俺の新たな高校生活と2人の姉妹   作:ブリザード

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さっきスランプとか言いましたけど、連投です。
電車の中で仕上げました。
ではどうぞ〜。
少し短いかも。


第34話 オウサマゲーム

「あ、舞子先輩。すいません、遅れてしまって。せっかく誘ってくれたのに」

 

「いいのいいの。気にしないで〜」

 

咲と喧嘩して数日。お互い家でも一言も話そうとせず気まずい空気が家に漂っていた。正直理沙姉に申し訳ない。そんなある日、俺は舞子先輩に誘われて、釣具店に行こうとしていた。

 

「にしても、翔太も誘ったんですよね?なんで来なかったんですか?」

 

「家族で旅行中らしいでござるよ」

 

「あー、それは仕方ないですね」

 

「さて、では、楽に電話を入れるとしよう」

 

「誘ってなかったんですか!?」

 

携帯電話を取り、一条先輩に電話を入れる舞子先輩。というかそういうことは事前に連絡を入れておくべきなんじゃ。

 

「よー、楽。今日暇?こないだ話してた釣具店行ってみたいって言ってたろ?今日あたりどう?…………旅行?って事は何かい、今日は羽姉ちゃんと家で2人っきりってわけかい?」

 

羽姉ちゃん?確か新しく凡矢里高校に来た先生で、一条先輩のクラスの担任なったっていう。年は離れてるけど一条先輩の幼馴染なんだっけ。俺も話でしか聞いてないけど。

 

「じゃ、また誘うよ。バイビー」

 

電話を切る。そして、悪い笑顔を作った舞子先輩は即効……というか打ち込む速度が見えないほどのスピードで携帯をタップしてメールを打ち込む。

 

「舞子先輩、いったい何し『ごめん、凪。予定変更だ』はい?」

 

「今から楽の家行くぞー。さぁ、いそげ!!」

 

「えっとー…………?」

 

よくわからないがとりあえず面白そうなので舞子先輩の指示に従うことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺たちが家に着くと玄関の前で一条先輩と物凄い美人の女性。それと見知った数人の女子が立っていた。

 

「えーと、たまたま近くに来たから寄ろうかなって」

 

桐崎先輩。なんというか、言い訳が適当すぎる。

 

「あっ、私もそれで」

 

小咲さん。今あっ、って言いましたよね。もう言い訳する気もないでしょ。

 

「私もだ」

 

鶫先輩もか。というか、みんなもう言い訳する気ないでしょ。適当すぎる。

 

「…………まぁよくわからんが、とにかく上がってくれ。今お茶でも『楽様ーーーー!!!』ん?」

 

「ご無事ですか?楽様!!」

 

「ん!!!?」

 

「フフ、この橘万里花の目が黒いうちはあなたの好きにはさせませんよ!誰があなたと楽様を2人っきりになど!」

 

「え?2人っきりってお前そんなどこで」

 

一条先輩がキョロキョロと周りを見渡すと、壁にもたれかかって決めポーズしている舞子先輩に気がついた。てめぇの仕業か、みたいな顔をしてる。

 

「小咲先輩も来てたんですね?」

 

「な、凪君!うん、そうなの!」

 

「?それより、ちょっとお願いがあるんですけど、舞子先輩がなんてメールを送って来たのか見せてくれませんか?」

 

「あ、うん。いいよー」

 

携帯を取り出して、舞子先輩が送って来たメールをを覗き込む。

 

『おっはよー!みんな大好き舞子集だよ!

突然だけど楽のやつ今日は家で羽姉ちゃんと2人っきりなんだって。いきなりなんの話なんだよって感じだね!

あ、でも、凪が今日楽の家に持って行くものがあるとかいってたから、2人っきりじゃないかも。

んじゃーねー!!』

 

あの人、何俺巻き込んで嘘ついてんだよ。

 

「はぁ、全く。あの人は……つっ!」

 

「!!??」

 

小咲さんの携帯を覗き込むようにみていた俺は顔を上げると、小咲さんの顔がくっつきそうなくらい近くにあった。

 

「うぁ…………」

 

「な、凪君……」

 

なんかいい匂いもするし、可愛いし。というかこんな近くで小咲さんの顔見るの初めてだし。もうここに誰もいなかったら絶対抱きしめてる。

 

「す、すいません!俺、すぐ離れないといけないのに!!」

 

「う、ううん、いいの。気にしないで。むしろ私も嬉しかったし」

 

「えっ?」

 

「あぁ!違うの違うの!今の忘れて!」

 

「は、はぁ」

 

なんで嬉しかったんだろ?でも、嫌だと思われてないだけいいか。てかどうして宮本先輩は小咲さんに親指たててるんですか。何がグッジョブなんですか?

 

「とりあえず入ってくれ。立たせてるのも悪いし」

 

そう言われてみんな家に入って行く。俺もそれに続いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、なんでこんなことに」

 

少し早い昼ごはんを羽先生が作ってくれた餃子を食べて何をしようとかと考えたところ、舞子先輩の提案で王様ゲームをすることになった。並び順は楽先輩から右に舞子先輩、橘先輩、俺、小咲さん、宮本先輩、桐崎先輩、鶫先輩、羽先生の順で。

 

「考えようによっちゃチャンスなのよ、あなたは」

 

「そんなこと言われても」

 

「隣にいるんだし、もっとくっつきなさい。黒崎君は風と付き合ってるんだし、誰も変に思わないわ」

 

「で、でも、緊張する!」

 

隣で何話してるんだ?なんで俺の話が?

 

「えーっと、じゃあ最初の王様は……桐崎さんだ」

 

「……じゃあ、2番が6番の頭を撫でる、とかどう?まぁ最初だし」

 

無難だな。俺の番号は……4番。違うな。

 

「2番……つったら俺だな」

 

「わーい、私6番」

 

2番、一条先輩。6番、羽先生。羽先生すごく嬉しそうだな。そんなに一条先輩のことがいいのかな?

 

「えーっと、次の王様は」

 

「あ、私です!」

 

(うーんでもどうしよう、下手に命令したら凪君がさっきみたいな目に合うかもだし。あ、でも、王様に何かする系なら、凪君が何かされるのは防げるよね。無難過ぎない命令ってひざまくらかな?)

 

「えーっと、じゃあ。3番の人が王様に……」

 

(あ、でも、もしも相手が一条君だったら?舞子君もいるんだし、いやでも相手が凪君なら嬉しいし。どうしよう…………でも、このままなのもあれだし…………)

 

今一瞬小咲さんが俺の方を見た気がする。というか、3番って俺なんだよな。変な命令しなければいいんだけど。まぁ、小咲さんに限ってそんなことはないよね。

 

(あー、どうすれば……ひざまくら以外に何か……あ、そうだ!!)

 

「次の命令が終わるまで3番の人は王様と手を繋ぐ!!」

 

「お、いいね〜。3番の人はだーれ?」

 

(これなら多分大丈夫。ひざまくらは大胆すぎるし、握手だったらなんというか味気ないし。うん、これなら)

 

「3番、俺です」

 

「えぇっ!!??」

 

「お、凪か。ざんねんだったな、楽〜」

 

「うるせえ!!」

 

一条先輩。本当にすいません。というか、小咲さんにしては少し大胆な命令な気がするな。

 

「はいはい。手繋いで〜」

 

「う、うん。じゃあ、ごめんね、凪君」

 

「い、いえ。こちらこそ、すいません」

 

お互いに顔を赤くしながらも、互いに手を握り合う。今までも何度か手を握っているのにやっぱり緊張するんだな。周りからの視線もなんだか痛いし。

 

「凪ー、風ちゃんという彼女がいるのになんで罪深いやつなんだ」

 

「し、仕方ないでしょ!こういうゲームなんですかね?」

 

「ご、ごめんね。凪君」

 

「いえ、こんなの運みたいなもんですし、気にしてないですよ。小咲さんも気にしないで下さいね」

 

(凪君でよかった……やったよ、るりちゃん!)

 

(まぁ、褒めてあげるわ、小咲)

 

とまぁ、こんな感じで続いていく王様ゲーム。橘先輩が王様になって、鶫先輩とチューしかけたり。鶫先輩が泣き出して免除になったが。羽先生が舞子先輩と橘さんの好きな人を聞いたり。舞子先輩は好きな人を宮本先輩以外の名を上げ、宮本先輩に何故自分だけ名前が呼ばれないのかと殴られたりしたが。

 

「じゃあ次だな、王様だーれ?」

 

「私ね」

 

「お、るりちゃんか〜。どんな命令をしてくれるのか楽しみだね〜」

 

「王様が3番を殴る、でいいかしら?」

 

「え……なんで俺の番号わかったの」

 

「勘よ。まぁそれは冗談として。そうね、じゃあ私もさっきのように………2番が王様にだけ好きな人を教えてもらおうかしら」

 

「えっ………………?」

 

2番って俺ですよ?

 




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