仮面ライダー×仮面ライダー SAO大戦 作:BRAKER001
今回初小説なので、見づらい所等あったらすみません…
なお、SAOに入るのは2〜3話後です。
剣の帰還
「ご協力、感謝します。」
建物の中に2人の男性が立っていた。
「いや、私からも礼を言わせてもらおう。面白いものを見せてもらったからね」
1人は全身に白い服をまとった男性。
もう1人は白いロングコートに身を包んだ博士の用な男性だ。
「しかし惜しいものだ。君の様な人材こそ、我々が欲している人間なのだが……」
「その件については何度もお断りしたではありませんか。私にはやることがあるんです」
博士の様な男性がため息まじりに答える。
「フフッ、そうだったな。さて、全ての準備は整ったのだろう?」
「ええ、βテストも行いましたし、あとは始めるだけです」
「……あのプログラムは?」
白服の男性が博士の様な男性を見つめる。
「今のところ異常はみられません。もっともβテストで使われることはありませんでしたがね」
「そうか……まあ短期間で使えるものではないからな。手を加えたりはしてないだろう?」
「当然ですよ、あれだけの資金援助をしてもらった以上約束は守ります」
「物分りが良くて助かるよ」
「まぁゲームとしては面白いですし、むしろ私の目指しているものに近づくかもしれないですから」
ゴーン……ゴーン……
建物内に鐘の音が響く。
「おや、名残惜しいがそろそろ時間の様だ」
「そうですね。では、私も準備があるのでこれで」
「わざわざ来てもらって
すまなかったね。最後に君に会えてよかったよ。健闘を祈る」
博士のような男性は白服の男性に軽く頭を下げ、その場を後にした。
「はぁ、また戻って来ちゃったな……」
ため息まじりに呟く。
「あいつらにはもう会っちゃいけないって分かってたはずなのに」
あれからもう10年の月日が経っていた。
あの日から俺は、あいつに会わないために世界中を旅していた。何の計画も無く始めた旅だったが、それでも悪いものではなかった。
新しい出会い、初めての経験。何もかもが新鮮で、かけがえのない時間だった。
だが、それも長続きはしなかった。
この体の秘密を隠して過ごすには限界があった。長くて半年、早い時には数週間でその場を離れなければいけなくなった。
時にはそれでも俺を受け入れてくれる人もいた。だが、俺を庇った人は決まって俺を拒絶した周りの人間から孤立していった。そういう時は、俺は黙って姿を消した……
それでも、また新しいところに向かうのが楽しかった。たとえ同じことを繰り返すことになっても、俺は満足していた。
だが、ある時。あの事件がきっかけで俺は変わった。
俺は何者なんだろう。俺は何が出来るんだろう。
俺は、なぜ生きているのだろう……
自分の中で虚無感が渦巻いた。そして気づいたときには俺はこの地を踏みしめていたのだ。
「やっぱり落ち着くな、この国は」
長い月日が経ち、変わったところも多くある。
新しく大きな電波塔ができているし、昔よりも圧倒的にビルが増えた気がする。周りの人間がいじってるのはおそらく携帯なのだろうが、昔俺が使っていたタイプとは全く形が違う。
それでもやはりかつて自分が住んでいた国は安心する何かがあった。
「あまり長居はしたくないけど、少し最近のことを知りたいな……」
特になんの予定も立てていなかった俺はとりあえず散策を始めた。