俺の新たな高校生活と2人の姉妹   作:ブリザード

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第32話です。お久しぶりですね。
バイト忙しくて時間取るの大変です。
今回タイトルは少し適当です。おもいつかなくて……
では、どうぞ〜


第32話 兄をアイスルあまり

「いや、いきなり入って来てなに言ってんだ?てか、なんでここにいるんだよ」

 

「お兄ちゃんが今日バイトって言ってたからつけて来たの。そんなことより、私は小野寺先輩たちに話があるの!」

 

いきなり店に入って来てズカズカと小咲さんと春に迫る。2人は若干引いていた。

 

「小野寺先輩!」

 

「「は、はい?」」

 

「お兄ちゃんの事どう思ってるんですか?」

 

「え?」

 

「どう思ってるって?」

 

2人は意味がわからないという顔をしている。それはそうだろう。いきなり俺のことどう思ってるとか聞かれても答えられないだろう。

 

「もちろん、お兄ちゃんの事好きなんですか?」

 

こいついきなりなんてこと聞くんだ。だいたい2人が俺のこと好きなんてことあるわけがないのに。

 

「な、ななな凪くんのこと、好きって?」

 

「べべべ別に私は、凪のことなんてなんとも」

 

あれ、2人とも顔を真っ赤にして焦ってる。

 

「ほんとですか?怪しいです」

 

「た、確かに凪は優しいし、気配りもできるし、頼りになるし、いい友達だよ?鈍感だけど」

 

「うん、春のいう通り。凪君は私の命を2度も救ってくれた命の恩人だし、私のために色々してくれたりしてくれるいい後輩だよ?鈍感だけど」

 

あれ、なんだろう。すごくいい事言われて褒められてるはずなのにこの脱力感。2人にも鈍感って思われてたんだ……

 

「2人の言うとおりお兄ちゃんは優しいし、頼りになります!鈍感だけど」

 

妹にも鈍感言われた。これ俺帰っていいかな?こんなにディスられて、帰っていいよな?確かにそれ事実だけど。

 

「でも!そんなお兄ちゃんの優しさに2人はポロリと落ちたんじゃないですか?そして、風さんと付き合いだしたお兄ちゃんを奪い取ろうとしてるんじゃないんですか?」

 

「咲!そんな失礼なこと言うな!小咲さんも春もそんなことする人じゃない!ですよね、2人とも?…………………ってなんでそんなに目そらしてるんですか」

 

明らかに俺と目を合わそうとしない2人。まさか本当に奪おうとしてるんじゃないんですよね?

 

「とにかく!私の目が黒いうちはお兄ちゃんをお2人に渡しませんから!」

 

「いや咲、渡さないって……2人は俺のことそういう感じで見てるんじゃないから」

 

「お兄ちゃんは甘いんだよ!だいたいそんなのわからないでしょ!お兄ちゃん鈍感だし!お兄ちゃんは風さんのことを第一に考えたらいいの!」

 

「なんだよ。鈍感鈍感って!俺だってこの前涼と色々話しした時に鈍感って自分で気づいたんだよ!」

 

「「「えっ!?そうなの!?」」」

 

「なんで3人ともそんなに驚いた態度取るんですかね!!?」

 

もう俺挫けちゃいそう。いろんな意味で。

 

「だいたいなんでお前が俺のバイトについてきてんだよ!お前この前からちょっと変だぞ!」

 

「変なのはお兄ちゃんの方だよ!風さんと付き合ったくせに他の女の子にデレデレして!それでも風さんの彼女なの!?」

 

「で、デレデレなんかしてねえよ!てか、いちいち俺を監視にしにくるな!お前は俺のお母さんか!!」

 

「妹だよ!」

 

「知ってるよ!!あぁもう腹立ってきた!」

 

「あの、2人とも。喧嘩は……」

 

小咲さんが俺たちの喧嘩を止めようとするが、ここまできたら止まれない。もう言いたい事は全部言う。

 

「俺はこの前のこと悪いとか思ってねえからな。俺がしたいからそうしただけだ。涼は彼女。春と小咲さんは仲のいい親友と先輩。確かに周りから見たら涼を大事にする事が正しいけど、俺からしたら2人だって大事だ。ほっとけない人だ。感謝したい人だ。いつも世話になってるからそれを感謝の気持ちとして返したかった。だからあの時俺は大学いもを作ったんだよ!」

 

「なにそれ!そんなのどうせお兄ちゃんが小野寺先輩たちがすこし可愛いからって思って、それで気にしてるだけでしょ!風さんだって可愛いのにそれをほったらかして。だいたい付き合ってるのになんでお兄ちゃんは風さんのことを全然気にしてないの!?彼女だよ彼女!意味わからない!」

 

「なんでお前が俺にそんな涼のことでどやかく言われねえといけねえんだよ。付き合ったからってどうするかは俺の勝手だろうが!俺と涼がしたいようにすればいいだけだろ。涼がしたい事、して欲しい事に俺が付き合う。逆に俺がしたい事、して欲しい事にあいつが付き合う。それでいいじゃねえか。お前に俺と涼の事を言われる筋合いはない!!」

 

「なにさ!お兄ちゃん、中学の頃全然友達いなかったくせに。知ってるよ私。たまに涼に会いたいな〜、って呟いてたの!それなのに今はどうなのさ。ちょーっと可愛い友達と先輩が出来たからってそっちの方にコロッといちゃってさ。彼女出来たにもかかわらずお兄ちゃん全然気にしてない。そんなのただのろくでなしでしょ!」

 

「中学の頃は関係ねえだろ!あとお前の話は俺の話と脱線してる!」

 

「もう!ばかばかばか!!お兄ちゃんのばか!」

 

「なにも言えなくなったからってそんなにバカバカ言うんじゃねえよ!!」

 

「うっさい。お兄ちゃんの女たらし!」

 

「誰が女たらしだ、このブラコン!」

 

「ブラコンは自分で認めてるもん。鈍感バカ!」

 

「鈍感バカってなんだよ!鈍感は認めるがバカは認めねえぞ、風信者が!」

 

「風さんの信頼しててなにが悪いのさ!友達少ないダメ人間!!」

 

「少ないけど友達いるわ!!お前こそ友達いないんじゃねえのか?学校でもそんだけブラコン全開だもんな!」

 

「私だって友達くらい『いい加減うるさいわ!!喧嘩なら外でやりなさい!!!』」

 

いきなりの怒号で俺と咲の言い合いがピタッと止まる。声の方に向くと小野寺さんが鬼が怒ったような顏でこっちを睨んでいた。

 

「こっちは仕事で忙しいの!なにがあんのか知らないけど仕事なら外でやれ!!」

 

「「す、すいません……」」

 

あまりの形相に俺も咲もあっさり謝ってしまった。

 

「で、誰この子?」

 

「俺の妹です……超絶ブラコンの」

 

「どうもいつもこの『ダメ』兄がお世話になってます。この『ダメ』兄の妹の黒崎咲です」

 

明らかにこいつダメを強調してやがる。めっちゃ腹立つな。

 

「ふーん……喧嘩の原因は?」

 

「まぁ家の事とか、学校の事とか、すこし色々」

 

「なるほどねぇ………………よし。小咲、春。あなたたちもう仕事終わっていいわよ」

 

「「えっ!?」」

 

「その代わり、あんたらの部屋で凪君が仕事終わるまでこの子の面倒見てあげなさい」

 

「「「へっ?」」」

 

「いや、小野寺さん。それは申し訳『こっちは私と凪君だけでもどうとでもなるから。じゃあよろしく〜』ちょっと!!」

 

いきなりの小野寺さん乱入により、咲とその咲がすごく嫌ってる春と小咲さん3人が時間を潰すことになってしまった。これ大丈夫なのか?

 

凪side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

春side

 

「あの、お菓子食べる?和菓子だけど」

 

「別にいいです。お腹すいてないんで」

 

「じゃあ飲み物は?冷たいジュースいっぱいあるよ?」

 

「別にいいです。気分じゃないので」

 

「そ、そう……」

 

((…………どうしよう。物凄く気まずい))

 

今お姉ちゃんとの思考がシンクロした気がする。お母さんも無茶だよ。事情を知らないとはいえ咲ちゃん、私たちの事すごく目の敵にしてるのに…………

 

「それより、小野寺先輩」

 

「その小野寺先輩っていうのはちょっとやめて欲しいかな?私たち2人とも小野寺先輩だし。できれば名前で呼んで?私が春で。こっちがお姉ちゃんの小咲」

 

「……………………春先輩。小咲先輩」

 

今すごい間があった!そんなに私たちの事名前で呼びたくないの!?

 

「さっきも聞きましたけど。お兄ちゃんの事、どう思ってるんですか?」

 

「どうって言われても……その……」

 

「好きなんですか?嫌いなんですか?」

 

「えと………」

 

困ったお姉ちゃんは私にアイコンタクトを送ってくる。

 

(どうしよう、春!?)

 

(どうって……正直に答えるのがいいんじゃないかな?)

 

(でも、そんなの咲ちゃんが知ったら余計に……)

 

(かといっても凪君の妹に嘘つくわけにはいかないよ!)

 

(確かに……)

 

お姉ちゃんは納得すると深呼吸する。心を落ち着けてるんだろうな。

 

「私は凪君の事…………好きでしゅ」

 

「ここで噛むの、お姉ちゃん!?」

 

「だって緊張して…………」

 

「その好きは恋愛的にですか?」

 

「「スルー!?」」

 

やっぱり咲ちゃん、凪君の事しか見れてないみたい。他の事はどうでもいいみたいな。

 

「う、うん。そうだよ」

 

「それは春先輩もですか?」

 

「え?う、うん。そう」

 

「わかりました」

 

返事をすると咲ちゃんは立ち上がってドアの方へ向かおうとする。

 

「えっと、どこ行くの?」

 

「お兄ちゃんのところです。2人はお兄ちゃんの事恋愛的に好きなんだって言ってきます」

 

「「え…………ちょっと待って!!」」

 

絶対言って欲しくない事を言いに行こうとする咲ちゃんに飛びついてドアを開けるのを止める私たち。

 

「は、はなしてください!お兄ちゃんは風さんと付き合ってるんです!お兄ちゃんに潔く振って貰えばお2人も楽でしょうから!!」

 

「ダメ!それだけはダメ!」

 

「そうだよ!絶対にダメ!」

 

「離してくださいぃ!!」

 

体を掴んで離さない私たちを振り払おうとする咲ちゃん。これだけは絶対伝えさせては行けない。

 

「私はお兄ちゃんが大事なんです!お兄ちゃんの恋路を邪魔する女は誰であろうと許しません!!」

 

「ちょ、ちょっと待って。一旦話し合おう」

 

「そうだよ。それに凪にいきなりそんなこと伝えたら、逆に凪が困るんじゃないかな?」

 

「………………確かにそうかもしれません」

 

説得すると咲ちゃんはおとなしく座った。そんな咲ちゃんを見て親指をグッと立てる。

 

「そ、それより私たち咲ちゃんともっと仲良くなりたいな、って思ってるんだけど?」

 

「嫌です。私はお2人とはなるべく話したくありません。特に小咲先輩はお兄ちゃんのこと押し倒してた事あるので嫌です」

 

「え、何それお姉ちゃん!私そんな話初めて聞いたよ!?」

 

「ご、誤解だよ!凪君の看病に行った時にその、私が正座してたら足しびれちゃって。そのままたとうとしたら足がよろけて、凪君が寝てる方に…………」

 

顔を真っ赤にして頭をブンブン横に振りながら説明するお姉ちゃん。でも、その話が本当なら…………

 

「どうせそれも狙ってした事なんでしょう?お兄ちゃんをその時から狙ってたんでしょ!」

 

「ち、違う。本当に違うの!!あれは前に命助けてもらったお礼にって!」

 

「……………まぁ、いいです」

 

お姉ちゃんはホッ、とため息をついた。

 

「少し聞いてもいいかな?なんで、咲ちゃんはそんなに凪のことが好きなの?」

 

「なんで、って言われても。妹が兄を愛するのは当然のことですよ?」

 

「いや、そういうことじゃなくて、凪のどこをそんなに好きになったのかなって」

 

「全部ですよ?」

 

「いや、あの…………もういいや」

 

なんだろう。この子は本当に話が通じない。凪のこと好きすぎるせいなのかな?

 

「まぁ、でもさっきお兄ちゃんに友達少ないとか言ったのも私のせいだったんですけどね」

 

「「えっ?」」

 

「……少し私の昔話をしましょう」

 

あれ、誰も頼んでもないのに勝手に昔話を始め出しちゃった!?

 

「あれは私が小学校の頃……」




どうでしたか?
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