子モニターには、極東エリアの一部のマップが表示されている。それを拡大表示されていくと、さらに新たな表示が映される。

「Rindou Amamiya」

「Sakuya tachibana」

「Soma Schicksal」

「Alisa Ilinichina Amiella」

「Kouta Fujiki」

「Eric Der Vogelweide」

「Yuu Kannagi」

それは、ちょうど合流した第1部隊+@メンバーたちの名前だった。この位置を表す信号は、彼らの腕輪のビーコンをキャッチすることで表示されるものだ。

「彼らを見ていると…いつも懐かしい気持ちになるな」

ユウたちの名前を見て、ヨハネスは誰かに語りかけるように、遠い目をしながら呟く。たまにアナグラ内で見かける普段の彼らの姿を見ることがある。自分と比べて一回り年若く、その何気ない会話は微笑ましいと感じることもある。

彼らを通して、ヨハネスは思い出していた。かつて、一介のオラクル細胞研究者だったころの自分と、榊博士、そして……かつて自分が愛した女性の姿を。

「あの頃は楽しかったな……ペイラーと君がいて、共に研究に励んでいたあの頃は」

親友と愛する妻の二人と共にあり、人類の未来の足がかりとなるエネルギーを求めてオラクル細胞を研究していた、もう二度と戻れない若き日の思い出。

だが、それは残酷な形で締めくくられた。

自分はあの時、決めていたことがあった。

「…アイーシャ。君も、あの時のペイラーのように、今の僕を見たら軽蔑するかもしれない。だがそれでも…」

 

たとえどんなに罵られようとも、どんなに非人道的な手段をとろうとも…

 

「もう退くわけにいかないんだ」

 

愛する妻との約束、再び人類が地上で平穏に生きる未来をつかむ、と。

 

その思いを胸に、ヨハネスは机から取り出した、一つのスイッチのみのリモコンを取り出し、それを押した。

 

 

 

 

「!」

ソーマは、周囲の空気に違和感があるのを肌で感じ取った。同時に、ヒバリから通信が入る。

『第一部隊のみなさん!き、緊急事態です!!』

「何があった!?」

『誘導装置に予想外の挙動が確認されました!アラガミがみなさんの方に近づいています!』

「どういうことだよ?ここから離れた場所の誘導装置のおかげで、こっちにはこないはずじゃ…」

コウタが危険を感じながらも、なぜそれが起きたのか分からず困惑する。

『それが…たった今そちらに誘導装置と同じ反応が出ています!』

「何…?」

同じ反応が出ている。つまり、誘導装置がもう一つ存在していることになる。

「第一部隊、戦闘体勢に入れ!」

ともかく、今は戦う準備をしなければ。リンドウは全員に呼び掛ける。

「新入りとエリックは下がれ!後ろの人たちを守るんだ!サクヤ、アリサ、コウタ!お前らは後方支援!ソーマは俺を前衛!

ヒバリ、すぐにもう一つの誘導装置の反応を特定しろ!」

『了解!』

ゴッドイーターたちは、すぐにリンドウの指示通りの位置に身を置き、いつでもアラガミが来てもいいように臨戦態勢に入った。

それからアラガミが襲ってくるまで、時間はかからなかった。

「!後ろだ!」

真っ先にソーマが叫んだ。

 

ガシャン!!!

 

「グオオオオオオオ!!!」

ガラスや壁もろとも打ち破り、アラガミが入ってきた。それも、よりによってリンドウたちの正面とは真逆の壁を破壊して入ってきたのだ。

「うわあああああ!!!」

リンドウたちの真後ろ、そこにはスザキたち難民たちの集まりがいた。自分たちとアラガミの間に、自分たちを守ってくれるゴッドイーターはいない。丸裸も同然の状態だった。

そのアラガミは、四足歩行でシルエットはヴァジュラによく似た、女神の顔をした青いアラガミだった。女神といっても、その形相に美しさは感じられず、寧ろ恐ろしさしか感じない。

「新種…!?」

エリックがそのアラガミを見て絶句する。そのせいで反応が遅れてしまった。そのアラガミは真っ先に自分の視界に映った女性に、その前足を振りかざしてきた。

「や、やめろぉ…!!」

一番近くにいたユウが、ロングブレードを担いでそのアラガミの前へ走りこみ、その勢いに乗せて剣を振り下ろした。

だが、その新種アラガミはユウの一撃を容易く前足で払うだけで弾き飛ばした。今ので大きな隙を作ってしまったユウ。

「ユウ君!」

エリックがすぐにバレットを撃ち込み、ユウを襲おうとした新種の顔に被弾する。アラガミの僅かな隙ができて、リンドウが前に出る。その間にコウタが咄嗟にユウを自分の方に引き寄せる。

「ユウ、平気!?」

「ご、ごめん…」

ユウはコウタに世話を焼かせたことを謝る。まだ力が戻りきれていなかったのだ。

「新入り、エリックは下がれ!ソーマ、俺と来い!サクヤとコウタは後方支援だ!アリサ、後ろから新手が来ないか見張れ!」

結果的に180°の方向転換となり、リンドウとソーマが率先して新種アラガミに切りかかる。

ヴァジュラと似ていることもあり、そのアラガミは動きがほぼ合致していた。ヴァジュラとは何度も戦ったことのあるリンドウとソーマは、その動きにヴァジュラと異なる挙動がないか警戒しつつ、前足のジャブや飛びかかりを避けて、返しに二人の剣で切り付けられる。

新種アラガミ…氷のヴァジュラは二人の攻撃を受けて少し仰け反ったものの、少し後退して身構え、身に纏っていた冷気を強めた。

通常のヴァジュラが雷の攻撃をすることに対し、奴は氷の刃を頭上に形成し、それをリンドウとソーマに向けて放った。

すぐに二人は盾を展開してガードする。

「わかりやすい属性ね!コウタ、炎属性!」

「はい!」

言われた通り、コウタはサクヤと同時に炎属性のバレットを装填、リンドウらに当たらないように撃った。

バレットがあらに当たると同時に、炎が新種アラガミの体で燃え上がるアラガミは体についた火を必死になって振り払おうともがいた。やはり氷の属性。火が弱点だった。

サクヤたちのおかげでもあって弱点も突けるし、こいつ一体だけなら問題無さそうだ。リンドウは確信した。見ていた難民の人たちの目に希望が見え始めた。

 

 

しかし…その時だった。

 

 

彼らの希望を打ち砕く、邪悪な神が現れたのは。

 

一瞬だった。

 

「ガアアアアアアアアアア!!!」

 

ガジ!

 

黒い影が新たに飛び込み、新種アラガミに食らいついてきた。

 

グチャリ!!

 

肉を食らう生々しい音が響く。コウタは思わず押さえた口から「うげ…」と声を漏らした。

「な、なんだ…あいつは…!?」

「ヴァジュラの変異種…?あんなの見たことが…」

ただひたすら氷のヴァジュラの喉に喰らいつき、肉を食す黒いヴァジュラのようなアラガミにエリックは青ざめている。サクヤも同じ反応を示していた。

「あ、ああ…」

そのアラガミの姿は、誰の目から見ても恐怖と戦慄を与えるのに十分だった。難民の人たちはオウガテイルさえもその対象だというのに、その上を行く存在が目の前に現れたことに、怯えるしかなかった。動くことさえできず、歯をガチガチに鳴らし、中には失禁さえしている者さえいた。

「…ったく、俺はこんな追加オーダー頼んでねぇっての」

難民たちの前に立ちふさがり、いつものようにふざけた感じで言うリンドウだが、その台詞を吐いている時の口調が、焦りに満ちて危機感を抱えていることを表していた。

サクヤは見たことがない、と言っていたが…

実はリンドウはそのアラガミを、たった一度だけ見たことがあった。そして戦い…取り逃がしてしまった。

 

6年前…リンドウは当時、まだ12歳だったソーマと、現役だったツバキとともにロシアで行われたアラガミ大規模掃討作戦に加わっていた。ゴッドイーターではない、通常の軍の連合の方が立場が上で、今以上にアラガミへの対抗手段も、それを培う手段も少なかった時だ。核融合炉にアラガミをおびき寄せ、大勢集まったところを爆破させて一網打尽にするという作戦だ。だが作戦は失敗、融合炉を爆破させても結局アラガミを殺しつくせなかった。その取り逃がした分のアラガミを追って、一人ロシアの雪の降り積もった町を散策していたときに遭遇したのだ。

「あいつは確か…」

 

「『ディアウス・ピター』」

 

リンドウが言う前に、その先をさえぎる様に、アリサが口を開いた。

 

「やっと…見つけた」

 

アリサも…この黒いヴァジュラを見たことがあった。いや…忘れるはずもない。なぜなら…

 

「パパとママの…仇!!!」

 

かくれんぼでタンスの隙間から見た、父と母を食って口元を血で濡らし、髭を生やした暴君のような顔を…忘れもしなかった。

そのアクアブルーの瞳に…強い激情を宿し、彼女は大量の錠剤を口に放り込んで噛み砕いて飲み込む。そして神機を構え、『ディアウス・ピター』と呼んだその黒いヴァジュラに単身で立ち向かっていった。

「アリサ、待ちなさい!」

サクヤが真っ先に言うが、アリサは聞いていなかった。ロングブレード『アヴェンジャー』を構え、ただひたすらピターに剣を振るい始めていた。

「っち、お前ら!この人たちを下がらせろ!俺がアリサを連れ戻す!」

「リンドウ…でも!」

リンドウが舌打ちの後、サクヤたち全員に呼びかける。このまま戦えば、難民たちもアリサとディアウス・ピターとの戦いに巻き込まれてしまう。

「このままその人たちを抱え込んだままじゃ戦えねぇ!いいから行け!」

もう選択する余裕も、やり直す余裕もなかった。難民たちは十数名もの大人数。これほどの要救助者がいる状況では、たとえ第1部隊全員とエリックがプラスワンゲストで加わっても、新種の大型アラガミと交戦など無理があり過ぎた。

「ッ…みなさん!早く外へ!!私たちが安全な場所まで連れて行きます!

みんな、手伝って!」

リンドウに力を貸したいのにそれができないこの状況に歯噛みしつつも、彼女はリンドウの命令に従い、残った仲間たちに難民たちの護衛を共にすることを命じた。

 




○NORN DATA BASE

スザキ
元は『GODEATER summerwars』で登場したキャラ。当初はユウたちゴッドイーターに対して友好的に接しながら、エイジスを案内していたのだが…
本作の彼はユウと同じく女神の森の住人で、フェンリルに偽造証で進入し技師としての力をつけつつ、オラクル物資を女神の森へ横流ししていた。だがユウが始めてギンガに変身しアナグラに運ばれた際、彼が加賀美リョウという偽名で不正侵入していたことが明らかとなったことで、スザキもユウが病室で目覚めるまでの間に強制捜査が行われる。結果、彼も偽造証を使ったことが発覚して追い出されてしまった。
自分と違い、ユウだけがゴッドイーターとして選ばれそのまま保護されたことに不満を抱いている。

後に登場させる機会とタイミングが見受けられなかったため、性格的に悪化したような形で登場させてしまいました…苦手な方はごめんなさい。
不満な点や指摘したいと思った方はメッセージをください。


追記
お詫び:
ユウが非難を受ける場面で、まだ合流していないコウタのせりふが残ったままだったので削除しました。見落としがちな作者で申し訳ありません。自分でも極力ないようにチェックはしてますが、それでも見落とすことが多いです。またおかしな部分があったらすぐに報告願います。


追記
ウルトラマンビクトリーの変身者、決定。

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