俺の新たな高校生活と2人の姉妹   作:ブリザード

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31話です。
オリキャラ同士のことなんですが、凪と妹の咲を絡ませるの、私好きなんですよね〜。
ということで、原作に戻ったと思いきや今回からまたオリ話です。
理由は羽先生との絡みが思いつかないからです。その辺の話は2年生との絡みばかりですからね。
ということで、どうぞ〜


第31話 ヒサビサの兄妹喧嘩

夏休みも終わり、新学期が始まった。あれから夏休みの宿題も無事に終わり、一条先輩も盲腸を無事に治して新学期を迎えることができた。

 

「今日新しい先生が来たの。で、その人が一条君の幼馴染なんだって〜」

 

「へぇ、その人美人なの、お姉ちゃん?」

 

相変わらず俺は『おのでら』でバイトを続けている。春とも小咲さんとも色々あったけど、ここのバイトは好きなのでなんだかんだで続いてる。

 

「うん。凄く美人な人だよ。しかも、凄く授業が上手なの。色々飛び級してたんだって。あ、でも一条君とは二つしか歳違わないって言ってた」

 

「へぇ〜、どんな人なんだろ。私も会ってみたいな〜」

 

「俺も会ってみたいですね。小咲さんの新たなライバル登場なんじゃないんですか?」

 

「そんなんじゃないよ〜。もう、凪君は何かと一条君の事を私と結びつけて。それに羽先生は先生なんだよ。そんなことあるわけないよ」

 

「……それもそうですね」

 

でも、もしその先生が一条先輩の事好きだったら…………それこそ最大のライバル登場なんじゃないのか?

 

「にしても、今日も暇だね〜」

 

「そうですね……あ、せっかくですから俺がこの前作った和菓子。また作ってみたんで食べてみてくださいよ。この前何故か知らないですけど、小咲さん、食べてくれなかったじゃないですか」

 

「あー…………うん、ちょっと色々あって。じゃあもらおうかな?」

 

「はい。じゃあこれどうぞ。春も食べる?」

 

「うん!食べる食べる!」

 

用意していた和菓子を小咲さんも春に渡す。2人はそれを素手で口に入れた。

 

「う〜ん!やっぱり美味しいね」

 

「うん。美味しいよ。でももうちょっと栗の良さを活かせたらいいんじゃないかな?」

 

「栗の良さ……ですか。わかりました。また作るときに試してみます。にしても、そんな細かな味がわかるのになんで料理できないんですか?」

 

「それは私もなんでか。というか、前にもこんな話春としたような……」

 

変なもの入れたりとかしない限り、味音痴ではない小咲さんが作っても変なものできないはずなんだけど。

 

「…………そういえば、小咲さんの好きな食べ物ってなんですか?」

 

「好きな食べ物?私の?」

 

「はい。聞いた事ないなって思って。春は和菓子が好きって知ってるのに」

 

「うーん……私も和菓子は好きだけど、一番好きなのはやっぱり大学いもかな?」

 

「大学いもですか?作った事ないですね……」

 

大学いも。確か咲も好きだった気がするけど……買ってくることはあったけど、作ったことはない。

 

「うん。美味しいんだよ、大学いも!」

 

「そ、そうなんですか」

 

小咲さんが目をキラキラさせて言ってくる。これはあれなのかな?作れるなら作って来て欲しいみたいな。

 

「うーん……じゃあ次バイトの時に作って来ますね。せっかくですから、いつもお世話になってるお返しに」

 

「えっ!?ホント!?」

 

「はい。味は期待しないでくれるとありがたいですけど」

 

「凪君が作るんだもん!きっと美味しいよ。ね、春?」

 

「うん……そうだねお姉ちゃん」

 

あれ、なんか春が不安そうな顔をしている。私には作って来てくれないのかな、みたいな顔をしてる。

 

「…………心配しなくても春にも作ってくるよ」

 

「ほんと!?ありがとう凪〜」

 

「あぁ。期待はしないでくれな」

 

「大丈夫!凪ならきっと美味しいのがつくれるよ!」

 

「だといいんだけど」

 

次のバイトは2日後。時間は少ないけど、なるべく美味しいのをつくれるように頑張らないと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて。とりあえず材料は買って来たけど」

 

どうやって作るんだろう。まずはネットで作り方を参考にしないと……

 

「あれ、お兄ちゃん?何してるの?」

 

「咲か?ちょっと大学いも作ろうかなって思って。それを調べてた」

 

「大学いも!?もしかして私のために!?」

 

「ん?まぁ、そうだな。咲も大学いも好きだし、良かったら味見してくれるか?」

 

「もちろんだよー!!お兄ちゃん大好き!!」

 

そう言って春は俺に抱きついてくる。本当に好きなんだな。大学いも。

 

「はいはい、わかったから。とりあえずそんなにくっついてたら作れないから、少し離れてくれるか?」

 

「はーい!」

 

咲は俺から離れてニコニコしている。かわいいな……こんなニコニコの笑顔できるんだから、咲ってもしかしたらモテるんじゃないのか?

 

「なぁ、咲?」

 

「なに?お兄ちゃん?」

 

「お前って告白とかされたことあるのか?」

 

「告白?うん。何回かあるよ。私以外とモテるんだ〜。新学期始まった初日にもされたし」

 

「え………………」

 

びっくりして持っていたサツマイモを危うく落としそうになる。

 

「マジ?」

 

「うん。でもなんで?…………あ、もしかしてお兄ちゃん私の将来の心配してくれてるの?お兄ちゃん、やっぱり優しいな〜」

 

作業を続けながら咲の話を聞く。てか、どんだけ俺のこと好きなんだよ。この妹は。

 

「ちなみに、付き合ったりは?……ってないか。お前俺にゾッコンだもんな」

 

「うん。告白されても、無理だって断ってる」

 

「へぇ、なんて?」

 

「私には将来結婚する予定の大好きなお兄ちゃんがいるから無理だって」

 

「はぁ!?って危なっ!」

 

今度は包丁で指を切りそうになる。てかなんて断りしてんだよ。

 

「お前、それ完璧ブラコンだと思われてるだろ」

 

「うん。もう学校中に広まってるかも」

 

「…………俺、お前の将来が心配なってきた」

 

「大丈夫だよ〜。私はお兄ちゃんとずーっと一緒に暮らすから」

 

「いや、流石にそれは困る」

 

「どうして?…………あ、風さんとの営みは邪魔しないから心配しなくてもいいよ。なんたって風さんはお兄ちゃんの彼女だもんね」

 

「そういう問題じゃねえよ!!俺が言ってんのはお前に男なんてできないんじゃねえかって話だ!」

 

こんなにブラコンなのなら絶対将来彼氏なんてできないんだろうな。どうにかして俺から離れさせないと。

 

「大丈夫だよー。私には将来に決めた凪お兄ちゃんっていう彼氏がいるんだもん」

 

「彼氏じゃねえよ!お前は俺の妹だ!」

 

「妹だろうが家族だろうが愛はそれをすべき吹き飛ばすんだよ。だから大丈夫」

 

「大丈夫、じゃねえよ!法律上無理に決まってるだろ!」

 

「私は法律なんて城壁。ものともしないよ」

 

「どこの人間だ!!」

 

「黒崎家の末っ子です」

 

「知ってるわ!!」

 

あー、ダメだ。頭痛くなって来た。作業してるけど、こんな感じでいいのかな?

 

「咲、俺のどこがいいんだよ」

 

「全部」

 

「即答かよ!」

 

「私の唯一のお兄ちゃんだもん」

 

「そうかい」

 

でも俺はこんなに愛されて実は幸せ者なのかもしれない。そう考えるとちょっと嬉しい。

 

「…………よし、こんなもんかな?」

 

「うわ〜、美味しそう!!」

 

「味見してくれるか?」

 

「もちろん!!」

 

咲は箸で大学いもを一つ掴み口に入れる。

 

「あつっ…………美味しい!!」

 

「本当か?」

 

「うん!これなら風さんもきっとイチコロだよ!!」

 

「ん?これ涼のために作ってるんじゃないぞ?」

 

「え、じゃあ誰のため?」

 

「小咲さんと春」

 

2人の名前はあげると咲は固まった。そして数秒経った後に俺に質問してくる。

 

「……………………なんで?」

 

「なんでって、バイトでいつもお世話になってるから」

 

「いや、彼女の風さんには作らなくて、バイトで同じの小野寺さんたちに作るの?」

 

「ん、まぁ、そうなるな」

 

そう言うと咲はあからさまに不機嫌になった。見てわかる。絶対こいつ怒ってる。そういえば、咲って小咲さんの事敵対視してるんだったっけ。

 

「私そんなの絶対認めないよ!!せめて、風さんにもこれ作ってあげないとお兄ちゃんと絶交する!!」

 

「はぁ!?」

 

さっきまでお兄ちゃん大好き!とか言ってた人間がいきなりの変わりようで驚く。絶交って……

 

「いや、なんでそうなる」

 

「風さんはお兄ちゃんの彼女なんだよ!それを差し置いて小野寺さんたちに作るなんて私認めない!!」

 

「いや、涼には別のものあげればいいじゃん。あいつの1番の好物」

 

私にとって1番の好物は凪君だよー、とかあいつなら言いそうだけど。

 

「ダメ!絶対ダメ!」

 

「なんでそんなに怒るんだよ」

 

「そりゃ怒るよ!いくらお兄ちゃんでも怒る!」

 

「いや、意味わかんねえ」

 

「意味わからないのはこっちだよ!お兄ちゃんのバカ!」

 

その言葉に俺もカチンときてしまった。咲の言うことも一理あるのは理解できるけど、それでも何故かカチンときた。

 

「バカってなんだよ!いいだろ別に俺が誰に何を作ろうとかなんて!」

 

「ダメ!お兄ちゃんは風さんのことを1番に考えてあげないといけないの!」

 

「意味わかんねえ。涼には違うもの作ってあげればいいって言ってるじゃねえか」

 

「お兄ちゃんは何もわかってない!!」

 

「何がだよ!確かに咲が言ってることもわかるぞ。涼に何か作らないと不公平だもんな。でも、今回はあの2人に作ってあげるってだけじゃねえか!」

 

「風さんはお兄ちゃんの事好きなんだよ!1番に考えて欲しいって思ってるはずだよ!だから絶対そうするべき!」

 

「でも、どうするかは俺が決める事だろ!」

 

「そういう事じゃないの!なんでわからないの!!」

 

「そっちこそなんで理解してくれないんだよ!俺の自由にさせろよ!」

 

「つっ!………………もういい!お兄ちゃんのわからず屋!鈍感!バカー!!!」

 

咲は俺を突き飛ばすとそのまま走って台所を出て行った。なんだよそれ……どうするかなんて俺が決める事だろ。

 

「…………どうかしたか?さっき咲が泣いて自分の部屋に入って行ったけど」

 

咲と入れ違いになるように姉貴が台所に入ってきた。姉貴は冷蔵庫の中に入ってるジュースをとって俺の前までやってきた。

 

「いや…………なんでもない。ちょっと言い争いになっただけだ」

 

「ふーん………まぁいいけど。面倒なことにはするなよ。てか私を巻き込むなよ?」

 

「あぁ。わかってる」

 

そういえば咲と喧嘩なんてするのいつぶりだろ。もうずいぶん前のことだった気がする。

 

「…………それ一つ食べてもいいか?」

 

「ん?あぁ。いいよ」

 

「…………うまいな。でももうちょい甘くてもいいんじゃないか?」

 

「そうかな?アドバイスありがとう」

 

「ん。…………凪」

 

「なに?」

 

「お前は今悩んでることは知ってるけど、それを咲にぶつけるなんて事するなよ」

 

「いや、俺別にそんな事してない」

 

してないはずだ。確かに今の彼女は涼だけど、お世話になってる人にこうして何かを作るのは悪い事じゃないはずだ。

 

「お前がそう思っても、周りがどう思うかなんてものは違うだろ?少なくとも咲はショックを受けた」

 

「違う!あれは咲が!」

 

「そうやって人のせいにするのもやめろ」

 

「うっ…………」

 

なんで姉貴は咲の味方をするんだよ。俺も悪いとこあったかもだけど、あいつも悪いとこがあったはずなのに。

 

「とにかく早く仲直りしろよ。私はもう寝るから」

 

「あぁ」

 

姉貴はそう言って台所を出て行った。いいじゃねえか。俺が誰になにを作ったって。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2日後

 

「はい、小咲さん、春。これ約束の大学いもです」

 

2日後。姉貴にもらったアドバイスを参考にして作った大学いもを2人に渡す。

 

「わ〜、ありがとう凪君!」

 

「ありがとう凪!食べてみていいかな?」

 

「おう。大丈夫だぞ」

 

そう言うと2人は顔を輝かせてタッパーの蓋をあける。

 

「美味しそう!」

 

「いただきまーす」

 

2人は爪楊枝で一切れとってそれを口に入れる。

 

「ん〜、美味しい!!」

 

「ホントホント!初めて作ったとは思えない美味しさだよ、凪!」

 

「ありがとうございます」

 

結局あれから咲とは仲直りできていない。家で顔を合わせても咲が顔を背けて俺と話そうとしない。

 

「でもよかったです。2人の口にあって」

 

「うん。本当に美味しいもん!また作ってきてね?」

 

「はい、もちろんです」

 

小咲さんが食べるたびに幸せそうな顔をする。これだけ喜んでもらえたなら俺も嬉しい。でも…………

 

「あの、小咲さん、春。ちょっと聞いてもらってもいいですか?」

 

「ん?どうしたの?」

 

「実は…………ちょっと相談したいことが」

 

「凪が?私に力になれるならなんでも聞くよ!!」

 

「ありがとう春。実は……」

 

話そうとするとお店の扉が開いた。どうやらお客さんが来たようだ。

 

「いらっしゃいませー…………って咲!?」

 

「咲ちゃん!?」

 

「確か凪の妹の?」

 

扉から入って来たのは凡矢里中学校の制服を来た咲だった。なんでここに?

 

「あの、小野寺さん」

 

「「はい?」」

 

「私と風さんのお兄ちゃんを取らないでください!!お兄ちゃんは私と風さんの物なんだから!!」

 

「は…………?」

 

「「「はああぁぁぁぁ!!??」」」




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お気に入りも増えましたし!
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