ULTRAMAN GINGA with GOD EATER   作:???second

22 / 68
今度のウルトラマン、どうも気になる設定を加えたキャラになるみたいですね。そのあたりが楽しみです。


ただその一方、どうも先代ウルトラ戦士の力に頼るスタンスは変わらないのが個人的にネック…そろそろティガ~ネクサスの頃みたいな、他のウルトラマンが持っていない完全の専用能力を持つようなウルトラマンに出てほしいです…。


禁忌に挑む者(後編)

オペレーション・メテオライトのために用意された誘導装置の設置のため、ユウとリンドウ、そしてエリックはアーサソールと共に設置任務を任される。しかしそのさなか、接触禁忌種に相当するウロヴォロスの亜種、アマテラスが出現する。

誘導装置を守るためにも、奴は追い払わないといけないのだが、ドクター・イクス曰く、接触禁忌種の特殊な偏食場にゴッドイーターが近づくと、体内の偏食因子に影響を加えられ、精神が不安定になる等の症状を発症し危険なのだという。やむを得ず接触禁忌種との交戦経験がただ一人だけあるギースがたった一人で挑むことに。

しかし、戦いの途中、最悪のタイミングともいうべきか、新たな異常進化型アラガミ…『ヴァジュリス』が出現、アマテラスをたったの一撃で手ひどいダメージを与えてしまう。

ギースは同じアーサソールの仲間たちを守るべくただ一人そのまま立ち向かうが、さすがの彼でもこれほどの敵を相手に勝つことは不可能に近いと考えていた。

しかし、ユウがここで間一髪、ギンガに変身。かろうじて彼の危機を救ったのである。

 

 

この任務を始める前、リンドウはヨハネス支部長からあることを命令されていた。

「あのカーゴの中にあるものを調べてほしい。できれば回収も頼む」

アーサソールは本部の直轄部隊。いくらフェンリルという同じ組織のもとに動いているとはいえ、本部はやたらと秘密主義な側面がある。他者の秘密に抵触するのは命を危険にさらすことも考えられた。だからリンドウは言われた際は、あいまいな返事をした。

連中に事故でも起こったら、話は別だろう、と。冗談にしてもあまり笑えないことを言ったと自分でも思った。しかし、本当に笑えないことを…ヨハネスは口にした。

『そういうこともあるのではないかね?新型神機には私でも不確定なことがある』

それは事故でも起こせと言っているような言い方だった。本当に、まだ若いギースたちにそんなこと…冗談じゃない。それだけ支部長がやたら興味を惹かれているものでもあるのだろうか。それ以前に…彼とサカキは自分たちには決して悟られないように隠していることがあるような気がする。ここしばらくの任務にもその意図が見え隠れしているような気がしなくもない。

…と、今はそんなことを考えている場合じゃない。今は、あの無茶してばかりの新入りの身の安全だ。リンドウは、先行してしまったユウを追って走る。すぐにでもユウの安全を確保した彼は、新たに搭載されたプレデタースタイル『シュトルム』を発動する。展開された捕食形態が、ジェットのようにリンドウを一気に前方へダッシュさせてくれた。

そのおかげもあって、すぐにユウの姿を見つけ出すことができた。

そのさらに向こうにはギースと、またさらに向こうには彼と先ほどまで対峙していたアマテラスが倒れている。そしてさらに、できれば出会いたくなかったデカブツの姿も見えた。サカキ博士がスパークドールズと呼称した怪物の人形を捕食して進化した…異常進化アラガミだ。おそらく、ギースがアマテラスを相手にしている間に、あのデカブツがアマテラスをノックアウトし、ギースを追い詰めたところでユウが来ようとしていたのだ。

「新入り!」

すぐに逃げるように追いながら、呼びかけたリンドウ。しかしその時、リンドウの目を疑う現実が起こる。

ユウは突如、神機を地面に突き刺すと、懐から出した銀色のアイテムを掲げた途端、まばゆい光に身を包んだ。その光はスタングレネードの光よりも眩しく感じ、思わず目を覆うリンドウ。そして目を開けた時には……

「……マジ…かよ………」

アリサがようやく一歩だけ歩みとってきたあの日の任務の帰りで、もしかしたらという予想はあった。だが…いざこうして現実で見ると、どうしても信じられないと驚愕してしまう。

まさか、自分の部下の一人が…『ウルトラマン』だったとは。

 

 

 

そんなギンガの姿を、グレイヴのカーゴのモニターからイクスは覗き見ていた。

「想定通りだな。奴が姿を現したのは」

極東に突如出現するようになった異常進化アラガミに対抗するように出現した光の巨人、ウルトラマンギンガ。それはフェンリル本部内でも度々話題を呼ぶほどの大きな存在。あるものはアラガミと同列の脅威だと恐れ、あるものは人類の新たな救世主として称える。しかしイクスにとって今はそんなことはどうでもよかった。彼にとって大事なことは…そんなことではない。

「…こちらイクス。奴が姿を現した。今から奴の動きを監視する」

イクスが今通信をつなげていたのは、グレイヴの運転席にいるヴェネでもマルグリットでもなかった。

「…わかった。あのアラガミを奴が討伐した後、ギース・クリムゾンたちに奴の『人間体』が普段はどこで何をしているのか…その動きを見させる。常に奴の傍にいる『負け犬』もどうにかせねばならんからな。そちらでも例の奴がこちらに近づいてきているかを確認しておけ」

何やら通信先の相手と、怪しげなことを相談し合いながら何かを目論んでいる。一体彼は何を狙っているのだろうか。通信を斬ると、改めて彼はモニターの向こうにいる光の戦士の姿を確認する。

その時のイクスの顔は、にたりと不気味に笑っていた。

 

 

 

「シュ!!」

ユウ…ギンガはギースから引き離すように、ヴァジュリスの角を両腕でつかみ、押し出して行った。押し出す最中にも、ギンガはヴァジュリスの顔面に拳を叩き込んでいく。

角をつかんだまま、立ち止まってギースたちの方を振り返る。ちょうど良い具合に距離が開いていた。ここならなんとか周りを気にせず戦える。いざ敵の方へ向き治ろうとすると、ヴァジュリスが怒ったように唸り、角をつかまれたままギンガに体当たりをかましてきた。押し出されたギンガはその拍子に手を離し、ヴァジュリスはさらに口から電撃のエネルギーを弾丸に変えて吐き飛ばしてきた。

「ヌォ!!」

光弾を受けて大きく仰け反ったギンガ。だがこれしきと、すぐに持ち直して身構えた。すると、さらにヴァジュリスは口から電撃弾をギンガに向けて連射してきた。ギンガは手刀で、一つ一つ撃ち落としていく。

雷を撃ち落とす際に、視線がたまたまギースたちのいる方角を向いた。その時だった。ギンガは…異様なものを目にした。以前にも似たようなものを目にしたことがあっただけに、それはすぐに色濃く目に焼付いた。

アリサと一緒に防衛班の任務に同伴した時と同じだった。

 

ギースの、虐殺劇が繰り広げられていたのだ。

 

 

 

「……」

ギースは突如現れた光の巨人に目を奪われた。頭を使ったことは全部ヴェネに丸投げしてしまったため、知ったのはつい昨日だ。極東に突如姿を現し、ゴッドイーターたちに力を貸す戦士。正直、得体が知れない奴だと思った。どうせそいつもアラガミの一種に過ぎないのだ、と。

だが…奴は、ウルトラマンギンガはドデカいヴァジュラもどきを突き飛ばすと、ギースの方へと視線を向けてきた。襲われる!?強い警戒と恐怖を抱いたギースは神機を構えるが、奴は襲ってくる気配を見せなかった。ただ静かに見つめると、コクッと静かに頷いて、立ち上がってきたヴァジュリスの角をつかんで押し出し始めた。

「あいつ…」

俺を、助けてくれたってのか?じゃあ、本当にあいつは…。

そう思いながら、遠くへと向かっていくギンガとヴァジュリスを見送っていると、ギースは瞬間、自分の足もとに猛烈な熱波が襲ってきたのを感じた。反応が遅れたのか、それとも気を取られてなお早く気付けたというべきなのか…足元から湧き上がった灼熱の炎が彼を逃すまいと燃え上がる。

「がッ!!」

かろうじて全身に一気に浴びるのだけは避けられたギースだが、反応が遅れて、今度は左腕が溶かされた様な熱さを覚えた。膝を付いて、激痛に顔をゆがませながら、焼かれた左腕を見る。肌が赤黒くなってしまっている。普通の人間だったらこれでショック死していたかもしれない。

すると、頭上に黒い影がのしかかる。アマテラスが起き上ってきたのだ。あのヴァジュラもどきに…ヴァジュリスに強烈な一撃もらってなおしぶとく生きていた。

まだくたばっていなかったのかとギースは舌打ちする。しかし構わない。この手でぶっ倒す方がやりがいがある。ギースは神機を構え直し、改めてアマテラスの方に向き直った。

しかし、やはり足に続いて腕さえも焼かれたダメージがキツい。動くのもままならなかった。

『ギー…、無…か!?』

耳に着けていた通信機から声が聞こえる。この声はおそらくヴェネだと思ったが、ノイズが酷くてよく聞こえなかった。もしかしたら、今の熱波のせいで故障し始めたのかもしれない。これではヴェネのアドバイスも聞き取れない。頭で考えるのが苦手な分、ヴェネのオペレートがとても心強かったのだがそれ…かなりまずい状況だ。

しかし、ここで奇妙な現象が彼の身に起こった。

痛みが…あれほどの激痛が…文字通り『消えた』ではないか。疑問が頭の中に浮かぶ前に、彼の頭の中を…ただ一つの感情が支配した。

…怒り。マグマのようにそれは吹き上がり、彼の心を完全に支配した。

イクスの声が首のニーベルング・リングから聞こえる。

『痛みを遮断しておいた。奴はあのアラガミのおかげで満身創痍。

さあ…殺せ』

イクスがそういい終えると同時に、ギースは咆哮した。

 

 

 

(ギース、いったい何を…!?)

遠くからでも、今はギンガに変身していることもあって遠距離の景色もくっきり見える。アリサの身にも起こったような、彼の突然の豹変を目の当たりにしてギンガは動きを止めてしまった。

その隙を狙ってか、ヴァジュリスはギンガに向け、獲物に飛びつく獣らしく飛び掛かってきた。雷をまといながらの体当たりに、ギンガは突き飛ばされ押し倒された。むき出された牙が、すぐにでも頭にかじりつこうとし、ギンガはそれを防ごうと、ヴァジュリスの上顎と下顎を掴む。力を抜けば、すぐに頭にかじりつかれてしまうだろう。それを見て、改めてアラガミという奴はどうもすぐに食いつきたがる姿勢を感じる。

(食い意地を張るのも大概に…!)

しろ!と言うと同時に、ギンガはヴァジュリスを蹴って退かした。

今の技も通常のヴァジュラが持っていたものだ。以前に遭遇したこともあってすぐにユウ=ギンガは気づいた。こいつはヴァジュラが何かしらのスパークドールズを取り込んだ奴だ。大型種のアラガミをもとにした巨大アラガミとの交戦は、今回が初となる。しかしだからといってここで退くことはできない。仲間たちや誘導装置を守らなくては。

「ゼアッ!!」

宙へ一回転しながら、ギンガはヴァジュリスの背に飛び乗った。まるでロデオのように乗り回しながら、ギンガは奴の背中から拳による攻撃を加えた。しかし思った通り、ヴァジュリスはギンガを背中から払い落とそうと暴れ出した。振り落とされまいともがくが、ヴァジュリスの力強さに押し負け振り落とされてしまう。

ヴァジュリスは角を槍のように構えながら、倒れたギンガに向かって突進してきた。近づけまいと回し蹴りを放って蹴りつけたが、構わず向かってきてギンガを角で突き刺そうとする。刺さる前に、ギンガはヴァジュリスの片方の角を両手で捕まえる。ヴァジュリスは角をつかまれた状態のまま、強引にギンガを押し返していき、強引にギンガの手を角から振り払う。その直後、鋭い牙をむき出してギンガの右手首に噛みついてきた。

「グアアア!!」

まるで針を食い込まされた様な激痛が、彼の腕に走る。こんな鋭い痛みから一刻も早く逃れようと、ギンガは必死にヴァジュリスを振り払おうとする。だがそうするだけでも、今すぐにでも腕を食いちぎろうとする痛みが彼を襲い、腕を鈍らせた。ヴァジュリスはさらに、鬣から電撃を迸らせてギンガの体を痛めつけた。

「そんなに…食らいたいというのなら…食らわせてやる…!!」

ギンガは体中のクリスタルを赤く輝かせ、灼熱の炎の球を無数に作り出すと、それを至近距離からヴァジュリスにぶつけて見せた。

〈ギンガファイヤーボール!!〉

「ディア!」

「ギエエエエエェッ!!?」

噛みついていたこともあって避ける間などなかった。ヴァジュリスはギンガの攻撃で炎に包まれた。ヴァジュラのころから引き継いだ自慢の鬣が燃えカスと化し、体中のあちこちが燃え始めた。まるでサーカスの火の輪潜りに失敗し体に引火した猛獣のようにヴァジュリスはもがきだした。元となったアラガミであるヴァジュラは、大型種に属するだけあって確かに強力なアラガミである。しかし、以外にも火・氷・神、そして自分の攻撃属性である雷さえも…すべての属性が弱点なのだ。一流のゴッドイーターとなっていけば、倒すことも決して不可能ではないのだ。

今なら、行ける!

ギンガは火だるまとなったヴァジュリスの方へ駈け出し、スライディング。ヴァジュリスの顎に向けて足を突出しすべりながら近づき、力一杯相手の顎を蹴り上げた。

顎を蹴り上げられて大きくのけぞるヴァジュリスに、さらなる追撃を加えようと、ギンガは即座に立ちあがり、光の剣〈ギンガセイバー〉を形成、すれ違いざまに…ヴァジュリスの体に一太刀浴びせた。

鋭い一撃をもらって、ヴァジュリスは立ち上がる力を失う。とどめを刺す!

〈ギンガクロスシュート!〉

「シュア!!」

L字型に組まれた右腕から発射した光線が、ヴァジュリスの体に激しい火花を起こした。爆発が起こり、体をえぐられたヴァジュリスの傷口からコアが露出された。

 

ギンガの正体を知って呆然としがちだったリンドウはそれを見て、我に返る。そうだ、コアの回収を急がなければ。すぐに遺体となったヴァジュリスに近づき、神機を捕食形態に切り替える。そして、露出されたヴァジュリスのコアを食わせた。

そのコアは、やはりこれまで現れた異常進化したアラガミたちと同じだった。コアは全く大きさが変化しておらず、回収できた素材も通常のアラガミと何一つ変わらない。今回手に入ったのも、ヴァジュラの素材だ。しかもレアものの素材は回収できていない。

「リンドウさん!」

すると、リンドウの背後から声が聞こえてきた。振り返るとそこにはいつの間にかユウが立っていた。

「新入り、お前…」

いつの間にか、ギンガの姿もなくなっていた。目を離している間に、変身を解いて元の姿に戻ったのだろう。こいつが…あの光の巨人の正体…ユウの姿とギンガの姿を見比べても、どうもにわかに信じがたかった。だが…真実だった。覆しようのない…。

「リンドウさん?もしかして…怒ってます?」

正体が実がバレてしまっていたことに気付いておらず。さっきから珍しく無言のリンドウを見て、ユウは少し恐る恐る尋ねる。ギンガに変身してヴァジュリスに対抗するためとはいえ、自分がほぼほぼ勝手なことをしてしまったことに変わりないことを自覚していた。

「…新入り…俺はお前に無茶しろだなんて命令は下してないぞ」

上官としてそのように口にしたリンドウだが、若干その声にはあまり覇気がない。そもそも覇気を感じさせる男ではないはずだが、それでも一部隊を率いるベテランゴッドイーターでもある。ギンガの正体を知って、まだ戸惑いが彼の心の中にあった。

「すみません…」

ユウは素直に謝るが、今後も同じ事態が起きたら今回のようなことをしないという保証は出来かねた。人の命を救える手段があるのなら、手遅れになる前に何とかしておきたい。誰でも考えそうで実行に移せないことができるからこそ、そうしたくなった。

『ユウ、安心している場合じゃないぞ!』

ユウの頭の中から、服の中に隠れていたタロウのテレパシーが入った。それを言われて、ユウはようやく思い出した。

そうだ、ギースは!?

 

 

「何をしているんだギース!そいつはもう動けない!早く捕食しろ!」

いつも任務の時に聞こえてくるはずの、頼もしい幼馴染の声も、今のギースの耳には全く入ってこなかった。

ただギースは、頭の中に湧き上がる怒りと殺意の感情に支配され、ただ目の前にいるアラガミをずたずたに引き裂いていく。グレイヴからその光景を映像で見えていた

なんともおぞましい光景にエリックも口元を抑えた。アラガミの血しぶきなど、この仕事をやっていると何度も目の当たりにするはずのもの。だが決して慣れていけるようなものでもない。

「う…」

新人のゴッドイーターの一部は、恐怖に駆られるあまり、死体となったアラガミに対しても神機を振るって暴れてしまうこともある。だが…禁忌種ほどの強敵を何度も相手にするチームに所属しているギースが、今更新人ゴッドイーターのような症状を起こすとは考えにくいとエリックは思った。

「ギース、ギース!もうやめて!!」

マルグリットが悲痛に叫ぶ。こんなギースの姿は見たくなかった。

ギースが、すでにこと切れたアマテラスのコアを神機で砕くと、その体を構成していたオラクル細胞が黒く霧散して消えて行った。

『…マリー…?』

その時、ようやくギースの声が聞こえてきた。しかしギース側の通信機が故障していたこともあって声だけはすぐに聞こえなくなり、きょろきょろと辺りを見渡すギースの姿が映る。どうやら、元の彼に戻ってくれたようだ。

 

 

ギースはあたりを見渡した。戦っていたはずのアマテラスは消滅し、ギンガもヴァジュリスの姿もない。自分が暴走していたことへの自覚もなく、その間の記憶もなかったようだ。

ユウとリンドウもちょうどそこへやって来た。禁忌種であるアマテラスの偏食場も、奴が消えた今気にすることもなかった。

暴れていたギースの姿を、ユウとタロウも見えていた。まるで、あの時のアリサのような、残酷な暴れようだった。

『元に戻ったみたいだが…いったいあれは…』

先ほどのギースの変貌ぶりはいったいなんだったのだろう。何か嫌な予感がしてならなかった。タロウでさえもこれは驚かされるばかりだった。

ただ…一つ気になることがあった。

(ギースの、あの首輪…)

イクスがギースに装備するように義務付けている、ニーベルング・リング。タロウはあの首輪がどうも怪しく感じていた。

 

リンドウもギースについて同じように考えていたが、同時にユウのことに対しても思うところがあった。それを指摘するべきか、頭の中で考えていた。

なぜ、ユウがウルトラマンギンガなのか。なぜ彼が人類の味方としてあの強大な力を持っておきながら、ゴッドイーターとしての役目を担うのか、どのような経緯であの力を手に入れたのか…。

(…今は、何も言わないままでいるべきだな)

リンドウはそのように判断した。下手にユウの正体のことを指摘して、彼を警戒させたくなかった。人には触れるべきでないところがある。それは…ヨハネスやサカキを見ていて学んだことだった。だが、様子を見ておくべきだと思った。

ギースの事も、ユウの事も…知らないふりをしつつ、じっくりと観察して判断することにした。

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。